From: Keita Ishizaki <keitai@fa2.so-net.ne.jp>
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: Mon, 29 May 2000 01:19:30 +0900
Organization: So-net
Lines: 417
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References: <8fmjma$fhl$2@news01bd.so-net.ne.jp>
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<8gcsjp$qc7@infonex.infonex.co.jp>
石崎です。
hidero@po.iijnet.or.jpさんの<8gcse3$q6e@infonex.infonex.co.jp>から
>佐々木@横浜市在住です。
どうもこんにちわ。
このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版の設定を元にした妄想スレッド
です。
神風怪盗ジャンヌの世界観を壊したくない人は読まないで下さいね。
では、ゲームスタート!
>で、居なくなるのは、まろんちゃんで都ちゃんが
>まろんちゃんを捜す旅に出るんですね。(そりゃ第3部)
それは第4部のラストです。
第3部だと…まろんちゃんがノイン辺りに(以下略)
>毎度ながら手間をお掛けします。m__m
># リレーって、手の内の明かし加減が難しいですね。
># 詳しく予定をお話しすれば最初から統一されたシリーズ展開に
># なるのでしょうけど、出来れば自分のパートでは石崎さんにも
># 驚いてもらいたいという思いもありますし。
予定を互いに隠しつつ、思わぬ展開に進むのがリレー小説の醍醐味だと思いま
すので、それで良いかと思います。
色々こちらも伏せていますし、佐々木さんも伏せているのでしょうし(笑)。
>>> ★神風・愛の劇場 第49話 『複製物』
>
>悪魔な皆さん(フィン含む ^^;)が大活躍ですね。
>特にノインがまともに話に絡んだのは久しぶりな。(笑)
>女生徒を強迫する教師って、とってもイヤ〜んな感じがして素敵です。*^^*
アニメ第29話『超美形!謎の先生登場』の新聞におけるタイトル、『超美形
教師の罠! 怪しい個人指導』が構想の元になっています。
実はタイトルも『個人授業』とでも当初はする予定でした(笑)。
>ミストの昔語りはとっても気に入りました。(神が悪の元凶と m・・φ)
シリーズ構成を壊さなかったようでほっとしています。
魔王すらも神の創造物で有るというのは、テレビシリーズ放映中から考えてい
たネタだったのですが、魔王様が神を愛していると言うのは、実は藤森氏が第3
話で出したネタを取り入れた部分もあったりして。
>★神風・愛の劇場 第50話 『夢魔』前編
流石ベターマンやブルージェンダースレッドを書いた人だけの事はあります
(笑)。
私には絶対に書けない内容です。
内蔵を抉られた都ちゃんの姿なんか想像してしまいました。
ちゃんと夢の内容が、今までのストーリー展開を踏まえたものとなっているの
も流石です。
まろんが拒絶しているものの象徴があの都ちゃんだとすると…その解は…と少
し考えてしまいました。
アニメ第40話ネタ…普通の人は忘れているかもしれない…。
まろんちゃんが、都ちゃんが追い詰められている事に気付いたようですね。
ジャンヌとシンドバットの共同戦線がまた見られそうです。
># もう独りの怪獣の方はお任せという事で。(笑)
はい(爆)。今回の展開は、2話前位にはやっていないといけなかったのです
が…。
では、本編。
★神風・愛の劇場 第51話『壁』
■名古屋稚空&アクセス・タイム編
●桃栗町 桃栗タワー近辺
「どうだ、アクセス」
桃栗町で最も高い建造物である桃栗タワーの近くで、稚空はアクセスに声をか
けます。
「う〜ん、微弱な気配が沢山ある気がするんだけど…場所が特定できねぇ」
「気配を消しているのか?」
「かもしれない…」
「だとすると、厄介だな」
