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記事一覧

蜘蛛の糸

kst携帯電話を紛失した。一瞬、動揺したが、もう1台の携帯電話から呼び出したところ、拾ってくれた方が近くにいて事なきを得た。原因は携帯電話とストラップを結ぶ細い糸。これが切れて落ちてしまった。落ちる際に重量の変化で気が付きそうなものだが、2台携帯していたうちの1台だったので気が付くのが遅れた。1年くらい使うと携帯ストラップの糸は力のかかる部分が劣化してくるので、これまでも定期的に交換はしていた。そのたび、こんな細い糸で大丈夫なんだろうか?と不安に思っていたのも事実。首掛けのIDカードに使うようなストラップを携帯電話に使うこと自体どうなのかな?とも思うが、携帯電話本体のストラップ取り付け部分が、糸状のものを通すような構造でしかないので、他に方法がなく利用してきた。しかし、実際に切れて紛失してしまったので自分なりに強度を高める工夫をしてみることにした。用意したのはダイソーのステンレスカラーワイヤー(ワイヤー49番)100円。太さ0.65mm、長さ10mで締め金具も20個付属していた。携帯のストラップ取り付け部分は角にあることが多いので、通すときは、先を2mmほど直角に曲げておくと通しやすい。二つ折りにし、2箇所に締め金具を通し、圧着(裸)端子を締める工具やペンチで締めると見た目もいい。ワイヤーの耐荷重は3kgで強度は十分だが、あまり強い力を掛けると、携帯の筐体の方が割れるかも知れない。まあ、そうなったらそれまでだ。そのくらい強い力がかかる状況なら、いくらなんでも千切れたことに気が付くだろう。糸のように切れたことに気が付かないよりはマシ。携帯電話は個人情報の宝庫、出来れば落としたくはない。

PRINCE RUPERT'S LAMENT

lizard前回のエントリーに続きパクリネタをもうひとつ。坂本冬美の「また君に恋してる」がロングヒットとなり、遂にはオリコンチャートで3位(週間)にまでなってしまった。ビリーバンバンの原曲が「いいちこ」という焼酎のCMで流れていたのでサビの部分は頻繁に聴いてきた。プログレファンの私(たぶん筋金混入)は、最初に耳にした時から「やってくれたあ、『ムーンチャイルド』だ!」と単純に喜んでいたわけだが、続く坂本冬美ヴァージョンを紅白歌合戦で聴いてまたまたびっくり。AメロBメロのコード進行が「ルパート王子のめざめ」だろこれ。サビの「ムーンチャイルド」のように完全にメロディをパクッた訳ではないのだけれど、ルパートが「また君に恋してる」の伴奏で歌えるよ。作曲者氏の略歴からするとこれはオマージュなんだろうな。自分の持つバックボーンの中からこれだけ美しい曲が書ければ立派なもの。良い曲だと思う。かの井上大輔さんの「機動戦士ガンダム? ビギニング」に比べたら全く問題はないし、「ムーンチャイルド」の方も印象的ではあるけれど4~8小節程度だ。ウィキペディアにこんなことが書いてある。(ビリーバンバンが)「坂本冬美との対談を行なった際、兄の孝は、『また君に?』の音階が急に上がる部分が不自然であると感じ、当初は『変えたい』と考えていたことを明かしているが、弟の進は『いや、不自然じゃないよ。あれがポップなんですよ。イギリスの音楽にはよくあるんですよ。森君もそこを考えてやったんだと思います。新鮮に響くように。曲の出だしからしてきれいだからね。映画音楽というか。ヨーロッパの町並みと、そう霧のかかった田園地帯とかが浮かんでくる。』と語っている。」 おいおいおい、全部許すから「※ングクリ※ゾン」と云ってくれよ。そういや、「音階が急に上がる」ので有名なのは「ク※スタルキン※」の「大都会」だった。まったく中国を笑えねえ。でもオマージュとか憧憬なら許したい気もする。フリップさんが著作権に厳しい人なので心配ではあるけれど。

■御参考

LIZARD Prince Rupert Awakes = KING CRIMSON (1970)
http://www.youtube.com/watch?v=cx2oA6a6Qvk&feature=related

MOON CHILD = KING CRIMSON (1969)
http://www.youtube.com/watch?v=9YsHeDfLlyQ&feature=related

また君に恋してる = 坂本冬美 & ビリーバンバン
http://www.youtube.com/watch?v=l8KHnIQ8mjo&feature=related

