神風・愛の劇場スレッド第44話「追跡者」(5/1付) 書いた人:佐々木英朗さん
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Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 1 May 2000 17:08:01 +0900
Organization: Infonex Corporation
Lines: 227
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<8e10n8$auq@infonex.infonex.co.jp>
<8ehid7$73p$1@news01bg.so-net.ne.jp>

佐々木@横浜市在住です。

<8ehid7$73p$1@news01bg.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。

>> 石崎です。

ども、こんにちわ。

>>  例の計画にご協力感謝です(笑)。

いへいへ。部数伸びるといいですね。
# でも色々(オモテの稼業でしょうか)お忙しい様で。

>>  何げに某所紹介も最新版に変わっているようで。

# 結構(自分でも意外な事に ^^;)マメにめんてしてます。

>>  神風怪盗ジャンヌの世界を汚されたく無い人だけ読んで下さい。
という事でお願いします。


>>  第40話のミストの死に際を見て考えた設定でした。
>>  まさか、同じ事を考えていたとは…。

完全に同じでも無いのですけどね。本編でボックスをチェックメイトされている
ので(形は留めてましたが)復活するには別に実体が要るだろうと思ったのと、
ビジュアル的に「玉」の方が具合がいいので。(後々の話の都合です)
# コレは文章ですけど、頭の中には先に絵が完成してますから。^^;

>>  やっぱクライマックス時に退場するんですか(爆)。

草案では結構後の方の話になりますが。^^;
# あくまで案なので都合により前後するでしょうけど。
# 絶対変わらない順番としてはアキコの退場が先ですね。
#(一応アキコ退場編の部分は書き上がってます)

>> #最も絶対にすぐに復活しそうですが。

ははは(笑)。お気に入りのキャラではありますが、
上記案の通りのミスト退場話にすると絶対戻ってこないハズなのですが。^^;;;;;;;;

>>  まろんちゃんがツグミさんの家に再び行くまであと2日(笑)。

「待ち遠しい」(ツグミ・談)

>> テムな訳ですが、成る程、自ら抜かないと人間界では持たない設定にしましたか。

何ん〜か日持ちしなさそうなイメージがあったので。(笑)
それと結構はらはら抜けるのではないかと前から思ってまして、
抜けたのがずっと残ってると掃除が大変という気がしたのです。^^;
# 鳥じゃないって。(笑)

>> #実は都ちゃんに「天使の羽根」を持たせようと思ってました(笑)。

アノ最中に興奮して自分で抜いちゃったのなら消えませんから大丈夫。(爆)

>>  アニメでは天使の事を大嫌いと言っていたミストが、やけに堕天使には協力的
>> ですが、その裏に何らかの意図が隠されていたりするのか、それともアキコを手

勿論親切じゃありません、飛び切り辛辣な意図(悪意)が潜んでおります。
# でも意味を持ってくるのはもっと後の事になりますが。

>> に入れて、もうそんな事はどうでも良くなっているのか…勝手に設定を作ってみ
>> ました(ぉぃ)。

取りあえず矛盾しなかったです。上記の私的な意図と。

>>  なんだかみんな、使命の事を忘れつつある気が…(嘘爆)。

少なくとも佐々木的ミストは既に魔王の意図を離れて行動してますね。(笑)

>> 第43話

ずっと引きずっていた都ちゃん問題が一つの峠を越えた様でちょっと安堵しました。
そうですか。印ついてましたか。意外に激しいなぁツグミさん。(爆)
でも、何だか男無しの多角関係(笑)になりそうな雰囲気がちらほら。^^;
# 不甲斐ないぞ野郎ども。
そんな中で単なるいい奴から一歩リードした感のあるのが委員長ですね。
見かけによらず物事を深く考えているなぁと感心。

>>  実は後半の展開は、当初予定には無くてその場の勢いで書いてみました(わり
>> とこれが重要)。

所謂、キャラが一人歩きというやつですね。
たまにその所為で過去と整合しなくなるときがありますが。(笑)

>>  そう言えば次回でアニメ放映話数に並びますね(爆)。

どうやら越えるのは間違いない様です。(後一話で終わるはずがない ^^;)

# では、いきます。
# 石崎さんパートで何か起こりそうな雲行きだったので
# 殆ど話しは進んでいませんのでよろしく。(ぉぃぉぃ ^^;)
## 短めです。短編というよりは中休みに近いかも知れません。


★神風・愛の劇場 第44話 「追跡者」

■瀬川ツグミの非日常

まろんが帰ってしまってから暫くの間。ツグミは椅子に座り頬杖をついて
ぼんやりしていました。
漸く身体を動かす気になるとやることは沢山あるのに気付かされます。
掃除は特に普通の人よりは時間が掛かります。ゴミの在る無しに関わらずに
同じように丁寧に掃き掃除をしなければなりませんでしたから。
掃除機は在るのですが普段は使いません。うるさい音のする機械が
ツグミは好きではありませんでした。ですから掃除機を使うのは殆どの場合は
ヘルパーさんのみなのです。
掃除をしている間に洗濯機を回していますが、これは我慢しています。
今日は朝が早かったので10時前にはすっかり片付きました。
それから普段通りなら…。

