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月曜日のユカ

8f84d46d.jpg月曜日のユカ 1964年 モノクロ 94分 日活

■監督:中平康
■脚本:斎藤耕一/倉本聰 ■撮影:山崎善弘
■出演:加賀まりこ/中尾彬/加藤武/北村谷栄/山本陽子

加賀まりこ主演の日本版ヌーベルバーグ映画。中平康監督が57年に撮った「狂った果実」はフランスヌーベルバーグに影響を与えたってらしいからこちらの方が元祖かも? ストップモーションや新聞穴ワイプなど映像処理はフランスのソレよりも自然で違和感が少ない。・・・ってな堅い話よりもまずこの映画は18歳の加賀まりこのキュートな美しさを堪能すべき映画。昨今、この映画での彼女のファッションを信奉する若い女性が増えてると聞く。山下公園、元町、赤燈台にレンガ倉庫、横浜が舞台。元町のロケ場面ではキタムラ元町本店らしき建物の前を加賀まりこと中尾彬が仲むつまじく歩くシーンもあったりもするが、現在からすれば場末の商店街のように見えなくもない。こういうのをおしゃれと思う若い女性がいてくれることは嬉しいが、実際の昭和39年の元町商店街はドブ板の下からいろんな臭いがしてたんじゃないかと思う。(笑) それらを容認した上でおしゃれだと思うなら実に結構なことだ。テレビのバラエティ番組で毒舌をふりまいてる加賀まりこと中尾彬の若き日の姿は何とも初々しい。この映画を見れば、バラエティ番組からうける2人の印象も変わることだろう。山本陽子がほとんど子役としてチョイ役で出ているが後姿ばかりで顔が見えないのが演出とはいえ残念。

憎いあンちくしょう  

94bb3455.jpg憎いあンちくしょう  1962年 カラー106分 日活

■監督:蔵原惟繕■脚本:山田信夫
■出演:石原裕次郎/浅丘ルリ子/芦川いづみ/小池朝雄/長門裕之

石原裕次郎主演の傑作ロードムービー。実はこの映画、真の愛のあり方を問うストーリーはさることながら、1960年代前半、高度経済成長初期の日本の風景がフルカラーのシネマスコープサイズでよみがえるところに記録的な価値がある。ジャガーXK120、ジープCJ3B-J3(J10)というカーマニアにとってはたまらなくカルトなクルマが、新幹線も高速道路もない時代の、東京~箱根~静岡駅前~名古屋テレビ塔~京都二条大橋~大阪梅田駅前~尾道~広島原爆ドーム~関門トンネル~福岡中州を走り抜ける。街の中心地を通る国道、海際を走る国道、未舗装の国道は雨で泥々。きっと映画のスポンサーなのだろう給油は必ず出光(アポロ)、当時のガソリンスタンドの風情もいい。そしてゴールは九州の山奥、楢山節考もびっくりの山村だ。60年代を記憶に留める人であれば懐かしさに心震えることだろう。映画もテレビもまだ白黒が当たり前、自分自身の60年代の記憶もなぜかモノクロームだったりするので、個人的には当時のカラー映像が新鮮だった。テレビといえば主人公がテレビタレントという設定、当時のテレビスタジオやサブコントロールルームが画面に登場したりもする。60年代の日本の風景がふんだんに詰まった記録映画としてみるのが楽しい。・・・といいつつ、22歳の浅丘ルリ子ってふっくらしていて可愛かったのね~と妙に嬉しくなったりもする。70年代以降のスリムで美しい浅丘ルリ子しか知らん世代にとってはこれも驚きのひとつかも知れない。それとなぜか桑田圭祐がテレビディレクター役で出演している・・・もちろん嘘。