神風・愛の劇場スレッド 第131話『よしみ』(7/6付) 書いた人:佐々木英朗さん
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From: hidero@po.iijnet.or.jp
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Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 6 Jul 2001 16:51:41 +0900
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Lines: 249
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佐々木@横浜市在住です。

<9hna1u$s17$1@bgsv5905.tk.mesh.ad.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。

>> 石崎です。

こんにちわ。

>>  このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版の設定を基にした、妄想スレッドで
>> す。そういうのが好きな人だけ、お読み下さい。

そういう事で宜しく。


>> >>> >★神風・愛の劇場 第127話 『雨のあと』

>> >書いている当人ですらメモを見ないと過去に何があったか判りません。^^;
>>  時々、書いている時間より設定を確認するのにかかる時間の方が長かったりします
>> (滝汗)。

過去の記事を文意で検索するツールとかが無性に欲しくなる事があります。
#「ツグミさんと都ちゃんが最後に会ったのは何時/何処?」とか。

>> >## つまり「どっちにも解釈出来る」という。
>>  で、当然佐々木さん的には続きありですか(笑)。

あの「間」の部分ではまろんちゃんがツグミさん2号に睨まれたり、
抱き付いて投げ飛ばされたり、捕まえようとして返り討ちにあったりといった
一連の出来事を怒涛のごとくに語って聞かせた事による時間経過ですので。
# でも、その話し合いをリビングでやったとは限らない …(爆)

>> #読者はほぼそう妄想しそうです(爆)。

# 正しい選択です。(笑)

>> >>> ★神風・愛の劇場 第128話『処分』

>>  原作では人間の食べ物は食べる必要が無いと書いている割には、聖気の源となる果
>> 実を栽培していたりと曖昧な部分がありますので、こちらも曖昧に。

やはりある程度の日常生活的部分は存在するんでしょうね。

>>  期待を裏切っていないか心配です(笑)。

はぐらかされた様な気がしますが、気の所為でしょうか。(笑)

>> >★神風・愛の劇場 第129話 『誰の為に』
>>  ツグミさんと再会した後は泊まって行くとは妄想していて、前回余裕があったな
>> ら、そこまで記述しようと考えていました。

^^;;;;;;;

>>  まろんちゃんが泊まるのに何やかやと理屈を付けています。
>>  こうして理屈付けをしておけば、仮にツグミさんの愛情が自分から離れていても
>> (外面的には)自分がそれ程傷つかないですむということなのかな。

というよりは追い返されない様に一所懸命説得しているという感じかと。

>>  しかしまろんちゃん達から見れば犯人は誰か判りそうなものなのですが、流石に全
>> 君に疑いを抱くことは無いか(笑)。

どう見ても悪者には見えないと思われますので。^^;;;

>>  「刻印」がついていないのか、ツグミさんの服を捲って確かめているまろんちゃん
>> ですが、某氏辺りならば捲るついでに色々とやっている妄想をしそうです。
>> #某氏って誰だよ。

# 暗に妄想を誘っている様にも見えますが。(笑)

>> ★神風・愛の劇場 第130話『帰還』

クライマックス部分をすっ飛ばして回想で少しずつ語る型式ですね。
周囲の者(この場合はアクセスとリル様)の目を通して見た描写から
神様の人物像をうかがわせています。
# 逆に言うと直接描写しないので解釈の余地がゴッソリ残ってますけれど。(笑)

何となく謁見の間には寝床があった様な気がして仕方有りませんが。(爆)
# きっとコレも気の所為なんでしょう。^^;;;

ここへ来ての増援の決定は何故なんでしょうか。
何かしら魔界の動きでも察知しているのか、それとも解決を急ぐ理由でもあるのか。
# もっと気になるのはキャラを使い切れるのかという問題。(笑)

リル様も昔はワルだったらしいですが、それでも有る程度の地位にいるのですから
本人の弁にある様にそれなりの苦労はして来たのでしょう。
# 神様のお気に入りってのも関係あるのかも知れませんけど。*^^*

ところで「三日」というのは神様と一緒に居た時間…ですよね。
それでフラフラって事はやっぱり…あんな事や…こんな事まで…(爆)
# しかもリル様は1ヶ月!凄い体力。
## どうも思考が低い方から離れないらしい。^^;

そしてアクセスの帰還を感じたフィン。
これで元気100倍で悪事に励める事でしょう。(笑)

# では、次行きます。

★神風・愛の劇場 第131話 『よしみ』

●オルレアン

すっかり日が落ちてしまってもアキコは微動だにせずにいました。
始めのうちはじっと見下ろしていた目は何時しか閉じていました。もっとも、
眠っているのかそうではないのかは傍目にはまるでわかりませんでしたが。
止まった時間の中に佇む影の様な存在、それが今の彼女の有り様。
やがて微かな動きを感じたらしくそっと目を開きました。俯き加減の視線の
先では何時の間に目覚めたのかミストの瞳が闇の中から見詰めています。
暫く互いに視線を動かさずに見詰め合っていました。
その間、アキコは必要の無いはずの瞬きを何度か繰り返し、ミストは一度も
瞬きをしませんでした。やがて囁く様にミストは言います。

