神風・愛の劇場スレッド第43話(4/30付) 書いた人:携帯@さん
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From: Keita Ishizaki <keitai@fa2.so-net.ne.jp>
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: Mon, 01 May 2000 00:10:28 +0900
Organization: So-net
Lines: 313
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<8e10n8$auq@infonex.infonex.co.jp>

石崎です。

hidero@po.iijnet.or.jpさんの<8e10n8$auq@infonex.infonex.co.jp>から
>佐々木@横浜市在住です。

 こんにちわ〜。
 例の計画にご協力感謝です(笑)。
 何げに某所紹介も最新版に変わっているようで。

 神風怪盗ジャンヌの世界を汚されたく無い人だけ読んで下さい。



>それとミストとキャンディの関係については私のウラ設定に近かったので
>ちょっと驚いています。あくまで「ウラ」なので表現しない可能性が
>高かったのですが、この調子なら使ってもいいかなとか思いつつあります。

 第40話のミストの死に際を見て考えた設定でした。
 まさか、同じ事を考えていたとは…。

># ミスト退場の時にでも。

 やっぱクライマックス時に退場するんですか(爆)。

#最も絶対にすぐに復活しそうですが。

># 今日は木曜の朝まで来てますよね。

 はい。現在は1/14(木)の朝です。
 まろんちゃんがツグミさんの家に再び行くまであと2日(笑)。

>★神風・愛の劇場 第42話 「黒い羽根」

 原作においては「天使の羽根」は、これをつけているだけでダメージを受けな
い凶悪アイテム、アニメでは、ロザリオの元の姿となっている、やはり凶悪アイ
テムな訳ですが、成る程、自ら抜かないと人間界では持たない設定にしましたか。

#実は都ちゃんに「天使の羽根」を持たせようと思ってました(笑)。

 私的設定では、天使は1.テレポートが出来ない 2.直接視線が通らない範
囲の物を見ることは出来ない(視線が通れば遠くの物を見ることは出来る) …
という風にしていたのですが、フィンも(まろんの周囲だけ)遠視能力を得た訳
ですか。
 アニメでは天使の事を大嫌いと言っていたミストが、やけに堕天使には協力的
ですが、その裏に何らかの意図が隠されていたりするのか、それともアキコを手
に入れて、もうそんな事はどうでも良くなっているのか…勝手に設定を作ってみ
ました(ぉぃ)。

 堕天使フィンが何だかんだ言って実はまろんの事が好きで、ミストにもその事
を見透かされているようですが…。
 なんだかみんな、使命の事を忘れつつある気が…(嘘爆)。

 では、本編。

第43話

■東大寺都編

●オルレアン

「おはようございます。東大寺さん」
「おはよう委員長。今朝も早いわねぇ」

 都がエレベーターを降りると、今日も委員長が待ちかまえていました。

「まろんならまだ支度してるみたいだから、もう少しかかると思うわよ」

 と言い残し、先に行こうとした都は、後から委員長がさも当然の如くついて来
ることに気付きます。

「何よ委員長。まろんを待たなくていいの?」
「実は僕も早く学校に行かないといけないんです」
「え? また日直押しつけられたの? 全く、こう言うのはね…」
「ビシッと言わなきゃ駄目、でしょ」

 自分の台詞を先回りして言われ、都は少し驚きます。

「何よ、判ってんじゃない。だったら…」
「良いんです。やる気の無い人に日直をやって貰っても、却ってクラスのみんな
に迷惑がかかるだけですから。こう言うのはね、『言われたからやる』って気持
ちでやるのでは駄目なんですよ」
「でもね委員長。これから社会に出た時は、やりたくない事でもやらなければい
けない事がきっとあるわ。委員長が甘やかしていたら、結局その人の為にならな
い」
「東大寺さんの言う通りかも知れません。でも、僕は人に何かをして貰うとき、
『決まりだから』と押しつけるのは嫌なんです。出来れば、自分からやる事の必
要性に気付いて欲しいんです。僕が自分から進んで嫌な事をやっていれば、いつ
かはきっとみんなその事に気付いてくれると思うから。だから…」

