(長文・ネタバレ注意)
裏葉「ここより出て頂きます。その後神奈様と末永く幸せに暮して頂きます」
八百比丘尼「ああ…。お主達のような人が世に数多ければ、わらわ達の定めも変わったかもしれませんね」
- 柳也に神奈を連れ山を下りるように言った八百比丘尼。しかし、柳也は神奈の意向に従わぬ訳にはいかないと言う。裏葉は神奈と八百比丘尼で幸せに暮らして貰おうという裏葉達の想いを伝え、柳也は牢の鍵を破壊する。
八百比丘尼「来ては。なりませぬ。この身は既に穢れています」
- 牢から出て来た八百比丘尼に駆け寄ろうとする神奈。しかし、八百比丘尼はこの身が穢れているからと近寄らないように言う。この穢れの正体は後に明らかとなるのですが、八百比丘尼はどうして最初からその穢れの正体を話すことが無かったのだろう? 話してさえいれば、神奈達が巻き込まれることは無かったのに。尤も、それがあるから神奈を連れて山を下りる様に言ったのだろうけど、その割には一緒に暮らして頂きますと言われてあっさり心変わりしている風にも見えます。
八百比丘尼「裏葉、と言いましたか。この結界をくぐり、抜け道を見いだしたのはそなたですか?」
裏葉「はい。何かに導かれるように」
八百比丘尼「そなたは、良い力をお持ちのようですね」
- 八百比丘尼を連れ、霊山を下っていく柳也達。八百比丘尼は結界をくぐり抜け道を見つけ出した裏葉に良い力をお持ちと言う。これは、後に明らかになるように法術が翼人由来の術なので、その素養となる力ということなんでしょうね。裏葉は術者という訳では無かったのか。
神奈「鳥か?」
柳也「鏑矢だ。合戦の印だ」
- 何かが鳴くような音が霊山に響く。それは合戦の合図である鏑矢の音。矢が飛んだだけであんな音がするとは思えないので、何か笛でも鳴らしているのかな。(追記:矢に鏑をつけ、その孔に風が通って音を発する矢のことだそうです)
- 鬨の声が闇の向こうから上がり、柳也達に矢が飛んで来る。柳也は矢を刀でたたき落とすが、矢が二本、八百比丘尼に突き刺さる。
侍「取ったり」
侍「何を。先の矢は我ぞ」
- 八百比丘尼に矢を当てた兵士二人が手柄争い。柳也が飛び出すより前に、八百比丘尼の身体が光り出し、彼女が巻き起こした風の力により近寄っていた兵士達は吹き飛ばされ、切り刻まれて行き、最後には竜巻によって空中に巻き上げられていく。
柳也「これが翼人の力か…」
- 柳也の髪が風で動いているな、と思ったらそれは八百比丘尼が起こした風でした。翼人の力って風を操るということなのかな。兵士が木に叩きつけられ、直後に木毎真っ二つのシーンまで作画されちゃってます。
柳也「矢を抜くな!」
神奈「何を申すか!」
柳也「血が吹き出るだけだ」
- 矢に倒れた八百比丘尼に駆け寄る神奈。彼女が倒れた場所、牢屋からは大分歩いた筈ですが、石の壁に扉の跡。この廃墟は一体何なんでしょうか?
- 神奈に矢を抜かないように言う柳也。抜いたら血が吹き出るだけだと。つまりは、矢を受けた場所が致命的な場所だということでしょうね。
八百比丘尼「神奈。しょうの無い子ですね。あれ程言ったのに」
神奈「母上…」
八百比丘尼「久しく忘れていました。人肌がこのように暖かいとは」
八百比丘尼「(これが因果であるのなら…)」
八百比丘尼「神奈。良くお聞きなさい。わらわと共に朽ちる筈だった古の祝詞。今こそ貴方に授けましょう。出来るなら、貴方には翼人の定めとは無縁のただの娘として生きて欲しかった」
神奈「母上…」
八百比丘尼「力…風…我らの…今こそ(?)者が受け継ぐ星の見る夢」
柳也「星の見る夢? 何のことだ」
八百比丘尼「遠い…悠久の…相応しき…杯(?)に魂に術(すべ)を」
八百比丘尼「これで終わりです。母を許して下さいね。これこそが、わらわ達の勤めなのです」
- 触れてはなりませぬ。八百比丘尼の警告を無視して、抱きついて嫌だと言う神奈。先程も書きましたが、八百比丘尼が触れてはならないという事情は未だ判るのですが、それまで神奈も誰も、八百比丘尼にその意味を問いただして無いのに、触れてはいけないという母の言葉をそれまでは律儀に守っていたんですね。気付かず、触れようとしてもおかしくないんですけど。多分、原作ではそのようなシーンがあったのだろう…と脳内補完すべきなのかな?