岡本万博

cmicky5月1日に開幕する上海万博のPRソングが、岡本真夜さんの「そのままの君でいて」に酷似してることが問題になり、上海万博事務局が曲の使用を暫定的に停止することになった。検証サイトで実際に聴き比べてみたが、これは完全にアウト。有名曲の一部をオマージュやノリで頂いてるヒットソングは古今東西あまたあるが、これはいわゆる丸パクリだ。作曲のことを英語では、Make Music でなく Compose(構成する)と云う。限定された音階の中で音楽は作られるので、当然類似曲も出てくる。しかし、今回は構成も全く同じではないか。作曲者が元曲を知らなかったとは到底思えないし、万が一偶然同じになったとしても責任を取らされるレヴェルだろう。個人的にはパクリがすべて悪いとは考えていない。オマージュとして4小節とか8小節程度のモチーフを上手に取り込んだ曲とか、意図的に元ネタと同じ音色を使ったりした曲なんぞはむしろ大好物。元ネタの作者とパクッた作者の関係性に暖かいものがあったりすれば聴いている側も楽しい。奥田民生さんがアイドル?に書き下ろす曲などは元ネタ探し自体が洋楽厨にとっては至上の愉しみたったりもする。ところが、今回のそれにはな~んか淋しいものしか感じない。中国が国家の威信を賭けて開催する万国博のPRソング。ビデオを見れば錚々たる中国の有名人が入れ替わり登場する。それが10年前のしんきんバンクのCMソングの丸パクリじゃ笑えるというより哀れではないか。岡本真夜さんも自分の曲に矜持をもちつつも「こんなのでいいのかしら?」と思っているに違いない。岡本さんの曲もおそらくサビはジャクソン5を意識しているのではないかと思われるが、前述したように愛する曲のほんの一部を失礼のない形で頂いて再構成している分にはむしろ好感が持てるし、もしかしたら曲想自体が岡村孝子さんのスタイルを少し意識してるのかなとも思ったりもするが、その世代の女性シンガーソングライターが10代の頃聴いたであろう音楽は私も大好きなので、共感の方が先立つ。元ネタにも元ネタがあるのが流行音楽の歴史。単純に音楽を楽しみたい私としては、関係性が良ければそれも楽しみにひとつなのだ。しかし、国家の威信を賭けたイベントとしんきんバンクじゃあ関係性もへったくれもないわな。商業的な権利を持つ関係者にとっては金の問題もあるだろう。中国の作曲者が若い頃、J-POPが好きだったとしても、TPOとしてはかなり変だ。まさか太陽の搭を意識して「万博といえば岡本」としたわけでもなかろうに。なんとも恥ずかしく哀れな沙汰になったものだ。・・・と思っていたら、今日、岡本真夜さんが上海万博実行委員会から楽曲使用申請にOKを出したというニュースが入ってきた。「そのままの君でいて」が「上海万国博覧会公式PRソング」になった訳で、これで法的な問題はたぶん回避。はっきり云えば上海万博実行委員会が盗作と認めたようなものだ。岡本さんも変に争ったりするより中国に協力したほうが得策と判断したのだろう。いわゆるオトナの解決ってヤツか。いや違う。万引きした子供の親が商品を買い取って補導を免れたようなものだよな。トラブルは無くなったが、恥ずかしく哀れな結果は変わらない。

