神風・愛の劇場スレッド 第63話『汚れ無き世界』(7/16付) 書いた人:携帯@さん
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From: Keita Ishizaki <keitai@fa2.so-net.ne.jp>
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: Sun, 16 Jul 2000 23:27:47 +0900
Organization: So-net
Lines: 384
Message-ID: <8ksgpb$l2f$1@news01cf.so-net.ne.jp>
References: <8j72mg$an2@infonex.infonex.co.jp>
<8jncme$862$1@news01cc.so-net.ne.jp>
<8jphm0$d23@infonex.infonex.co.jp>
<8kas3s$bki$1@news01cd.so-net.ne.jp>
<8kemrl$7pn@infonex.infonex.co.jp>


石崎です。

hidero@po.iijnet.or.jpさんの<8kemrl$7pn@infonex.infonex.co.jp>から
>佐々木@横浜市在住です。

 こんにちわ〜。
 このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版の設定を元にした妄想スレッド
です。作品世界が壊れるのが嫌な人は、読まないで下さいね。



>フィンを途中で退場させると全然違う話になって、それはそれで斬新。^^;

 そ、それは考えつかなかった(笑)。

>実の所、とってもロクでなしな学園生活を考え付いてしまって
>即座に自ら封印しました。

 どういう意味でロクでなしだったのかに興味が(笑)。

>>> >★神風・愛の劇場 第60話 『暗くなるのをまって』
>
>もうほとんど決め付けてました。お医者さんごっこですよね?(ぉぃぉぃ)

 産婦人科ですか(違)。

>>> ★神風・愛の劇場第61話『合い鍵』
>成程、確かにあのくらい親密な付き合いがあれば合鍵ぐらいは預っていそうで
す。
>滅多に行使しないのは、プライバシーへの配慮なのでしょうか。

 アニメ第15話(遊園地の話)で、都がお風呂に入っている間に部屋に入り込
んでいた描写に整合性をつけようかと(笑)。

>それにしても「何か』をモロに見てしまった様で。
>一般的に表現すると心霊体験という感じでしたが。(笑)

 都ちゃんは人外な存在と一体化したり、あんな事やこんな事をし続けているの
で、波長が合っているらしいです(笑)。

>>> ■堕天使フィン・フィッシュ編
>
>強い絆に嫉妬しているのかなぁ。

 遊んで貰えなかった「八つ当たり」(笑)

>>> ■名古屋稚空編
>
>アクセスに関する部分は、取りあえず勘繰らずに
>素直に読んでおけばいいのですよね。(笑)

 特にこの部分にトラップは仕掛けていません(笑)。

>★神風・愛の劇場 第62話『包み』

 ツグミさんの父親の登場ですね。
 ツグミさんが父親に良い感情を持っていないのは、父が母と自分を捨てたと思
っているからなのでしょうか。
 父のツグミに対する態度もどこかツグミさんに対して遠慮している雰囲気があ
りますが…実はツグミさんも父も、お互いが自分の事を嫌いなのだと思い込んで
いて、それで相手に対する態度がどこかぎこちない…というパターンだったりす
るのでしょうか。
 まだこのシリーズは続くようですが、最終的にはどういう結末かな。。

 自分一人だからと自分の部屋に誘う稚空…まぁ、信用してくれという方が無理
でしょう(笑)。原作でも何にもしないから一緒に寝ようと誘っているらしいで
すが(爆)。

>たまにはお休みというか何も「無かった」という日があっても良いのでは。^^;

 ぢつは大したことはしていなかったりします(笑)。
 ミストには大した事をさせる予定でしたが、諸般の事情により後回し(笑)。

 では、本編。
 今回は設定話です。佐々木さん版の展開を壊していなければ幸い。


★神風・愛の劇場 第63話『汚れ無き世界』

■黒天使 アクセス・タイム編

●天界と人間界の狭間

(ここに来るのも久しぶりだぜ…)

 アクセスは、天界と人間界を結ぶ「扉」の前に来ていました。
 その「扉」は、人間界から見て「宇宙」と呼ばれる場所にありましたが、如何
なる観測手段を用いようともそれを人間が見る事は不可能であるとアクセスは聞
いています。
 そして「扉」の先にある「天界」が果たしてどのような場所にあるのかは、ア
クセスにも教えられていませんでした。
 「扉」同様、見えないだけで現実空間に存在しているものなのか、「魔界」の
ように、別の次元に存在しているものなのか…。

