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記事一覧

UN BANC, UN ARBRE, UNE RUE ( SEVERINE ) 1971

10c36d92.jpgKarina の優勝を阻んだ1970年のユーロビジョンコンテストグランプリは、"Un banc, un arbre, une rue"を歌った Severine。疾走する歌メロは大空に飛び出すハンググライダーのように爽快、70年代の幕開けに相応しい曲として選ばれたのだろう。Severineはモナコ代表として出場しているが、フランスの歌手。彼女はフランシスレイが音楽を担当したフランス映画で日本でも大ヒットした「雨の訪問者」や「さらば夏の日」などの主題歌(公式サントラ盤)も歌っている。アラン・ドロンやらカトリーヌ・ドヌーヴなど人気俳優目白押し、フランス映画が大人気の時代だ。Severineが歌う「さらば夏の日」サントラシングルも日本全国の中古レコード店にゴロゴロと転がってたりするのだが、実はそのB面が凄い。なんとオルガンプログレロックバンド「レアバード」の大ヒット曲「シンパシー」をフランス語で歌っていたりするのだ。詩は恋愛を歌った別モノのようだが、曲は紛れも無く「シンパシー」。「鳳凰」ジャケットのファースト再発CDを買った元プログレ少年達よ、さあ近所の中古レコード屋のサントラEPコーナーに走れ走れ!(笑) 透き通った高音がきれいなロリ声フランス語で歌っているのでそういう趣味の人もマークした方が良いのかも知れない。(爆笑) Severine は Celeine 名で67年にレコードデビュー。71年頃まではフランスを中心に活動しており、前出の映画主題歌や「恋は水色」のカヴァーなどモンドラウンジ系のみなさんが喜びそうな録音がいくつか残されている。ユーロビジョンで優勝して以降はフランス本国よりもドイツでの活動が多かったようで、たくさんのドイツ語レコードがリリースされている。56歳になった現在でも歌っていて北欧のレーヴェルからオリジナルCDも発売されている。声はすっかりとおば※ちゃんだが、"Nur wenn Menschen sich versteh'n" で聴かれるハスキーな低音は、美空ひばりの「川の流れのように」のようでそれなりの魅力が溢れている。2002年に Yvon Chategner から発売されたかつての代表曲を再演したライブ2枚組CDの中で"Un banc, un arbre, une rue" をハスキーな声で歌う Severine と聴衆との大合唱を聴くと、彼女が今でも多くの人々から愛されてる様子が伺えて暖かい気持ちになってくる。

褒め殺し書簡

Amazon.co.jpは、衆議院文部科学委員会委員長および各委員に宛てた「著作権法改正の件」と題する書簡をウェブサイトで公開した。その内容はまさに褒め殺し書簡。法人がこのようなスパイスの効いた書簡を出すことは極めて異例だ。アマゾンが成立した法案を如何に腹の底から疑ってかかっているかが伺い知れて興味深い。
 
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/feature/-/531901/249-4272493-8104323

実はタワーやHMVで売られている直輸入盤ってのは5大メジャー傘下の日本のレコード会社やその関連会社が輸入しているものだ。輸入盤と云えども日本のレコード会社が介在してる商品なのだ。それに対し、アマゾンの輸入盤は平行輸入。海外で(おそらくはAmazom.comが)買い付けたものを輸入している。その違いが危機感となって表れたといえる。監視すべき対象はタワーやHMVの輸入盤CDではないのだ。日本のレコード会社の息のかかった輸入盤がタワーやHMVに並び何事も無かったかのような状態の中、アマゾンがひっそりと輸入CDの扱いを取りやめる日が来るかも知れない。素人を騙すのは簡単。しかし、この道?十年、筋金入りの音楽愛好家は騙されないよ。アマゾンの褒め殺し書簡は、私達にそのサインを送ってくれた。