無礼な行為に関すること

blurayブルーレイレコーダーを購入した人から必ず聞かれるのが、「ブルーレイはコピーできないのかい?」とか「地デジで録った番組はコピーできないのか?」というもの。彼らはコピーワンスやらダビング10などという言葉と共に、「コピー不可」という事実もたぶん知っているのだろう。そこで、職場ではそこそこPCに詳しいと思われているらしい私に何かを密かに期待して尋ねてくるわけだ。ところが貧乏人な私はブルーレイレコーダーなるものを所有していない。以前から「実売5万円以下になったら欲しいな」などと考えてはいたのだが、ようやくそういう製品が出回るようになってきた。そこで、バンクーバー五輪後、年度末決算、モデルチェンジのタイミングを狙って、パナソニックの型落ち品、DMR-BR570を49800円でゲット。パナソニックを選んだのはDVD-RAMが好きだから。同時に3つの番組を見ることなどない私にはWチューナーは不要。その価格差分でPC用ブルーレイドライブが買える。バッファローのPC用外付けブルーレイドライブBR-H1016S2(日立LGデータストレージBH10NS30相当)もその日のうちに購入した。価格は23700円。ドライブを同時に購入したは当然冒頭に書いたチョメチョメのため。暇な休日、午前中に買出しを行い、午後はチョメチョメ。ネット上のさまざまな情報を分析し試行錯誤した結果、その日のうちにプロテクトが除去されたディスクを作成するところまで辿り着いた。はっきり云ってパソコン初心者には無理な作業だろうと思う。方法についてはここでは具体的には書かない。ただし、知りえた事実程度は書いてもきっと問題はないだろう。パソコンの操作に自信のある方は出てくるキーワードを基に御自分で調査研究を行なってほしい。地デジを録画したブルーレイディスクをコピーするために突破しなければならないプロテクトは2つ。ブルーレイ機器に施された強力なプロテクトAACSと、日本の地デジ放送波に施された独特のプロテクト信号であるCCIだ。AACSが強力なゆえんは、新規の暗号が、新作のDVDや新発売のブルーレイ機器と通して、既存のブルーレイ機器の暗号のヴァージョンアップするしくみになっているためだ。このバージョンアップのことをマニアは「感染」と呼んでいる。プロテクトの解除に成功しても新しいヴァージョンに感染すると再びコピーできなくなってしまうのだから大変。2010年の3月現在でAACSのヴァージョンはV16にまでアップしている。CCIは地デジの放送波に含まれる情報信号で、この信号に応じてB-CASカードやらコピーワンスやらダビング10などのしくみが動作する。これは日本の放送独自の規格なので、そのしくみに関する情報を海外に求めても得られないのが難点といえば難点。さて、AACSを解除するにはAnyDVD-HDという製品ソフトを使うのが最も簡単。最新版はV16にも対応していている。ただし、これは価格が1万円ほどするシェアウェア。無償で使えるフリーソフトの場合は、BackupBDAVというプログラムを使う。最新版はV061。これでAACSのV10までは解除可能。V16の解除をするのには、マイケルジャクソンの「This is It」というブルーレイソフトに含まれている公開鍵情報が必要。これでとりあえずコピーはできるが、元鍵はまだ解除されていない。CCI信号を除去するにはCCICONVというソフトを使う。これでブルーレイのストリームデータm2tsからコピーワンスやダビング10の信号を除去する。いずれもDOS窓で動作するコマンドラインプログラムだ。必要なプログラムを同じフォルダに集めGUIで動作させることができるGuiBackupBDAVというVB6で作られたプログラムを使うと擬似的にウィンドウズソフトのようになり楽に使える。尚、BackupBDAVの動作にはJava、GuiBackupBDAVにはVB6のランタイムが必要になる。ところで購入したDMR-BR570のAACSヴァージョンはV12だった。BR-H1016S2はおそらくそれ以下だったと思われるが、DMR-BR570で作成したディスクを読ませたので必然としてBR-H1016S2もV12になってしまった。作業の概要を説明すると、まずDMR-BR570のHDDに録画した番組をブルーレイディスクにダビング、そのディスクをBR-H1016S2に入れ、BackupBDAVでAACSを解除し、CCICONVでCCIを除去し、BR-H1016S2に添付されてきたブルーレイ作成(オーサリング)ソフトで、ノンプロテクトなブルーレイディスクを作成する。とそういうことだ。レンタルブルーレイをコピーする場合はAACSの解除だけで良い。ただし、新作ソフトには新しいヴァージョンの暗号がかけられているので留意すること。尚、ここに紹介したプログラムの入手方法やら操作方法には答えないのであしからず。必要な人は御自分でお調べください。

金メダルへのターン

gold日本はバンクーバー五輪でマスコミが事前に煽ったほどメダルが獲れかった。荒川静香さんの金メダルひとつで馬鹿騒ぎしていたトリノに比べたら、ずっとマシだし、歴代の冬季五輪の中でもかなり良い成績だったはずだ。なのにあまり喜べない。その理由はおそらくお隣の韓国の躍進ぶりが凄いかったからだろう。それを象徴するのがスピードスケートや女子フィギュアの結果だ。大手メディアは選手強化費や施設利用料の違いを挙げて検証しているが、そんなにメダルが欲しければ、スポーツ省を作って国民一人あたり100円(で100億)なり200円(200億)なりの費用負担で、頑張る選手を支援すればいいだけのことだ。かつての東ドイツのようにやれば日本人の体格でも倍増以上のメダルは望めるだろう。そうするかしないかは国民次第。個人的には世界レヴェルで頑張るアスリート達がそれを望むのなら、そうするべきだろうと思う。田舎の零細企業の社長が五輪選手の生活を支えている。そんなことができるのも日本がG7に名を連ねるような先進国だからなのだが、それはあくまでも逆説。まともに考えれば経済一流政治三流の結果でしかない。欧米には敵わないが、日本の国民スポーツの裾野は恥ずかしくない程度に広い。東京マラソンにあれだけの人々が集う十分に成熟した社会なのだよ。あるべき姿でスポーツを楽しむ国民がこれだけたくさんいるのは、戦後の学校体育や国民体育大会といった教育政策の立派な成果だというのに、何故か頂点の選手が冷遇される。不思議だ。この謎を解くキーワードは「日の丸」と「エコノミックアニマル」だろう。古い言葉を出してしまったが、前者は「国威発揚のためのスポーツを否定したい」という気持ち、後者は「プロならば金を得ても構わないが、アマチュアスポーツはしょせん道楽だ」という実益主義。そんな警戒感が日本人の深層心理に未だ働いてはいるのではないか。そういう昭和な発想はそろそろ捨てた方がいい。仮に日本が強化費に100億や200億使ったって世界はまったく驚かない。今や借金大国だがその位の経済力はある。国威発揚でもなければ道楽でもない、日本は成熟した社会の代表として五輪選手を送り出すべきで、それに必要な予算を宛てるのは当然なのだ。裾野が広いから金はかかる。しかし、それに耐えるのが先進国だ。耐えられなければG7離脱。競技を絞って国威発揚のためにメダルを獲りに行くやり方は、発展途上国のやること。テレビ受像機をたくさん売って金メダルもたくさん獲ってIOC委員や国連事務総長も出しているのに先進国扱いされない国が近所にあるが、そんな次元で争う必要はない。重要なのはメダルの総量ではなく、その国のスポーツ文化に相応したメダルの数かどうか。現状はややそれには足りないように思う。

