オフライン

(00/12/17)(04/04/01一部修正)

聞くところによるとオンライン端末機が未配備のため 日常的にオフライン扱い(以下「オフ扱い」とする)をしている局(以下「オフ 局」とする)が郵便貯金の取扱局では全国で2局ということらしいので自然と注目されてしまうのはある意味やむを得ないところでしょう。とは言っても本 来は 全ての郵便局でオフ扱いできるはずですから(オンラインシステムそのものが停止したり、停電や電話工事など何らかの理由でオンライン端末が使用できなく なった場合にはそうせざるを得ない)、オンラインのつもりで知らずにその場に居合わせて無用のトラブルを引き起こさないためにも最低限の必要な知識を持っ ているべきでしょう。ちなみに日常的にオフ扱いする局は2004年3月末をもって消滅しました。

オフ扱いでは窓口での作業が手作業ですから通帳に記載された現在高(前残)で取扱いを行うことが前提となっています。しかし後で述べるような総合 サービスや機械払付きの通帳などでは正確な現在高が通帳面を見ただけでは全く分かりませんので原則的にオフ扱いしないことになっています。これらのサービ ス を付加された通帳が郵便局めぐりに向かない理由はまさにこれです(詳しくは後述)。

窓口での作業は通帳への印字(乙号日附印、金額器)および主務者印の捺印です(旧様式通帳の主務者印欄は旅行貯金家のためではなくまさにこのために 存在します)。この場合に書類は貯金事務センターへ送付されて原簿に記録が行われて処理が完了します。それに対してオンライ ンの場合は窓口での端末機の操作で専用通信回線を使って原簿との照合と記録、そして通帳への記帳の処理が即時に行われます。

オフ扱いを行った場合はその扱いについて貯金事務センターにおける原簿への記録が行われるまではそのままでオンラインの取扱いをすることができませ ん。オフ扱い 分が原簿に記録されていないため原簿の残高(=オンラインの残高)と通帳面の残高が食い違っているからです。ここでオンラインによる扱いを行うためには、 そ のオンライン局で原簿に未記録であるオフ扱い分をオンライン入力する作業を行います。これを内部では「再入力」と呼んでいるよう です。ここで初めて原簿と通帳面との整合が取れる ので以後はオンラインで正常に取扱いできるようになります。

普通の「郵便貯金通帳」に何も付加サービスがなければ(とは言っても最近ではこれが既に「普通」ではないのですが…)この作業が問題なくできるので すが、最近ではオンラインが完備していることを前提とした付加サービスがいろいろ出現しており、例えばキャッシュカードや通帳によってATMやCD機から 引き出せる「機械払」や、各種料金の「自動払込み」、担保定額(定期)貯金による「自動貸付け」、送金機能の付いた「郵便振替口座開設」(愛称「ぱ・る・ る」)等の総合サービス、貯蓄型の郵便貯金通帳等では、そのままの状態ではオフ扱いを受けられませんし、誤って一旦オフ扱いを受けてしまうと再入力ができ ないなどでその取扱いについて貯金事務センターでの処理が完了するまでの間それらの付加サービスが制限を受けたりオンラインでのサービスそのものが受けら れなくなったりすることがあります。こうなると郵便局めぐりを継続することができなくなってしまう結果となります。お手持ちの通帳の表紙を開いた右側の ページ「ご利用欄」を見て付加されているサービスを確認しておく必要があります。窓口の局員でもご存知の方が少ないようですが、これらの通帳をオンライン 端末が使用できない状況で取扱う場合の正規の取扱い手順はこちら(03/10/10修正)をご覧下さい。

もしこれらの通帳で誤ってオフ扱いを行ってしまった場合にはそのままの状態で約5〜10日程度の間通帳を使用せずに置いておきましょう。運が良けれ ば貯金事務センターで原簿を修正して再びオンラインで正常に使用できるようになりますが、貯金事務センターで処理できない等の致命的な問題が発見された場 合には通帳を回収されてしまう場合があります。

さて、どのようにすればこういった問題をクリアしまた無用なトラブルを誘発することなく郵便局めぐりを継続できるでしょうか。解決する手段としては 次のような方法が考えられます。

趣味で使用する通帳をいろいろな決済に使うことは考えにくいですからまずは不要なサービスを外してもらうことです。「国際ボランティア貯金」以外の 全てのサービスを解除してください。次はオフ預入の場合だけ別の通帳にする方法です。オフ局で上述のような理由で預入を断られた場合には、印鑑と 本人確認法の規定に基づく証明書類が必要になりますが新規で通帳を作ってしまうとよいでしょう(「国際ボランティア貯金」の「あり」「なし」で計2冊の通 帳を持てます)。余分なサービスが何も付いていない状態で口座を開設できますから次から困らなくてよいと思います。オンライン化以降のオフ簡易局での新規 開設についてはあらかじめオンライン用の記号番号が予刷されている通帳を使用しますので、貯金事務センターで原簿に記録した後はそのままオンライン局でも 使用 できます。通常郵便貯金通帳と通常貯蓄貯金通帳で計2冊の通帳を持てます。

単に物珍しさだけでオフ局を訪問するというレベルで物事を考えず、私たちが郵便局を訪問するその瞬間にオンラインシステムが停止する可能性があると いうことを常に念頭においておくことが必要です。私は運がいいのか悪いのかその場面に遭遇したことがありますが何の問題もなくオフ扱いで預入できました。 知らない間に新総合通帳のサービス等が付加されていたとすれば「申し訳ありませんが只今お取扱いできません」と言われてすごすご引き返すことになったかも しれません。

この記事を参考にしてあらかじめオフ局用に通帳を作っていたため、停電でオンライン端末が不動となる場面に遭遇したにもかかわらずオフ扱いで預入できた、 とmujirusiさんよりご報告をいただきました。

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