 光球に包まれたアクセスが「扉」の前に到達すると、「扉」は音も無く開きま
す。
 「扉」を抜けると前方には、もう一つ「扉」がありました。
 アクセスの背後で、今抜けてきた「扉」が閉まり、ややあって前方の「扉」が
開きます。
 ここを抜けると、「天界」かつては「楽園」と呼ばれていた場所まで後少しで
す。

(ここら辺…だよな)

 天界へと続く「通路」、その途中でアクセスは止まりました。

 ──通路──

 そこは、上も無ければ下も無い、何も無い空間でした。
 その空間は「通路」という名称には相応しくなく、案外と広く感じられますが、
端まで行ったことが無いので、どの程度の広さがあるのかはアクセスにも良く判
りません。
 ただ、その空間自体はぼんやりと明るく、また「天界」と「扉」の方向からそ
れぞれ光が差し込んで来ているために、迷う心配だけはありませんでしたが…。

 アクセスがここで立ち止まったのには訳があります。
 人間界の「暦」で約一年前、アクセスが神の使命を帯びて人間界へと向かうフ
ィンと別れた場所だったからです。


●一年前 「通路」

「フィンちゃん!」
「アクセス。ついて来ちゃ駄目よ。神様の大切な用事なんだから!」

 その時、神様より使命を受け、人間界へと向かう事になったフィンをアクセス
は「通路」まで追いかけて来ていました。
 天界一の暴れん坊と評判のアクセスも、この任務はフィンが神に頼まれたもの
であり、自分がついて行く性格のものでは無い事位、百も承知でした。
 そして「天界」の住人が、許可無くして「人間界」へと向かうこの「通路」に
入ることが「掟」に反することも…。

 それでもついて来たのは、フィンにある言葉を伝える為でした。
 本当は天界にいる内に伝える積もりだったのに、伝えられなかった「想い」を。

「ちぇ。おいらだって人間界に…。あ!」

 アクセスの方を向いていたフィンの背中に、黒い影が現れたかと思うと、それ
はたちまちフィンの身体を飲み込んで行きました。

「アクセス、助けて!」
「フィンちゃん!」

 フィンの叫びは、身体毎黒い影に飲み込まれ、その影が消え去った後には、何
も残ってはいませんでした。


●現在

(どうして魔王の手先なんかになっちゃったんだよ…フィンちゃん…)

 アクセスは、フィンを連れ去ったのは魔王で、フィンは魔王に洗脳されて操ら
れているのだと、人間界に向かう前に聞いています。
 人間界で再会したフィンのアクセスに対する態度は、確かにそれを裏付けてい
て、アクセスもそれを信じていたのですが、堕天使としての正体を現した後のフ
ィンの様子を見ていると、単に洗脳だけでは無い、何か別の理由があるのではと
も思うようになりました。
 その理由はアクセスには全く想像が出来ないのでしたが…。


●天界の入り口

 そこは、光に包まれた美しい世界。
 アクセスの眼下には、草木に覆われた天界の大地が広がっていました。
 草木の間には、天界の主な住人たる天使の住む、石造の建物が点在しています。

 眼下と言うのは実は正確な表現ではありません。
 大地は、アクセスの頭上にも広がっているからです。
 そして大地を照らす光は、大地と大地の間から、差し込んで来ているのでした。

 出口を抜けた直後、アクセスは本来の姿に戻ります。
 …と言っても、姿が変わる訳ではなく、単に大きくなっただけなのですが。

 アクセスを初めとする天使達は、人間界に用事があって行く時には、その肉体
を本来の姿の1/10程度に縮めて向かう事と『掟』で定められています。
 それは、人間達に自分達の存在を気付かせないためと言う理由ですが、人間界
では肉体を維持する為に少なからぬ力を消費するという事情もあるのでした。

 人間界で本来の大きさを維持するためには、少なくとも準天使以上の力が必要
であると言われています。
 つまり、アクセスが今回準天使に昇格する事で、堕天使フィンと対等の立場で
接する事が出来るようになるのでした。