- 後に明らかとなりますが、神奈が抱きついてしまったことで、呪いが神奈にも伝わってしまったということなんでしょうね。八百比丘尼は、自分と共に朽ち果てさせるつもりでいた古の祝詞を神奈に授けます。そして、出来るなら神奈には翼人の定めとは無縁の只の娘として生きて欲しかったと。
- 八百比丘尼の古の祝詞。恐らくゲームではしっかりと記述されていることでしょうが、一部聞き取りづらい部分もあり、その意味が今一掴めません。これが翼人の勤めということですが…。祝詞を口述で伝えるというより、神奈に向けての祝詞により翼人の力を使えるようにしたということなのかな。
- 八百比丘尼に促され、霊山に辿りつくまでの旅の様子について話した神奈。八百比丘尼が額に汗を浮かべているのに気付いた裏葉。
裏葉「神奈様。お母君はお疲れのご様子。お見せしたいものがあるのではございませぬか?」
神奈「母上に会えたおりには是非披露しようとずっと修練しておったのだ」
- 神奈が取り出したのはお手玉。え〜? これまでずっと上手く行かなかったのに大丈夫?
神奈「何故舞わぬ。母上の面前だぞ。何故舞わぬのか! この日のために、ずっと鍛えておったに何故? 何故舞わぬのか!」
八百比丘尼「上手ですね。良く頑張りました。本当に」
- やっぱり、神奈はお手玉を上手くすることが出来ませんでした。何度お手玉を地面に落としても、必死にやり遂げようとする神奈に優しい言葉を八百比丘尼はかけます。
八百比丘尼「これでもう思い残すことはありません。ただ…分かち合いたかった…。この子と翼を連ね夏の空を心のままに。この子と飛びたい」
- 裏葉に薄情な母と思わないように、柳也には弔いは無用と言った八百比丘尼。この子と飛びたいという言葉を残して逝ってしまいます。翼人とはいえ、案外あっけない最後でしたね。
神奈「離せ! 離さぬか。母上は嘘を申さぬ。母上は余が上手だと申したのだぞ。余がお手玉を上手に出来ねば、母上が嘘つきになるであろうが。出来ねばならんのだ。母上が…母上が見ておられるのだぞ。母上が!」
- 母の死に泣き叫ぶ神奈。母の上手だという言葉を嘘にしないために、お手玉が出来ねばならないとは…。せめて死ぬ前に最後位は上手く出来るという展開にするのかと予想していたのですが、ちょっと悲しいですね。
柳也「こんな粗末な矢で」
- 泣き叫ぶ神奈を裏葉は頬を平手打ちして落ち着かせます。柳也は八百比丘尼との約束を破りその身体に手を触れ矢を引き抜きます。この時当然、穢れも柳也に移ってしまったということですよね。
神奈「柳也殿。守護の役、誠に大儀であった。つかの間であったが、余は…余は…う…う…柳也殿! う…う…母上…」
- 神奈は柳也に守護の役の礼を言おうとしますが、結局泣き出してしまいます。
裏葉「柳也様、お水を」
柳也「俺は良いから、神奈にやってくれ」
神奈「余の命であるぞ。飲め」
- 三人で山を下りていく柳也達。そう言えば八百比丘尼は結局葬ったんだろうか?途中、木の下で休憩し、竹筒の水を柳也に手渡そうとする裏葉。柳也は神奈に飲ませようとするが、神奈は柳也に飲むよう命令。結局、柳也、裏葉、神奈の三人で順番に水を飲むことに? これって間接キス? …とかを気にする時代やお年頃でも無いか。
裏葉「こうして三人で身を寄せ合っておりますと、まるで」
柳也「仲の良い家族みたいだな」
裏葉「あ…」
柳也「息苦しいほど身を寄せ合うのが、真の家族って言ったのはお前だろう」
裏葉「まことにそうでございますね」
- 流石に状況が状況だけに、今回は柳也もボケません。柳也は裏葉と神奈の三人で家族だと思い始めているということですね。
