神風・愛の劇場スレッド第48話『邂逅』(5/16付) 書いた人:佐々木英朗さん
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Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 16 May 2000 12:06:07 +0900
Organization: Infonex Corporation
Lines: 386
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References: <8e10n8$auq@infonex.infonex.co.jp>
<8ehid7$73p$1@news01bg.so-net.ne.jp>
<8eje11$bf3@infonex.infonex.co.jp>
<8f37c4$okv$1@news01cb.so-net.ne.jp>
<8f8d4c$s7s@infonex.infonex.co.jp>
<8fmjma$fhl$2@news01bd.so-net.ne.jp>

佐々木@横浜市在住です。

<8fmjma$fhl$2@news01bd.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。

>> 石崎です。

こんにちわ。
# 某所で3600踏んだのですが(喜)書き込み操作に失敗して
# 文章が消えてしまいスゴスゴと退散しました。(泣)

>>  このスレッドは神風怪盗ジャンヌアニメ版の世界観を元にした妄想スレッドで
>> す。
>>  神風怪盗ジャンヌの世界を壊したくない人は決して読まないで下さい。

という事でよろしく。


>>  出る分にはいつ出ても対応出来るかと思うのですが、ただでさえ遅い展開がよ
>> り遅くなりそうで(笑)。

ええ。そう思いますので、ちょっち舞台上の人数が減ってから呼びます。^^;
# 本当に減らせるのか、本当か?(笑)

>>  実は悪魔族と魔王にも若干腹案がありますです。矛盾しないと良いのですが。

多少の矛盾はこの際先に文章にした方の勝ちという事で。^^;;;;;

>>  いえ、自分のシリーズ構成にはキャラクターの退場は含まれていないので
>> (笑)、そこら辺はお任せします。

つまり「うる星やつら」的な増えたら最後、減らない世界。(笑)

>>  出て来るキャラクターみんながまろんちゃんの事が好きというのは、この作品
>> において基本らしいです(嘘爆)。

確かに例外は弥白くらいしか居ないです。^^;
# まだ居るだろうって?はてさて。

>>  最初の4つについては、あまり考えていません(笑)。そもそも、ツグミさん
>> が出て来たのは、最初三択問題だった事でも判るように思いつきのシリーズ構成

でもとっても使いやすい良い娘です。(爆)

>> の結果で、ミストが復活するのも予定外(ぉぃ)、実は三枝先生の使い方は決ま

最大の予定外はこんなに長く続いている事。^^;;;

>> っていますが、アキコの使い道はあまり考えていなかったりして(爆)。

アキコはミスト関連で大事な役目があります。
その代わり、それ以外では、ほぼ何もしません。(笑)
# 実際、ミストの従者になってますし。^^;

>>  都ちゃん問題は現在のシリーズ構成では後二山は最低でもある予定です。
>>  他に指摘以外のシリーズ構成上の山としては、

都ちゃん・他はお任せという事でよろしゅう。^^;;;;;

>>  一番の問題は、最終的にまろんちゃんは誰とくっつくのかという事では無いか

う〜ん、弱りましたね。(ぉぃぉぃ)
# 取りあえず素直に彼でいいのでは。(取りあえず扱い)

>>  そうなったら、LDで買ってしまった私の立場は一体…(爆)。

そういうの沢山沢〜山持っています。えっ、もうDVD出ちゃうの?って。^^;
# でも今のところ東映がらみはDVDの見込は無いという噂が。-_-;

>>  ツグミさんが何か偉い超人みたいになって来たので、目が見えない事によるハ
>> ンデを描いてみたかったのです。

ツグミさんを「汚さない」予定だった頃の路線に引き戻しているのです。(笑)
# 悪魔の力でも神の加護でもない「人間だけの能力」で事態に立ち向かう
# 第3勢力を育てようと目論んでいましたから。

>>  この妄想スレッドのまろんちゃんは基本的に「攻」らしいので(違)。

ツグミさんに対しては「陥落」だと思っていました。(爆)

>>  ところで本来の落とし主って…ツグミさん?

はい。ツグミさんが自分では夢だと思っている出来事を
事実では?と疑い始めるきっかけの一つにするつもりが少々。
それと散々推理したあげくに辿り着いた犯人(笑)が
実は自分だったというミステリ的オチ狙いも少々。

>>  その通りです(笑)。あと、もう一つ目的があるのですが…。

羽根こちょこちょ。(核爆)

>>  以前もありましたが、手抜きクッキングの描写がやけにリアルです。
>>  ひょっとして自分でやられているのでしょうか(笑)。

手抜きピザは創作ですがピザ生地つくりは本当にやります。^^;;;
# ただ第46話では重大なミスが。実際は砂糖入れるんです。塩以外に。

>>  かわいそうに弥白ちゃん、また脅かされたんですね(笑)。むぅ、慰めて上げ
>> ないと。

弥白とツグミさんの2人には、結構詳しく「今後」が用意してあります。
##「少女革命ウテナ」第2部風に読んで頂くと尚良。
# あ、弥白に関しては、石崎さんサイドでどう転んでも大丈夫ですので
# この件は忘れちゃって構わないですが。^^;