一週間前、堕天使フィンがまろんの前に姿を現した際に引き連れてきた魔界の
住人達。
それらは、フィンがまろんに捕まった後に、いつの間にか姿を消していました。
まろんは、自分や自分の周りの事で頭が一杯で、そこまで気が回らない様子で
したが、稚空はこの事を忘れてはいません。
もちろん、稚空もまろんや都、そして弥白の事に振り回され、今までこの件に
関しては特に動きが無かった事もあり、あまり考えない事にしていました。
しかし昨晩、学園にいた筈の悪魔が、いつの間にか姿を消した事もあり、その
捜索も兼ねて、稚空とアクセスは街に悪魔の気配が無いか、確かめることにした
のです。
「既に魔界に帰ったんじゃないのか?」
「それは無いと思うぜ、シンドバット」
「だろうな…」
「フィンちゃんが連れてきた魔界の連中、ざっと数百匹はいたぜ。もしも、これ
らが一斉に暴れ出したら…」
「楽しい事になりそうだな」
■東大寺都&堕天使フィン・フィッシュ編
●都の家
「ん…」
ベットの中で目を覚ました都は、すぐにいつもと感じが違う事に気付きます。
「そうか…来てたんだっけ…」
自分の隣に、白い羽根が生えた…都の心と名乗る天使がすやすやと寝息を立て
ているのを見て都は呟き、少し顔を赤くするのでした。
起き上がった都は服を着ると、顔を洗ってからキッチンに向かいます。
冷蔵庫からパック入りの牛乳を取り出して、コップに注ぎます。
それを飲み終えて、冷蔵庫のドアを閉めようとして、ふとその手を止めます。
「そうそう。今日はちゃんとしなきゃね」
都は卵を二つ、冷蔵庫から取り出します。
今日のメニューは目玉焼きとミックスベジタブル、インスタントのコーンポ
タージュにレーズン入り食パンと言う、極めてシンプルかつ手抜きなメニューで
したが、昨日で冷蔵庫の残り物をあらかた片づけてしまったので、材料があまり
無かったのでした。
「今日はちゃんと買い物に行こうかな…」
朝食を盛りつけると、都は両親の部屋に向かいます。
二人で使うには、都のベットは小さすぎたので、勝手に部屋を使っていたので
す。
ドアを開けると、天使はまだ眠っているようでした。
どうしようかとも思いましたが、意を決して都はベットに近づきます。
「起きて、『あたしの心』さん」
そう言いながら、都は天使の身体を揺すります。
「ん…まろん?」
半分寝ぼけた天使が口にした名前は、都を驚かせました。
ややあって、やや乱暴に布団をはぎ取ります。
その勢いで、天使の身体はベットからは落ちはしなかったものの、横に転がさ
れる事になりました。背中の羽根を巻き込んで。
「何すんのよ!」
羽根を背中で潰した痛みで、天使は跳ね起きました。
「おはよう、『あたしの心』さん。朝ご飯出来てるわよ」
「おはよう…って何て起こし方するのよ!」
「…別に。家ではこれが普通の起こし方だけど?」
「もう! 天使の羽根はデリケートなんだから、気をつけてよね」
「はいはい。さ、冷めない内に食べよ」
「うん…」
都は、まだ完全には目が覚めていない様子の天使の手を取り、ダイニングへと
連れて行きます。
「人間の食事があなたの口に合うかは判らないけど…」
「大丈夫よ。人間の食べ物は好きだから…」
そう言うと、天使はパンを手に取って口にしました。
暫く、二人は無言で朝食を食べました。
「コーヒー飲む?」
「有り難う…」
食事を食べ終わった後で、都はコーヒーを入れました。
「砂糖とミルクは?」
「あ、両方」
(こうして見ると、羽根が無ければ普通の「人間」だよね…)
フィンの食べ方を見ながら、そんな観察を都はしていました。
「ちょっと、そんなに砂糖を入れるの?」
「え? だってフィン、これが普通だもん」
「フィン?」
「あ…」
天使が砂糖を何本も入れていたのを見かねて声をかけた時、天使が口走った言
葉を都は聞き逃しませんでした。
「ねぇ、『あたしの心』だって言ったけど、それって本当は違うんでしょ」
「…」
「良いのよ。別にあたし、嘘をついた事は怒ってないよ。だって、貴方のお陰で、
随分あたしは救われたもの…」
「都ちゃん…」
「ねぇ、フィンってのがあなたの名前なの?」
「うん…」
「あなたは本当はどこから来たの? あなたは何者なの? 何のためにあたしに
近づいたの?」
「それは…」
「あ、言いたくなかったら言わなくても良いわ。誰だって、言えないこと、ある