朝青龍社員

asasyo横綱朝青龍の評価。意見のわかれるところだろう。相撲の実績は申し分ない。テレビCMに出演するほどの人気もある。しかし、常識と品格に欠けている。古来、常識や品格が無くても、類まれなる才能が世間から評価された人は多い。偉大な業績を残すような人は常人ではないことの方が多かったりもする。朝青龍もそうした偉人の一人なのか。いや、残念ながら私の答えは否だ。常識や品格が無くても優れた業績で評価されるような人は、それとは別に誰からも愛される人間性があるものだ。簡単に云えば「可愛げがある」ということ。それがあれば人々は「しょうがねえなあ」とあきらめつつ、良い面を応援するようにしてくれる。かつて放送されていた朝青龍を起用したテレビCMもそのあたりを意識して作られていたように思う。しかし、現実の朝青龍の所業は、可愛さよりも、ふてぶてしさの方が目立つ。いくら実績を残しても慕う人間はどんどん減っているのではないか。それではダメということだ。ところで、あなたの会社にも、朝青龍のような社員が一人位はいるのではないか? とても良い仕事をするのに、規律意識のない人。能力はあるのに、感情が昂ぶると制御が効かない人。そういう人の社内での評価は二分されることが多い。実力を評価する人は認め、人柄が許せない人は絶対に認めないからだ。よく言えば社内に活気を与え、悪く言えばトラブルメーカー。価値観が大きく変動する時代にはそういう人物の破天荒な行動力が許容されることもある。急激に価値観が変わった戦後の日本社会にも、極端な行動や言動をとる若者が時々現れたように思う。その頃の社会にはまだ封建的な風習が少なからず残っており、指導層にも明治生まれが居たりしたので、古い制度に対抗する若者は、ある種の英雄だった。そして、当時の青春映画でも主人公の石原裕次郎を東野英治郎が暖かく見守る、あるいは森田健作を笠智衆が応援するみたいな構図が喜ばれたもした。現実社会でも、破天荒な若者にこそ世の中を変えていくパワーがあると考え、決められた枠組みの中から飛び出してしまうような若者の人間性を見抜いて、敢えて可愛がるような経営者も少なからずいたようには思う。管理を強化し過ぎて小役人のような社員ばかり増やしてしまうと当然社業は停滞してしまう。バイタリティに溢れた社員は現在でも少なからず必要だろう。しかし、現在の日本社会には昭和の時代にあったような劇的な変化はない。また、多少のマイナス要因など吹き飛ばしてしまうような、経済の急成長もあるわけでもない。朝青龍のような社員の存在を許容できる企業はきっと少ないのではないか。相撲協会もジリ貧と聞く。相撲が反社会的な格闘技としてダイナミックに変貌することで進歩すると考えるのならともかく、国技としての再生を目指すのであれば、今回は朝青龍を解雇すべきだろう。解雇どころか永久追放、記録抹消なんて処分もありうる。彼の破天荒さは、相撲界を崩壊させるパワーは持っていても、人々を惹きつけるようなパワーはない。「愛される人間性」のメッキが剥げてしまったからだ。伝統ある業界とはいえ、多少の規律違反は許容されても良かろうとは思う。しかし、人柄を疑われ始めたら横綱としては失格だ。能力の高い人物なので、母国に戻れば経済人として成功するのではないか。今回の事態を逆手にとって商売するのも良いだろう。その方が彼にとっても幸せだと思われる。