- 二人に願いはあるかと聞く神奈。急に言われてもなと言いつつ、心の中では俺の命に変えてもこの包囲を脱出することを願う柳也。裏葉は、神奈と柳也と何時までも暮らしたいという。
柳也「それにな、海は空と同じ位広い」
神奈「何と」
- どこかに小さな庵を構えましょうという裏葉。食い扶持の話をする内に、海の近くならという話に。しかし、神奈は海を見た事が無く、柳也と裏葉は海のことを教える。観鈴ちんは海で遊びたがっていましたが、この辺りにその起源がありましたか。
裏葉「海辺の村にも夏祭りはありましょうね」
- 柳也達の側まで迫ってきていた兵士達。柳也は刀に手をかけながら、裏葉に逃げるよう合図を送る。裏葉は笑って夏祭りの話をしつつ、首を振ります。迫り来る死。その瞬間も笑い合っていると言うのが何とも嫌な感じです。
神奈「余の夢だ。夢は辛い夢ばかりでは無い。楽しかったぞ」
- 神奈はこの状況に気付いていないのか? …と思ったら、やはり気付いていました。柳也や裏葉との生活を夢に描きつつ、着物を脱いだ神奈。これまでのシーンは光ってばかりで良く見えませんでしたが、今回はばっちり…という程のことも無いですが。意外と、胸もありますね(観るべき所が違うでしょ)。
- ふわりとという感じで柳也に近づき、口づけをする神奈。離れた後で唇に手を触れ余韻に浸っているのが良い感じです。しかも裸だし(ぉぃ)。
神奈「余の最後の命である。末永く、幸せに、暮らすのだぞ」
- 羽根を広げ、神奈は夜空に飛び立ちます。地上では風が巻き起こり、兵士達は恐れます。しかし、八百比丘尼のように兵士達は皆殺しにはならず、やがて空に向け無数の矢が放たれます。
裏葉「調伏の呪文でございます。法師達が神奈様に呪詛をかけているのでございます」
- 更に神奈の身体の周囲を呪詛が取り囲み、行動の自由を奪います。その頃、呪詛が唱えられている寺は炎上、武者法師と侍との間で戦いの最中。
法師「読経を止めるな! 翼人の災いからこの世を守るためには、命など惜しんではならぬ」
- 武者法師の側は翼人の災いからこの世を守るため、読経を続けている様子で、侍の法も八百比丘尼を殺してしまったということは、翼人抹殺に出たことは間違いありません。なので、どうしてこの勢力が戦う必要があるのかが良く判りません。法師達は翼人を生かしつつ封じているけれど、侍達の方は翼人を抹殺しようということなのかな。この辺りは、後のシーンで一応知徳法師から教えて貰う部分なのですが…。
柳也「神奈! もっと高く飛べ! もっと! もっと高く!」
- 矢を受けた神奈は力で地上の兵士達を吹き飛ばします。しかし、次から次へと矢が突き刺さり、助けようとした柳也は風に阻まれます。更には呪詛も神奈を縛り上げ、ついに神奈は消滅。矢が何本も突き刺さっている辺りははっきりとは描かれていませんが痛そう…。
柳也「神奈をあんな目に遭わせた奴らを一人でも多く道連れにして死ぬ」
- 神奈が消滅しても、翌朝になっても武者法師と侍の戦いは未だ続いていました。神奈を死なせた者達を一人でも多く道連れにして死のうという柳也の前に裏葉は立ちはだかります。
裏葉「私も脅しではございません。悪鬼と変じた龍也様を見て、何故神奈様がお喜びになりましょうか」
柳也「神奈はもう居ない」
裏葉「いいえ。私には未だ神奈様の声が聞こえます」
- 刀を素手で掴んで止めた裏葉は、神奈の泣いている声が未だ聞こえていると言います。その時、法師が二人、柳也達に近づいて来て、神奈備命の随身である二人を迎えに来たという。
知徳「この寺にもかつて翼ある者が暮らしておりました。以来、この寺には翼人達を見守り、時には助けの手を延べて来たのです」
