生態の多様性ではヘラコウモリ科にかないませんが、種数の多さではヒナコウモリ上科が一番です。
ヒナコウモリ科は330種もいます。日本にも別ページのアブラコウモリウォッチングpipiちゃんつまり Pipistrellus abramusをはじめとして、たくさんのヒナコウモリ科のコウモリが生息しています。科のレベルではほ乳類の中では、ネズミ科に次いで種数の多い科です。温帯にすむ種も多く、冬は冬眠をしたり暖かい地方へ渡りをします。顔だちは、小コウモリの中では一番かわいいと、私は思うのですが。
アシナガコウモリ科の和名は文字どおり足が長いところからついたのですが、英名はfunnel-eared batということで、耳が漏斗のような形をしています。
ツメナシコウモリ科も漏斗型の耳をしていて、アシナガコウモリと近縁と考えられています。翼にある親指が短いのが特徴です。
スイツキコウモリ科は新熱帯に生息し、バナナやヘリコニアなどの巻いた若葉の中をねぐらにするので、手首と足首に吸盤があり、葉の内側で頭を上にしたコウモリらしからぬスタイルで休みます。普通のコウモリも糞や尿を
するときは、翼の親指でぶら下がって、頭を上にしますけどね(でないと、かかっちゃうから)
サラモチコウモリ科はマダガスカル島のみに生息するのですが、これまた手首と足首に吸盤があります。粘着力はスイツキコウモリほど良くないようですが。スイツキコウモリとはその他の点でも形態的に似ているため、近縁であるといわれていますが、どうして新熱帯(中央&南アメリカ)とマダガスカル島に分布が別れたのでしょうね。ひょっとしたら大陸移動のせいかもしれません。
オヒキコウモリ科は世界に広く分布します。日本でもオヒキコウモリが、あちこちで観察されています。コウモリの飛翔のタイプについては、次の2章で説明しますが、オヒキコウモリは細長い翼を持ち、高いところを高速で
飛翔します。コウモリ界のアマツバメでしょうか。尾が尾膜よりさらに長くつき出しているので、尾を引いて飛ぶコウモリです。(ショッカーの怪人コウモリ男はオヒキコウモリだという説が・・・)