From: hidero@po.iijnet.or.jp
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Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 2 Mar 2001 16:39:26 +0900
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佐々木@横浜市在住です。
<97a82v$atm$1@news01bb.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。
>> 石崎です。
こんにちわ。
>> これは神風怪盗ジャンヌのアニメに触発されて書き連ねられている
>> 妄想小説のスレッドですので、お好きな方のみ以下をどうぞ。
です。
>> >>> >>> ★神風・愛の劇場 第101話『依存』
>> そう言えばミスト絡みイベントで思い出しました。
>> 「彼女」の登場がまだでした(爆)。
悩み事と「戦う」決意をしたのが1999年末。
その後各種手続を経て(学業の都合もあるし)…という訳で
忘れた訳では無いのですが、もう暫く来ない(来れない)
であろうと考えています。
>> >>> ★神風・愛の劇場 第103話『装い』
>> ただ、偽物と断定する前に電話で弥白と話していた様子なので、電話での弥白
>> の反応から気がついたことにしました。
>> それとも、「弥白新聞」を読んで偽物だと断定した上で弥白に電話したのか
>> な? だとしたら、あの問い詰め方はちょっと弥白様が可哀想かも。それはそれ
「弥白新聞」のタイトルロゴと写真だけ見て電話(この時は疑ってます)
-> 後で文章を読んで偽物と気付く
-> 弥白様にトゲのある言い方をした事を後悔する稚空
という流れを想定していました。
>> 一応稚空は、以前弥白が配り回っていた都×まろんの情報が掲載された「弥白
>> 新聞」を読んでいるので、証拠付きの情報は読んでいたような。
はい。それで今回の新聞のネタは、
>> ちなみに今回の「弥白新聞」には、弥白がツグミさんの家の側で偵察ユニット
>> を用いて撮影した素材が使われています。
こっちなのですよね。ですからツグミさん×まろんちゃんという組合せを
薄々は感じていたでしょうけど、写真等を見たのは初めてだったと思ったのですが。
場合によっては、まろんちゃんが一方的に気にしている様にしか見えなかった
かもしれません。人前ではツグミさんからは、あまりベタベタしてないはず。
# しかし元(フォロー)記事では女の子同士全般を指している様に読めますね。
# 失礼しました。
>> それにしても稚空は振り向いても貰えないんですね(…ってそうしているのは自
>> 分だろ)。
まぁ、まろんちゃんにとって稚空がどのくらいの重みがあるかは兎も角、
「女の子」にフラれたって情況では男はちと頼りづらいのでしょう。^^;;;
>> スレンダちゃんがパソコンを弄っていた時の格好は、もちろん新体操部部室で
>> のあの姿です(爆)。
究極の静電気対策スタイルですね。*^^*
>> アニメ本編で都ちゃんは弥白に対して尋常で無いライバル心を抱いてましたよ
>> ね。そして、三枝先生のモデルになりたがっていた雰囲気もありました。
確かに。何でなのかなぁってのは当時の記事でも話題にした様な。
>> まろんちゃんがモデルに選ばれるのは、亡くなった娘さんに似ているから当然
>> としても、自分のライバルの弥白様が、自分を差し置いて先にモデルになってい
>> る事に衝撃を受けていたのでは(笑)。
つまり「ムカツク」って奴ですね。^^;;;
>> そう言えば普通じゃないスライドもあったんでした。これを都が知った日には
>> (笑)。
スライドを暖炉に投げ込んでしまうんではないかと。^^;
# スライドではなくプリントした写真ならヒゲとか書き加えそう。(笑)
>> 弥白様が傷つくのは、ノインの策の一部です。
>> 最終的な目的は、別の所にあります。今回そこまで書こうと思いましたけど、
>> 書き切れませんでした(ぉぃ)。
そうですか。では、弥白様を元気付けるのは止めておきます。(鬼だ ^^;)
>> ちなみに何故かスレンダちゃんは黒以外考えられません(笑)。
ワインレッドとか、白の総レース編みとか。(爆)
>> では、本編へと続きます。
あららららら。^^;;;;;
>> ★神風・愛の劇場 第105話『追求』
まぁ一度ネットに出てしまった情報は暫く燻り続けるのでしょうけど、
何かすると仮定して、どんな手の打ち様があるのかなぁ。う〜ん…
# 悪辣な手段なら思い付くのですけどね。(ぉぃ)
弥白様は電話にも出ない程の落ち込みの真っ最中。可哀想に。^^;