定番消滅

ES611B愛用のシェーバーは松下電工のスピンネットES611。替刃をしたり本体を買い換えたりして20年以上使用してきた。深剃りが出来ず水洗いも出来ないが、シンプルな回転刀シェーバーとしては短時間によく剃れる歴史的名機。1H急速充電も便利。電池が終わってしまっても数分間充電するたけで1回分の剃り程度は使える。忙しい朝や出張時にとても重宝してきた。しばらく前から家電量販店から消えていたので、ネットで調べてみるとなんと製造中止だ。困ったなあ。電池式の回転刃シェーバーはどれもモーターの回転が頼りないし、パナソニックブランドの後継機種は8時間充電。ES611同等品はこの世から消えてしまった。おそらくRoHS指令(特定有害物質の使用制限)に対応できないニッカド電池を搭載しているのが理由だろう。再編が行なわれてきたパナソニックグループの中でスクラップ対象にされてしまったのかも知れない。困ってる愛用者が多いのでないか。パナソニックさん、RC1.5hエボルタ急速充電搭載で3千円くらい定番商品をつくってくれないかなあ。髭の濃くない私は風呂で手剃りしていればあとはスピンネットで十分なのだ。ラムダッシュなどいらん。もちろん3枚刃4枚刃の高級シェーバーには相応の良さがあるが、替刃だけで5千円もするんじゃカナワナイ。専用の洗浄液やらそのキットやらとランニングコストもかかる。もともとそれほどオシャレじゃあないし、スーツをビシッと決めて立ち回るような仕事もしていないので、そこまでの投資をする気にはなれないんだよね。現在、私の手元にはES611が2台ある。自宅使用用と出張使用用。それとかなり以前に購入し電池がへたってしまって元気のないES612もある。どれも製造中止になってしまったようなので仕方なくES612を再生させることにした。モーターが汚れていたり壊れていたらどうしようもないが、とりあえず電池交換をして様子を見ることにした。家電量販店やホームセンターからは既に姿を消している単3ニッカドだが、秋葉原にはバラ売りでまだ置いてある。充電時間が90分になってしまうが、1000mAh(1.2V)の単3ニッカドを購入した。ES611の分解は+ドライバー1本で出来る。首部分の両側にあるツメを壊さぬように慎重に裏カバーを外す。その際、メインスイッチやスイッチを兼ねたACプラグ部分の構造を、後で組み立てが出来るようによく観察しながらバラすのがコツ。充電電池自体は固定も兼ねて直接半田付けされている。半田こてを当てて古い電池を外し、買ってきた電池を+-間違えぬように入れて半田で固定する。電池に直接半田付けするのは難しいので、半田付けの経験のない人は止めておいたほうがいい。経験のある人ならば、取り替える電池に付いた金属板を残し、壊れない程度に電池側接点部分をよく熱して半田付けをすれば上手く付く。組み立てる際はスイッチ部分(メインスイッチとACプラグ)の構造に注意しながら組み立てる。90分ほど充電してスイッチをオンにしてみる。おおお、新品同様の力強さで回転し始めたではないか。このタフさもES611の良いところ。替刃は後継機種でも使われているES9392がどこの家電量販店でも店頭在庫として手に入る。替刃も新調してES612が完全復活。これで気持ちよく新年をスタートできた。

