飛翔にメリットがたくさんあるのなら、もっとたくさんの動物が飛ぶようになってもいいのではないでしょうか?
飛翔は、単位時間あたりのエネルギーは地上を走るよりもたくさん必要とします。そのために高性能の呼吸器官を持ち、優秀な心臓と循環系を発達させ、長時間働ける飛翔筋が必要です。やはり誰にでもできることではないようです。
コウモリが飛び立つ時に呼吸速度は4−6倍速くなります。(小コウモリは平均して毎秒10回)。実はコウモリは、通常は翼のはばたきと呼吸を同調させてエネルギーを節約しています。はばたきのアップストロークの最後に息を吐き出し、エコーロケーションパルスもこの時に発するものが多く、エコーロケーションも省エネで行えるのです。
またコウモリの心臓は同じ大きさの地上性の哺乳類の3倍の大きさがあり、拍動も地上性の動物が走っているときより速く、鳥が飛んでいるときに近くなります。また、地上性の動物や鳥よりもたくさん赤血球を持っているものもいるようです。
ということで飛翔は優秀な移動方法でメリットもたくさんあるけれど、決して楽な方法とは言えないでしょう。コウモリは体をいろいろマイナー・チェンジさせて適応しているのです。