 アクセスは、「大地」の中にある建物が固まっている場所に向かって飛んで行
きました。
 そこが天界の中心部なのです。
 そこで、アクセスの準天使への昇格の儀式が行われる事になっていました。


●天界の中心部

「アクセス、アクセスじゃないですの?」

 天界の中心部上空は『掟』で飛行する事が禁止されていた為に、地上に降り立
ち歩いていると、聞き覚えのある声がアクセスを呼び止めました。

「セルシアか?」
「そうですですっ」
「久しぶりだな〜」
「聞きましたですですっ。準天使に昇格するんですって?」
「実はそうなんだ。おいらも漸くその実力が認められたって事かな?」

 アクセスに声をかけたのは、天界での親友の一人、セルシア・フォームでした。

「アクセスの場合、力の問題じゃないさ。同期の中で一番の悪だからな、アクセ
スは」

 後ろから、これも聞き覚えのある声がしました。

「その嫌味な声…トキか?」
「嫌味は無いんじゃないか? アクセス」
「それならさっきの言葉取り消せよ」
「だって事実だろう」
「なら嫌だ」
「まぁまぁ二人とも。ねぇアクセス、せっかくだからお茶でも如何ですっ?」

 喧嘩を始めかけた二人の間にセルシアは割り込みます。

「でも…」
「準天使への昇格の儀式にはまだ時間がありますますっ!」
「そうだな。アクセスの昇格を祝ってやるから来いよ」

 アクセスとセルシアとトキ、そしてフィンは同期の中で仲良し四人組として有
名でした。
 しかし、今はフィンは堕天使となったため、この場にはいません。
 トキやセルシアといると、自動的にフィンの事を思い出したり、話題に出たり
すると思い、せっかくの誘いでしたが気が進みませんでした。
 しかし、セルシアの熱心に誘われて、結局アクセスはお茶に呼ばれることにし
ました。確かに、時間には余裕があったのです。

***

「それじゃあ、アクセスの準天使昇格を祝って乾杯ですっ!」
「乾杯!」

 セルシアの住んでいる建物の庭のテーブルで、アクセス達はお茶会を開いてい
ました。
 天界ではお酒を飲む者はいません。
 それ故に、祝い事の乾杯は、お茶で行うのが慣例でした。

 もちろん、お酒の存在を知らない訳ではありません。
 人間界に存在する物である以上、お酒についての情報は、その製法も含めて入
って来ます。料理や儀式用に作られてさえいます。
 にも関わらず飲む者がいない理由はただ一つ。

 ──天使の「掟」ではそれが許されていないから。──

 お酒だけではありません。
 天使の掟では、その生活について事細かに禁止事項が定められています。
 あらゆる掟がそうであるように、それを守らない者は天界にももちろん存在し
ます。

「しかし、あの掟破りの常習犯のアクセスが準天使になれるなんてな」
「へへーん。神様もおいらの実績は無視できなかったって事だな」
「凄いですですっ! 噂は聞いてますわ」
「そうそう。フィンさんと一緒に、人間界で大活躍なんだろ?」
「へ? フィンちゃんと?」
「そうですわ。人間界ではフィンと仲良くしているんですですっ?」
「アクセスが人間界でフィンさんと一緒にいるのは神様の命令だから仕方ないけ
ど、僕のフィンさんに手を出したら絶対許さないですからね」
「お前ら…知らないのか?」
「何をですですっ?」
「まさか…お前、フィンともうデキているのですか? それは明白な『掟』違反
ですよ!」

 セルシアとトキの口振りから、ひょっとしたらと思っていましたが、どうやら
天界では、フィンの裏切りの事は知らされていないようなのでした。

「お前ら、落ち着いて聞いてくれ。フィンちゃんは実は…」
「おやおや、仲良しカルテットが三人集まってお茶会ですか?」

 アクセスが、真相を話そうとした時です。誰かが声をかけました。

「あなたは…」
「大天使リル様!」

 天界で天使達を束ねる幹部の一人、大天使リルがそこに立っていました。
 神に直接謁見する事の出来る身分で、アクセスに地上界へ行く事を命じた上司
に当たる天使です。
 一応男性であると言われていますが、女性だとの噂もある、大変美しい天使な
のでした。