もんね」
「え…?」
「ねぇフィン、寂しくなったら、またあたしの所に来てね。歓迎するから」
「べ、別に私は寂しくなんか…」
「あら? 言ったじゃない。あなたもあたしと同じで、独りぼっちなんでしょ
う?」
「そんな事言ったかしら」
「言ったわよ。あたし、ちゃんと覚えているもの。でも、今は独りぼっちじゃな
いよね」
「え?」
「あなたにはあたしが、あたしにはあなたがいるんだもん」
都はフィンの手を取って言います。
都の目には、フィンの頬が心なしか赤くなっているように見えました。
「ゴメン都ちゃん。私、行くから…」
やがて、フィンは都に軽くキスをすると、ベランダに出ようとします。
「あのさ、前から思ってたんだけど、そこから飛んで行って、誰かに見られたり
とかしないの?」
「あ、知らなかったっけ? 私達の姿は、私達が必要とする者と私達を必要とし
ている者にしか見えないと言われているわ」
「え? それってどう言うこと?」
「普通の人間には、私達の姿を見ることは出来ないって事」
「あたしは普通じゃないの?」
「都ちゃんは特別。私が「見せて」いるのよ」
「ふ〜ん」
「そうだ都ちゃん。貴方、私の羽根を持っているわよね」
「え、ええ…どうしてそれを?」
「それ、肌身離さず持っている事ね。きっと、それが貴方を守ってくれる」
「え? どう言うこと?」
答は、有りませんでした。
ベランダからフィンが飛び立ってしまったからです。
取り残された都は、どうして寝言でフィンがまろんの名を呟いたのかを考えて
いました。
■山茶花弥白編
●山茶花邸本邸
その日の朝、弥白の様子は変でした。
普通の家一軒が丸ごと入りそうな巨大なダイニング。
弥白は目の前の朝食には手をつけず、ただぼーっとしていました。
時々、何かを夢想しては顔を赤らめている様なのです。
「あ、あのお嬢様…」
弥白の様子を心配した執事が声をかけます。
「なぁに?」
気怠そうな様子で弥白が答えます。
「お身体の調子が悪いのでは。爺は心配でございます」
執事の目から見て、ここ数日の弥白の様子は本当に変なのでした。
「心配要りませんわ…。それに私、今日は久々に良い目覚めを迎えましたのよ」
「それは良うございました。良い夢でも見られましたか?」
「ええ、本当に…」
そう言うと、弥白は顔を赤くしてため息をつきました。
その様子を見た執事は、弥白が見た夢の内容を察します。
それは、大筋において正しいものでした。
ただ一点、その内容が執事の想像より「進んだ」ものである事を除いて。
「そう言えば、例の物は届いたのかしら」
急に、弥白は執事に問いかけます。
「はい。実は…やはりお嬢様の部屋と山荘にあった物は完全に破壊されているの
で、新しく機械を運び込むしか無く、復旧には今暫くの時間が…」
「それで? メインアーカイブの方はどうなの?」
「はい。被害はウイルスに侵入されただけ、物理的な損害は無いとの事で、ディ
スクと念のため全てのメモリを交換して復旧したとの事です。昨夜より一部の
データを除いて全て元通りに」
「端末の方は?」
「全て新品に取り替えました」
「そうですか…。残りの物も、出来るだけ早くお願いしますね」
「はい」
最も、「弥白ネットワーク」の方は今の弥白にとって重要度は低くなっていま
した。
弥白は稚空の事は大事でしたが、自分の親同然な神楽の事も大事なのです。
その神楽を敢えて悲しませようとまでは、弥白は考えてはいません。
それに、今はもっと重要な事がありました。
●サンセットクリフ 三枝の別荘
「退院おめでとうございます、三枝先生」
サンセットクリフの再建なった三枝の別荘で、弥白は退院した三枝を出迎えて
いました。
三枝には、異例な事ながら名古屋病院事務長の神楽が荷物を持って付き添って
います。
「今まで有り難う、山茶花さん」
「いいえ、先生が気になさる事はありませんわ。さ、早くお入りになって」
弥白は、三枝の手を取って別荘の中に導きます。
「ほお…これは…」
別荘の中には予め家具が運び込まれ、完全とは言わないまでも元通りに復元さ
れていました。
「如何ですか?」
「元通りとは聞いていたが、家具や調度まで同じ物だとは…。これは驚いた」
「どうしてそんな事が出来たんです? 弥白様」
「その秘密はこれですわ」
