神風・愛の劇場スレッド 第144話『決裁』(9/2付) 書いた人:携帯@さん
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From: Keita Ishizaki <keitai@fa2.so-net.ne.jp>
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: Sun, 02 Sep 2001 13:18:21 +0900
Organization: So-net
Lines: 374
Message-ID: <9msbuh$dkk$1@news01de.so-net.ne.jp>
References: <9kdl9n$fa3@infonex.infonex.co.jp>
<9lq8qt$5u5$1@news01ci.so-net.ne.jp>
<9m51ub$fmr@infonex.infonex.co.jp>
<9m9r5a$drh$1@news01bi.so-net.ne.jp>
<9mne7o$9t8@infonex.infonex.co.jp>


石崎です。

hidero@po.iijnet.or.jpさんの<9mne7o$9t8@infonex.infonex.co.jp>から
>佐々木@横浜市在住です。

 こんにちわ。

 このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版の設定を元にした妄想スレッド
です。そう言うのが好きな人だけに。



>>> > >> ★神風・愛の劇場 第140話『贈り物』(前編)
>
>この部分が封印話に与える影響というのははっきり言ってしまうと
>フィンが魔界に身を置く理由がどの程度まで本人の意志か?って事なのです。
>[帰りたいけど帰れない <---> そもそも帰る気無し]の線上のどの辺りに
>フィンの気持ち(あるいは立場)があるのか。
(中略させて頂きます)
>今までのフィンの描写からすると、どちらとも取れる様に思えて。

 どちらとも取れるように見えるのは、敢えてそうしている部分でもあります。
 実際問題として、フィン自身の考えが線上を行き来しているのではないかと感
じていました。

#三角関係のラブコメみたいだ

 一応、私サイドでも現時点での結論はあるのですが、それは妄想本編で書くべ
きで、ここでは触れない方が良いのかもしれません。

>"具体的に何かを書いても「準拠している」はずなので問題は無いと
>思われるが「準拠してない場合」、私(佐々木)が封印した部分に影響が
>出そうなので表現をボカしている。"という理解で良いでしょうか。

 ひょっとすると何か凄く拙い事を書いてしまった気がして大変申し訳無いです
(滝汗)。
 本音を書かせて頂きますと、佐々木さんが書かれた話に凄く興味があるので、
是非読みたいと思い、あのような書き方になったと言うのがあります。
 それに加え、上記のようにフィン自身(引いては作者自身(ぉぃ))の考え方
がシリーズ中ですら揺らいで来ていたというのもあります。
 …と素直に書いた方が良かったのかも(ぉぃぉぃ)。

#準拠云々の話は忘れて頂ければ幸い(汗)。

>必要に応じてそれぞれ「この話のオチ(あるいは設定)はこうだ!」と
>思った通りに書いてしまって良いと思います。

 そうですね。
 天界の設定や魔界の設定などについては、これまでもかなり好き放題書いてき
た気がします(笑)。

#原作とアニメごちゃまぜですね、とメールで頂いた事があります。

 フィンの気持ちについては実は一番難しいところで、このオチで良いのだろう
かと自問自答しているのが、本編にも滲み出ているような。
 ただし、話がクライマックスに向かいつつあるのは実感しているので、そろそ
ろ出そうとは思っています。
 取り敢えず今回も少し設定を出していたりして。

#実はバレンタインデーのアクセスとフィンの会話も当初予定には無かったので
#すが、その一環で入れたと言うのもあります(…って上の発言と矛盾している
#ような(笑))。

>## 個人的には(当たり前ながら)自分のオチ案は判っているので
>## 石崎さんのオチを読みたいのですが。(笑)

 実はほぼ同じ考えから、佐々木さんのオチの方を私も読みたかったりもするの
ですが(笑)。

#ちなみに、ミスト&アキコ周りは佐々木さんにお任せして、殆ど考えていませ
#ん(笑)。

>>> > ★神風・愛の劇場 第141話 『棲んでいる』
>
>>> #魔界は原作では宇宙空間にあるっぽいのですが。
>
># やっぱり恒星間宇宙船。(笑)