>>  段々ツグミさんが人間に見えなくなってきました。いや、実は最初から人間で
>> は無かったのかも…(嘘)。

そ、そんな、非道い。;_;
# とか言いながら、実際分身は人間じゃ無かったり。(笑)
# ツグミさんとダーク・ツグミさんの関係は雪兄ちゃんとユエの関係?^^;
## ぢつわ、ダーク大暴れの回がありますのでお楽しみに〜。

>> ★神風・愛の劇場 第47話『妬み』

何だろうこの胸騒ぎは…という展開ですね。また「一読者」モードに
入ってしまいそうです。(ぉぃぉ〜ぃ)

>> ■東大寺都編
>> ●都の部屋

独り寝っすか…。*^^*

>>  予定の半分も進んでいません(汗)。
>>  都ちゃんにまた嵐の予感…?

本当に都ちゃんが好きなんですね。
これは所謂好きだから苛めてるパターンにしか見えませんが。(笑)

>>  あ、ちなみに勝手に話を進めて下さってOKですので(笑)。

どうやら、あの「紙」はアレじゃないみたいでしたが。
そうなると、「こういう事かな?」と解釈してみました。
# 取りあえずこれで金曜日の「昼間」は終われたはず。^^;;;;;


# では、行きます。


★神風・愛の劇場 第48話 「邂逅」


■山茶花弥白編

●名古屋病院前

三枝の許を辞して病院を出てきた弥白を正確なタイミングで迎え入れる
リムジン。専属運転手の絶妙な呼吸のなせる技です。

「御加減は如何ですか」
「検査では何とも無いそうだから」
「それはよろしゅうございました」
「街へやってくださいな」
「戻ってお休みになられなくて宜しいので?」
「いいの」
「かしこまりました」

結局、午後から登校するでもなく一日ぶらぶら過ごした弥白でした。

■名古屋稚空編

●通学路

何時もの面子が先に登校してしまっているので独りで歩いている稚空。
しかし、寂しいというよりは好都合でした。他人には見えませんが
アクセスが一緒だからです。

「結局、昨日は判らず仕舞いか」
「大丈夫だぜ、今日は必ず見付ける」
「期待してるぞ」
「おうっ!」

●桃栗学園・屋上

2時限目の後の休み時間。教室を抜け出た稚空は屋上で
アクセスと落ち合いました。

「どうだった」
「相変わらず気配は薄い」
「残留した "念" って事か」
「いや、もう少し具体的な何かが在る感じ」
「薄いなりに絞り込めないか?」
「それが不思議なんだよ」
「ん?」
「殆ど女生徒ばかりなんだ、気配を追った先に居るのが」
「野郎は居ないのか」
「居るには居るけど女の子にくっついてる感じで
 主体じゃないな、あれは」
「他には?」
「感じる教室と感じない教室がはっきり別れてる」
「よし。特に濃い教室を捜してくれ」
「がってん」

アクセスの背中を見送りながら稚空は自分のクラスの事を
考えていました。今朝から教室で感じる居心地の悪さが
アクセスの言う気配なのだろうかと。しかし、あれは…。

●再び屋上

昼休み。稚空は、またしても限定販売のパンに釣られて屋上へ。

「実は…ですね…」

委員長が用件を切り出す前に、すでに稚空はパンを食べています。

「聞いてます?」

黙って頷く稚空。仕方がないので続きを話す委員長でした。

「ちょっと面白くない噂が在るんです」
「…」
「東大寺さんとパッキャラマオ先生がですね…」
「(もぐもぐ)」
「あんなで、こんなで」
「?」
「その、それに日下部さんが絡んでってパターンもあって」
「判んねぇよ、はっきり言えって」
「つまり3人がデキてるって事なんですけど」
「うぇ、趣味の悪い噂だな」
「ええ、全く酷い噂です。最近おかしいです」
「それで誰に聞いたんだよ」
「それが…」

ちょっと、いらいらしてきた稚空でしたが、
パンの義理があるので大人しく話しを促しました。

「いいから言ってみろって」
「聞こえるんですよ」
「はぁ?」
「今度新設されたOA教室、知ってますよね?」
「授業中にゲーム出来るのだけが楽しみだけどな」
「駄目ですよ、そんなの」
「自分だってオフィスソフトの操作なんかじゃ満足できないくせに」
「授業は授業ですから」
「で、OA教室が何だって?」
「ですから聞こえるんです」
「だから何が」
「例の噂が」
「委員長。悩みがあるなら俺じゃなくて医者に言え」
「違いますよ。多分」

