(長文・ネタバレ注意)
- アマテラスを追い詰めたコンキスタドールの背後に現れた地球連合艦隊。識別信号を受信して、地球連合が来たと判っても誰一人として喜ぶどころか不安な表情すら浮かべているアマテラスクルー。救援が来たという喜びより、何故今頃になって何の前触れも無く地球連合艦隊が出現したのかという不審の方が大きいんですしょうか。スパイクスはディータに、実況再開の準備を命じます。
エルロイ「例えアマテラスを墜としたとしても、こちらは四隻の戦艦を失っている。勝利と言うには、ほど遠いな」
- 地球連合艦隊の出現を受け、作戦を終了してアマテラスを地球連合艦隊に任せることにしたエルロイ。地球連合に任せる積もりでいるのなら、前回地球連合艦隊が出現した時にわざわざそのことを伏せて投降勧告を出したのが謎ですが、アマテラスが反撃して来るのをむしろ期待していたんでしょうか。
- その時、コンキスタドールに対し射撃レーダーの照射が行われる。地球連合艦隊はコンキスタドールに対して戦闘距離を保ったままで、コンキスタドールに敵意を向けていた。このシーンモニターで確認してからヘッドホンで確かめているようですが、レーダー波の逆探知であればヘッドホンは要らないような。やっぱり、潜水艦戦を意識しているのかも。
ディータ「スターシップチャンネルのディータ・ミルコフです。中継を再開いたします。ヘンリエッタ星域における自由護衛艦アマテラスと王国戦艦コンキスタドールの戦いの様子を生中継でお伝えして来ましたが、今、状況が大きく変わりました。この宙域に、地球連合艦隊十隻が出現し…」
- 地球連合艦隊の出現を実況で伝えるスターシップチャンネル。地球における放送局に地球連合軍の装甲車が押しかけ、兵士達がスターシップチャンネルのスタジオを占拠。放送を中断してしまう。ディータ。コンキスタドールとアマテラスの戦いを生中継なんてしてない筈ですけど? 何だか、前回の話と上手くシナリオがつながっていない様な。それと装甲車には「UN」マークがついていましたが、王国と同じように「地球連合」も俗称で、正式名は2300年になっても「連合国」のままだったりして。
エルロイ「180度全力回頭! 主砲を地球連合艦隊へ」
- 地球連合艦隊へ向け艦首を向けようとするコンキスタドールに対し、地球連合艦隊十隻より主砲の斉射が浴びせられ、直撃弾多数により放熱システムは早くも限界に。エルロイはアマテラスに回線を繋ぐように命令する。
- 宇宙空間なのに艦が傾いているという描写なのが何とも。やっぱり、地球上の艦隊戦を意識しています。原作の後書きに書いてありましたが、本作における熱=水なんですよね。
- 地球連合艦隊の主砲、プラズマキャノン四連装なんてどうみても反則ですが、あれだけ直撃を受けても直ぐには沈まないコンキスタドールも凄い。流石に大型戦艦というべきか、地球連合艦隊のプラズマキャノンが小型ということなのかな。
エルロイ「現在私の艦は、地球連合艦隊と交戦状態にある。香月艦長補佐は」
- スターシップチャンネルの放映がとぎれたことにアマテラスが気付いた直後、ミユリはコンキスタドールが地球連合から攻撃を受けていると報告。そのコンキスタドールのエルロイ提督からアマテラスに通信が入り、地球連合艦隊と交戦状態にあることを告げる。通信の背後で悲鳴が響いているのが嫌ん。それにしても、エルロイ提督。艦長無視していきなりシノンちゃんのことご指名ですか。^^;;;; 気持ちは判るけど、艦長として礼を失している気が。
- シノンちゃんの映像を見て「君が…」と言うエルロイ提督。番組では散々観ているはずですが、アイドルをテレビで観るのと実際に話すのとでは印象が違うということなんでしょうか。
エルロイ「私が君達に投降を勧告したのは、アマテラスを地球連合軍に引き渡すよう命じられていたからだ。しかし、奴らは予告無しに我々を攻撃してきた」
シノン「どういうことなんでしょうか」