 都はため息をついて、そして言いました。

「本っ当に、委員長ってお人好しね。しなければいけないと言う事に気付いてて
も、気付かない振りをする人は多いわ。そんな人に、いくら手本を示しても…」
「そう言う時には東大寺さんや名古屋君が注意してくれますから」
「え…」
「東大寺さん達にはいつも感謝しています。僕がはっきり言わなければいけない
のに言えないものだから、代わりに言ってくれているんですよね」
「勘違いしないで。あたしがみんなに注意するのは、委員長のためなんかじゃな
い。あたしが、みんながルールを破っているのを見ると黙っていられないから
よ」
「すいません」
「委員長が謝る事無いの。でも委員長のそんな所、見ていると苛々するけど…」
「すいません」
「…でも、自分から進んでやるって姿勢は嫌いじゃないよ」
「え…?」

 委員長は何を言われたのか戸惑っているようです。
 都は、言ってしまってから何か誤解されたかなと思いましたが、そのままにし
ました。

「ほら、急ぐんでしょ、早く行こう」
「あ…はい」


●通学路

「ねぇ、何か探しているの?」

 委員長と都は、通学路を並んで歩いています。
 その道すがら、委員長が周りをキョロキョロしているのに気付きました。

「あ、いや、別に…」
「変な委員長」

 そのまま二人は噴水広場を通り過ぎ、学校へと向かいます。
 相変わらず委員長は辺りを見回しているようです。
 本人はさり気なくしている風に見えますが、都の目から見ればバレバレでした。

(ひょっとして…)

 委員長は、自分の事を心配してくれているのだろうかと思い当たりました。
 いくら委員長でも、そうそう毎日のように日直を押しつけられている訳でも無
いはず。

 でも、それと辺りを見回す行為がどう繋がるのか判りません。
 少し考えて、

(まさか…)

 都の胸中にある懸念が生まれます。
 しかし、それを確かめる事は都には出来ませんでした。


●桃栗学園

 学園の校舎までやって来ると、パッキャラマオ先生と出会いました。

「おはようございます」
「おはよう東大寺、水無月。今日も早いザマスね。東大寺、部室の鍵は私が取っ
てきたザマスから、先に行って開けておくザマス」
「はい、先生」

 と言うと、ポケットから部室の鍵を取り出して渡します。

「…大丈夫です…」

 部室に向かって歩いている途中、委員長の声に気付いて振り向くと、委員長と
パッキャラマオ先生が何事か話しているのが目に入りました。
 担任の先生と委員長が何事か話している光景は、いつもの事なので普段の都な
らば気にも止めなかったでしょう。
 でも、この時の都は何故か二人が何を話しているのか気になるのでした。


●体育館 朝練中

 今日も朝練で都はパッキャラマオ先生に集中的に指導されていました。
 都もそれは覚悟していました。と言うのも、まろん達に付き合って、昨日の午
後の練習をさぼってしまったからです。

「すいません! 遅れました!」

 その時、まろんが漸く朝練に到着しました。

「遅〜い!」

 都はまろんに向かって叫びます。

「ゴメン…」
「全くまろんは、いつもいつも遅刻するんだから」
「だってぇ…」

「東大寺! 私語は慎むザマス! 日下部は遅刻の罰でグラウンド三十周!」

 喧嘩を始めそうになった都達に、パッキャラマオ先生が注意します。

「はい!」

 まろんは、レオタード姿で今日もグラウンド三十周する事になるのでした。


●新体操部室

「はー疲れた〜」

 朝練終了後。まろんはげっそりした表情で言います。
 まろんがグラウンド三十周するまで待っていた関係で、部室には二人しか残っ
ていませんでした。
 二人ともまだ着替え途中で下着姿で汗を拭いています。

