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高原のお嬢さん

4b7b84a8.jpg高原のお嬢さん 1965年 カラー 93分 日活

■監督:柳瀬 観
■脚本:千葉茂樹/柳瀬 観
■出演:舟木一夫/山内 賢/和泉雅子/西尾三枝子/ザ・スパイダース

舟木一夫さんのいわゆる歌謡映画でありかつ真剣な純愛映画。舟木さんのファンではない特にオトコが見るべきポイントは全盛時代の和泉雅子さんの美しさ。物語は舟木さん中心だが、カメラは執拗に和泉雅子さんを狙う。バラ越し、真っ赤な紅葉ごし、ズームインにトラックイン。あまりにミエミエのカメラワークだが和泉雅子さんが可愛いので全然OK。逆に嬉しい。和泉雅子さんも今やシミソバカスだらけの北極オバサンだが、やりたいことをおもいきり楽しみ生き生きと活動しているこの人の姿は今も美しい。さて、もうひとつの見所は横岳の山頂にエレキを持ち上げて演奏するスパイダース。横岳ピラタスロープウェーが完成した頃なので、本当に山頂にまで登って撮影しているのかと思ったが、実際には三ヶ峰のあたりでロケをしたようだ。三ヶ峰も眺望は良く、草原のあちこちに火山岩がボコボコと顔を出しているさまは映画のとおりだ。かまやつさんや井上順さんはその上に乗ってギターを演奏している。この時期の「フリフリ(日本語ヴァージョン)」の映像も貴重だが、それ以上に映画に合わせてしおらしく「鈴掛の道」を伴奏しているスパイダースなんてはもっと貴重かもしれない。田辺社長や順さんらはバンドとして控えめに登場しているだけだが、堺正章さんは助演級で登場。さすがは堺駿二氏の息子、存在感ありすぎ。芸風は現在と全く同じ。(笑) 彼らが親湯の温泉プールで演奏するシーンなんてのもある。かってはあった眺めているだけでセレブな気分になる場所のひとつだ。他にも蓼科湖などかつての蓼科の風景が満載。だが、映画の中で恋人同士の儀式が行われ印象的なシーンとして登場する「乙女滝」。あれはどう見ても乙女滝じゃあない。乙女滝は江戸時代に坂本養川という人物が切り開いた用水の途中に人工的に作られた滝、もっと高度差があり爽快な滝で場所は横谷温泉旅館の近くにある。映画に協力ししている蓼科観光協会がこれでよく了解したものだ。考えてみればGSがNHKに出られないような時代に山の天辺でエレキバンド演奏ってのも凄い。でもまあこの映画、蓼科高原の秋をカラーでとても綺麗に撮影もしている。多くの人々がまだ白黒でテレビを見ていた時代、このカラー映画に映された紅葉の蓼科は鮮烈な印象を残したのではないか。こんど蓼科に行く機会があったらロケ地を訪れてみたい。最後にどうでもいい話だが鉄道ヲタクの皆さんには舟木さんが和泉さんと別れて乗り込む列車が「新宿駅発普通列車長野行」ってのが嬉しいかも

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