エルロイ「詳細は判らん。だが地球連合が王国との密約を反古にしたのは確かだ。我々は軍人である以上、このような結果も甘んじて受け入れよう。君達とはこのような形で無い決着をつけたかった」
- 通信が途切れた直後、コンキスタドールは爆発。最後に宿敵に通信を送って来て…という辺りの描き方はまさに王道。
- アニメでは詳しく語られませんでしたが、エルロイ提督は部下の命のため惑星国家コルドバ政府の命令を無視して艦毎王国に降伏した人物。だから、ウォン艦長のことを理解しかねると評していたのですが、アニメ版のこの最期はまるで王国軍人としての義務を全うしたかのように見えてしまいます。もう少し、特異な経歴を持つ提督としての苦悩か何かが画面に滲み出てくると良かったと思うのですが、その辺りの事情も含めて軍人だからその運命を受け入れるということなのかなぁ。
ヘルマン「ふ…。人聞きの悪い言い方をしないでくれたまえ。新しく有力な同盟国と共同統治するだけの話さ」
イザベル「利用されているのが判らないのか!」
- 地球連合との密約が敗れたイザベル。慌ててどこか逃亡しようとでもしていたのでしょうか、部屋を出ようとする彼女の前に現れたのはヘルマン。敗戦に責任を取らされ退場…と思っていたら、いつの間にか地球連合と密約を結んでいたのね。携帯電話からでも銀河中と交信が可能な量子共鳴通信が実用化されている世界ならでは、軟禁状態にあっても地球連合と密かに接触でもしていたんでしょうか。
ヘルマン「私が誰に利用されようが、誰を利用しようが、君の知ったことでは無いのだよ」
- 銃声で人が倒れた音の後、更に止めまで刺している銃声が響くのが嫌ん。最後に笑うのはこいつか…と思ったら、再び扉が開いて先程イザベルを連れ去った黒服の他に兵士まで。哀れヘルマンも射殺されてしまいました。王国にこれ以外の勢力がいるとも思えないので、ヘルマンが連れて来た黒服と兵士達って地球連合軍の兵士達ということかな。
トルーマン「発言は許可していない。アマテラスは地球連合が接収する。速やかに武装解除し、一時間以内に退艦し投降せよ。以上だ」
- コンキスタドール撃沈後、アマテラスに通信を送ってきた地球連合艦隊。艦隊司令、トルーマンは高圧的にアマテラスに武装解除と投降を命令する。
- スターシップチャンネルで兵士に銃をつきつけられ連行されるスパイクスは棚を倒して兵士達を下敷きにして逃亡。
ディータ「スターシップチャンネルのディータ・ミルコフです。王国戦艦コンキスタドールは、地球連合による停戦勧告を受け入れず抵抗したため撃沈されました。これを受け地球連合はヘンリエッタ星域解放に向けた、作戦行動の開始を決定した模様です。なお、王国により危機的状況にあった亡命国家アマテラスは現在、地球連合の保護下にあります」
- 食堂に集まったアマテラスクルー。地球連合艦隊の要求に戸惑う一同。その前で中断していたスターシップチャンネルが再開。しかしそれは捏造映像と合成映像による偽番組。ディータの携帯にスパイクスからの連絡が入り、スタジオが地球連合により占拠されたことを知ったシノン達。
シノン「地球連合は、王国に変わってヘンリエッタ星域を支配しようとしているのよ」
キスカ「そんな馬鹿な」
シノン「私達を助けるという大義名分があれば、地球連合はヘンリエッタ星域に艦隊を派遣して、王国を叩くことが出来る」
リオ「私達はダシに使われたってこと。やってくれるわね。叔父様。フ…」
- キスカ、優秀ではありますが、国家の善意なんて信じられる辺り、ボンボンですなぁ。日本人的だけど。叔父を亡命国家の代表として祭り上げた筈が、逆にしてやられたリオ。余り怒りも悔しさも感じさせない雰囲気ですが、その辺りが政治家の血筋って奴でしょうか。
タカイ「結局地球連合が最後に美味しい所持っていく訳かよ」
キスカ「で、僕らはどうなるんだ!」
- キスカ、あんた一応首謀者でしょうに。もう少し腹くくれ。
リオ「私達は用済みよ。むしろ事情を知りすぎてる。邪魔」
サンリ「銀河ネットを占拠したのは、私達を処分するところを放送させないため」