- 柳也達を寺に呼び寄せたのは、高僧である知徳法師。神奈のことも聞き知っていた知徳。知徳の寺にはかつて翼人が住んでおり、以来この寺は翼人を見守り、助けの手をさしのべたのだとか。
柳也「知徳によれば、翼人達は代々星の夢を継いで暮らし、古より、人々に幾多の知恵を授けてきたのだという」
- …すると、翼人は宇宙人? そして、法術も翼人由来だったのか。
柳也「翼人はその力故に時々の権力者に囲われ、戦の道具とされるようになった。神奈の母は、戦で殺めた者達の呪いを一身に受けていた。穢れとはそのことだったのだ。霊山に攻め入ったのは朝廷の手勢だった。翼人という信仰そのものを葬り、神を一つに束ねるためだと言う。恐らく神奈は、今の世に残る最後の翼人だろうと知徳は言った」
- 悪の巣窟は朝廷そのものでしたか。何も知らずに翼人の社殿で警備をしていた人達は、あの晩に皆殺しになっちゃったんでしょうね。何も知らずに。
- 武者法師達は八百比丘尼を戦に使わせまいとしていたようですが、その所為で逆に霊山毎滅ぼされちゃったということかな? 翼人信仰が朝廷にとって邪魔、ということですが、それだと知徳法師の寺も危ないのでは…。
- ところで、神を一つに束ねるためって、元々八百万も居るような(禁句)。結局、現実に力を行使することが出来る神が居るのが問題だったのでしょう。
- 裏葉は知徳に願い、法術を授かることになった。百年に一度の逸材だったのか。
- 法術の修行を続ける裏葉。柳也は岩屋で翼人の書を編纂。そして術の修行を積んだ裏葉は魂寄せの呪法を柳也の前で行う。これにより、神奈がどんな夢を見ているのかが明らかになるという。
神奈「柳也殿、柳也殿、起きよ。余の命であるぞ。何故動かぬ。何故目を開けぬ。許さぬぞ。余を残して逝くなど許さぬぞ。何故、何故に皆、余だけを残して…。ああ…」
- すると柳也の周囲に空が広がり、そして地上では、柳也の亡骸にすがって泣く神奈の姿。
裏葉「霊山の僧達によってかけられた呪いが、今も神奈様を責め苛んでいるのでございます。そして、母君様から受け継がれた呪いも…」
柳也「あ…」
裏葉「それは翼人に心を寄せる者をも弱らせ、やがて死に至らしめます」
柳也「俺の傷が癒えぬのもそのためか」
裏葉「はい。私は法術で受け流しも出来ますが…柳也様は…」
- 霊山の法師達の呪いと母から受け継いだ呪いを受け継いだ神奈。柳也が死んでしまったという夢を見続け、責めさいなまれているとか。これが「空でいる翼を持った少女」ということか。
- その呪いはそして翼人に心寄せる者も弱らせる。これは寺の呪いというよは、八百比丘尼が一身に受けていた呪いの方でしょうか? 柳也は八百比丘尼に思いっきり触れてますので…。その呪いにより柳也の傷は治らず、余命は一年も無い。
- 往人に傷が浮き上がったり、観鈴の側に居続けると死んでしまうというのは、この翼人に心を寄せる者に対する呪いが現在も生き続けているということなのかな。
裏葉「神奈様を捉えている呪いは、何時か朽ちる時が来ます。そうなれば神奈様の魂は地上に戻り、輪廻を繰り返すことになりましょう。けれど翼人の魂を人に移すことは、小さな器に海の水を移すような物。注ぎ終わるより早く、器は割れてしまいます。神奈様の魂は癒される間さえ無く、輪廻に戻りましょう」
- 神奈を捉えている呪いが解けても、戻るべき器は既に無く、人間に転生したとしても翼人の魂は人間には入りきらない程大きい。観鈴ちんは翼人の生まれ変わりで、翼人の魂を持っていることが、彼女が弱っていく原因ということなのかな?
