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台風クラブ

aa18ef5f.jpg台風クラブ 1985年 カラー 96分 ディレカン-ATG-東宝

■監督 相米慎二
■出演 工藤夕貴/三浦友和/大西結花/尾美としのり/鶴見辰吾/三上祐一

10代の揺れ動く感性を台風の通過に伴う高揚感に見立てて描いた相米慎ニ監督の怪作。まだ世の中の多くを見ていないが故の純粋で突飛で思い込みが強い中学生の行動は、端から見れば狂気のように見えなくもない。そんな中学生の様子を巧みに描いた映画だ。この映画を見て何も感じない人は、歳を経て昔のことを忘れてしまったか、よほどしっかりとした中学生時代を過ごしたのだろうなと思う。私などは「恥」が歩いているような中学生時代をおくったので、この映画の登場事物達の心持ちは何となく理解できる。映画の舞台は実名で出てくるわけではないが佐久市立中込中学校。夏休みを利用して撮影が行われたようで、校庭や玄関、昇降口、講堂、校舎内などがあまねくロケに使用されている。浅間山を背景にした中学校の美しい外観や中込周辺の田園風景、さらには中込小学校ちかくの市営住宅、工藤夕貴が東京からの帰途下り立つ中信駅こと中込駅、街の中を走り回るシーンではシャッターの閉まった夜の岩村田商店街。ここまで佐久が映っている映画は他にはないのではないか。ところでこの中込中学校の校舎、映画が撮られた7年程後の1992年頃、不審火で全焼してしまった。図書館が焼けた翌年に校舎全部が焼けるというなんともキナ臭い経過を辿っている。映画のテーマに沿った原因だとは思いたくないが、仮にそんなことがあったとしたら事実が映画を陵駕してしまうことになるのだろうか。真相は未だに不明のまま。仮にそうだとしたら原因は不明のままで良いような気もしないでもないが・・・。