「どうしてあなたがこんな所へ…」
「たまたま通りかかったら、噂の黒天使の姿が見えたものですから」
「噂の…って俺?」

 セルシアもトキも既に準天使に昇格していましたので、その場には黒天使はア
クセスしかいませんでした。

「そうですよ。人間界での活躍は天界で知らぬ者はいません」
「そうなのか…ちょっと照れるな」
「まだ時間がありますが、一緒に神殿に行きませんか? まさか、その格好で
『儀式』を受ける積もりですか?」
「え…いけないの?」
「そんな事だろうと思い、あなたの為の礼服を用意してありますよ。さぁ、今か
ら行って身支度を整えないと。これも『掟』の内ですから…」
「相変わらず、面倒な所だな…」
「アクセス! 口の聞き方を慎みなさい!」
「はいはい」
「はいは一回!」
「はぁ〜い」
「相変わらずですね、あなたは…」

 リルは、やれやれと言った表情で、深くため息をつきました。


●「神殿」

 アクセスは「神殿」の中の一室で、礼服に着替えさせられていました。

「何か少し窮屈だな、これ…」
「そうですか? 記録にある直近のあなたのサイズに合わせて作らせたのです
が」
「でも、少しきついぜ。やっぱ成長期だからかな」
「単に太ったからなのでは? 人間界では、さぞかし美味しい物ばかり食べてい
たのでしょう」
「そ、それは…」
「それと、お酒も飲んでいましたね」
「げ…」
「神は全てをお見通しなのですよ、アクセス」
「すいません…」
「まぁ、この程度の『掟』違反は、あなたの功績に免じて大目に見る事にしま
す」
「そうなの?」
「あなたには、使命を果たして貰わなくてはいけませんから」
「使命…そう言えば、聞きたい事があります、リル様」
「おや、いきなりかしこまって何ですか?」
「フィンの事についてです」

 それまで微笑んでいたリルの笑みが消えました。

「天界では、フィンの事は…」
「はい、フィンが堕天使となった事は、天界では一部の者しか知りません」
「何故」
「それがフィンの為だからです。フィンが魔王の洗脳から逃れた後、天界に戻る
事が出来るように。洗脳されたとは言え、フィンが魔王のために悪事を働いたの
は事実ですから、事が公になるとフィンを厳しく罰しなければいけなくなります。
フィンの事を報告に来たあなたが、直ちに人間界に送り込まれたのは何故か判り
ますか? 真相を知る者を天界に置く事が出来なかったからですよ」
「すると、さっきリル様が来たのも…」
「ええ、あなたが余計な事を話さないか、見張っていたのです」
「厳しく罰するって言ってたけど…」
「最悪、『消去刑』もあるかもしれません」
「自分の意志でなく、操られていただけでも?」
「あなたとて判っているはずです。洗脳を受けるという事は、心に欲望、弱み、
その他諸々の隙があったという事なのですよ。どれも、天使が持ってはならない
とされているものです」

 アクセスは、稚空や都が悪魔に取り憑かれた時の事を思い出して肯きました。

「今は一部の者しか知りませんが、時が経てば、じきに秘密は守ることが出来な
くなります。今までフィンが働いた罪を考えると、事が明るみになった時には…」
「そんな事はさせないぜ!」
「神も、フィンを消去する事は望んでおられません。貴方が今回準天使に昇格す
るのも、神の意志が強く働いているからです」
「つまり、力をやるから一刻も早くフィンちゃんを元の準天使に戻せって事だ
な」
「はい。頼みましたよ」

 そう言うと、リルは再び笑みを戻しました。

「さて、そろそろ『儀式』の時間ですよ。参りましょうか」

 リルは立ち上がり、『儀式』の場へと続く扉へと向かいます。
 礼服を着たアクセスは、後に続きながら考えます。
 魔王につけ込まれる原因となった、フィンの心の隙とは何だったのだろうと。
 そしてそもそも、本当に洗脳されただけなのだろうかと…。

(第63話:完)

 ああっ、今回で準天使に出来なかった(汗)。

 堕天使フィン誕生の経緯について、原作の設定に関しては、
 Message-ID: <20000206220124keitai@fa2.so-net.ne.jp>
 を参照して下さい。

 登場キャラだけ原作で、設定はアニメ風、そして真実は今後どうとでもなるよ
うにしてみました。

 では、また。

--
Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
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