神風・愛の劇場スレッド 第122話『素直さの理由』(5/18付) 書いた人:佐々木英朗さん
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From: hidero@po.iijnet.or.jp
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 18 May 2001 12:08:35 +0900
Organization: Infonex Corporation
Lines: 249
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佐々木@横浜市在住です。

<9dleud$mnm$1@bgsv5906.tk.mesh.ad.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。

>> 石崎です。

こんにちわ。

>>  このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版に触発されて延々と続いている妄想
>> 小説のスレッドですので、お好きな方のみ以下をどうぞ。

です。


>> >>> ★神風・愛の劇場 第119話『求愛』

>> #先輩の着ている服もそれなりの服装だったりして(笑)

# 「後」なのに着ているんですか?(爆)

>> ># まぁ、この二人なら何も起こらないでしょうけど。(爆)
>>  このフォロー文に触発されて、今回の話が出来てしまいました(笑)。

地雷をバラ撒いてしまった様ですね。(笑)

>> >★神風・愛の劇場 第120話 『正餐』
>>  久々の妄想編らしい話でした(笑)。

本質的に私は低いほう担当だったはずなので。(笑)

>>  これで残り全部なのか、まだ別働隊がいるのかは判りませんが。

取りあえず複数部隊の内の一つであろうというつもりです。
流石にフィンの手下全部を食ってしまうと後々モメ事に。^^;

>> #あの程度で満足して貰っては困りますが(笑)。

# やはり「濃い」のが必要ですか。(爆)

>> #すると、魔界で食事をして満腹しようとすると大虐殺の必要が…(笑)。

多分、魔界では然程消耗しないので極く少食では無かろうかと想像してます。
それとあっちでも一応畜産/農業その他は行われていて、食用動物も
居るのでは無いかな?という事で。実は魔界って所も結構文化的だったり。
# 多少、乱暴な連中が多い様ですが。^^;;;

>>  ミストをみんなで襲おうとする悪魔達の卑猥な会話や、悪魔達を誘うミストの描写
>> は、相変わらず妄想を掻き立てる出来です(笑)。

ちなみにあれは全部人間語に翻訳してある物と思ってください。(笑)
# 本当は(当然ながら)現地の言葉で話してます。

>>  今回のミストはいつもより少し大きな少女バージョンなのでしょうか。
>>  それと、ずいぶんと涼しげな格好であるらしいのも妄想を誘います(笑)。

私案としては引きずる(足が隠れる)程丈の長いネグリジェの様な物を
想定してたりしますが、まぁお好みの"薄着"をどうぞ。^^;

>> ★神風・愛の劇場 第121話『目覚め』

深〜い墓穴を掘ってしまうツグミさん。
冗談は、冗談として通じる相手のみにしましょう。(笑)

フィンの忠告は一歩間違えれば困った事にもなりかねない所ですが、
それでも敢えて行ったのはやはりツグミさんの事を本気で心配して
くれているからという事の様ですね。

やはり、こう、何ですな。恥じらいの姿と言いますか、隠している
仕草なんてのを想像するに単なる裸よりも余程色っぽいという。(爆)
# しかし、濁ったお湯ってのはアニメ的逃げのお約束ですね。(笑)

それにしてもわずかな期間に照れなくなった全くん。
ガキだからこそ見慣れると照れないのだと見た。(笑)
# さては最近は自宅で薄着の女がうろうろしているんだな、きっと。*^^*

そして夜中。ツグミさんの寝顔を見て何を思ったのやら。
彼の個人的な感傷か、それとも言い付けられた何かか。
# ほっぺ「フニフニ」までは行かなかったらしい。

# では、次いきます。
## かなり短め。

★神風・愛の劇場 第122話 『素直さの理由』

●オルレアン

結局、家に辿り着くまであまり口をきく事もなかった二人。
たまに都が雑談を持ち掛けても、まろんの生返事から会話が続く事は
ありませんでした。まともな会話になったのはエレベータから降りた直後の事。

「まろん」
「ん?」
「良かったら、夕飯ウチに食べに来る?」
「有難う。でも、今日は遠慮しとく」
「判った。じゃ、また明日」
「うん」

それぞれが自分の家の中に消える前に、都が声を掛けました。

「夜更かしするんじゃ無いわよ!」
「は〜い」

まろんが扉の向こうに消えるのを見送ってから、都も扉を閉めます。
そして溜息を一つ。

「出しゃばり過ぎたかな…」

別れ際のまろんの笑顔が都の脳裏で揺れていました。



部屋に戻ったまろんは先ず着替えを済ませ、それから風呂を沸かす事、
食事の仕度と一気に取りかかりました。身体を動かすのを止めると途端に
それ以上何も出来なくなる様な気がしたからです。
夕食のメニューも悩まない様に冷蔵庫を覗いて最初に思い付いた物に
しました。ニンジンが真っ先に目に留まったのでカレーにしてしまいます。
ただし、お肉の類はありませんでしたから肉抜きでしたが。
時間が掛かった方が良かったのですが、家事に集中した所為か逆に早々と
準備は終わってしまい、その頃には風呂の方もバスタブにはお湯がいっぱい。
時計を見て思わず呟いてしまいます。