次は中古盤規制

知財族の暴走は止まらない。謎工氏が、5月27日日に首相官邸で行われた「第8回知的財産戦略本部」の会合で、金子一義(行政改革・構造改革特区担当)大臣
(自民党:堀内派/比例・東海/当選6回)が、「コンテンツ産業について、今、法律を議論してもらっているんですけれども、この中で、やはりゲームソフトの問題で、中古流通市場がいびつな形なので、産業としてなかなか育っていかないと。これは既存の法律の枠組みでは難しいと思いますので、是非枠を越えて。経産省もこれ受けてくださいよ。経済産業省、おられるかと思いますけれども、是非お願いします。 」と発言している点にチェックを入れている。

http://blog.melma.com/00089025/20040607

法の枠を超えてとはどういうことなのか? それは以下の判例を読めばわかる。

http://civilpro.law.kansai-u.ac.jp/kurita/casebook/heisei/14/h140425supreme2.html

これは、家庭用テレビゲーム機用ソフトの中古品販売業者による中古品の公衆への譲渡が著作権侵害に当たらないとされた判例だが、要はこの判例を無視しろと金子大臣は云っているのだ。知財族が中古規制を狙っているのがよく判る。輸入盤規制の後は中古盤規制なのか。やりきれない。中古盤屋のオヤジに知らせねば・・・。

レコード会社不要プロジェクト

フランスのカンヌで行われた音楽見本市「MIDEM」で、ピーター・ゲイブリエルがレコード・レーベルを仲介しない新しい音楽発表の場としてMagnificent Union of Digitally Downloading Artists(略してMUDDA)をブライアン・イーノらと立ち上げる事を発表した。これは音楽をリスナーに届けるプロセスからレコードレーベルなどの音楽業界の連中を排除し「中抜き」にしてしまおうという構想で、音楽ビジネスを根底から覆す可能性を持っている。もちろん、既にレーベルと契約しているアーティストが、この構想を実行したら契約違反になるが、まだ契約をしていない新人アーティストには、間違いなく価値のあるものだ。イーノは次のように述べている。「アーティストが今、手にしている可能性を今のうちに理解しないと、勝手な規則がつくられてしまうから。アーティストの意向なんか反映されない規則をね。 」おそらく、5大メジャーレーベルや全米レコード協会(RIAA)は、この構想を潰すため、あらゆる手を打ってくるだろう。今後の推移が注目される。話は飛ぶが、20年前、ピーター・ガブリエルのⅢ、Ⅳあたりのエスニックなサウンドを高く評価し積極的にプッシュしたのが、音楽評論家、高橋健太郎さんだ。そして、ガブリエルじゃないゲイブリエルだと云ってミュージックマガジンでの表記を変えさせたのがピーター・バラカン。奇しくも、日本では彼らが呼びかけ人となった輸入盤規制反対声明を論拠に日本の音楽愛好家はレコード業界と戦っている。私自身も高橋健太郎さんの名前を十数年ぶりに耳にした。そして、ピーター・ガブリエル。偶然とは思えない再会だ。

敗戦

「著作権法の一部を改正する法律案」は衆議院文教科学委員会で今日、原案どおり可決した。民主党がめざした修正案での自民公明民社の3党合意は得られず、別の2党(共産社民)が修正案に賛成するという一見すると55年体制のような結果になったのは意外だったが、とにかく音楽愛好家は敗れた。今は私と意を同じくする人々の行動を見守り、次のステージで自分は何をすべきかをじっくりと考えたい。それにしても民主党川内博史議員の熱血漢ぶりには感動した。音楽愛好家の立場に立った鋭い弁舌、党議拘束に反しての原案採決退席。彼の姿を追って民主党支持者になる音楽愛好家も案外増えているのではないか。ある特定の思想を持って特定の政党を支持する人なんてのは今時ごく僅かだ。自分に関係する諸問題の重要度によって支持政党をコロコロ変えている人は多い。そんな中、民主党はインターネットで支持者を増やしてしまった。その意味するところを理解すべきだ。支持を失いたくなかったら民主党は川内議員を党議拘束違反での処分は見送るべきだろう。

洋楽CDは平行輸入盤で購入しましょう!

