From: hidero@po.iijnet.or.jp
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Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 16 Feb 2001 15:41:34 +0900
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佐々木@横浜市在住です。
<967re7$lkm$1@news01db.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。
>> 石崎です。
こんにちわ。
>> 特別編の連載、お疲れ様でした(まだ終わってませんが)。
その分、私も本編の方をサボってしまいました。^^;;;
# 本編の完結とスペシャル3とどっちが先だろう…(笑)
>> これは神風怪盗ジャンヌのアニメに触発されて書き連ねられている
>> 妄想小説のスレッドですので、お好きな方のみ以下をどうぞ。
という事です。
>> >>> >★神風・愛の劇場 第98話 『企て』
>> 以前の話で出た弥白の部屋についている風呂は檜風呂だった記憶が。きっとお
>> 風呂は邸内に沢山あり、その中にはスライダー付きお風呂とか、ジャングル風呂
>> とかも当然ある事でしょう。
>> その中の一つには当然露天風呂もあって…と妄想してみました(爆)。
檜風呂だけど温泉湯治場の共同浴場のごとくダダっ広いとか。^^;
>> >>> ★神風・愛の劇場 第99話『お邪魔虫』
>> 委員長の人脈はネット繋がりと委員会繋がりの二つなので、同学年には友達が
>> 少ないという設定だったりします。
大学の公開講座の情報持っていたりしますしね。^^;
>> 逢い引きですか(笑)。
生徒(個人)指導に呼ばれたのかも。*^^*
>> 実は大会で何を起こすのかを考える時間稼ぎのために、わざと先に設定したと
>> いう話も(爆)。
で、実際は大会当日はサラっと流してみたりして。(笑)
>> …と言っていましたので、一年生という設定にしています。
>> 実際には、四月に進級している可能性もあるんですけどね。
元々季節感が希薄な作品だっただけに、その辺りはかなり脚色出来そうです。
# 一度夏を迎えているって事しか判らない。^^;;;;;;
>> 本人が理解して演技しているのか、全く陰謀の事など気付かずに地で振る舞っ
>> ているのか、それによってこれからの展開がほのぼの路線にも鬼畜路線にも変わ
>> りうるのですが、果てさて(笑)。
しかしキャラ的に理解しているとは到底信じられないのですが。(笑)
>> シルクは実は女の子でした…という展開だったら(嘘)。
成程、ボク女ですね。(納得すな)
>> >★神風・愛の劇場 第100話 『後ろ姿』
>> ひょっとして全君、まろんちゃんの声が聞こえているのに電話切っちゃったん
>> ですか?
>> それとも全自身の遮音結界がまろんの電話の声すら通していないって事なのか。
後者です。全くんはまろんちゃんとも(一応)知り合いなので、
声が聞こえたら世間話を始めてしまいますから、ノインなら
そこまで見越して結界を設定しているであろうと。
>> 小骨が刺さったツグミの口の中を見ていたのが真相のようですが、案外全がま
>> ろんちゃんが接近している事を知ってわざとやったのかも…という全君の陰謀説
>> を唱えてみます。
陰謀として行うならば、ツグミさんが正気である必要は無くて
まろんちゃんの目の前でもっと熱いシーンを見せても良かったのです。
ですので、アレは偶々という事で。^^;;;;;
>> 全の年齢や出会ってからの期間を考えると、二人がそういう関係だとは客観的
>> には考えられないのでしょうけど、愛と言う物に自身が持てないまろんちゃんに
>> は思いも寄らぬ事なのでしょう。
それに今の情況はツグミさんの方から拒絶されたと解釈出来なくもない上に
昼間無視されたのかもしれないという疑念があったのも駄目押ししています。
>> 出会って話せばすぐに解ける誤解も、出会う事が出来なければ解けぬまま。
>> このまま二人は終わってしまうのか? それとも…。
正直言って悩み所です。
個人的にこの娘(達)にはこうしてあげたいという部分と
物語作者としての判断がズレていて…。
>> ★神風・愛の劇場 第101話『依存』
意外中の意外な展開。^^;
あの出来事の後、まろんちゃんが最初に出合うのは都ちゃんであろうと
漠然とは考えていたのですが、一夜を共にするとは。
やはりこういう時に大きく崩れてしまうのはまろんちゃんの方なのですね。
# パジャマを着ているのは"良心(c)藤森さん"という奴ですか。(笑)
でも、受け止めてしまった都ちゃんも悩んでしまいました。
その上に都ちゃんには吐き出す相手が居ないんですよね。切ない。
一方、弥白様は最近休養中の所為か考え事に勤しんでいる様で。
案外外側から真実に到達する最初の人物になったりするのかも知れません。
それに勘も鋭くなっています。付き合いが長くなると育まれるらしいですね。^^;
