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汚染地帯

fukushima2文部科学省は24日、福島第1原子力発電所から北西約40キロの飯舘村で20日採取した雑草から1キログラム当たり254万ベクレルの放射性ヨウ素、265万ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。この値には驚愕する。チェルノブイリ事故の直後、ベラルーシ南部(当時は白ロシア)で検出された葉物野菜1キログラム当たりの放射性ヨウ素37万ベクレルの6倍以上ではないか。避難指示が出ていない飯舘村、子供が外で遊んでいる。これは尋常ではない。もちろん、旧ソ連と違い、飯舘村の野菜が一般に流通するようなことはないし、飯舘村の子供達が雑草をとって食べるわけでもない。しかし、土壌1キロからも16万ベクレルなんて値が出ていることを考えると、この先がとても心配だ。大人はともかく子供が住むべき場所ではないように思う。テレビを見ていたらチェルノブイリに行った経験のあるとかいう某大学の医学教授が、放射性ヨウ素の半減期は8日、セシウムは30年。セシウムは筋肉に溜まるといわれるが、チェルノブイリでセシウムによる肉腫が発生した例は無いみたいなことを言っていた。こいつホントに医者なのだろうか? 同じくチェルノブイリ医療支援で知られる甲状腺癌医療の世界的権威、菅谷昭先生(現・松本市長)は、自分も5年間向こうの人と同じものを食べてきた事実をあげ、心配ないものは食べていいとしつつも、子供や妊産婦に対しては予防的対策をとるように勧めている。数的なもので被曝がこうでじゃなくて5年、10年後、悪性の新生物が日本で増えてきたような状況の時には一体誰が責任とるのでしょうかとも述べている。学者は学術的に正しいかどうかを基準に語るが、医者は人々の生活や人生も含めて語る。菅谷先生こそが医者のあるべき姿ではないか。飯舘村はいわゆるホットスポットにあたる場所のようで、原発周辺4~50km圏内がすべて同じだとは言わないが、雑草から1キログラム当たり254万ベクレルの放射性ヨウ素、265万ベクレルの放射性セシウム。土壌からも1キログラム当たりで16万3000ベクレルのセシウムという値は、内部被曝や食物連鎖を考えると到底許容できる値ではない。福島原発自体もまだ完全にコントロールできている状態ではないようで、一定量の放射性物質を撒き散らしているのではないか。東京の水を心配してる場合ではない。飯舘村の子供や妊婦を疎開させていない事実をもってついに国家に不信感を抱いた。原発周辺の農家の皆さんには本当に申し訳ないが、ここまで土壌が汚染されてしまうと農業は成立しない。この先、炉心溶融が進行し、冷却用に放水している海水と反応して大規模な蒸気爆発が再び起きたら悲劇。100km圏内はもちろん風向きによっては300km圏内が汚染対象となる。東京や新潟が飯舘村と同じレヴェルの汚染を被る可能性があるということだ。飯舘村で実際に測定されたデータがすでにチェルノブイリ以上だというのに、政府の対応は亀の如く遅い。日本の土木施工技術は世界一ではなかったのか。国家プロジェクトで新品のプールを数日間で造り、原子炉の隣に配置することくらいのことはして欲しい。

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