台湾湯浅

YTX4LBS通勤に使用している原付バイクのセルが回らなくなった。最寄のバイク店に行ったところ、「バッテリー劣化の可能性が高いが、バッテリーの価格が高いので、取り替えてまた同じ症状が出ると困る。キックで始動可能ならばしばらくそのまま乗っていた方が良い。」と云われた。YTX-4L-BSという高性能タイプを使用せねばならないという制約もあるのだが、原付用の小さな12Vバッテリーが1万5千円もするんだと。乗用車の寒冷地仕様バッテリーに匹敵する値段ではないか。一体どうなっているんだ? 調べてみると、数年前から鉛の価格が高騰しているらしい。中国やベトナムの経済が発展する中、レアメタルだけでなく工業用材料の要である鉛の品不足が続いているのだそうだ。一番酷い時期には2万円以上もするバイク用バッテリーがあったのだとか。ここにきてリーマンショックの影響で金属の価格はやや落ち着いているものの、鉛に関しては中国の製鉛工場周辺で発生した鉛中毒の影響でその生産量が減り、価格はあまり下がっていないらしい。対応を考えるべくそのしばらくはキック始動で原付バイクに乗り続けていたが、寒い時期を前にいよいよウインカー音のリズムまで変になってきた。やぱバッテリーの劣化が原因だ。新車で購入以来5年間ほぼ毎日乗っており、まあ、取替えて当然の時期ではある。でも、1万円も叩いて原付のバッテリーは買いたくないよなあ。そこで通販価格をネットで調べてみた。中国製のYTX-4L-BS互換バッテリーが2千円台からあるではないか。しかし、安いのはありがたいが、ホントにそれで大丈夫なんだろかと心配になってしまう価格だ。国産品は通販価格でも8千円以上はしている。悩んだ挙句、選んだのは、台湾湯浅のYTX-4L-BS(未充電バッテリ液同梱)。4100円で購入することにした。台湾湯浅は、日本電池とユアサ電池が合併してできたGS-YUASAとは別会社だが、GSユアサインターナショナルの関連企業に名を連ねている。台湾ヤマハの純正バッテリーにも採用されているらしい。台北に行ったことのある方はご存知だと思うが、街中バイクだらけだ。大陸でなく台湾の製品ならば大丈夫だろうと勝手に思い込むことにした。もともと物価は日本の3分の2程度だし、原付に乗る人が減っている日本に比べれば量産効果で安くなっていることもあるのではないか。今回購入したバッテリー万が一、数ヶ月で御釈迦になったらまたここで報告することにする。購入したバッテリーは電解液を自分で注入するタイプ。その方が完全新品の状態から使えるし、一般的に価格が千円弱安い。自分でできない人は注入充電済を購入するか、バイク店でバッテリーを購入し作業をやってもらわなければならない。出費を抑えたい私は勉強して自分で行なうことにした。まず、換気が良く、埃の少ない場所にバッテリーを置き、本体の液口に貼ってあるアルミシールをはがす。これを剥がしたら時間を置かず、すぐに電解液を注入する。時間を置くと、バッテリー内部の部材が酸化し性能が落ちる。電解液を入れるにはまず6連の電解液ボトルの黒く細長い樹脂の蓋を外す。この蓋は後でバッテリー本体の6つの穴の液口の蓋になるので絶対に捨ててはいけない。一方、蓋が取れた白い電解液の入った6連ボトルの6つの口にはそれぞれアルミの蓋が貼ってある。ヤクルトの蓋のような状態。最初に設計した人もヤクルトの蓋からこのスタイルを着想したとの話をどこかで読んだ。次にその6連の電解液ボトルをサカサマにして、それぞれのヤクルトボトルのアルミ蓋部分をバッテリー本体の6つの液口に垂直に合わせる。ズレていないことを確認したら、手のひらの中央部分を使いイッキに力を入れて垂直に落としシールを破る。するとボトルの中の電解液がバッテリー内部に落ちて注入されていく。この時、液が漏れると最悪だ。電解液は希硫酸なので皮膚に付くと火傷する。重曹で中和できるが、そんなものを探している時間があったらすぐに水道の蛇口に行き、大量の水でしっかり洗い流した方がよい。机の上に残ったりした電解液は乾くと濃硫酸になってしまうので、これもよく洗い流すか重曹で中和する。脅かすようなことを書いたが、硫酸は劇薬。この作業は慎重にやる必要があるということだ。稀にシールがうまく破れず希硫酸がすべて落ちないこともあるらしいのだが、その場合は容器を軽くトントンと叩き、必ず全ての液をバッテリー内に落とすようにする。バッテリー内に電解液が入ると化学反応が始まる。耳をすますとチリチリチリと反応する音が聞こえるはずだ。この状態で30分以上放置する。このプロセスを行なわないとバッテリーの運用寿命が減ってしまうので必ず行う。空になった6連ヤクルトはそのまま立てたまま付けていてもOK。埃の少ない場所での作業ならば、6連ヤクルトを外し、最初に電解液に付いていた6連の黒い蓋を軽く乗せて置くほうが良い。要はバッテリー内に異物が入らないようにすることと、多少空気に触れた方が化学反応が早く進むということ。気温が低い場合はやや長めの時間、最低30分放置したら、最初に外した6連の黒く細長い蓋を本体の6つの液口に合わせて蓋とする。これは手のひらの力などではとてもハマらない。木槌とか角材を挟みつつ金槌で叩くなどして、くれぐれも蓋を割らないようにハメる。これでバッテリーは完成。次は初期充電だ。これはやらなくても使える。やらない場合は、もう30分程度放置してからバイクに乗せるようにする。MFと呼ばれるバイク用密閉型(シールド)バッテリーに0.8A程度で補充電が可能な充電器を持っていたら初期充電をする。絶対に急速充電器は使わないこと。私は、バル(BAL)大橋産業のバイク軽トラ用充電器No.1734という製品を使っている。トリクル充電器ではないが、低電流モードが付いていて価格が安い。( 近所のホムセンで2800円だった。)30分放置して蓋をしたバッテリーに充電をかけたら1時間程でフルになった。そのまま、バッテリーをバイクに乗せ、セルでスタート。ファイト一発!我が原付君は雄叫びを上げ元気に始動。バイクからバッテリーを外せないような方には一連の作業は無理なので乗せ方の説明もしない。そういう方はバイク店を利用すべし。私も専用工具を使用するような作業や分解組み立てが難しいような作業は信頼できるバイク店にお願いしている。修理済みバイクを引き取りに行ったら「バッテリーを交換しました。工賃と合わせて2万円になります。」なんて云われたら怒り狂ってしまうよな。冒頭に書いた無理にバッテリーの購入交換を勧めなかったバイク店はとても良心的だと云える。さすがはホンダの足回りやエンジンまわりの部品を製造している某関連工場直営のバイク店だ。今回は原付バイクのバッテリー交換に1万円以上の出費をするのが我慢ならなかったので自分で頑張ってみたが、プロにお願いするところはお願いしないと業界が廃る。業界が廃ればユーザーも困る。中国やベトナムが経済発展をしただけで、これだけ日常生活に影響が出るものか。マグロは食えなくなりそうだし、鋼材も品不足で建設納期が遅れてるとの話も聞いた。消費生活的には80年代が一番幸せだったなあと、廃棄するバッテリーを眺めながらしみじみ思ってしまった。

