From: hidero@po.iijnet.or.jp
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Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 26 Jun 2000 17:02:24 +0900
Organization: Infonex Corporation
Lines: 243
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<8itc9t$g15$1@news01bi.so-net.ne.jp>
佐々木@横浜市在住です。
# 月曜日は妄想の日〜♪。
<8itc9t$g15$1@news01bi.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。
>> 石崎です。
ども、こんにちわ。
# 珍しく週末に続きを考えるタイミングが在ったにも関わらず
# 結局土日にはアイデアは浮かばず。習慣とは恐ろしい。(笑)
>> こんにちわ。フォローが遅れて申し訳有りません。
>> このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版設定を元にした妄想スレッドで
>> す。
>> 作品世界が壊れるのが嫌な人は、読まないで下さいね。
てことで。
>> 原作では自分自身を倒すことが出来ないので、他の者に魔王を倒すのを依頼し
>> たことになっていました(ぉぃ)。
エメロード姫みたいなメンタリティですね。(違)
>> ># 私的には最近なんだか弥白が可愛く思えてきたので(1)
>> ># イヂワルする気はあんまり無い(2)のですが。
>> >## さて、嘘は(1)と(2)のどっちでしょうか。^^;
>> 間違いなく(2)でしょう(笑)。
ようし、いじめてやる〜。^^;
>> シルクはノイン様らぶらぶなのです(原作では)。
そうですか。フフフフフ。(謎)
>> >★神風・愛の劇場 第56話 『家族』
>> 父親の書斎のシーン、後々の展開の伏線と見ました(笑)。
え゛っ ^^;;;;;
>> ちなみに稚空は原作では図書館で医学書を読んでいて、医者の跡を継ぐ気はあ
>> る所を見せています。実際、最終話ではインターン中でしたし。
むぅ。原作では結構時間が流れているのですね。見習わないと。(爆)
>> 第57話『記憶の中の風景』
怪獣が本物の怪獣と遭遇。(笑)
本調子のツグミさんならシルクが人間じゃない事に気付かないはずは
なさそうですが、ダメ押しショックを受けた直後ですしね。
# それにしてもムカツク医者だ、お前の所為なのに。ぶつぶつぶつ…。
# ツグミさんの家って結構大きいらしい。
しかし、何ですね、服を着ているから余計にえっちに見える状況の
第2段という所でしょうか。お子様には目の毒だったようで。(爆)
# 夏向けの絵面ですが、こういう手がありましたか。ほっほっほ。*^^*
そして気になるのはフィンですねぇ。最近誰にも遊んでもらってないですし。
# では参りまする。
# こういうのはショタ物になるんでしょうか。(爆)
★神風・愛の劇場 第58話 『関係の温度』
■瀬川ツグミ編
●桃栗町郊外
一階に降りた後で、ツグミは全に何を見たのかと尋ねましたが
全は何も見ていない、ただツグミが誰かに話しかけている様だったから
声をかけたのだと言いました。
筋は通っているのですが、やはりどこかぎこちない受け答えです。
しかし、ツグミはこの時も不必要に追及はしませんでした。
ただフィンの姿を教えてもらえない事が少々残念ではありましたが。
「ごめんね。私の家、退屈だったわね。
男の子って夜は何をして過ごすのかしら」
「ええと、御飯食べて、お風呂に入ったら寝ます」
「それだけ?」
何かの冗談かと思ったのでツグミはクスクス笑いながら聞きました。
「あと、お父さんとお話します」
「学校の先生なんでしょ」
「はい」
「何処の学校なの?」
「桃栗学園です」
「あら、日下部さんの学校だわ」
「そです」
「… え?」
聞き流しそうになってからツグミは驚きました。
「日下部さんを知っているの?」
「えっと、その、お父さんに聞きました」
「じゃぁ全くんのお父様って日下部さんの先生なのね」
「はい。そうなんです」
不思議なことに、また全が困ったなぁという風な話し方をしています。
お父様が学校の事を話すのは内証にしなければマズイ事だったかしら。
そんな事を考えて黙っていると。
「ツグミお姉さんは学校行かないですか?」
「今のところはね」
「えっと、それは…」