「お、早い」

帰宅時にはそれほどでもありませんでしたが、今は丁度良い具合に
お腹が空いていましたから、夕食は美味しく食べられました。
間髪入れずに後片付けを済ませて、そこで今夜初めて腰を落ち着けて
何もしない時間を持つ事になります。
考えないで済ませられるのはここ迄だと判っていました。
数日の間ずっと気掛かりであり続けた事。その中でも、稚空に教えられた点が
特に引っかかります。言われるより先に自分で気付かない事が少しだけ
ショックでしたが。

「順番に考えなくちゃ…」

最初にツグミの様子が変ではという気がした雨の日以降の事を考えてみます。
稚空の言う様に、変なのは自分の前でだけというのは確かな様にも思えました。
昼間ああ言いはしたものの、なるべくなら自分だけで解決したいという気持ちは
ずっと燻っていましたが、こうなって来ると稚空に手伝ってもらうという選択は
現実的でもあり避けられない様に思えます。
それが良い事かどうかは別にして。

「自分勝手だ、私って」

良く判っているつもりの事を声に出して確認してみるのですが、
虚しくなっただけでした。判っている事でも吐き出してしまえば少しは
感じ方が違うかも知れないと思ったのですが、独りではそうもいかないと知ります。
ずっと以前はこんな事は無かった様に思います。少なくとも、吐き出してしまえば
楽になるなんて知らなかったのですから。
ずっと一緒だった都にすら、そんな真似をした憶えはありませんでした。
なのに今は胸に留めておくのが苦しい事が沢山。
独りで抱え込む事だって苦にはならなかったはず。それは自分自身の事、
誰とも関係無い事のはずでしたから。
でも、と思うのです。いつのまにか違い始めていました。
何時の間に…そうではありません。何時からなのかは判っています。
それはあの日から。彼女が自分の部屋に居着いてからでした。
何故、フィンには全て話していたのだろうかと。

「だって…フィンにしか話せないじゃない、あんな事」

確かに最近になって抱え込んだ秘密のほとんどはフィンとの間にある"事情"から
発していました。しかしそれ以上の何か、日々の細かな感情の動きまで
ほんの少し前はフィンと共有していた様な気がします。



何が欲しかったの?

何も。でも…

ずっと傍に居てくれる誰か?

それなら都だって良かったのに

都の真っ直なところ、私には無い芯の部分。それが眩しかった

羨ましかった?

そうかも

弱音を吐かない事が彼女に近づく事だって思ったのね

判らない

それとも頼られる存在になる事で安心したかったの?

判らないってば

"誰か"の中にしか自分を見つけられない

違う

そして、フィンの中にはすぐに自分を見い出せた

そうじゃないよ。多分

だからフィンには全てを見せられたんでしょ

そうじゃ無い

そして、フィンが戻って来ないと代わりをツグミに求めた

そんな事無いよ

ツグミはそれに気が付いたんだ。だから拒絶された

嫌………

そして今度こそ本当に独りなんだ

もう誰も戻って来ない



ふと顔を上げると、リビングの隅で膝を抱えている自分に気付きました。
うたた寝をしていたのだろうと思います。
時計を見ると食事を終えてからたいして時間は経っていない事が判りました。
今日は早く寝てしまおう。そう考えて、まろんはバスルームへと向かうのでした。

●桃栗町某所

フィンは器用に横たえていた身体を起こすと、すこし伸びをしてから
鉄骨の縁に座り直しました。見下ろした風景はちょうど団欒の時間の街並。
もっとも、その中の一つでは確実に独りっきりで過ごしている者が居る事を
フィンは良く知っていましたが。

「何でまろんが私には何でも話せたか、教えようか」

耳元で風が鳴って、続きを催促するかの様に髪を揺らします。

「それはあんたが、私をお話しする人形扱いしてるからよ」

言ってみてから、何だかとても馬鹿馬鹿しくなってしまうフィン。
本人に直接言ってやらなければ意味が無いのに。

「何もかも面倒」

ぼそりと零すと、再びごろりと横になってしまうのでした。

(第122話・完)

# 元々一人称の文体では無いシリーズなのでモノローグは難しい。

では、また。

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