- ここまで間宮元総理は予想していたんでしょうか。前回の発言からすると、拘束される位までは予想していた風ですが。地球連合も大義名分を大切にするのであれば、むしろアマテラスを放送通り保護した方が良い筈ですが、シノン達を処分した後で後は合成映像と音声で偽物のシノン達のインタビューとか流すつもりだったんでしょうか。地球連合が腹黒いのは判るんですが、そこまでしないといけない事情が今一。ヘルマンを傀儡にして利権だけ頂く方が、地球連合による直接統治よりずっと効率的だと思うんですが、この世界の大人達は馬鹿揃いだから仕方がないのかな。
シノン「そんなことさせない。私達は、王国のやり方に抗議するために行動したのよね。今地球連合がしようとしてるのは、王国と同じよ。そんなの許せない」
- 一番蜂起に反対していたシノンが、今回は一番積極的になっているのが何とも。尤も今回は、逃げ場が無い訳なのでそうせざるを得ないですが。
シノン「アマテラスが攻撃される映像を流すのよ。目的は、地球連合の暴挙を銀河全体に晒すこと。 アマテラス最大の武器は視聴者の目よ。危険は大きいし、命の保証は無いけど、今の私達に出来るのはこれだけだと思う」
シノン「投降勧告の期限に合わせ、アマテラスを地球艦隊に自動航行で向かわせます。敵攻撃の被害を最小限に留めるため、残ったカスミ、イカスミを展開、私達はアマテラスを盾に逆方向へシャトルで脱出します」
シノン「アマテラスは敵艦に近づいたところでリアクターをオーバーロードさせ、自沈」
キスカ「自沈コード、承認。総員、退艦」
- 手があるらしいシノンはディータにスパイクスに連絡を取るように依頼。シノンの作戦はアマテラスを地球連合に敢えて攻撃させ、自分達はシャトルで脱出して撃沈の瞬間の映像を全銀河に流すこと。
- 放送局が兵士達に占拠されているというのにスパイクスに生中継を依頼するなんて普通無理だと思うんですが、その辺り、シノンちゃんは考慮に入れていたんでしょうか。むしろ、何とか放送出来ないかとシノンが呟いて、スパイクスかディータに逆提案させる位の展開…には、時間の都合で出来なかったのかも。
- そのためにアマテラスは自動航行で地球連合艦隊に向け進み、敵艦に接近したところでアマテラスの反物質エンジンを自爆させて自沈することに。やはり、宇宙戦艦ものの最終話は総員退艦ですよ(断言)。でももう一つのお約束、移乗戦闘は流石に無かったなぁ、流石に。ヤマトでも銀河英雄伝説でもやったのに。
- シャトルに移乗したアマテラスクルー。しかし、シメイだけがシャトルに姿を現さず、リオとキスカが呼びに向かう。
- その頃、スパイクスは放送局の別のスタジオに。どうして兵士達がそこを押さえていなかったとか、普通、こういう時はまず放送局の電源を落とすのではとか、色々と突っ込み所はありますが…。何しろエマージェンシースタジオと書いてある位なので、きっとその存在は外部には明らかにされておらず、外部とは全く独立して量子共鳴通信で銀河中に放送を送ることの出来る秘密スタジオなんですよ! ……それなら、核シェルター並みの扉を用意しておけよ…簡単に焼き切られちゃうような扉じゃなくて……。
シノン「ピーターさん、どうですか」
スパイクス「こっちは順調だ。中継の準備は」
シノン「ディータさんは、何時でも行けるそうです」
スパイクス「そうか。ディータを頼む」
シノン「…はい」
- 何だか、シノンちゃんはスパイクスの覚悟に気付いている風にも見えます。作戦考えたのシノンちゃんだけどね。
- イソップの部屋に居たシメイ。固く閉ざされた扉越しに呼びかけるキスカ。シメイは艦に残るという。アマテラスのスラスターが不安定なため、自動では地球艦隊に向かわせることが出来ないというのだが、本当はみんなを巻き込んでしまった責任を取ろうとしていたのだ。艦が沈む時、艦長が残るというのはお約束ですが、まさか最年少(15歳です、彼は)シメイが艦と運命を共にしてしまうとは。ただ、シメイが士官候補生達を戦いに巻き込んだという側面が本作ではより強く出ていて、犠牲者も多いので、ここで彼が責任を取ろうとするのはむしろ当然というべきかも。