- 残された時間が限られた柳也。何か神奈を救う手だてが無いかと思います。そんな柳也に向けた裏葉の発言は…。
裏葉「子をお作り下さいませ」
裏葉「子をお残しになれば、柳也様のご遺志も残せましょう。その子に果たせなければ孫が、それでも果たせなければひ孫が、柳也様のご遺志を受け継ぐことでしょう。そして何時かは神奈様を救う方法を見いだすかもしれませぬ。私がお手伝い致しますわ」
柳也「判った。ただし俺は、残りの時の全てをお前私のために使う」
裏葉「はい」
- お手伝いいたしますわ。…とにっこりと笑う裏葉が何とも(笑)。裏葉さんにならお手伝いされたいです(ぉぃ)。
- 裏葉は以前から柳也と裏葉、神奈で暮らしたいと言っていたので、神奈だけで無く柳也にも愛情を感じていて、この言葉は要するにプロポーズですよね。神奈を救いたいという思いは本物だけど、柳也とも愛し合いたいと。
- それに対する柳也の言葉は、裏葉の想いを受け止めたもので、とっっても嬉しそうな裏葉の表情が印象的です。裏葉は笑っている表情が多いのですが、この笑顔は特に印象的でした。心から嬉しい、という感じで。
柳也「ゆっくりと時が過ぎ、岩屋の奥には俺が編纂した翼人の書がある。やがて生まれてくる俺たちの子が、神奈の魂を探すなら、必ず力になる筈だ。そして裏葉は、子に法術を教える。裏葉の血を受け継ぐ者なら、きっと達人になる。俺たちが見つけられなかった道をたどれるかもしれない」
柳也「時を超えてさえ、俺は旅を続けることが出来る。かけがえの無い翼に再び巡り会うための旅を。これ以上望むものは何もない」
- 取りあえず、ヤルことはやってますというイメージシーン(違)。
- 柳也
神奈と裏葉が作った子供が旅を続け、この子も旅を続け…で、往人の代まで旅を続けていたということでしょうか。
- ところで裏葉は法術で呪いを受け流しているということですが、法術が無くなる前に人形に力を込めているとも往人の母が話していましたが、力が衰えてしまうと呪いも受けてしまうのでは。と言うことは、往人の一族も実は短命だとか。
- まさか、あの人形は裏葉が作ったものがずっと受け継がれているものだったりして。幾ら何でもそこまで持ちは良くないでしょうけど。
柳也「忘れても良いんだ。神奈のことも俺のことも忘れて、幸せになっても良いんだぞ」
裏葉「嫌でございます。私は一人ではございません。神奈様と龍也様がこれからもおそばで導いて下さいます。私は幸せでございます」
柳也「そうか…。それでこそ、俺の連れ添いだ」
裏葉「はい」
柳也「ありがとう。裏葉。雨か?」
- 春が過ぎ、夏になってやせ衰えていた柳也。忘れても良いんだという言葉も柳也が言い出したことですか。この言葉も代々受け継がれてきたのですね。雨はもちろん、裏葉の涙ですね。
柳也「さぁ行こうか裏葉。あの空の向こうで、神奈が待っている」
裏葉「ええ。お供しますわ。どこまでも」
- その後1,000年にもなる旅がこうして始まったということですね。
からす「ここは、どこ? 何故僕はこんな所に居るんだろう。そうだ。ついさっきまで、僕は誰かの側にいた。とても大切な誰かの側に」
- 往人はからすに転生しちゃったのか? まさかこんな展開になるとは思いもせず、吃驚仰天。
観鈴「飛べないのかな。ニャハハ。可愛い。んー。ほっといて行っちゃって良いのかな。よーし、じゃあちょっと歩いて、振り向いてついて来なかったらここでお別れ。わ、ついて来る」
- そんなからすに声をかけたのは観鈴。彼女、からすに拘ってましたからね、これは当然か。しかし元気な様子。次回予告で明日から夏休みと言っていたので、時間が巻戻ってます?
観鈴「そうか、じゃあ私と一緒に行こうか」
- よーいどん! と走り出す観鈴。そしてAIRのタイトルロゴ。AIR編の始まり、ということで良いのかな?
観鈴「明日から夏休み」
晴子「よう懐いたなこんなもんが」
観鈴「名前つけたんだよ。空って」
往人「別なのは無いのか」
晴子「却下」
ポテト「ピコピコピコ。ピッコリ」
からす「カアカア」
ポテト「ピコ?」
晴子「何時までこんな暮らししてないかんのやろ」
観鈴「一人になったら、もう頑張れないよ。どうしたら良いんだろう」
晴子「観鈴、行ってくるで」
第十話「ひかり〜light〜」
- 劇場版で「そら」というカラスが出て来ていたんですが、あれが往人の生まれ変わりの姿だとは思わなかった。^^;;;; からすの視点から見ると、キャラクター達の本性が見えて来るって事でしょうか?