1章 ア・ラ・コウモリ 
   3 大コウモリ

オオコウモリ亜目はオオコウモリ科1科だけからなり、英名でfruit batというように果実・花・花蜜・葉を食べます。旧世界(南北アメリカ大陸以外)の熱帯と亜熱帯だけに生息します。名前の通り大きいコウモリがほとんどですが、最小のオオコウモリシタナガフルーツコウモリが体重15g翼開長30cmなのに対して、最大の小コウモリチスイコウモリモドキやオーストラリアアラコウモリは体重150g翼開長1m近くになりますから、小さいオオコウモリよりも大きい小コウモリのほうが大きいのです(わかったかな?)ちなみに最大のオオコウモリはジャワオオコウモリで体重1.5kg翼開長2m近くになります。まさに大コウモリ!!

オオコウモリは犬かキツネのような顔をしているものが多く、別名flying fox(空飛ぶ狐)ともいいます。果実を食べるオオコウモリは頭蓋骨が大きく顎が発達しているのですが花蜜や花粉を食べるオオコウモリは顎が長くて幅も狭く、花の奥のほうまで探れるようになっています。舌も長くて花蜜をなめるのに便利なようになっています。

日本には沖縄から鹿児島の島々にクビワオオコウモリが、小笠原にはオガサワラオオコウモリが生息しています。かつてはオキナワオオコウモリというのもいたようですが1870年以来一度も見つかっていません。日本のは体重400g前後翼開長は80cmくらいでしょうか。小コウモリより大きい正統派大コウモリで、果実食なので
がっちりした頭蓋骨をしています。

オオコウモリは森の中でねぐらをとるものが多く、特に大型のものは天敵がほとんどいないので、キャンプと呼ばれる何千頭何万頭ものコロニーをつくり、賑やかです。唯一超音波でエコーロケーションするルーセットオオコウモリ属は洞窟にねぐらをとります。しかし日本ではそんな大コロニーを見ることがないのは残念ですね。

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