TRANSATLANTIC - The Whirlwind (2009)

transプログレッシブロックのCDを購入するのは何年ぶりだろう。「現代のプログレを代表するスーパーグループ、トランスアトランティック!」キャッチプレーズも70年代的で実に結構だ。プログレも40年の時を経てすっかり様式と化してしまった。それを肯定して聴けば確かにトランスアトランティックはスーパーグループ。マニアがシンフォニックロックと呼ぶ70年代前半に盛んに生産されたプログレッシブロックのスタイルを見事に現代に再現させてくれている。ELP、イエス、キングクリムゾン、ジェネシス、ピンクフロイド、業界で5大バンドなどと呼ばれる英国のプログレッシブロックグループは、70年代当時の聴衆が驚くような音楽を演奏していたこともさることながら、優秀なポップバンドでもあった。それが全英はもちろん全米のアルバムチャートを賑わした要因でもあるし、彼らが産業ロックの元祖との学説?もある。ELPにはグレッグレイク、イエスにはジョンアンダーソン、ジェネシスにはピーターガブリエルやフィルコリンズ、ピンクフロイドにはロジャーウォータースなどいった優れたポップシンガーがいる。それが売れるプログレッシブロックバンドには絶対必須な条件だった云ってしまっても問題はない。トランスアトランティックにおいてそこを担っているのはニールモーズ。ルックスは普通のアメリカ親父であり、少女マンガの主人公のような美青年ではないが、彼の創る歌は70年代的なポップセンスに溢れている。そこに各国のプログレを代表するプレーヤーが集まれば、現代でもこうしたシンフォニックロック作品を創ることができるのだということを知れるだけでも嬉しい。このプロジェクトのもう一人のキーマンはマイクポートノイ。このドラマー、ホントにプログレが好きだね。ドリシアのファンを連れてきてくれればトランスアトランティックの経営も安定するので実に有難いが、だったらプログレに専念すれば?と云いたくもなる。意外に健闘しているのがマリリオンのピートトレワヴァス。こんなにリズミックにベースを弾く人だったのかと驚いた。マリリオンではスティーブロザリーのギターやイアンモズレーのドラムに注目することはあっても、ピートトレワヴァスに関心をもつことはほとんどなかった。プロジェクトに最も嬉々として加わっているように見えるのもピートトレワヴァスだ。一方、醒めて見えるのがフラワーキングスのロイネストルト。元々グイグイとソロを弾きまくるようなタイプのギタリストではないので、やる気があるのか?と心配になってしまうが、ファーストアルバムのロイネストルトミックスのクオリティはオリジナル以上だったし、トランスアトランティックでの方法論を自分のバンドであるフラワーキングスに持ち込んで創ったであろうアルバム、スペースリボルバーの出来の良いこと良いこと。醒めて見えるのはきっと彼にパーソナリティに因るものなのだろうな。ところで、このトランスアトランティックのサードアルバムにはデラックスエディションってのがある。実はそこに付属するDVDを見るとこのプロジェクトの本質を表す一端が垣間見える。50分もあるビデオが佳境に入った頃、彼ら4人はレコーディングに使われた家の狭いベランダに集まり、アコースティックギターを持ち、全員で本当に楽しそうにビートルズのマザーネイチャーズサンを唄う。彼らがトランスアトランティックでやりたい音楽は表面的にはシンフォニックロックの再現なのだろうが、根底には後期ビートルズのようなものをやりたいという気持ちがあるように思う。ビートルズがジョージマーチンと作り上げた音楽はシンフォニックロックの元祖のようなものでもあるし、プログレ自体が60年代のサイケデリックムーブメントの成れの果てでもあるが、そういうこととは別に、彼らなりのやり方でビートルズをやろうとするとトランスアトランティックのようなものになる、というとなのだ。そのあたりに好感が持てる人ははトランスアトランティックを良いと思うだろうし、そこの価値を感じない人はたとえプログレファンを自称する人でもトランスアトランティックを良いと思わないだろう。メタルやプログレメタル筋からトランスアトランティックに流れてきた人の場合も同じ。メタルやハードロックの世界にも似たような価値観の違いが存在する。この時代の音楽を聴く時、ビートルズを通過するかしないかは大きな違いになって現れる。そんな音楽を2009年に新譜で疑似体験できるのがトランスアトランティックの良さかも知れない。冒頭に書いたように私自身は昨今プログレを聴くことはほとんどないのだが、聴いている音楽は常にプログレと同じ時代、同じ価値観で形成されてきた音楽だ。

