話自体がほぼ前作と同じなのですが、祐一の性格が前作とは大分違っている(皮肉というか冷静な突っ込みが多い)ので、思わぬところでクスリと笑ってしまいます。前作では祐一は、どの転校先でも馴染めないようなことを言っていたと思うのですが、この辺りの設定は無くなったんでしょうかね。
作画面では相変わらずの京アニクオリティとしか書きようがありませんが、今回は朝の寝起きの名雪と、階段で舞達とぶつかった名雪達の格好に注目です(…って、書くところそれかい)。
(長文・ネタバレ注意)
アバンタイトル
「夢。夢の中にいる。何時もと同じ、ずっとずっと同じ風景の繰り返し。ゆっくりと微睡みに揺られながら、ただ一つのことだけを願う。目を閉じて、次に開けた時、別の風景が、見えますように、と」
若干変更されていますが、東映版第2話のアバンタイトルと同じような台詞ですね。
名雪ヴォイス目覚まし
目覚まし「あーさー。朝だよ。朝ご飯食べて、学校行くよ〜」
朝午前6時50分、名雪の声の目覚ましに起こされた祐一。
Kanonと言えば名雪ヴォイスの目覚まし。目覚ましがけろぴーから猫になっても、目覚ましの台詞は同じですか。猫のしっぽが機械音と共にうねうねと動くのが何とも。
名雪ヴォイス、東映版に比べていかにも録音しましたって感じの音になってしまいました。リアリティという面ではこれが正しいかもしれませんが、インパクトでは東映版に叶わないかも。^^;;;;
かえって眠くなりそうな目覚まし。確かに。^^;;;;
レディの部屋に入る時にはノックから
祐一「うにゅうじゃない! 朝だぞ!」
窓を開けた祐一。外は晴れているとはいえ寒そう。
そんな時、名雪の部屋からけたたましい多数の目覚ましの音が鳴り響く。
前作では祐一に声をかけられて寝ぼけながらも起きた名雪。今回は揺すられないと起きません。しかも立ったまま寝ているし。
……と、そんなことよりも寝ている名雪の描き方が、お尻のアップの向こうに祐一が……というところに目が入ったのは内緒です。
その、ジャムの原料は……
祐一「こ、これ、何のジャムですか?」
秋子「秘密です」
祐一「凄く、複雑というか、独創的な味なんですけど」
秋子「特製ですから、私にしか作れないジャムなんですよ」
朝食の席。東映版では寝ながらジャムを塗っていた名雪。
トーストを何もつけずに食べていた祐一に、「ジャムつけないの?」と本作では聞いています。祐一は甘いものが苦手らしい。
そんな祐一に秋子さんが出してきた「甘くない」ジャム。それを見た瞬間、学校に行く支度があるから、と逃げるようにその場を離れてしまう名雪。この態度で何か気づけば良さそうなものなのに、祐一はそのジャムを食べてしまいます。それは、何とも複雑で独創的な味で………。流石の祐一も、それが塗られたパンを飲み込むのが精一杯でした。
これは、原作のゲームで登場するエピソードなのでしょうか。アニメでは初お目見えということかな。料理は美味しい秋子さんが作る謎ジャム。でも秋子さんは普通に食べられるらしい。い、一体どんな味なんだ。
初日からダッシュ!
