三大怪獣 地球最大の決戦 1964年 カラー 93分 東宝
■製作 田中友幸
■監督 本多猪四郎
■特技監督 円谷英二
■出演 夏木陽介/小泉博/星由里子/若林映子/ザ・ピーナッツ/志村喬/平田昭彦
東宝オリジナルゴジラシリーズ第5作。三大スター怪獣(ゴジラ、モスラ、キングキドラ)が勢揃いする人気作だ。黒部渓谷に落ちた隕石から現れた宇宙怪獣キングギドラが最初に襲った街が松本市。市の広報車が市民にキングギドラの来襲を伝え、松本市民が逃げる逃げる。商店街の人々も次々にシャッターを下ろし避難する。松本市役所の屋上にいた人々は、松本城上空に飛来するキングギドラを目撃、天守閣の瓦が風圧で飛び散る。短いカットを積み重ね、緊迫したシーンが上手に演出されている。さて、このゴジラ映画に映った松本、現在はどうなっているのだろうか。まずはその松本市役所、これは1959年以来の庁舎が現存し、映画に映った屋上や展望室は今もその当時のままだ。もちろん国宝である松本城や観光客が慌てて渡って逃げていく朱色の埋の橋(うずみのはし)も変わっていない。他に場所としてわかり易いのはナワテ商店街のシーンあたりだろう。女鳥羽川にかかる中の橋を人々が右往左往しながら逃げる。橋の向こうにナワテの露店や中劇(映画館)も見えている。その中劇の建物の右隣には現在も越中屋という果物店があるが、当時はその2階がフルーツパーラーになっていた。映画では店内から窓の外を見て客やウェイトレスが逃げ出すシーンも含まれている。越中屋の窓から資生堂化粧品の看板の一部が見えているが、それは越中屋の隣にあったアルガという化粧品店(現在はカラオケスナック)。さらに別カットでは越中屋とシャッターの閉まった隣のアルガの店頭を背景に人々が逃げるシーンもある。こうしたことからゴジラ映画にナワテが映っているとの情報は特撮ファンの間ではそこそこ知られているようだ。が、しかし実は商店街のシーンはナワテよりも伊勢町の方がカットが多い。松本リンクストア事務所という大きな看板が目立つがそれは伊勢町にあった文化チケット(きっと買物額に応じて配られるチケット)の事務所。瘡守稲荷への参道も見えるがこれは筋向いの角屋靴鞄店の店内から撮っている。角屋靴鞄店の外観は参道入口左角にあった栗林薬局の内部から撮ったカットでみることが出来る。参道入口右角はみどりやという洋品店で、それらの店を背景に人々が逃げ惑うシーンもある。別カットでは紳士服のエース、田多井薬局の看板、ミセスはやしも映っており、いずれも伊勢町商店街にあった店だ。伊勢町商店街はこの映画の数年後に歩道アーケードを建設。7~80年代には女優秋本奈緒美の生家「BOSSひらさわ」なるジーンズショップもあったりしたが、90年代にはそのアーケードを撤去。道路も拡幅し大胆に近代化。これらの店の中で現存するのは栗林薬局と田多井薬局のみだ。田多井薬局はやや東に移転しているので、同じ場所にあるのは栗林薬局だけということになる。栗林薬局の方に映画の話を伺うと、当時のことを覚えておられ、監督さんがここに座ってシャッターを閉めるシーンを撮っていたなどの話を聞かせてくれた。栗林薬局の御主人(当時)は、映画監督の小沢茂弘氏(東映京都)と旧制松本中学(松本深志高校)で同級だったとのことだ。稲荷社の参道を介して栗林薬局の隣にあった田多井薬局やみどりやのあった場所は現在Mウィングという巨大なビルになっている。筋向いの角屋靴鞄店のあった場所も現在は駐車場、当時の面影は全くといっていいほど無い。個人的には前出のBOSSひらさわやナカガワレコード店、栗林薬局の隣にあった木曽屋という居酒屋、とても腕のいいDPEだった金鈴堂など自分が松本に住んでいた80年代の伊勢町が懐かしいが、この映画ではさらに20年遡る40年前の松本がフラッシュバックの如く登場する。特撮ファンには申し訳ないが、私は肝心の怪獣の方にはほとんど関心が無かったりもする。松本シーンの次に気になるのはザ・ピーナッツ(可愛いワ!)だったりもするのだが・・・。(現時点では市の広報車が走っている場所は不明。歩道と街路樹のある通りは本町、大名町、大手町くらいだろうからその辺りか。遠兵事務機センターの脇から電電公社(NTT)の鉄塔が見えるカットもあるがこれも場所が不明。松本在住の方で場所が判るかたがおられたらコメントやメールにでぜひ御教示ください。)
若いやつ 1963年 カラー 91分 松竹
スペシャルドラマ「弟」
小さな恋のメロディ 1971年 カラー 106分
野菊の如き君なりき 1955年 モノクロ 92分 松竹
あいつと私 1961年 カラー 105分 日活
銀座の恋の物語 1967年 カラー 93分 日活
月曜日のユカ 1964年 モノクロ 94分 日活
憎いあンちくしょう 1962年 カラー106分 日活