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記事一覧

いつか来た別の道

d3737832.jpg人民元が通貨バスケット制に移行したとのことだ。経済オンチの私には何が何やら訳若布なのだが、「主要貿易相手国通貨を一定の割合で加重平均したものと自国通貨を連動させる方式」だそうだ。完全な固定相場制からは一歩抜け出しているものの、市場を勘案して中国(中央銀行)自身がレートを決めるようなものだから、過渡的な制度なのかも知れない。同時に2%の元切り上げも行った。米国のその名もライス国務長官が先月中国を訪れているが、きっと経済制裁も辞さないみたいなことを言われたんだろうな、昔の日本と同じだ。日本の場合、圧力に屈して360円、308円、遂には変動相場制移行となった訳だが、とりあえず通貨バスケット制とは如何にもプライドだけは高い中国らしいやり方だ。政治的には巧み。自分でコントロールしてるような格好になるから大国のメンツも立つ。でもまあ、裏を返せばそんなやり方をしてること自体が中国の必死さの表しているとは言えやしまいか。一歩間違えればバブル化して大崩壊の可能性もある中での舵取りを、かつては社会主義経済を標榜していた連中がやっているんだからかなりのスリルがある。日本の場合、昔も今も政治的にはいつも外圧に屈していて情けない限りだが、経済的な部分に限ればかつては常にその逆境を克服してきた。そしてその克服のキーワードは商品開発力だった。どんなに円が高くなり価格が上がっても世界中の人々が欲しがる工業製品を新開発していた時代の日本経済は強かった。中国から来る留学生はみなかつての日本人のように勉強熱心だ。人を宇宙に送れる国。きっと驚くような工業製品を次々に開発して生き残ることだろう。・・・と、とりあえずエールを贈っておく。結果は北京五輪のあとに出る。

デジカメ画像貼り付けマクロ

デジタルスチルカメラで撮影した画像をエクセルシートに貼り付けて文書化することが多い。ワードのDTP機能は使い易いとは思えないし、QuarkXPressやVisioを使うほど高度な作業は通常はしない。やはり強力な作表機能とマクロを搭載し、そこそこ図形描画も出来るエクセルが便利だ。実際にデータのやりとりをする場合、どのオフィスパソコンにもインストールされているってことも重要。こうした作業のために3年前の作成したマクロを久しぶりに機能強化した。職場で使ってくれている人がいること、作成以来自分も使い続けていることなどから、手を加える価値はあると判断した。昨今、Windows も進化し、エクスプローラで画像を写真表示したり縮小表示したりアイコン化したり出来るので、画像を整理するソフトなんてのは流行らない。しかし、サムネイル表示したたくさん画像を並べて紙に印刷したいことは仕事でデジカメを使用する人ならあるのではないか。デジカメを買うと画像を整理するソフトがオマケで付いてきて、当然サムネイル印刷も出来たりもするのだが、それはあくまでも整理するソフトで、そのまま文書化できるわけではない。結局、エクスプローラで画像ファイルを選び、ワープロやDTPソフトやらCADに運んで作業をすることになる。それをエクセルで一気にやってしまおうというのがこのマクロ。「エクセルがあればワードはいらない」ってなエクセル使いの方、仕事でデジカメ画像を使ったレポート(現場下見や商品探索など)をすることのある方は試して損はない。作業効率が劇的に向上するかも? ダウンロードは以下の場所。