弥白は、ノートパソコンを取り出して起動すると、あるファイルを呼び出しま
す。
「『男の住処』?」
「そう。男性向けの書斎やインテリア等を取り上げている雑誌ですわ。これの4
年程前の号に、先生の別荘が取り上げられていましたの。そこに映っていた写真
を専門家に分析させて、家具等を揃えたのですわ。だから元通りとは言っても、
4年前のものですし、写真に写っていなかった部分は想像なんですけど…」
「いや、ここまで徹底しているとは、正直思わなかったよ。山茶花さん、有り難
う」
三人は、別荘の中の一番広い暖炉のある部屋に入ります。
この部屋だけは、以前と異なり、応接セットが新たに用意されていました。
「さ、先生はお座りになって。今、お茶を入れますわ」
「いや、お茶は私が…」
「良いんですのよ」
お茶や食器の類も、既に用意してありました。
弥白はお湯を沸かして紅茶を入れます。
「はい、どうぞ」
弥白はお手製のクッキーも持ち込んでいて、ちょっとしたお茶会となりました。
「本当に何から何まで済まない、山茶花さん」
「もう、その事は言わないで下さいな。それに…三枝先生とはちょっとした約束
をしていますのよ」
「ああ、プライベート写真集の事ですよね、弥白様」
「え!? 知っているんですの?」
「ええ、海生様が教えて下さいました」
「もう…三枝先生が稚空さんのお父様に話されたのね」
「済まない…つい…」
「まぁ良いですわ。どうせいずれは神楽に知れる事ですし…」
「え!? それでは…」
「もちろん、神楽にも一冊上げましてよ。私の最も美しい一瞬を神楽にも見て頂
きたいですもの」
「有り難うございます。神楽は…神楽は…」
「もう、何もそんなに喜ばなくても…」
神楽の喜ぶ様子を見て、弥白はちょっと呆れ気味です。
ちょっと恥ずかしくなった弥白は、席を立って後ろを向きました。
目の前には家具は置いてはおらず、何かを飾ってあるわけでもないので、本当
にただ壁があるばかりでした。
雑誌の写真にはこの部分は映っておらず、三枝もこの部分には何もなかったと
言うだけだったので、その通りにしたのですが、何となく寂しく感じられます。
「何か、この壁に絵でも飾ると良いですね…。この部屋、家具が少なくて壁が空
いている事ですし」
神楽も弥白と同様の感想を抱いたようです。
「この壁はね、昔は写真を飾っていたんだ」
「そうでしたの? 教えて下されば、何か用意させましたのに…」
「いや、僕の撮った写真なんだ」
「そうでしたの…。でしたら、この空いた壁は、これから埋めていけば良いので
すわ。それでもし良かったら…」
弥白はそこまで言いかけて止めました。流石にあまりに自分勝手な申し出だと
感じたからです。
「君の言う通りだな。山茶花さん、君の写真の事だけど、この壁にも飾って良い
だろうか?」
「え…!? も、もちろんですわ!」
三枝の表情が今一暗いのが気になる弥白でしたが、多分病み上がりのせいだろ
うと思い、気にしないことにしました。
■悪魔騎士ノイン編
●サンセットクリフ上空
「三枝靖…世界的に高名な写真家ですか…。「駒」にするには良さそうな存在で
すね」
三枝の別荘の上空で、様子を伺っていたノインは呟きます。
「シルク」
「はい、ノイン様」
ノインの呼びかけに、側に浮いていたドラゴンに良く似た生き物が答えます。
「あなた、一度人間の姿になりたいと言ってましたね」
「はい」
「喜びなさい。その望み、叶えてあげましょう」
「本当でぃすか!?」
「ええ、その代わり、ちょっとした仕事をして貰いますが…」
「判りました」
「それでは、戻りますよ、シルク」
「はぁい」
そう言うと、ノインは姿を消します。
後を追うように、シルクと呼ばれた生き物も姿を消すのでした。
(第51話 完)
実は今回も予定の半分程度しか進んでいません(ぉぃ)。
では、次回もあなたの心にチェックメイト! …だと良いですね。
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Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
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