キスカ「シメイ! ごちゃごちゃ言って無いで出て来い! 艦長命令だ」
シメイ「僕の方が君達より階級が上だ。と言うか正式な軍人だからね。候補生諸君、君達全てをアマテラス乗務から解任する。至急退艦したまえ。以上だ」
- キスカが怒った! しばしば動揺するキスカですが、彼が高圧的に命令しようとするのは珍しいかも。艦長命令を出すキスカに対して、シメイは階級と正式な軍人(軍人じゃないけどね)の立場を主張し、キスカ達をアマテラス乗務から解任、退艦を命じる。なおもキスカは扉を叩くが、リオに促されてシャトルへと戻って行く。リオは、最初からずっとシメイが責任を取るつもりでいたことに気付くのだった。
- これまでずっと戦いを人ごとのように語っていたシメイ。だけど、その口調とは裏腹に、自分が軽い気持ちで可能性をキスカとリオに語ったことを彼らが真に受けて本当に戦いが始まってしまい、かなり責任を感じていたということかな。
- エマージェンシースタジオからカメラポッドの操作を行うスパイクス。あんなポッドで遠距離の地球連合艦隊をズームで捉えられるの? 凄い性能だ。
ディータ「私、緊張してる。まるで初めてリポーターになった時みたい。その時のディレクターが、ピーターだった」
シノン「ディータさん」
ディータ「私達、付き合ってたのよ」
シノン「知ってました」
ディータ「あら。シノンちゃんはそういうの疎いと思ってた」
- シャトルで中継の準備をしているディータとシノンとの会話。二人が良い仲なのは視聴者には見え見えですが、口に出して言うのは初めてでしたか。シノンちゃんがそのことを知っていてディータさんは意外そうでしたが、それは先程スパイクスがディータのことをシノンに頼むと言っていたからだと思います。
タカイ「何だと。俺がつれて来る!」
キスカ「席につけ、タカイ!」
- シメイが残ると聞かされ、自分が連れて来ようとしたタカイをキスカ一喝。タカイがキスカに気圧されるとは珍しい。あのキスカがタカイに命令するということでその背景に何か容易で無いものを感じたのかもしれませんが。
- アマテラスからカスミ、イカスミが射出。シャトルが発進した直後、アマテラスは地球連合艦隊に向け加速。
その様子を捉え、トルーマン司令はアマテラスに主砲発射を準備させる。その時、スターシップチャンネルの実況が再開。扉に向こうには地球連合軍兵士が扉を開けようとしていた。……こういう場面の時は、一気に扉爆破した方が早くないか? どうせスパイクス殺しちゃうんだし。
ディータ「ご覧下さい。これは録画ではありません。今アマテラスは、地球連合艦隊より一方的に攻撃を受けております。この実況は、今アマテラスを脱出したシャトルの中からお送りしています。これまで流されていたのは、地球連合によって捏造された映像だったのです」
- アマテラスに対して地球連合艦隊より一斉射撃。その光景は銀河ネットにより報道されていた。熱により真っ赤に光るアマテラス。その映像を見て泣くアマテラスクルー。
- 敵艦隊に近接したところでシメイは反物質エンジンをオーバーロードさせてアマテラスは四隻の戦艦を巻き添えに自沈。艦隊の近くで反物質弾頭が炸裂したようなものかと。
- アマテラスの撃沈が中継された直後、スタジオになだれ込んだ兵士はスパイクスを射殺。テロを見過ごし、余計な犠牲者を出させることになったスパイクスは、最後は自分の命を犠牲にして迄自分が本当にやりたかったのであろう報道を行うことに。
- EDはその前から流れていましたが、ここからクレジットも入りエピローグに。銀河ネットの報道は直ちに他のチャンネルでも報道され地球連合に非難が集中するのは避けられない状況に。
川路「大したものだな。これもお前の筋書きか」
間宮「いや。彼らは自分達で活路を見いだしたのさ」