 あれは半分冗談のつもりだったのに(笑)。

#でもコロニーにしか見えない。天界が島3号で魔界が島1号型(嘘)。
#1号が球形(別名サイド3)で2号がドーナツ…でしたっけ。

>そういう設定だったはず…ですよね。^^;;;

 です。

>魔界の方で自由に飛べないのは「掟」では無い理由があるというつもり。
>で、この話の冒頭の主旨は3つの世界の"自由"の意味がフィンにとっては
>ちょっとずつ違うって辺りにあるのです。

 一見厳しい掟が無くて自由そうに見える魔界が実は…。
 と一瞬で妄想してみました(笑)。

#でもそういうパターンだと最終的にフィンは魔界を去ることになるのでしょう
#か。人間界がやっぱり一番! …という結論になったりして(違)。

>>> #…と書いて、思い出せる人は佐々木さん以外居ないかも(汗)
>
># というより私はあの設定を忘れた事はありません。(ん? ^^;)
># ですので現在の妄想の裏設定にもあのテイストが少し入ってます。

 してみると、本妄想で確実に予定されているミスト退場話時点ではノインは生
きていないといけない訳ですね。

#別に殺す予定がある訳ではありません(笑)。

>>> ★神風・愛の劇場 第142話『手紙』
>
>大会だけでなく練習風景の撮影にもちゃっかり復帰した三枝オヤヂ。
>もうすっかり真性ストーカーです。^^;

 やっぱり、ストーカーに見えてしまいますか(笑)。

#そんな積もりでは無かったのですが(笑)。

>弥白様自身は人外の皆さんへの親和性が増してきている様で直接見える日も近
い?
>皆だんだん敏感になってきてますね。もう普通には戻れないのでしょう。^^;

 やはり、最終決戦に向けてただ見てるだけと言うのも何ですので(笑)。
 一緒に活躍して頂かないと。

>時間的な制約からすると配達もノインがやったんでしょうね。

 そういう設定です(笑)。

>★神風・愛の劇場 第143話 『滲み』

 ツグミさんの周囲で起こる夏の夜のホラー話(あ、真冬だった)。
 流石にこの手の話がお好きなだけあって描写が細かいです。

 ツグミさんが襲われる(違)のがお風呂場であると言うのも定番ですよね
(笑)。絵にしてしまうと、凄い萌えシーンなのですが。

#他には寝ている最中に襲われるパターンとか。

 ツグミさんにまとわりついた「何か」はやはりアキコなのでしょうけど、ぐる
ぐる回っていたのは…イカロスの魂でしょうか。
 ミストは声が届くはず無いと言っていましたがどうも声が届き始めている様子
です。
 そろそろ、ツグミさんの周りで一波乱ありそうな予感。

#常に波乱だらけという気もしますが(笑)

 では、本編行きます。


★神風・愛の劇場 第144話『決裁』

●…

「駄目なんだ。まろんじゃなきゃ、まろんじゃなきゃ駄目なんだ」

 そう言うと、稚空はまろんの左手の薬指に指輪をはめました。

「これが、俺の本当の気持ちだ」
「いいんだよね。本当に、本当に信じていいんだよね」
「ああ」
「うれしい」

 やがて触れ合う二人の唇。
 白樺の林の中、まろんと稚空は息苦しくなり離れるまで、そうしているのでし
た。

●オルレアン

 稚空とキスしたところで、まろんは現実へと引き戻されました。
 今でも、あの時の事は鮮明に覚えています。
 そして、直後に稚空に裏切られたと感じてしまった事も。

「どうして今更こんな…」

 そう呟くまろんでしたが、原因は判っています。
 机の上にある昨日届いた封筒に同封されていた数枚の写真がその理由なのでし
た。
 まろんは横たわっていたベットから起き上がると、それを手にして呟きました。