「朝帰りして遅刻してグラウンド30周もすりゃ、そりゃあ疲れるわよ」
「だから散歩だって…」
「嘘ね」

 都は断言すると、まろんの手を掴みます。
 そして、耳元で何事か囁きます。

「嘘…」

 ロッカーを開けると、裏側についている鏡で自分の姿を映してみます。

「ゲ…」
「あんたね、もうちょっと用心しなさいよ」
「だってぇ、朝慌ててたし…。どうしよう。誰かに見られてないかな?」
「大丈夫でしょ。その位置なら着替えの時だけ気をつけていれば」
「そうだよね。は〜良かった〜」
「良かないわよ。一体どこで誰と…」

 都は怒りかけて、我に返りました。

「都?」
「ごめんまろん。あたしにまろんに責める資格なんて無いんだよね…。だって、
あたしは…あたしは…まろんの事を裏切って…」

 漸くそこまで言いました。
 まろんは、はっとした表情になります。

「都が謝る事なんてない! だって、都が傷ついたのはみんな私のせいだもの。
元はと言えば、私が稚空を裏切って…だから稚空は…。だから、謝らなくてはい
けないのは私の方なの」

 都は、まろんの言っている事が良く判りませんでした。
 でも、稚空とまろんの間に何かがあったらしい事だけは理解しました。

「まろんが謝ることなんて無いわ。あたしがしっかりしていれば、問題は起きな
かったんだもの」
「でも…」

 都は、何故かまろんが凄くすまなさそうな顔をしている事に気付きました。
 何があったのかは判らないけど、これ以上深入りしてはいけない気が、何故か
しました。

「ねぇまろん。この事はお互い様って事で、水に流すことにしない?」

 都の提案に、まろんはきょとんとした顔をしていましたが、やがて、

「うん、判った!」

 …と笑顔で答えます。

「良かった。それじゃあ…」

 都は、まろんの胸元に顔を近づけ、そっと口づけます。

「あ…ちょっと都、何する…あ…」

 更に強く、都は口づけます。

「だって、悔しいんだもの。まろんがあたしに言えない相手から『印』をつけら
れていたなんて。だから、こうして消してやるの」
「都…ごめんなさい…」
「良いのよまろん。あたしだって、あまり人のこと言えた義理じゃないもの。ま
ろん、これだけは約束して。あたしに隠し事はしないって。誰か好きな人が出来
たら、あたしは応援するから」
「都…」
「でも、まろんが黙っているなら…」

 都は、まろんの唇に自分の唇をそっと触れさせます。

「あたしはまろんの事、離さないから」

 二人はそのまま、暫く抱き合ったままでいました。


■ミスト&堕天使フィン編

●桃栗タワー

「まろん…」

 桃栗タワーの頂点にフィンはいました。
 ミストの力で遠視能力を与えられた羽根を通して、まろんと都の様子を見てい
るフィンの表情は、どこか寂しげです。

「やっぱり、私には魔王様だけなの…」


●枇杷町 枇杷高校屋上

「フフフ…フィンも今頃これを見ているのかしら」

 悪魔キャンディーを通して、ミストもまろん達の様子を見ていました。
 傍らにはアキコも一緒です。

「あたしが無料で天使に何かしてやる訳無いじゃない。アハハハ…」

 暫く、ミストは笑い転げていました。

「そろそろお嬢様のお出ましのようね。あのお嬢様、常に見張ってないと何か不
安なのよね」

 山茶花弥白の乗ったリムジンが、枇杷高校の門前に停まったのが屋上から見え、
ミストは悪魔キャンディーをもう一つ取り出し、弥白に照準を合わせるのでした
…。

(つづく)

 実は後半の展開は、当初予定には無くてその場の勢いで書いてみました(わり
とこれが重要)。
 そう言えば次回でアニメ放映話数に並びますね(爆)。
 では、また〜。

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Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
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