http://www2r.biglobe.ne.jp/~tkbbs/DcamPP16.lzh

なんちゃってオーディオの世界★2

273e1afb.jpgターンテーブル DJ-2550 を購入の際、なぜEQ内臓にこだわったかというと、パソコンに音を取り込むのにアンプが不要となり便利だからだ。昨今、私もフルコンポを鳴らすのは暇な日曜日の昼下がりぐらい。いつもはノートパソコンのキーボードを叩いている時にヘッドホンで聴くことの方が多い。パソコン内の mp3 をフォルダプレイして聴いたり、新しく購入したCDもまずパソコンのCDドライブに入れて聴く。初めのうちはノートパソコンのヘッドホン端子に安いヘッドホンを繋いで聴いていたが、使用頻度が多いのだから少しお金をかけてみよう思い、クリエイティブメディアの Sound Blaster Digital Music LX というUSBオーディオアダプタを購入した。実売5千円。アナログライン出入力。この入力に DJ-2550 を直接繋いで取り込める。光デジタル出力はサラウンド対応で、電源はUSB供給。付属ソフトもさすが歴史あるサウンドブラスターシリーズ。遊べるエフェクトからヒスノイズやスクラッチの除去まで出来て、アナログレコードのキャプチャをしている人にはお買い得だと思う。ヘッドホン端子の音も価格を考えれば勿体無い位に良い。もう一息音量が欲しいが、パソコンのヘッドホン端子とは異なり分離の良い綺麗な音が楽しめる。通常はこれで十分だが、私はさらにテクニカのヘッドホン ATH-A55 を ヘッドホンアンプ AT-HA20 を繋いで使っている。このアンプ、見た目は自作キットのような製品だが、前作 AT-HA2 のように電源を入れた際にボツッとノイズが入ったり、無音時にサーというようなノイズが入ったりはしない。ヘッドホンアンプとして最低限の仕事はしているようには思える。ネット上を調査するとオーディオに詳しい御仁達もいろいろと文句を付けながらも改造を試みたりするなど一応相手にしているのところが面白い。実際、癖の無い素直な音で、Digital Music LX のヘッドホン端子で聴くよりわずかにソフトな音質になる。これはパソコンをし「ながら」聴くのには最適だ。実売1万1千円はやや高い気もするが、TEA2025L を使って自作しても4~5千円はかかるだろう、完璧な自作能力と工具類の用意がある人以外は買った方が良いように思う。青色LEDのイルミネーションはご愛嬌。ツマミボリウムはやっぱり操作感がいい。

北国の街

00b9748c.jpg北国の街 1965年 カラー 92分 日活

■監督:柳瀬 観
■脚本:倉本 聰
■出演:舟木一夫/山内 賢/和泉雅子/葉山良二

和泉雅子さんの可愛らしさに惚れ込んだ方にもう一作。「絹織物の街・新潟県十日町。手織り職人・小島公平(信欽三)の息子、高校生の海彦(舟木一夫)は列車の中で可憐なひとりの女学生・雪子(和泉雅子)と知り合う。」などといろんなところであらずじ紹介されているので、十日町の映画なのかと思っていたが、「阿弥陀堂だより」もびっくり、全編オール飯山ロケ。40年前の飯山が続々と画面の中に甦る完璧な郷土映画だった。冒頭から雪の飯山線を走る蒸気機関車。タイトルも綱切橋あたりの高い場所から飯山市内を大展望している。体育館のような大きな建物は移転前の飯山南高校だろうか。舟木さんは飯山駅で下りて飯山北高校に通う設定。エキストラと思われる北高生も登場する。学校の裏山で山内賢さんと殴りあったりするシーンもあるがこれは城山公園。背景に見えるのは北高ではなく飯山ニ中だと思われる。画面には登場しないがヒロイン和泉雅子さんが通う高校が女学校だとすればそれは飯山南高校ってことになるだろう。かつて飯山南高校があった場所には現在、飯山赤十字病院が建っているが、80年代まで病院は道を隔てたすぐ近くに建っていた。その一部木造の旧日赤も山内賢が怪我をして入院する病院として登場する。あまたある近隣のスキー場で骨折などの怪我をすると必ず送られる病院だ。映画の中にはスキーのシーンもあるのだがどーもその場所がよくわからない。ゲレンデの下方に山々が広がっているので戸狩や信濃平ではないことは確かだ。じゃ斑尾かな?とも思ったが、昭和40年じゃまだ出来ていないよな。(笑) 山の感じからすると志賀の丸池かサンバレーなのかも知れない。日活映画といえば志賀高原?だって話もある。さて、この映画は駅と機関車と線路がふんだんに登場する鉄ヲタ必見映画でもある。飯山駅、信濃平駅、戸狩駅。そして謎の信濃城北駅。北飯山駅をイメージしているのかも知れないが、画面でみる限り、飯山駅に細工を施して撮影しているようにも見える。映画でもっとも印象的と思われるシーンも線路上で撮影されている。ネタバレさせたくないので詳しくは書かないが舟木さんと和泉さんのふたりが信濃平駅から線路上を歩いていくシーンはなかなかロマンチックだ。正直に云うと舟木さんは表情はちょっとアブナイ(^_^;のだが、とにかく和泉雅子さんが可憐で美しいので淋しい雪国の風景も綺麗に見えてしまう。辿り着く場所は常盤(ときわ)あたりの踏切。まわりの風景や山の形、田んぼの中にポツンとある常盤小学校が見えていたりするので間違いはないだろう。和泉雅子さん18歳。映画の設定そのまんまの歳だったのか。可愛いわけだ。可愛いといえばこの映画には東宝の岡田可愛さんがチョイ役(舟木の隣家の娘役)で出ている。17歳。サインはVで大ブレイクする5年も前だ。風景と女優しか見てないことがバレバレだが、これも隠れた見所か。

