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中央アルプス市

79741cac.jpg駒ケ根市、飯島町、中川村が合併して出来る新市の名称が「中央アルプス市」に決まったそうだ。「南セントレア市」に比べればマシな気もするが、私は基本的に頂けない名前だと思っている。中央アルプスと南アルプスに挟まれたこの地区の景観は素晴らしく、特に冬の晴れた日の駒ケ岳は息をのむほどに美しい。3市町村共通のアイデンティティを中央アルプスに求めようとする気持ちはよくわかるが、何もまんまそれを名前にしなくても良いのではないか。それぞれの地域には景観だけでなく歴史や文化もある。まず純粋な日本の言葉から地名を考えて欲しい。例えば駒ヶ根市には赤穂という名称が付いた組織や公共施設が多い。これはきっと赤須郷、上穂郷というかつての地名に由来があるのだろう。飯島町は飯島郷、中川村は田島郷と片切郷だった。いずれも鎌倉時代から続く地名だ。私は保守的な国語学者ではないので外来語をいちいち排除するつもりはないし、歴史に因んだ名前がすべてだとも思わない。駒ヶ根という地名もきっと市制を敷いた時の新造語だろう。しかし、地名に外来語ってのは、あまりにドラスティック過ぎないか? キッパリと歴史と決別してるような怖さを私は感じる。グローバル化時代になったからといって、あなたは自分の名前をジョンだとかポールだとかいう西洋名に変えてしまうのだろうか。駒ヶ根市あたりでもアマチュアロックバンドをやってるような若者の中にはバンド内で自分達のことをジミーだとかジョニーなどと呼び合ったりしたりしている人もいるのかも知れないが、家に帰れば家族と沢庵つついて煎茶飲んでる生活をしてたりするのだろうし、役所にある住民票にはまず間違いなく日本語の名前が書いてあるはずだ。彼らは本当にジミーなのだろうか? もちろん、洒落でそう呼び合っている分には楽しくていい。彼らも学校や職場では真面目でいい青年だったりするのだ。「中央アルプス市」という名前は、地域の地理と景観の同一性をうまく表している名称ではある。でも、それってジミーだとかジョニーだとか云ってノリノリになりその気になってる田舎バンドのミュージシャンのステージ上のスタイルとあまり変わらないような気がする。地名は本名であって欲しい。そうでなければ世界に発信するすることも出来ないだろう。