「お散歩、行けないね」

また午後からお見舞いに行く事に決めて、
午前中に買物にも出かけてしまう事にしました。
玄関を出てポーチを降りると緩やかに曲がった道を抜けていきます。
途中でふと、昨夜の夢のことを思い出しました。
道を逸れて林の中に入ってみます。厚く積もった落ち葉がカサカサと
音を立て、ふっくらとした土の感触が靴底から伝わってきます。
歩くとき全身の全ての神経を研ぎ澄ましているツグミ。
履いている靴も底の薄いものを選んでいるので余計にはっきりと
地面の様子が判るのでした。暫く歩いていくと。

「?」

何か硬いものが在ります。木の枝にしては妙な具合に尖っている感じ。
靴底を少しだけ左右に動かすことで、大雑把ですが輪郭を捕らえます。
大体の形からそれが何であるのか想像したツグミ。
手で触れるのは止めたほうが良さそうな物でしたので杖で突いてみます。
予想どおりの音がしました。

「昨夜の音はこれの割れる音だったのかしら」

杖の下のガラス片を中心に辺りを探ってみますがガラスの欠けらは
それ一つしか無い様です。唯一のガラス片に注意しながら、
今度は掌で落ち葉の上を押さえるように探ってみます。
すると幾つかの小さな物が落ちていました。
小さなセロハンの切れ端。そっと匂いを嗅いでみます。

「青リンゴの香り。キャンディかガムね。
 匂いがはっきりしているから、新しいわ」

冷たくはない材質の一円玉くらいのサイズの円盤。真ん中に穴が開いています。

「ボタン。表面が汚れてない」

最後に雨が降ったのは10日程前でしたから、それ以後の落とし物と推測しました。
そしてあまり気味の良くはない物が指先に触れます。

「嫌だわ」

つまみ上げたそれは間違いなく髪の毛でした。両手で端を持ってみます。
かなり長めでした。髪質が違うので自分の毛ではありません。
それにまろんの物とも違うのはすぐに判りました。
深く息を吐いてから務めてゆっくりと空気を吸い込みます。
鼻に近付けた髪の毛にそって空気を流れさせる様に。

「ええと、これは…」

あまりお洒落をする楽しみの無いツグミでしたから、香りを遊ぶ事には
人一倍のこだわりがありました。発売直後の新製品も含めて市販の
シャンプー、コンディショナ、トリートメントの類は殆ど全てを
試しています。当然ながら町行く他の女性達の使っている製品も
すれ違い様に大体判ってしまいます。それは最近流行っている
美容室で出しているオリジナルブランドの製品でした。
おぼろげながらも、ある程度は人物像が浮かんできます。

「少なくとも男性や妙齢の女性では無いわね」

しかしながら、それ以上の何かを得ることは遂に出来ませんでした。
諦めてまたそのまま歩いていってみます。道がなくても別に木立に
ぶつかったりする事はありません。一歩一歩を高く踏み出していますから
つまづきませんし、何かが前方に在ると圧迫感があるのでまず事前に避けられます。
杖は殆どの場合はオマケの様な物なのでした。
普段の通り道よりも若干長く歩きましたが、どうやら表の通りに出ました。
買物に利用する商店街は道なりに戻る方向に歩いて行かねばなりません。
しかし今日は、このまま真っ直に行ったらどうなるのか
気になって仕方ありませんでした。まるで誰かが待ち構えて居そうな気がして。



とっくの昔に、頭の中に地図の無い知らない町並みの中に居るのが
判っていましたが、不思議と不安には感じませんでした。
寧ろ初めてでは無い様な確信に近い感触が在ったのです。
多分、1時間半は経っているという気がしています。
ただ途中何度か、感覚が途切れた様な瞬間があったのが気掛かりです。
本当に自分は歩き続けているのだろうかと。
ややあって、ツグミは自分が長い塀に沿って歩いている事に気付きました。
ずっと途切れることの無い壁の感覚があります。さらに30分位経って
やっと塀が途切れると道からその先に向かって緩やかに傾斜して
昇っている事が判ります。公園か何かだろうと想像して数メートル先まで
行ってみましたが杖が何かを捉えました。圧迫感を呼び起こさない障害物。
音ですぐにそれと判ります。鉄製の門扉でした。そしてそれは
しっかりと閉じられていました。どうやら公園では無いようです。
門柱を探し当てて、手探りしてみました。目当ての物が付いています。
冷たい金属の感触。浮き彫りの文字は「山茶花」とあります。

「やっぱりお屋敷なのね。とても大きいみたい」

しかし流石のツグミでも、その門扉の彼方に辛うじて見えている
屋敷の建物が昨夜の夢の中の屋敷と寸分違わぬ事までは
知る由も在りませんでした。



枇杷町からの帰りは流石にちょっと距離があり、桃栗町に戻った頃には
もう夕暮れ時でした。ツグミは真っ直にイカロスの元へと向かったのですが。

「こんなところまで人間の病院と同じなのね…」

病院という物は何故か木曜日は休みなのでした。
仕方なく最初の目的だった買物だけを済ませて家路に就いたツグミでした。

(第44話・完)

# 今後のネタ振りの様でもあり、単なるヒトコマの様でもありますが。^^;
# 情報が一方に集まり過ぎると不公平なんで、こっち(まろんサイド)でも
# 色々と探りを入れる担当者が欲しいなぁとか思ったら適任者は一人しか。(笑)

では、また。

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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
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