悲しくてやりきれない

katoかつてニューフォークと呼ばれた音楽があった。欧米の伝統的なフォークソングに若者が社会的なメッセージを込めて唄った新しいフォークソング。ピート・シーガー、PP&M、ボブ・ディランあたりが元祖かと思う。その影響を受けた音楽は日本でもたくさん作られた。マイク真木、フォーク・クルセイダース、赤い鳥、五つの赤い風船、岡林信康、高石ともや・・・、挙げればキリが無い。社会的なメッセージを込めたもの、日本の古謡や民謡、労働歌に根ざしたもの、当時の若者の生活や心象を唄ったもの、いろんな歌があった。そうした中で強いて私が好きなものと云えば、フォークの真髄を追求する人にはやや申し訳ない気もするが、チューリップやガロに通じるフォークギター以外の楽器も駆使し、架空の事象や若者の夢を歌ったカラフルなタイプのものだ。その分野の先駆け、加藤和彦さんが逝った。デビュー曲「帰ってきたヨッパライ」からいきなり当時としては画期的なテープの早回し、これは「ブルー・シャトウ」の替え歌などと共に当時のハナタレ小僧が熱狂したコミックソングのひとつになった。「あの素晴らしい愛をもう一度」の12弦スリーフィンガーの凄さとアレンジのカッコ良さに本当に夢中になった。ナショナル住宅のCMソング「家をつくるなら」にはマイホームの夢を子供心に見させてもらった。角川文庫から出ていた北山修さんの詩集は未だに私の本棚にある。元来はアコースティックなフォークから始めた人だ、エレクトリック・ギターを使おうがストリングスが入ろうがポップで親しみやすいメロディーが常に基本にあるところが私は好きだった。しかし、一方でスノッブな雰囲気もあった。70年代に入ると私自身がブリティッシュ・ロックやプログレッシブ・ロックに嵌ってしまう。そこ頃聴いた加藤さんのサディスティック・ミカ・バンドは海外進出の気負いがウザくで私は敬遠気味だった。80年代のソロ作品になるとブルジョワ的過ぎて普通の若者だった私の夢とはあまりにも異質な世界で、正直辟易した。私的には「あの素晴らしい愛をもう一度」あたりの時期が一番しっくりくるなとずっと感じていた。しかし、訃報を聞いて久しぶりにサディスティック・ミカ・バンドの「黒船」を聴いてみたら、そのあまりの先進性に驚いてしまった。その後の日本の「良い子の」ロックに脈々と流れる何かの源流がそこにはある。むろん、高橋幸宏さんや高中正義さんによるところも大だが、フラワートラベリンバンドやはっぴいえんど、あるいは意外と先進的なことをしていたチューリップと比べてもやはり一日の長があるように思う。訃報が報道された際、若い人の中には「それ誰?」と思った人も少なくなかったらしい。借金もあったらしいが、鬱の要因は「それ誰?」だろうなと勝手に想像してしまう。90年代以降は懐メロ企画で目にすることが増え、かつてのスノッブさは見る影もなく、坂崎幸之助らとテレビに出て「あの素晴らしい愛をもう一度」を唄ってくれる人の良いオジサンという印象でしかなかった。遺書には「今の世の中には本当に音楽が必要なのだろうか。死にたいというより生きていたくない。消えたい」というようなことが書かれていたという。確かに日本のポップスは技術的には世界レヴェルにまで進化しているものの、40年前に比べれば実にツマラナイものになっている。ある時期、日本のポップスを牽引し続けた加藤さんにしてみれば、現状のツマラナサを自分のツマラナサのように感じてしまってもまあ不思議ではない。やはりスノッブな人だったのかな。昔の名前で出ていても最大限の敬意を持って接する人も少なくない。そういう人々のためにもっと長生きして欲しかった。