「幼なじみで婚約者…か。やっぱ、叶わないよね」

 それにしても、一体誰がこんなものを。
 それもわざわざエアメールで。
 今度はフランスの消印が押された封筒を手に、まろんは考えました。
 自分宛に海外から手紙が届くと喜ぶことを知っていた上、海外から手紙を投函
することが可能で、かつ自分と稚空の関係を知っており、更にはこんな写真を撮
影する事が出来て、何よりまろんに含むところがある人物。

「(まさか、また悪魔に?)」

 写真に映っている女性──山茶花弥白──であれば、全ての条件に合うかも。
 さもなくば、ノインかミスト、まさかとは思うけどフィンが直接手を下したか。
 そう結論付けてはみましたが、それで気が晴れる事はありませんでした。
 そこに映っている出来事が真実で無いという証拠にはならないのですから。

 稚空にこの写真を見せれば真実が判るはず。
 しかしまろんには判っていました。
 自分には、そんな事をする勇気など無いのだと。


●桃栗町の外れ

 目を覚ました聖が顔を洗ってダイニングに入ると、丁度全が朝食をテーブルに
並べている最中でした。

「あ、ノイン様ぁ。お早うございます」
「おはよう。シルク」

 テーブルの上を見て、聖はある事に気付きました。

「クイーンなら、もう帰られましたよ」
「そうなんでぃすか? 全く気が付かなかったでぃす」

 テーブルの上には、三人分の食事が用意されていたのでした。



「ノイン様ぁ。前にも教えて貰ったかもしれないのでぃすが」

 ご飯を食べながら、全は言いました。

「何ですか?」
「フィン様は『天使』なんでぃすよね」
「そうですよ」
「天使は天界で生まれたと聞きました。なのにどうして魔界には天使が住んでい
るんでぃすか?」
「魔界の天使達は、天界に居づらくなって、魔界に移り住んだのですよ」
「フィン様もそうなんでぃすか?」
「そうですね。クイーンは少し違います」
「どう違うんでぃすか?」
「クイーンは、魔王様が自ら魔界に招待したのです」
「魔王様がでぃすか? するとフィン様は、最初から魔王様の『お気に入り』だ
ったのでぃすね」
「さぁ。何を考えてクイーンを魔界に連れて来たのかは、私にも判りません。た
だ、魔王に招待された天使は、クイーンが初めてという訳では無いのですよ」
「そうなんでぃすか? どうして魔王様は、天使を魔界に招待するんでぃす
か?」
「そうですね。…美しいものを好むが故なのかもしれません」
「はぁ」

 判ったような判らないような。そんな表情を全は浮かべました。
 もちろん、判って貰おうと思って答えた訳でも無いのですが。

「ところでシルク」
「はい」
「瀬川ツグミさんの事なのですが」
「はい」

 全の表情が一瞬強張りました。

「また、貴方に一働きして貰う必要があるかもしれません」
「僕…」
「嫌ですか? ツグミさんに会えるのですよ?」
「嫌じゃないでぃす。だけど」
「大丈夫です。決して彼女を傷つける事はありませんから」
「本当でぃすか?」

 聖が肯くと、全は漸く安堵した表情を浮かべるのでした。



●桃栗学園

「日下部、何やってるザマス!」

 まろんがパッキャラマオ先生に注意されている様子を都はリボン越しに見てい
ました。

 心ここにあらず。都の見る限り、今朝からのまろんはそんな調子なのでした。
 まろんの様子が時々おかしいのは、何も今日に始まった事では無いのですが、
今度は何が原因なのかと気にはなりました。

 先日はツグミの家に泊まっていたのですから、ツグミとの関係は修復した筈で、
稚空との間も一昨日のバレンタインデーの様子からすれば心配する程では無いは
ずです。
 ただ気になったのは、昨日の帰り際にまろんが手にしていた封筒。
 一瞬見えただけですが、明らかにエアメールと判りました。