まぁ掲示板なんてのは荒れたら消してしまうのが吉です。(笑)
一緒に入った事のあるお風呂って、別に散歩したとか見て歩いた
とかそんな「手ぬるい」話ぢゃないですよね、当然。
そうか、稚空は一緒にお風呂に入ってしまうくらい小さい頃から
弥白様と知り合いだったんでしたっけ。(忘れてました)
# 一緒にお風呂 … 一緒に … 小さい弥白様 … 無防備 …(対消滅)
ライバル心に火が点いてしまった都ちゃん、何やら怪しい光を
瞳に宿している様ですが、このまま遂に(笑)妄想も
ラストスパートなのか、それとも別の一波乱なのでしょうか。
フィンとミストが同時に察知しているので多分近々動きがある
という事なのでしょうけれど。
フィンはタワーの上に寝泊まりですか。まるで鳥ですね。^^;;;
都ちゃんもついに魔窟への接続を開始。(笑)
ちょっとした日常の道具となるか、この場限りの事になるかは
都ちゃんのハマり具合次第という所でしょうか。^^;
# では、次いきます。
★神風・愛の劇場 第106話 『音』
●オルレアン
今夜は独りの夕食です。少しは落ち着いたので、あの事で親友に甘えるのは
もう止めようと今朝決めたのでした。そして、精一杯の気持ちを込めて
その事を伝えたつもりです。先程の別れ際、都は特に何も言いませんでした。
普段と同じく夫々の家の扉へと別れて、どちらが先という事も無く
扉が閉じるのでした。ほんの少し前の事から、意識が今に追い付く頃には
極く簡単な食事は済んでしまいます。まろんは手早く片付けを終えると、
リビングの床に座り込んで、静かな時を過ごすのでした。
都が来てくれいていた二日間、まろんは何も考えない様にしていました。
考えなくても良かったと言うべきかもしれません。
逃げていたのだとは承知しています。
だから今は、逃げずに考えようと思うのです。あの日の事を。
気付いてみれば、最近は独りで夜を過ごす事が無かった様に思えます。
ずっと以前は当たり前だった事なのですが、何時の間にかそれは普通では
無い事になっていて。そして残ったのは寂しさを我慢出来ない自分。
まろんは皆はどうなんだろうと考えます。いろんな顔が浮かんで来て、
今頃何をしているのだろうと思うのです。やはり寂しいのだろうか、
それとも楽しく過ごしているのだろうか。誰かが傍に居たら、きっと楽しい。
でも誰も居なくなった時に襲ってくる、この感覚が嫌。
でも、それでもやはり傍に誰か居て欲しい … 甘えだろうか、依存だろうか。
誰かにこの思いを聞いて欲しい。だから、窓の外を見ました。
それから壁を見て、見えるはずのない壁の向こうを見ました。
廊下に出て扉を見ました。そして、電話の受話器を上げました。
結局、あの夜と同じに途切れない呼出し音だけが聞こえました。
●桃栗町郊外
夕食も入浴も済ませてしまい、何もする事が無くなっていたツグミ。
椅子に座り、腕を組んで、その腕を枕代わりにしてテーブルに伏しています。
顔を横に向けて電話機を見ていました。今日は暇さえあればそうしているのです。
ツグミの見ている前で、電話機が着信を告げる小さな赤い光を放っていました。
ですが一緒に鳴っているはずの音をツグミは見付ける事が出来ませんでした。
結局何をするでも無く無為な時を過ごした後、ツグミは早々と寝室に
入りベッドに身体を横たえました。ツグミ自身にとっても意外な事でしたが、
睡魔はすぐにやってきて、やがてもう一つの世界へと彼女を誘うのです。
●オルレアン
どのくらいの時間が経ったのか、ミストはふと我に返ると部屋を見回し
ました。どうやらアキコは散歩から戻ってはいない様子です。
「随分と遅い様だな。夜遊びが過ぎないか」
とは言うものの、それは咎めだてする様な口調では無く、寧ろ情況を
楽しんでいるかの様に軽い調子で漏れ出た呟きでした。
ミストはソファから身体を起こしつつ空間を跨ぎ越し、
直立した時には棲家を見下ろす高みへと躍り出ていました。
月の無い空に星だけが輝いています。その夜空を背景にして虚空に
浮かぶ姿は微かに光を纏っていました。やがてその姿がゆっくりと
地上へと降りていきます。そしてあと少しで着地するというところで
一度静止すると、そのまま滑る様に進み始めました。
勿論、魔術に依ってすぐにアキコを見付ける事は造作もないのですが
ミストはわざわざアキコが辿った道のりを追って行く事にしたのです。
それはミストなりの散歩という行為を理解しようとする行動なのかも
しれません。
微かに残された"人では無い者"の気配を注意深く辿ります。
大通りを越え路地裏を抜けて行くと、アキコの、そしてイカロスの気配が
少しづつ確かな物へと変わっていきます。
そうしてミスト自身が歩を進めるうちに、ふとある事に気付きます。
今までミストはアキコがこの街、桃栗町で見知っている場所を