民主党が提出予定の「著作権法の一部を改正する法律案に対する修正案」は衆議院文教委員会で否決される可能性が強まった。糞、信濃町!孫子の代まで憎んでやる。てな訳でそろそろ次のステージのことについて考える必要が出てきた。もちろん国内盤の不買だ。ポール・デゼルスキー(HMVジャパン社長)は参考人質疑の中で、輸入盤の方が儲かるようなことを云っていたので、輸入盤をたくさん買う分には今法案に懸念を表明してくれた小売店に迷惑はかからない。ターゲットはあくまでも日本レコード協会加盟各社。温厚で知られる私でさえここまで怒るのだから(笑)、法案が成立したら音楽愛好家の負のエネルギーが大爆発するだろう。ああ恐ろしや...。

カネを払って聴く音楽

米国の2人の経済学者がファイル交換とレコード業界の売上減少は無関係との論文を公表し、話題になってる。内容は他のネット情報を参照されたい。実際、ファイル交換で聴けるからCDは買わないという消費者は確かにかなりの数で存在する。それがレコード会社の利益を侵害しているといわれれば、まあ、そのとおりなのかな~と誰もが思う。しかし、永年録音された音楽を聴いてきた立場から云えば、何か違うよな~と思わざるを得ない。カネを払って音楽を聴くってのは、著作権者やレコード会社にとってはごく当たり前のことかも知れないが、リスナーからすればそれは当たり前のことではまったくない。多くの音楽愛好家にとって、カネを払ってまで聴きたい音楽というのはごく僅かであり、その次に相当な対価とは思えないが仕方なくカネを払って聴く音楽があり、さらに無料なら聴いてもいい音楽、無料でも耳にしたくない音楽と続いているのではないか。街頭で演奏してる若者達にカンパをするか否かは通り過ぎる人々が決めることであり、演奏してる若者が決めることではない。それがレコードになったとたんに著作隣接権が発生し、盗み聴きした者が泥棒呼ばわりされるんだからかなわない。そういう法律があることは承知しているが、音楽を聴く人々の生理なり気持ちを無視したマーケッティングをする業界がこの先、生き残れるとはとても思えない。南無阿弥陀仏。

オピニオンリーダー再び

「私たち音楽関係者は、著作権法改定による輸入CD規制に反対します」という輸入CD規制反対する声明を起草した音楽メディア関係者有志6名(大貫憲章、小野島大、北中正和、高橋健太郎、ピーター・バラカン、藤川毅、敬称略)は80年代のミュージックマガジンで健筆を揮っていた人達でもあります。私の記憶が正しければ北中さん大貫さん高橋さん小野島さんのような順でブリティッシュロックのレコードレビューを担当していたように思います。で、私にとって高橋さんといえばピーター・ゲイブリエルⅢ、Ⅳ。大貫さんに至ってはクイーンの最初期だったりしてね。(笑) あれから20年ちかくの時が過ぎ、昨今の私は音楽雑誌を買うことはなくなりました。音楽CDは購入していますが購入にあたり音楽評論家のレビューを参考にすることはほとんどありません。インターネットを巡りながら自分自身の臭覚で探した音を試聴(^_^;し、気に入れば盤を買う。そういう音楽生活を続けています。ところが、今回ひょんなことから、私にとっては懐かしい名前のみなさんのオピニオンに再び触発されることとなりました。微力ながら別のサイトが募集する署名も集めたし、慣れない文章書いてメールも送りました。推進派の政治家さんは6名を反対運動のリーダーの如く思っているのでしょうが、そんな団体は何処にもありません。彼らは私に考える材料を提供してくれているに過ぎないのです。かつてのように...。感慨に浸っている場合ではないのですが、メールを書きながら、ひたむきに音楽を聴いていた頃を思い出す今日この頃です。