 まろんが海外に友人が居るという話は聞いた事がありませんから、きっと両親
からの手紙に違いない。
 まろんの両親は離婚する事を決めた筈ですから、その関係なのでしょう。

 電話で離婚を告げられたものの、心のどこかではやり直せるのでは無いか。
 都ですらそう根拠もなく信じていたのですから、まろんもそう思っていたに違
いありません。

 だとすれば、改めて現実を突きつけられ、ショックを受けている筈。
 まろんがあの手紙について何も話さないのはそれでなのだろう。

 そう想像したのですが、確信がある訳でもありません。
 本当は別の理由があるのかも。

「(聞けないよね、やっぱり…)」

 この時の都の頭からは、ここ数日の彼女の悩みは綺麗さっぱり消え去っていま
す。

「(今晩もまろんを夕食に誘ってみようかな)」

 それとも、おかずのお裾分けと称してまろんの家に押し掛けようか。
 そんな事を都は考えているのでした。


●オルレアン・ミストの隠れ家

「作戦はそこそこ順調に進んでいるようね」
「はい。ただ、まだ日下部まろんの精神を壊すには弱いようですが」
「何なら、とっておきの『素材』を提供してあげても良いのだけど?」

 空中に寝そべり、興味なさそうな表情でフィンとノインの会話を黙って聞いて
いたミストは起き上がると、横から口を挟みました。

「素材?」
「ミストの食事中の姿の事なのでは?」
「ああ、あれ。私の趣味では無いわね」
「同感です」
「使えばジャンヌの精神を壊すことも可能だと思うのだけど? 少なくとも、ジ
ャンヌとシンドバットとの仲は完全に切り裂ける」
「その手、本気で使う気が無いのは判っていますよ、ミスト」
「そうなの?」
「金の卵を産む鶏の話をご存じか? クイーンよ」
「成る程ね。生きて行くには食事が必要だものね、貴方は」

 ミストの事を上目遣いで見るフィンの表情には優越感がありありでしたが、ミ
ストはそれを無視しました。
 もっともそれは表面上の事で、心の中ではクイーンに対すると言うよりは天使
全体に対する呪詛を吐いていたのです。

「あんたの事だから、次の手は考えてあるんでしょう? ノイン」

 どうせ、また何とかの一つ覚えな作戦でしょうけど。
 ミストはそう心の中で呟きましたが、もちろんそれを表情としてノイン達に見
せるような愚は犯しませんでした。

「はい。次は彼女を日下部まろんの手の届かない場所に」

 ノインは、一枚の写真をテーブルの上に出しました。

「またツグミ?」
「犬娘を今度はどうするのかしら? 殺す?」
「それでも私は良いのですが」

 ノインはそう言ってフィンの方を見ました。
 フィンは目を閉じ、暫く考えている様子にノインには見えました。
 暫くの沈黙の後、フィンは漸く口を開きました。

「彼女は私の駒よ。命を奪うのは許さない」
「そう仰ると思いました」
「ならどうするの? この前ノインが使った手は使えないと思うのだけど」
「心配は無用です、ミスト」
「策があるようね」
「はい。これは以前の術の応用なのですが」
「また何かの結界?」
「それは見てのお楽しみという事で」
「そんな事言わずに、教えなさいよ」

 ノインに作戦の詳細を話させようとするフィンをからかうように、ノインはな
かなか作戦の詳細を明かそうとはしませんでした。
 ミストから見ると、ノインはフィンをからかって遊んでいるようにしか見えま
せん。

「(今日の会議はこれで終わりね)」

 そう感じたミストは、再び空中に身体を横たえ、今度は眠りに落ちるのでした。

(第144話 完)

 2月16日のお昼頃までの皆さんでした。

#ちなみにこれだけでノインの作戦が判るでしょうか(笑)?

 では、また。

--
Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
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