- 本作品の悪党は大概が死んでいる訳ですが、真の巨悪がのうのうと何か言ってますよ! これでキビの政権を取り戻したばかりで無く、ヘンリエッタ星域を地球連合が露骨に支配下に置くことも出来なくなり、一番美味しい思いをしたのはこのおっさんということに。この狸が。
セイ「みんな。迎えに来たわよ」
- シャトルの中で沈鬱な表情のアマテラスクルー。そう言えば前回、戦死したかと心配された機関部クルーは全員怪我しただけで無事だったみたいですね。なのに、なのにレンナは。彼女も正規軍人だったから、アキホを守って死にゆく運命だったということかなぁ。このシーン、何だかサンリがタカイを慰めているようにも見えます。
- カーゴシップを用意していたセイさん。前回記事での予測通り、最初で最後の仕事はアマテラスクルーの救出ということに。シノンちゃんの心からの笑顔が印象的です。この笑いは本シリーズ1ですね。
シノン「私達の戦いにどんな意味があったのか。これからどんな意味を持つのか、それは未だ判らない。ただ言えるのは、戦争の終結を迎えたということ。願わくば、その平穏が私達の手によって生み出されたものだと信じたい。例え、つかの間であっても。今、アマテラスの戦いが終わった。第一艦橋ファーストオペレーター。香月シノン」
- ラストはシノンちゃんのモノローグで〆。願わくば、アマテラスが数多の犠牲の上にもたらしたかもしれない平和が恒久ならんことを。
- 士官候補生がテレビ局をスポンサーとして戦争を行うという現在の劇場型戦争を風刺したような設定が目を引いた本作。原作はその設定を生かしてシノン達がアイドル活動に駆り出されたりする娯楽要素を交えつつ、宇宙戦闘艦同士の一騎打ちを真面目に描く戦闘シーン、戦闘に勝利しても政治では勝利出来ないという意外とシリアスな展開、政治情勢や宇宙戦闘艦の性能などをくどくならない範囲できちんと設定し、判りやすく解説する辺り、中々読み所の多い小説だと一読して感じました。アニメ版においてはまず娯楽的要素をそぎ落とし、細かい解説は省略、原作では死ななかったはずの登場人物を情け容赦なく戦死させるなど、若者が正義感と勢いで戦いを決意した結果の悲劇を描き、それでも情勢は一向に良くならず、むしろ最後には利用されていただけと気付く…という展開を経て最後に本当に小さな勝利…という話に仕上がりました。いや、それまで宇宙戦闘艦8隻を沈めているので大勝利とも言えるんですけど。
- 原作の選択は悪くなかった(というか水野氏は最初からアニメ化も考慮に入れていたんでしょうけど)し、原作を改変してシリアスな展開にしようという考えも、また実際のシリーズの流れも結末も悪くは無かったと思います。ただ、いかんせん設定の解説は兎も角キャラクターの感情を掘り下げる間も無くストーリーが進行してしまう話の進め方の不味さ、また細部の作りが突っ込み所満載であったために、世間一般の作品の評価を大きく下げてしまったような気がするのが残念でなりません。思えば三ヶ月間ここをこうすればもっと面白くなるかもしれないのに〜と手に汗握って本作を観ていた気がするのですが、逆に言えばそれだけ作品に愛情をもって観ていたということですよね。^^;;;; それだけに、偶に観られる王国艦隊を次々撃破する戦闘シーンでは爽快な気分にもなれました。
- 後これはわざとだと思うのですが、萌えキャラ満載でありながら、萌え描写が殆ど無いというのは潔いというか勿体ないというか。真面目なテーマを描きたかったのでお遊びは最小限にということなんでしょうけど(本当に最小限だった!)。
- 色々書き足りない部分はありますし、細かい部分は色々とあれですが、1クール作品として綺麗に纏めた作品だったかと思います。でも、やっぱり色々と勿体ない…と思えるのも良作の証ということで。真の駄作ならそんなことも考えずに切ります。アニメ版はもう続きは無いでしょうが、漫画版と小説版の方は未だ続いているようです。そちらの方を楽しみに読みたいと思います。どちらも結構面白いと思うので、未読の方は是非。