結んで歩き回っているのだろうと考えていました。
しかし今夜ミストが辿っているのは、少なくともミストが初めて
アキコに出合った時に覗き見た彼女の記憶の中には無かった風景。
もっとも、人の選ぶ道筋を無視したものではありませんでしたから
散歩という行為である事は間違い無いのでしょう。
「ふふん」
ミストの顔には好奇心から発する微かな笑みが浮かんでいました。
或いは気紛れで跡を辿ってみた自分の判断に対するある種の満足感。
そして何より人気の無い夜の街並みが気分を高揚させるのです。
やがてミストは何時の間にか町外れの街灯も疎らな道を進んでいました。
時折風が潮騒を運んできて、その先に拡がる何かを想像させました。
「…」
一瞬、ミストはある風景を思い出して周囲を見回します。
しかし、それはすぐに杞憂である事が判りました。
「アキコが自ら訪れるはずは無いか」
そして苦笑するミスト。それと同時にこの先にある物も思い出しています。
更に先へ進むと、林の中へと伸びる小道の入り口にアキコが所在なげに
立っていました。押さえた調子で、そっとミストが声を掛けます。
「アキコ」
アキコは声を掛けられるよりも少しだけ早く既にミストに
気付いていたらしく、驚く様子もなくゆらりと身体をミストに向けると
じっと見つめ返してきました。
アキコのすぐ傍に立つと、再びミストが言いました。
「こんな所で、どうした?」
アキコは黙って顔をそちらに向けるとともに小道の奥を指差します。
「ん?」
ミストがアキコの指差した方を覗き見ます。暗闇の中に伸びる道。
道の両側には背は高くは無いものの、多くの木々が生い茂っています。
その木々の間を縫う様に黒い影が右へ左へと忙しく動き回っていました。
「ほう…」
ミストは事情を察しましたが、一応アキコにそれを問う事にします。
「あれの好きにさせたら此へ来たのか?」
アキコは黙って頷きました。
「これでは遅くなるのも仕方ない」
それからミストはアキコと共に、暫くは黒い影が動き回る様を黙って
見つめていました。やがてミストはアキコに諭す様に言います。
「好きにさせてやるだけでは、あれとは付き合えないのだぞ」
アキコはミストの顔を見て、すぐに何を言わんとしたのか理解しました。
そしてアキコは右手で自分の太股を叩く様な仕草…実際に叩いたのかも
知れませんが少なくとも音はしない格好だけの呼びかけを行いました。
「…」
正直な所、アキコのそんな芸当にミストは驚きました。
しかしミストにとって一番の驚きは黒い影、すなわちイカロスが
その行為の意味する所を理解し従った事でした。
イカロスは小道を転がる様に戻って来ると、アキコの脇に来て
大人しく座っていました。
「傑作だ」
そう言ってミストは笑いましたが、アキコは何を笑われたのか
判らないらしく、ただじっとミストの方を見ているだけでした。
やがてひとしきり笑うと踵を返すミスト。
「帰るぞ」
しかしアキコの気配が動こうとしない事にミストは気付き振り返ります。
アキコの顔を見、その視線の先を追いました。
暗い小道の先に黒い影が佇んでいました。無論、イカロスではありません。
もっと存在の確かな物、別の意味ではもっと不確かな物でもあります。
風に吹かれて長い髪と服が柔らかく踊っていました。
そして朱い瞳が射る様な視線をこちらに向けているのです。
ミストの口許が歪みます。邪悪さを湛えた笑み。
ミストは影から目を離さずにアキコに囁きます。
「アキコ、先に帰りなさい」
アキコはミストの横顔を見つめ、それから数歩後退っていきました。
ですがイカロスが動かなかったので、アキコはそこで再び立ち止まります。
アキコは何もせず、イカロスと影へ交互に視線を向けていました。
やがてイカロスはのろのろと立ち上がるとアキコの方へと歩きだします。
イカロスが追い付くのを待ってからアキコも家に向かって歩きだし、
やがてその姿が徐々に欠き消えて遂に見えなくなりました。
途中、アキコもイカロスも一度だけ後ろを振り返りながら。
残されたミストは、なおも影を見つめ続けていましたが、
影が動こうとはしなかった事とアキコが充分に離れたと確信した事から
自らもその場を去る事にするのでした。
「抜け癖か、それとも魔術に敏感なだけか…」
ミストもまた一度だけ振り返りましたが、影は黙って立っているだけでした。
(第106話・完)
# 会話が少ないと行数が稼げないもんですな。(笑)
では、また。
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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■
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