高原のお嬢さん

4b7b84a8.jpg高原のお嬢さん 1965年 カラー 93分 日活

■監督:柳瀬 観
■脚本:千葉茂樹/柳瀬 観
■出演:舟木一夫/山内 賢/和泉雅子/西尾三枝子/ザ・スパイダース

舟木一夫さんのいわゆる歌謡映画でありかつ真剣な純愛映画。舟木さんのファンではない特にオトコが見るべきポイントは全盛時代の和泉雅子さんの美しさ。物語は舟木さん中心だが、カメラは執拗に和泉雅子さんを狙う。バラ越し、真っ赤な紅葉ごし、ズームインにトラックイン。あまりにミエミエのカメラワークだが和泉雅子さんが可愛いので全然OK。逆に嬉しい。和泉雅子さんも今やシミソバカスだらけの北極オバサンだが、やりたいことをおもいきり楽しみ生き生きと活動しているこの人の姿は今も美しい。さて、もうひとつの見所は横岳の山頂にエレキを持ち上げて演奏するスパイダース。横岳ピラタスロープウェーが完成した頃なので、本当に山頂にまで登って撮影しているのかと思ったが、実際には三ヶ峰のあたりでロケをしたようだ。三ヶ峰も眺望は良く、草原のあちこちに火山岩がボコボコと顔を出しているさまは映画のとおりだ。かまやつさんや井上順さんはその上に乗ってギターを演奏している。この時期の「フリフリ(日本語ヴァージョン)」の映像も貴重だが、それ以上に映画に合わせてしおらしく「鈴掛の道」を伴奏しているスパイダースなんてはもっと貴重かもしれない。田辺社長や順さんらはバンドとして控えめに登場しているだけだが、堺正章さんは助演級で登場。さすがは堺駿二氏の息子、存在感ありすぎ。芸風は現在と全く同じ。(笑) 彼らが親湯の温泉プールで演奏するシーンなんてのもある。かってはあった眺めているだけでセレブな気分になる場所のひとつだ。他にも蓼科湖などかつての蓼科の風景が満載。だが、映画の中で恋人同士の儀式が行われ印象的なシーンとして登場する「乙女滝」。あれはどう見ても乙女滝じゃあない。乙女滝は江戸時代に坂本養川という人物が切り開いた用水の途中に人工的に作られた滝、もっと高度差があり爽快な滝で場所は横谷温泉旅館の近くにある。映画に協力ししている蓼科観光協会がこれでよく了解したものだ。考えてみればGSがNHKに出られないような時代に山の天辺でエレキバンド演奏ってのも凄い。でもまあこの映画、蓼科高原の秋をカラーでとても綺麗に撮影もしている。多くの人々がまだ白黒でテレビを見ていた時代、このカラー映画に映された紅葉の蓼科は鮮烈な印象を残したのではないか。こんど蓼科に行く機会があったらロケ地を訪れてみたい。最後にどうでもいい話だが鉄道ヲタクの皆さんには舟木さんが和泉さんと別れて乗り込む列車が「新宿駅発普通列車長野行」ってのが嬉しいかも