名雪「あ…祐一、この辺り、覚えてる?」
祐一「いや、あんまり」
名雪「その内、思い出すと思うよ。ファイト、だよ」
祐一「別に思い出せないのなら、それでも良いんだけどな」
名雪「それはちょっと悲しいと思うよ」
祐一「まぁ、そうかもしれないけどな」
名雪「祐一に思い出して貰いたいって願ってる人が一人でもいるのなら、思い出した方が良いと思うよ。あ…。大変だ。このままだと間に合わないかも」
帰りにおでんだねを購入するように頼まれた祐一。
秋子さんは働いているようには見えないのですが(父親がいないらしいのに、収入がどうなっているのかはともかくとして)、前回、今回はと夕食の材料を買って来て貰っているようですが……。
川の側で、この辺りを覚えてると聞く名雪。やはり覚えていない祐一。
思い出して貰いたいと願っている人。要するに、名雪との思い出の場所ということかな。
私、陸上部の部長さん
香里「おはよう名雪、相沢君」
北川「よう、朝から仲良いな」
祐一「お前は昨日の荷物持ち」
北川「う…。荷物持ちじゃねえって」
香里「北川君、持ってて」
北川「あ、はい」
名雪「一緒のクラスになれると良いね」
祐一「そうだな」
名雪「うん」
走り続け、何とか学校に間に合った祐一達。この辺り前作と同じですが、名雪が汗一つかいている様子が無いのが何とも。
下駄箱の前、香里と北川に出会った祐一達。
祐一、男には容赦ないな。そして否定する側から荷物持ちさせられる北川君哀れ。^^;;;;
一緒のクラスになれると良いねという名雪。うんという返事が本当に嬉しそうです。
この辺りは完全にオリジナルですな。
自己紹介
香里「案外、普通の自己紹介だったわね」
祐一「普通じゃない自己紹介があるなら、見てみたいものだ」
名雪「今日からよろしくね」
と言う訳で自己紹介をする祐一。一緒のクラスになった嬉しさに、名雪手を振っているし。前作よりも嬉しそう。
東映版ではここが祐一と香里との初顔合わせでしたか。東映版の初顔合わせの時の表情や、香里で良いと言われ、俺も祐一で言いと返した時に、あっさり拒絶されたりという香里が何とも良かったのですが、その辺りは無くなったのかな。
案外、普通の自己紹介って、どんな自己紹介を期待していたんだ>香里。
祐一の返答。あちこちで突っ込みが入ってますが前回から祐一は声だけじゃなくて台詞もキョンみたいです。
香里、クラス委員長なんだ。
今日からあいつらと一緒か
名雪「放課後だよ」
祐一「言われなくても判ってる」
香里「名雪、今日からもう部活?」
名雪「うん。グラウンドは雪だから、校舎の中で練習だけど」
北川「香里、どっか寄ってこうぜ」
香里「私も部活。部室に行かなきゃ。じゃ、お先」
北川「ああ、それじゃあ終わるまで待ってるから。く…待ってるからね」
放課後だと判っているのに、わざわざそれを口にする名雪。そういう性格なのかな。
香里に完全に空気扱いされているとしか思えない北川哀れ〜。
前作ではそんな印象は無かったのですが、元のゲームではギャグ担当だったのかな。
手遅れ
名雪「大変だけど、私、走るしか取り柄無いから」
祐一「そんなことも無いだろ」
名雪「そう? 例えば」
祐一「えっと、立ったまま、寝られるとか」
名雪「それって、取り柄?」
祐一「どっちかって言うと、特技かな?」
名雪「むー。嬉しくないよ」
祐一「そうだ、名雪。俺がお前んちに居候していることは、絶対に言うなよ」
名雪「え、どうして?」
祐一「良い噂になるような話じゃないだろう?」
名雪「あ…ごめん、手遅れ」
祐一「え」
名雪「今日の朝、みんなに言っちゃった」
祐一「言うな!」
学校の吹き抜けのホールでの祐一と名雪の会話。
走るしか取り柄が無いという名雪に対して祐一がフォロー……になってません。
前作では祐一が転校を繰り返していて、そのどの場所でも馴染めなかったという独白が入るのですが、その辺りの設定は無くなったのでしょうか(あんまり、そういうキャラには見えないのですが)。
激突
祐一「青のリボン。三年生か」
祐一が同居していることを朝からみんなに言いふらしていた名雪に怒った祐一は、階段を下りて逃げる名雪を追いかけます。
名雪は階段で足を滑らせ、偶々そこに現れた佐祐理、舞と踊り場で激突してしまいます。
前回登場してはいましたが、ここで改めてこの二人と遭遇させましたか。
それはともかくとして、名雪と佐祐理、舞が激突して何をどうしたらこのような足の絡み方となるんだろう。何とも妖しい感じです。
佐祐理と舞は青のリボン、三年生らしい。
DVDCM
どうせ売れるんだから、そう何度も何度も宣伝せずとも良かろうに。
……と感じたのは私だけでしょうか?
迷う程広い校内
祐一「誰かが、ここで飯でも食ってるのか?」
Bパート。どうせ暇だからと、校内を見て回ることにした祐一。
名雪にこの学校広いから、迷子にならないように気をつけてねと警告されていたにも関わらず、祐一はあっさり迷ってしまいます。あれ、前作で迷うエピソードなんてあったっけ?