「何を、見ていた?」

返事はありません。ただ穏やかな瞳がじっと見下ろしていました。
ミストはしばらくその顔を眺めた後で身体を起こし、ソファに座り直します。
やや間を置いてからアキコはソファから立ち上がると、ミストの後ろを廻ってから
窓辺へと向かいました。空の低い位置に浮かぶ半月の弱い光が空に残る薄い雲に
遮られて更に弱まりぼんやりと差し込んでいます。
アキコの身体から極く纔かに発する光が月光と混ざり合い、元々希薄なその姿を
幽かに浮き上がらせている様に見えました。
ミストがその姿を眺めている事を判っているのか、アキコは時々ちらりと
横目でミストの方を見ましたがそれ以外はただ飽きもせずに外を見ています。
やがてそんなアキコを眺める事に飽きたのか、ミストが言いました。

「遠くへは行くなよ」

アキコは振り向くと微かに驚いた様に目を見開きましたが、すぐに普段の表情に
戻ると小さく頷きました。それから手をひらひらと動かして合図を送る様な仕草を
してから窓をすり抜けます。そしてアキコの後を黒い塊が転がる様に追い掛けて、
やはり窓を通り抜けて夜の町へと出て行きました。

●桃栗町郊外

寝室の灯りを落とした後も二人は色々な事を話していました。ため込んでいた
話題を今総て話してしまわなければならないと急き立てられるかの様に。
それでも話し疲れたのか互いに言葉が途切れ、しばしの沈黙が訪れました。
暗やみに目が慣れた所為もあって、まろんにはツグミの横顔がぼんやりとですが
見えていました。何時もの様に閉じられたままの目は寝顔と区別がつきません。
そしてそう思った途端に置き去りにされた様な寂しさを感じてしまいます。

「寝ちゃったの?」
「いいえ」

間髪入れずに返ってきたツグミの返事にまろんは安堵します。

「先に寝ちゃ嫌」
「我侭ね。でも、結局はどちらかが先に寝付くのよ」
「それはそうだけど…それじゃ夢の中で再会しよ」

ツグミはそれを聞いてクスクスと笑い始めました。

「私、何か変な事言った?」
「違うの。変なのは私の方」
「え?」
「また激しい夢だったりしたら困るなって」
「大丈夫、望む所よ」
「本当に夢で逢うつもりなの?」
「勿論」
「それじゃ他の人の夢を見ない様にしないと」

何故かまろんにはツグミのその一言が単なる軽口では無い様に思えました。

「他の人って誰?」

仰向けに寝ていたツグミは意外そうな顔をまろんの方に向けました。

「どうして他の人の夢を見るって思ったの?」
「ツグミさんが言ったんじゃない」
「それはそうだけど」
「じゃ見ないの?」
「そんな事は無いわよ。つい先日もちょっとね」
「え〜っ、誰誰誰?」

ツグミは少し間を置いてから答えました。

「日下部さんの知らない人よ」
「内証の関係とか」


再び、今度はもっと大きな声でツグミは笑いました。

「そんなんじゃ無いわ」
「じゃ、教えて」
「面白く無いと思うけど」
「聞きたいの」
「判った」

暫く何かを思い出すかの様に黙っていたツグミ。やがて、ぽつぽつと語り始めます。

「日下部さんと出合うよりもずっと前の事だけど。お散歩の途中で公園に
 寄ったの。ベンチに座っていたら、隣りに女性が座ったのね。
 落ち着いた感じで、ちょっと私よりもお姉さんという感じだったわ。
 その人、犬が好きだって言っていたの。それでイカロスからハーネスを
 外して…前にも教えたかしら、ハーネスを外すとお仕事から解放って意味なの。
 それでその人に暫くイカロスと遊んでもらったりして。
 本当は犬を飼いたいのだけど、お父様と一緒に海外に出かける事が多くて
 一箇所に長く住んだ事が無いんですって。それで飼うのは諦めているって
 言っていたわ。そんな事とか世間話とかを暫くして、そしてお別れしたの。
 その公園には何度か寄ったけれど、その人とは二度と会わなかった。
 町で擦れ違う事も無かったから、その人が言っていた様にまた外国へ
 行ってしまったのかもね。その一度きりの出合いを夢に見たの。
 公園はその時の記憶と微妙に違う気がしたけど、見た訳では無いし夢の中の
 事だからアテにはならないと思うけれど」

黙って聞いていたまろん。ツグミはまろんが何か言うのを暫く待っていましたが
まろんがそれで話が終わったのかどうか判断を迷っている様子でしたので
一言付け足しました。

「これで終りよ」
「ふ〜ん…」
「ね、つまらなかったでしょ?」
「そんな事無いよ」
「そう?本当はえっちな夢でも想像してたんじゃ無いの?」
「ち、違うよ!」
「そう?」
「それに、そういう…夢を見たって言ったのツグミさんじゃない」
「そうね。でも喜んで。そんな夢には日下部さんしか出てこないから」
「えへへ」

掛け布団の下をツグミの手がごそごそと這ってきてまろんの手をそっと握ります。

「そろそろ休みましょう」
「うん」

まろんは手を握り返しながら答えるのでした。



月が早々と沈んでしまい、外はすっかり闇夜になっていました。
以前来た時には散歩仲間の好きにさせた所為で辿り着いたこの場所。
しかし今夜、先に立って歩いていたのはアキコの方でした。
舗装された道から逸れて疎らな林の奥へと続く小道の前で、アキコは随分と
長い時間じっと立っていました。ただ何もせずに小道の奥を見詰めて。
初めは以前の時の様に木々の間を走り回っていた黒い影も何時の間にか
傍に戻ってきていましたが、それでもアキコはずっと立っていました。
それでもやがて意を決したかの様にくるりと背を向けると、町の方へと向かって
その姿は消えていったのでした。

(第131話・完)

# そろ〜りと次の展開に向けて始動。
## 2月12日やっと終り(笑)

では、また。

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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■
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