さらば国内盤

民主党の修正案が三党合意を得たって情報が聞こえてこない。先のことを語るにはまだ早いが、このままでは修正案は否決だ。つまり、改正案そのものが委員会、本会議で可決してしまえばそこで成立。民主党の若手代議士の活躍も空しく音楽愛好家にとっての最悪の結末が見えてきた。しかし、これは日本のレコード会社にとっても最悪の結果になるだろう。なぜなら、今回の件で洋楽CD購買者とレコード会社との間に出来た溝は、グランドキャニオンの如く深いからだ。今回の件とは直接関係はないが、音楽愛好家の中にはCCCDを問題視する人が多い。ここまで客をコケにする業界も珍しいよな。されば音楽愛好家も消費者として出来ることはするはずだ。不買運動はもちろん、過激な人はP2Pソフトを使用した違法行為に及ぶことも考えられる。景気が悪いのはどこの業界も同じだ。サラリーマンの給料は年々減り続け、かつてのような水準に戻ることはない。CD1枚の価格で米5kgが買えることを思い出してほしい。豊かな日本とはいえ衣食住に直接は関係のない音楽に3000円の出費をすることは、やはり特別な情熱があってのことなのだ。再販価格制度で守られロクな営業努力をしてこなかったため斜陽化したこの業界は今回なんとそのツケを客に廻してしまった。もうお終い。レコード協会のみなさん、法案成立おめでとう。そして、さようなら。

ネットワーク民主主義は社会を変えるか?

いわゆるレコード輸入権問題そのものについては、以下に掲載するサイトが詳しいので、それはこちらを参照してもらいたい。

http://sound.jp/stop-rev-crlaw/
http://www.satokenichiro.com/cd.htm

さてこの問題、「著作権法の一部を改正する法律案」をめぐる攻防で一番面白かったのは、とかく問題視されがちなインターネット上の巨大掲示板「2ちゃんねる」が真面目に機能すると、とんでもない力を持つんだな・・・ということ。相変わらず困った書き込みも少なくないが、上記ポータルサイトや専門家のブログから発信される情報や大手メディアの情報が、2ちゃんねるを介して一気に音楽愛好家の間に広まり、それがポータルサイトに戻ってくる。シンポジウムを開いた音楽評論家や、反対声明を出した600人を超える音楽業界関係者、法律案に懸念を持っている議員が多い民主党の関係者の中にも、なんだかんだ言いつつ2ちゃんねるの書き込みを読んでいる人がいるのではないか。そうこうしているうちに反対署名は5万6千人にまで増え、遂には大手CD書籍通販サイト Amazon.co.jp が web site で法案に対する懸念を表明し、東京新聞は社説で「廃案」を主張するまでになった。その声に応えるかのように民主党は「著作権法の一部を改正する法律案に対する修正案」を用意した。参議院を全会一致で可決した法案に修正がかかるのは異例だ。ここまでおよそ2ヶ月。5月4日のシンポジウムからはまだ1ヶ月も経っていない。法案推進側の連中は「インターネット恐るべし」と思っていることだろう。

今回、音楽愛好家の多くは自分の聴きたい音楽を守るために政治の世界に足を突っ込こむことになった。音楽愛好家には右翼もいれば左翼もいればノンポリもいる。ノンポリをポリシーにしてるさえもいる。それが参議院が全会一致で可決という絶望的な状況の下、法案に懸念を示していた民主党の一部議員を応援し始めたというか応援せざるを得ないこととなり、5月28日の衆議院文教科学委員会の際には、インターネットテレビの実況を見た音楽愛好家が2ちゃんねるの実況掲示板で、民主党の若い代議士を熱狂的に応援する現象さえ現れたのだ。彼らがこのまま民主党支持者になっていくかというと、もちろんそれはかなり疑わしいのだが...。さあ、この一連の状況を最初に紐解く政党はどこになるのだろう。城井崇衆議院議員(民主党)の5月28日の衆議院文教科学委員会での第一声。「大臣はBlogというものをご存知ですか?」政治的にはまったくもって阿呆な質問だが、案外今回の状況を現していたのかも知れない。