なんちゃってオーディオの世界★1

7e4ebd58.jpgオーディオ業界から中級機が姿を消して既に10年以上の時が過ぎた。2千枚ほどのLPレコードやCDに囲まれて暮らす私はたいへん困っている。アンプだけで何十万もするような高級オーディオを揃えるような金は無いし、微妙な音の良し悪しに関心があるわけでもない。しかし、家電量販店に並ぶCDコンポやラジカセではあまりに音が貧相で物足りない。今まで20年程前に揃えたコンポを騙しながら使ってシノいで来たのだが、最近遂にその一角が崩れた。DENON DP-60M の回転が不安定になってしまったのだ。このターンテーブル8万円もしたんだよなあ~・・・なんちゃって・・・。実は中古で3万円程度で買ったものだ。ウチのオーディオのなんちゃって加減は凄い。ターンテーブルは天下のDENON。アンプは名門 SUNSUI の AUα607。カセットデッキはワッハッハ Nakamichi の CasetteDeck1。CDプレーヤーは、本家 SONY の MXD-D1 というMDコンパチ機。スピーカは住宅事情を考慮して Victor の Zero3Fine 。オーディオに詳しい人が見たら笑ってしまうような初級ベストバイコンポではないか。上を見ればキリがないが、これらはロックを聴くことが多かった私には十分なセットだった。ターンテーブルは磁気パルス検出ヘッドがイカれただけのようなので修理も可能だが、HARD OFF に DENON ターンテーブルの中古が 2~3万円で並んでいるのを知り、20年以上前の製品を1万円以上かけて修理する意欲は失せてしまった。新品で良いターンテーブルはないのかとネット上を物色してみると、あるのは何十万何百万円もするような超高級ターンテーブル。これはとても買えないというかいらない。あとはかつて安物ミニコンポの一番上に乗っていたような電蓄モドキのターンテーブルか、中古レコードコレクターの敵、DJ野郎が使う Panasonic のターンテーブル。RIAAイコライザが内臓されてるのはいいとは思うが、ピッチコントローラは不要。それより正確に廻って欲しい。普通のターンテーブルはないのか? と探し当てたのが、DJ-2550 という Marantz のプレーヤー。これは COSMOTECHNO という福井のメーカーが作っているターンテーブルを数年前に Marantz ブランドで出していたもので、HARD OFF に新古品が1.9万円で置かれていた。DDでMMカーリッジが使えて、EQも内臓。オマケに78回転にも対応。テクニカの AT10G カートリッジを頻繁に交換して使っている程度の私にはこれで十分ということで購入。結果、全くもって十分。私のようにオーディオを趣味にしているわけではないが、山のように所有しているLPレコードを安定した音質で「安価に」楽しみたい向きには良いのではないかと思う。

東芝笑み

8d8a704b.jpg本日、BEST CLASSICS 100 を購入。ずっと気になっていたが、他にも聴きたいCDがあり後回しになっていた。そうこうしているうちに、このCDはオリコン週間4位を獲得、2ヶ月間の売り上げが20万枚を突破し、クラシックとしては異例の大ヒットと新聞各紙が報じるまでになってしまった。確かにCD6枚組100曲7時間収録で¥3000ポッキリは安い。店で試聴したら音質も良いので買ってしまった。我が街の塔盤屋は普段クラシックは置かないのだが、このCDだけはジャズの辺りにゴロゴロと並んでいていて試聴も可能になっていた。凄いことになっている。ヨーロッパで20万枚のヒットが宣伝文句だが、このままいくと日本だけでも30万枚を超えそうな勢いだ。正に東芝笑み! さあ肝心の中身はというと、会社帰りに買ってきて今25時。飯と風呂の時間以外はずっと聴いている。つまり良いと言うこと。一曲3~4分程度のものが多く、それはクラヲタからすれば邪道なのかも知れないが、CBSソニーの「音のカタログ」(歳がバレる・・・)あたりとは違い十分に鑑賞に堪える長さと編集ではある。私の場合、クラシックは、中学校までの音楽教育程度の知識しかない。クラヲタでもないのにバルトークやストラビンスキー、ショスタコ、ヤナーチェクやジナステラなどのCDだけはしっかりと保有している変な奴ってハナシもあるが、基本的な部分での知識はかなり偏っているので、このCDは入門用としても使える。実際、このCDを聴いてフォーレのレクイエムはフルサイズのCDが欲しいと思った。今まで宗教曲なんて聴いたことなかったからね。なんて書くとまた東芝EMI。