「ごめん。まわりくどかったわ。お姉さんね、次の歳になったら
大学の入学試験を受けるのよ。それまでは家でお勉強なの」
「大学って桃栗学園ですか?」
「桃栗学園は高校よ。大学はその上」
「高校には行かないですか?」
「もう終わっちゃったのよ。飛び級なんて言っても判らないよね」
「卒業みたいなのですか?」
「そうそう。そういう事」
本当は色々あっての事なのですが、子供相手でしたので
細々した説明は省いてしまいました。
それに嘘をついた訳でもありませんから、構わないだろうと思うのです。
「そですか。僕もいつか行ってみたいです」
「早く戻れるといいわね」
「戻る、ですか?」
「休学しているのでしょ?」
「え、あ、はい。そです」
無理に同意させてしまった気がしますが、否定しない事は
詮索しない方が良いのだろうとツグミは思いました。
「あの…」
「なぁに?」
「もう寝ないと怒られます」
「あらあら、本当に早寝なのね」
ツグミの感覚では、多分まだ午後九時前だろうと思ったのですが
勘違いだったのかも知れません。
それで全を寝室に案内して着替えさせようとしたのですが。
「困ったわね」
「どうしたんですか」
「男物の寝巻が無いの」
「いいです。このまま寝ます」
「駄目よ。皺になっちゃうから。ちょっと待ってて」
ツグミは全を寝室に残して出ていきました。
言われた通りに大人しく待っている全。
でも、瞼が段々と下がり始めていました。
「お待たせ。これ着てね」
ツグミの差し出した寝巻を見て、全はパッチりと目が覚めました。
「あ、の、そ、れ」
「可愛いでしょ?」
衿や袖口にレースをあしらったナイトドレス。勿論女性用です。
「そそそ、き…」
「着れない?」
「はいっ!」
今日一日で一番はっきりした答えでした。
くすくすくす。ツグミは暫く笑っていましたが、ドレスを
ぽんと放るとドレスの下に隠し持っていたTシャツを出しました。
「冗談よ。これ着てね」
「ひどいです〜」
「ふふ。ごめんごめん」
ツグミの持ってきたTシャツは丈の長いものでしたので、
全の膝の下まですっぽりと包まれました。
「そうだ。寝る前に歯磨きしないとね」
「歯は丈夫です」
全はニィっと綺麗な歯並びの歯をツグミに見せました。
ちょっと普通よりも鋭い犬歯があったのですが、
ツグミには判りません。
「丈夫でも歯磨きはしなさい」
「はいです」
ツグミは全を洗面所に連れていって、一緒に歯を磨きました。
そして、洗面所を後にする為に灯りを消そうとしましたが。
「あら、電気点けて無かったかしら」
「はい。真っ暗です」
「もう。言ってくれればいいのに」
「平気です。ちゃんと見えます」
「あらそう…」
ツグミは間取りを頭に思い描いて、洗面所に灯りが差し込むかを
考えてみました。リビングからは離れていますし、廊下の灯りは
薄暗かった様な気がするのですが、幼い頃のわずかな期間しか
見ていないので自信がありません。
それで、そんなに暗くはないのだろうと結論づけました。
もう一度、全を寝室に連れていってから、ツグミは家中の戸締まりと
灯り、火の始末を確認して寝室に戻りました。
そして、放っぽり投げてあったナイトドレスに着替えると
ベッドに潜り込みました。
「えと、あの〜、一緒ですか?」
「そうよ」
「でもベッドが沢山あるって言ってました」
「在るけど、使うのは二人で一つなの」
そのときのツグミの頭の中には、まろんが浮かんでいました。
全がもじもじと離れて行く感じがあります。
「嫌なの?」
「恥ずかしいです」
「本当のお姉さんだと思えばいいでしょ」
「お姉さん居ません」
「じゃ、お母さんは?」
「お母さん…」
ツグミはしまったと思ったのですが、後のまつりでした。
「悪いこと、言っちゃったかな」
「だいじょぶです。お母さんって暖かいですか?」
「ええ。暖かいわよ」
ツグミはそう言うと全を背中から抱きしめました。
全が頭をぐっと下げて円くなっていたので、
しっかりと抱くことが出来なかったのですが、
抱いたままで背中に耳をあてると
小さな鼓動が早鐘を打っていました。
聞いているうちに深い眠りに誘われたツグミ。
全の鼓動も、いつしか静かになっていきました。
(第58話・完)
# 強いインスピレーションを受けましたので、
# 珍しく真っ直に繋いだ話にしてみたのですが、どうでしょうか。
では、また。
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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■
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