彷徨う内に、屋上へとつながる扉の前にやって来た祐一。
そこに置いてあった机の中には何故かビニールシート。
誰かがここで飯を食っているのかと感じる祐一。おおっ、こんな所で伏線を張りますか。
屋上からグラウンドを見ようとした祐一、雪に埋まって遭難しかけます。
そりゃ元がゲームなので>状況説明
香里「相沢君。何してるの?」
祐一「振り返ると、美坂香里が立っていた」
香里「何状況説明しているのよ」
香里「挙動不審だから、どこかの秘密機関から潜入したスパイじゃないかって思ったわよ」
祐一「俺は普通の転校生だ」
香里「誰かに道、聞けば良かったのに」
祐一「聞いても曲がり角が多すぎてどこがどこだか」
香里「ふ…。相沢君って、名雪に聞いていたとおりの人ね」
祐一「あ?」
香里「前から聞いて他たの貴方のこと。不思議な人だって」
祐一「不思議? どこが」
香里「さぁね。名雪に聞いてみたら? 今日の名雪、あたしが今までに見た中で、一番嬉しそうだったわ」
祐一「今日って」
香里「相沢君と先生が教室に入ってきた時よ」
更に校内を巡る祐一。図書館や実験室、男性のヌードデッサンをやっている美術部…。
完全に現在位置を見失った祐一は、家庭科室の前で香里に声をかけられます。
状況説明的なキョン…もとい祐一の台詞に突っ込みを入れる香里。
ほぼ無意味に校内を巡回している辺りもそうですが、本作は何となく祐一の視点を通してゲームをやっているような気にさせられるような気がしてならないのですが。
挙動不審とはいえ、どこかの秘密組織のスパイって、発想が素敵すぎです>香里。
それにしても名雪は祐一のことを不思議な人だと吹聴していたらしい。
でも、あの名雪に不思議だと言われてしまう祐一って……。
忘れられた男
香里「いけない。待ち合わせてたの忘れてた。まいっか。じゃあね、相沢君」
祐一「(美坂香里か…。クールな女だな)」
香里と共に漸く校門に辿り着いた祐一。
香里は北川と待ち合わせの約束をしていた様子ですが、まいっかとそのまま帰ってしまいます。とはいえ、思い出して貰えただけ未だマシかも?
必ずしも右利きとは限らない
あゆ「どいて、ぶつかる!」
祐一「よし! 箸を持つ方に避けるんだ!」
商店街におでんの材料を買いに来た祐一。今回の路面電車の広告は、雲印ですか。
そこにまた「どいてどいて、どいて〜」と現れたあゆ。
今度はぶつかられまいと、箸を持つ方に避けるように言う祐一。
そんな言い方するより、「右」と言った方が早いし間違いも無い…と思っていたら案の定、あゆは左利きだったというオチが。
そしてあゆは再び祐一の手を取って逃げ出します。
二度あることは三度ある?
あゆ「今日もたい焼きを買いに行ったんだよ。そしたら、また財布が無いことに気づいて」
祐一「そこに又猫が来たのか?」
あゆ「ううん。今度は野良犬君」
前作と同様に、またもやたい焼きを食い逃げしていたあゆですが……。
あくまでも、只の食い逃げにはさせないつもりですか。^^;;;;
感動の再会も台無しに
祐一「あのな、地元の人間が知らないものを一昨日引っ越してきた人間が知ってる訳無いだろう」
あゆ「引っ越してきた」
祐一「ああ。七年前にはよく遊びに来てたけどな」
あゆ「もしかして、相沢祐一君?」
祐一「え?」
あゆ「昨日、会った時から、そうじゃないかって思ってたんだ。名前一緒だし。変な男の子だし」
祐一「余計なお世話だ。あ…」
あゆ「帰って来てくれたんだね。僕との約束、守ってくれたんだね」
祐一「あ…あゆ、か」
あゆ「うん、僕だよ!」
祐一「久しぶりだな」
あゆ「うん。本当に久しぶりだね。あ…。お帰り、祐一君!」
逃げて来た挙げ句に道に迷い、その話の流れから祐一とあゆが7年前に祐一と出会っていた事が明らかに。そして感動の余り抱きつこうとして反射的に避けてしまいあゆが木に激突……という展開は、前作と同じですが、前作はあゆは木に激突すると同時に落ちて来た雪で生き埋めになっていたので、大分大人しい表現になってしまっています。
栞登場
祐一「お前がぶつかったショックで、雪が降ってきたんだ」