洋楽の父

去る6日、漣健児(さざなみけんじ)さんが74歳で亡くなられた。「可愛いベイビー」「悲しき街角」「ヴァケイション」など、60年代洋楽ポップスカヴァーの訳詞の多くを手掛け、日本における洋楽の父のような人だった。60年代を後追いした私のような洋楽世代にとっては、新興音楽出版社社長(当時)でミュージック・ライフの発行人、草野昌一氏としての方が馴染み深い・・・というか、「星加ルミ子さんや水上はるこさんの名前の上に偉そうに明記されてる草野ってどんな人なんだろ?」ってなのが実は最初の認識だった。(^_^; 後年、それが漣健児さんだと知り「へぇ~」と思ったのが忘れられない。さて、いきなり話が飛ぶが最近、60年代の日本映画が気に入り、観ることが多い私が、どうしても馴染めないのがその音楽だ。具体的には石原裕次郎や小林旭、吉永小百合らの唄う映画の主題歌は、ビートルズやグループサウンズ以降のポップスで育った私にとっては詞も曲もあまりにアナクロで聴いていてとても気恥ずかしい。その同じ時代に漣健児さんが訳した洋楽カヴァー曲はすでに話題を集めていた。両者を比較すると一聴瞭然?だが、漣さんの平易でかつおしゃれな言葉を選んた訳詞は当時としてはさぞ新しく新鮮な感覚だったのではないか。アンドレ・ポップが作曲しヴィッキー・レアドレスが唄った「L'amour est Bleu (Love is Blue) 」の訳詞「恋はみずいろ 」などは簡潔で可愛らしく私の大のお気に入りだ。「♪小室~、小室聴く~・・・(笑)」と原語で歌うより「♪こ~い~は~みいずい~ろ~」と訳詞で唄った方がずっと爽快で気持ちいい。70年代に入りフォークブームになると吉田拓郎に代表される「・・・なのであり~ます~」というような字余り文士文芸調が流行し、洋楽カヴァーがやや古臭く感じるようなことも無かったわけではないが、その頃、漣さんは草野昌一社長として、あの財津和夫のチューリップを世に送り出していた。80年代はプリンセス・プリンセス。中学生以降、洋楽ばかり聴いていていわゆるニューミュージックを馬鹿にし続けた私だが、この洋楽ポップ直系のサウンドを売りにしたこの二つのバンドは大好きだった。いずれも日本ロックの王道からいくとかなりアイドル的かつポップなバンドだがそれが私の好み。ついでに書いてしまうと私はこの漣健児さんのシンコーミュージック系と村井邦彦さんのアルファミュージック系のジャパニーズポップは昔から洋楽並みの愛着を持って聴いている。村井さんのことはまた別の機会に書きたいが、今回その一角が崩れてしまったようでとても淋しい。謹んでご冥福をお祈りします。

PASAPORTE A DUBLIN ( Karina ) 1971

9bdb27d9.jpgKarinaは1971年にダブリンで行われたユーロビジョン・ソング・コンテストに「En un mundo nuevo」で参加し準優勝した女性歌手。元来はいわゆるイエイエ歌手のスペイン版のような人で、レコーディングされた楽曲のほとんどがカヴァーポップス。60年代は東洋の果て日本でもレナウン娘よろしくミニスカートはいてカヴァーポップスを歌っていた女性歌手がたくさんいたほどだから、日本同様、当時既に準先進国だったスペインにもイエイエガールが当然のように存在したのだろう。 Karina も各国のイエイエガールと同様、テレビや娯楽映画に出演してはカヴァーポップスを唄い人気を博していた。その人気はスペイン本国のみならずラテンアメリカのスペイン語圏にも波及してたようでメキシコ盤なんぞもかなりの数発売されていたようなのだ。このKarina、視点(聴点?)を変えて聴くととても面白い。彼女がスペインで人気を博したのは60年代の初めから70年代の中頃まで。勘のいい人はすぐに気がつくと思うが、この時代というのはビートルズは年代順に聴き込めば判るとおり、年毎にレコーディングシステムや楽器テクノロジーが進歩した時期。まさに彼女はこの面白い時期を駆け抜けているのだ。さらにここから先が重要。彼女を音楽的にサポートしたのは、Los Pekenikes という日本でいえばブルーコメッツにあたるようなスペインで最も優秀なビートバンドのメンバー、Tony Luz であり、編曲は知る人ぞ知る天才アレンジャー Waldo de Los Rios だったのだ。英米の流行を逸早く取り入れ、ビート感覚、管弦楽編曲ともに本家を凌ぐ完成度。ちょっと聴くと普通の歌謡ポップスに思えるかも知れないが、そのセンスの良さはこの時期のポップロックを聴き込んだ人なら誰もが認めるものだと思う。このアルバムもそうした活動の集大成。El amor es azul はアンドレポップ&ヴィッキーの「恋は水色」。No Me Quiero Enamorar はバートバカラック&ディオンヌワークウィックの「恋よさようなら」。Concierto Para Enamorados は Toys の A Lover's Concerto。ジョージハリスンの Something なんぞも唄ってる。「なんだカヴァーばかりかよ」と侮るなかれ。当時、日本国内にもゴロゴロしてた陳腐なカヴァーとは一味違う。恐るべし Waldo de Los Rios 。天才のアレンジをバックに唄う Karina のスペイン語ヴォーカルが実に心地いい。この軽やかさはフランス語やイタリア語じゃ出ないよな。PASAPORTE A DUBLIN ってのは「ダブリンへのパスポート」ってこと。彼女がユーロビジョンコンテストで準優勝するまでの過程は、同名のドキュメンタリー映画にもなっているが、これはある意味彼女のキャリアのピークとなったアルバム。ちなみにユーロビジョンコンテストの準優勝曲「En un mundo nuevo」ってのは「新しい世界へ!」ってな意味らしい。まるで「出発の歌」(上条恒彦と六文銭)。70年代初頭はベトナム戦争が泥沼化するなど、あちこちで騒動が絶えなかった時代だが、一方で人類が月に到達したりエレクトロニクス文明が急速に進歩するなど未来に対するオメデタイ希望もまだまだ残っていた時代(「人類の進歩と調和」!!)だった。ほどなくオイルショックが世界を襲い、ロック界でも幅を効かせていたユートピア幻想は崩壊するわけだが、この時期、KarinaもTony Luzとの短い結婚生活の崩壊の後、スペインのポップシーンから消えてしまう。数年前にフランス・ギャルのカヴァーを探しているときにたまたま知ったのがKarinaだが、1965年から1975年の10年を黄金の10年と信じて疑わない私にとって、いつの間にか特別な存在になってしまった。