茶化してはいても稚空は委員長の言い分を真剣に考えていました。

「で、何て聞こえるって」
「断片的に、さっき話した様な噂がです」
「教室の中でか?」
「ええ。パソコンに触っていると微かに聞こえるんです」
「何処から?」
「どうもパソコンのスピーカーからみたいですが」
「そんな音声ファイルでも入ってるのか」
「それが何にも」
「じゃ誰かが生で喋っているとか」
「独りの時に聞こえる事の方が多い気が」
「まるで幽霊だな」
「でも噂に悪意があります。何か臭いませんか」
「判った。任せとけ」
「またですかぁ。そんなに僕って頼りないですか」
「頼りない」
「酷いです」
「嘘だよ。でもな、それぞれ得意分野ってのがあるだろ」
「そりゃ、まぁ」
「これは俺の分野だ」
「はぁ」

誤魔化された気がしないでも無いのですが、委員長は
それ以上は食い下がりませんでした。
やがて委員長が居なくなると入れ代わりにアクセスが
フェンスの向こうからひょっこり出てきました。

「気配が濃いとこ見付けたぜ」
「OA教室だろ」
「何だよ、知ってたのかよ」
「今、判ったのさ」
「じゃ、シンドバッドの出番だな」
「ああ」

そう答えつつ、稚空はこの事をまろんに話そうか
独りで処理するか迷っているのでした。

■瀬川ツグミ編

●桃栗町

その日、ツグミが外出したのは午後をたっぷりと回った頃でした。
もしかしたら、早目に退院できるかも知れない。
そんな淡い期待と、数日ぶりに逢えるという喜びで
自然、足取りも軽くなっていました。

■山茶花弥白編2

●こっちも桃栗町

いくら天下御免のお嬢様でも、流石に学校をサボっているのですから
繁華街でショッピングという訳にもいかず、枇杷町をぐるぐる巡る
ドライブの様な形になっていた弥白。適当に車を向けているうちに
いつのまにか桃栗町に戻っていました。
もしかしたら学校帰りの稚空に出くわすかも知れない。
そうしたら…。思わず笑みが浮かんできます。ところが。

「ひっ」

思わず口に手をあてて息を飲んだ弥白です。

「如何されました?」
「な、何でもありませんわ」

車窓を流れて行く風景を横目で追います。
舗道を歩いているのは紛れもなく、あの女。
気付かれるはずは絶対に有り得ません。なのに正面から
見詰めるのが、はばかられる。そんな風に感じるのは
自分の側の問題なのでしょう。そう判っていても、彼女を
瀬川ツグミを目で追う事すら罪のように思えます。それでも…。

「その先で停めてくださいな」

弥白はすぐには車を降りず、ツグミの姿が遥かになるまで待ちました。
それから、自分でも可笑しいとは思いつつ、そっと足を路上に下ろします。
通りの反対側に渡ってから眼鏡を掛けました。
今日のは変装用ではありません。ツグミに対しては変装の必要は無いはず。
視野の中心部分だけが特別な曲面のレンズになっていて、
ただ掛けるだけで12倍の望遠鏡を覗いているのと同じに見えるのです。
その際も手元や周囲は普通に見えるので歩きながらでも遠く前方を見通せます。
猛禽類の目の構造を模した物で、山茶花グループの1企業の
試作品を持ち出したのでした。

「ちょっと気持ち悪いですわね、この見え方は」

後で開発グループにレポートを出しておこうと弥白は思いました。
傘下の企業から我侭を言って何か持ち出した時には必ず見返りを用意する。
彼女なりに自分に課している一つのルールなのでした。

「やっぱり」

ツグミに出合った通りからして、弥白には彼女の行き先が大体
想像がついていました。思った通り、先日稚空達を見かけた時と
同じ動物病院です。ツグミが中に入った時点で帰ってしまおうか、
そうも考えたのですが、結局その後どうするか見届ける事にしました。
ツグミの姿が消えると通りを渡り、病院の入り口が見え、
かつ目立たない場所に陣取ります。
ちょっとだけ、神楽に対して後ろめたさを感じはします。
でも見ているだけなら迷惑は掛けてないはず。
言い訳じみた理屈を自分に言い聞かせて納得するのでした。
結果、弥白は2時間程の我慢を強いられました。
しかし、弥白は辛抱強く待っていました。やがて。

「?」

歩き出したツグミを充分に距離をおいてから追い掛ける弥白。
何故かツグミの姿から覇気が消えている気がしました。
病院から離れていく間にも数回、小さな段差に躓いています。
気になった弥白は無意識のうちにツグミとの距離を縮めていました。
やがて交通量の多い交差点で。

「!」

横断舗道を踏み外したツグミを間一髪で抱き留めた弥白。
2人のすぐ目の前をクラクションを鳴らしながらトレーラーが
通り過ぎて行きました。

「す、すみません。助かりました」
「別にいいんですのよ」
「ぼんやりしちゃって」
「さ、渡りましょう」

青になった信号を確かめて弥白はツグミを向こう側まで送りました。

「本当にありがとうございました。もう、大丈夫ですから」
「そう。ではお気をつけて」
「あの。お名前を教えて頂けませんか」

既にその場を離れかけていた弥白はちょっと考えてから答えました。

「今度会ったら、お教えしますわ」

その足音が何故か逃げるように感じられた事がツグミには不思議でした。

(第48話・完)

# 珍しく「悪」の皆さんが登場してない。(笑)

では、また。

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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
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