あゆ「僕が悪いみたいな言い方だね」
祐一「事実だろ?」
(中略)
あゆ「うぐぅ…。もう良いもん。7年振りの感動の再会シーンで、木にぶつかったのは、多分僕ぐらいだよ」
祐一「やったな、世界初だ」
あゆ「全然嬉しくないよ」
祐一「あゆが変なことを言うから、呆れられてるぞ」
あゆ「僕のせいじゃ無いもん!」
あゆが木に激突してからワンテンポ後に木から落ちた雪が通りかかった少女の上に落ち、地面にスナック菓子が散らばります。前作ではあゆと一緒に生き埋め状態でしたけどね。
あゆが木に激突したのが、自分が全面的に悪いと言っていたのに、第三者が巻き込まれたと知るや、あゆが悪いと言い出す祐一、酷い奴だな。
やったな、世界初だって、やっぱり本作の祐一の冷静な突っ込みが可笑しい(だからキョンだと言われる訳ですが)。
実は同い年
あゆ「随分沢山買ったんだね」
栞「私、あまり外に出ないので、時々まとめ買いするんです」
祐一「金払ってるんだから、全然問題ないよな」
あゆ「祐一君の言う事聞いてると、僕が悪人みたいだよ」
祐一「事実だからな」
あゆ「僕は良い子だよ!」
祐一「良い子は食い逃げなんかしないってのに」
あゆ「うぐぅ。エヘ。昔のこと思い出した。祐一君って昔からこんな男の子だったよね。こうして会えたのって、きっと運命だよね」
祐一「ただの腐れ縁だと思うぞ。あ…」
あゆ「ねぇねぇ、君って何年生?」
栞「えと、一年です」
あゆ「じゃあ、僕の一つ下だね」
祐一「え!? あゆって俺と同じ学年だったのか? おれはてっきり…」
あゆ「てっきり何かな?」
祐一「敢えて、口にはしない」
栞が落として散らばったお菓子を拾い集めるあゆ。あれ? 前作ではあゆが拾おうとした時、自分で拾えますからと言って、手伝わせなかったので変更になってますね(確か、絵画用具(カッターナイフだそうです)を見られるのが嫌だったような)。
君って何年生? ところで、あゆにしろ栞にしろ何学校なのかは誰も聞いていないのに、どうしてあゆと同じ学年だと思ったのだろう>祐一。中学一年という可能性もあると思うのだけど。
そう言えば前作では、祐一の学校が姉の学校と同じ制服、という発言があった筈ですが、このシーンではそれは無くなってますね。
指切りげんまん
あゆ「でも今日は、とっても嬉しかった。…また会おうね、約束」
祐一「ああ」
あゆ「そうだ! 昔みたいに、指切りしようよ」
祐一「ああ…。でも、手袋してたら出来ないぞ」
あゆ「あ、そうだね」
結局栞に帰り道を教えて貰い、商店街に戻ってきた祐一達。
たい焼き屋さんに再び謝りに行った後で、また会おうねと約束の指切りを提案するあゆ。
前作では、かつて祐一から指切りを提案した…という回想があったような気がしますが、本作ではその辺りは無いような?(同じような場面はあったんでしょうけど)
ところで手袋云々、ですが実際に指切りをしてみたら人間とは思えない程冷たいとかあったのかな。
指切りをした後、あゆは連絡先も告げずに走り去ります。
今回はワイドテレビではありません
真琴「やっと見つけた」
祐一「え?」
真琴「あなただけは、許さないから!」
そんな祐一を影から見ている毛布(?)を被った少女。
「フードショップ コスモス」から出て来た祐一は、その少女(真琴)に「あなただけは許さないから!」と襲いかかられます。しかし少女は余りにも非力で祐一に片手で押さえられてしまう程。そして勝手に転んで気を失ってしまうのでした。
前作同様、第2話の最後は真琴登場シーン。
真琴と言えば前作のあかりハウスという刷り込みがなされているので、そうで無かったことに驚きました(笑)。もっとも、あかりハウス自体はアニメのオリジナルだと聞くので、こちらの方がより正当なんでしょうけど……。
次回予告
祐一「お前、友達居ないのか」
真琴「だって、それは唯一の私の道しるべだから」
秋子「本人が嫌がってるんだから、止めておきましょう」
祐一「殺村凶子。何故〜」
真琴「見てなさいよ。頑張ってとっても可愛い名前を思い出しみせるから」
真琴「にゃー!!」
第3話「記憶のない組曲〜partita〜」