アド哀れ

51441ffe.jpgGW中にスパイウェアに感染した。それもシツコイことで有名な「about:blank Search for」型。IEのホームページ(トップページ)を勝手に変え、予告無くさまざまな広告ポップアップを表示してくれる実に有難いプログラムだ。このスパイウェア、以前に同僚のPCが感染した際にニワカSEよろしく除去作業をしてあげたことがあり、その際はse.dllなるドライバをrundll32を終了させた状態で削除してやれば、それで済んでいた。その後、しばらくするとAd-AwareSEというフリーのスパイウェア検知ソフトで除去が出来るようになったので、今回もAd-AwareSEを最新版のパターンファイルにして除去を試みたが、なんといずれの方法でも除去出来なくなっていた。こりゃ弱ったなと思いネット上を検索してみると、いくつかの有名なウィルス対策ソフトのサイトに特定のファイルを手作業で除去し指定の記述をレジストリから削除する方法が書かれていた。しかし指定記述が自分のレジストリ情報と一致しない。なんだかなあ、あまり役に立たない。有償ソフトで商売しているなら一発削除できるようにもっと工夫してもらいたいものだ。結局、一番役にたったのはとあるSE氏の日記にあった「se.dllとmutant.dllが関係している。」という何気ない記述。なるほどダミーがあったのか。ところが残念なことに自分のPC内を検索してもse.dllはあるもののmutant.dllなるファイルは存在しない。どうやらダミーの方は何種類(何十何百か?)とあるようなのだ。Ad-AwareSEで検知されないのもそのためか? こりゃ行き詰まったかな~と思いつつ、Search forと表示されるページのソースを眺めていたら、そのトップにres://="%43%5A%8B-----------(略)----------" なるURLエスケープを発見。さっそく変換してみると、出てきたのはファイル名だった。C\WINDOWS\system\mehg.dll。コレだ! しかし、削除しようとするとWindowsが使ってるといって削除できない。既にrundllは終了させているし、safemodeで起動しても同じ。こうなったら再インストール覚悟の力技、DOSモードで起動し直し、プロンプトから del c:\windows\system\mehg.dll とやったら遂に一件落着。あとはAd-AwereSEでレジストリの掃除をしてお終い。ポップアップしてくる広告ウィンドウも右クリックでソースをみるとその中にも起動ファイル名の記述が必ずあった。スパイウェアは必ず削除できるものと云われているが、ウィルス対策ソフトやスパイウェア検知ソフトで一発削除できるかというとそうも行かないのが現実。除去にはある程度の知識は必要だ。今回の場合、必要なスキルはAd-AwareSEのインストールと設定運用、WindowsのSafemodeやDosモードでの起動、IEソース閲覧にURLデコード、DOSコマンド入力ってなことなので一昔前に云われたパワーユーザーなら充分対応可能だろうが、ここまで複雑だと一般ユーザーにはお手上げだ。今回、必要な情報をネット上で探していたら、既にAd-AwareSEでのスパイウェア除去を商売にしているサイトがあったのには驚いた。Ad-AwareSEで除去出来ない場合はそのまま返すってシステムが凄い。それなら俺にも出来そうだ。(笑) "Ad-Aware"ってのは「アド哀れ」とでも読むのかな?