しかし陰謀の波は確実に弥白様の足下にも打ち寄せていて…。
上の方からの覗き組はそれぞれに思うところアリといった所でしょうか。
特にミストの方は直接的な動きが御無沙汰でもありますし、
鬱憤が溜まっているという感じがします。
# そろそろかな。(何が?)
ところで桐嶋先輩の発言は単なる社交辞令という可能性を
普通は真っ先に…考えないんですね、委員長は。(笑)
で。そうですか。何時か細工していたアレはコレですか。
事はネットワーク上の電子文書の信頼性に関わる問題だけに重大。(違)
# それにしても"人として間違っている場所"が妄想に出てくるとは。^^;;;;;
正直言って、私なら絶対にしない(書けない)展開です。(笑)
どうしても収拾の付け方を先に考えてしまうので、あんまり
広範囲に影響が出る様な話にする勇気が無いんです。^^;;;;
>> ツグミの事を誤解したまま傷ついたまろん。
>> それに追い打ちをかける黒い噂。
>> その噂で傷つくのは、その対象だけでなく…。
>> 次回、神風・愛の劇場…
# というのはこういう(以下の様な)事ですか? ^^;;;;;
★神風・愛の劇場 第102話 『影』
●桃栗町 オルレアン
電話の呼び出し音が忙しなく鳴らされ、夕食の仕度の途中だった稚空は
手を止めざるをえませんでした。重なったままの皿をテーブルに置くと
リビングに行き受話器を手に取りました。こちらが名乗るよりも先に
相手がまくし立てます。
「名古屋君!大変な事になってます!」
「何だよ委員長、いきなり」
「とにかく、イカロスのページを…て…」
「おぃ、何だって?」
暫く無言が続いた後で、電話は切れてしまいました。
稚空は受話器を置くと、何事かとこちらに顔を向けていたアクセスに向け、
訳が判らないとでも言いたげに首を振って見せるとキッチンへと戻ります。
再び皿を並べようとテーブルに手を伸ばすと、今度は玄関の呼び鈴が
何度も鳴らされ、再び夕食の仕度を邪魔された形の稚空は多少の苛々を
感じながら玄関先へと足を向けました。開いた扉の向こうには委員長の姿。
「また委員長か。さっきの電話、何だよ」
「エレベーターに乗ったんで切れてしまいました」
「そうじゃなくて用件は何だって?」
「とにかく今すぐ」
委員長は扉を閉めると、稚空が一人である事を確かめる様に稚空の肩越しに
奥の部屋の方を伺いながら小声で続けました。
「イカロスの捜索願のページを見てください」
稚空は委員長に部屋に上がるように手招きしながら応えます。
「誰も居ないぜ」
「そうですか。丁度良かったです」
委員長が靴を脱いでリビングに顔を出した時には、稚空の方はノートパソコン
のディスプレイを開いてネットワークへの接続準備を始めていました。
システムの待ちに入った所で稚空は手を止めて尋ねます。
「昼間、首輪の事は報告しただろ。今更何か情報でも?」
「そんなんじゃ無いんです…」
委員長の顔色が悪い事に気付いていた稚空は、それ以上は聞かずに
パソコンを操作して言われた通りイカロスの捜索願に関するウェブページを
画面に呼び出しました。
「何だ、もう片付けたのか。気が早いな、やし…」
「は?」
「いや、やっぱり用が済んだら早目にと思って」
「それ名古屋君の仕業なんですか?」
「仕業って程の事じゃ無いだろう」
「そうじゃなくて」
向かい側に座っていた委員長が稚空の側に来て画面を覗きます。
「ああ、やっぱり。もっと下ですよ、ページの」
「ん?」
稚空が狭いノートパソコンの画面を操作して、表示されている部分を
言われた様に下へとずらせて行くと、たった一行だけ青い文字が
標されています。殆ど無意識にその文字をクリックする稚空。
やや長めの沈黙の後、画面には写真と文章を組み合わせた代物が表示されました。
素早く目を走らせた稚空は、唖然としているのか無言で顔を上げました。
「何でこんな事になっているんでしょうか」
「判らん」
「まさか山茶花さんが自分でやるはず無いですよね」
「…ああ、多分」
「そもそもこのページの事知っているかどうかも判りませんし」
稚空は一瞬だけ委員長の事を横目で見ましたが、その事に返事はしません。
「どうしたらいいと思います?」
「取りあえず消させないと」
稚空は電話の受話器を掴むとボタンを三度押しました。
呼び出し音が耳元で繰り返される間、稚空は視線を彷徨わせていましたが、
ふと委員長の顔が目に留まり、慌てて受話器を置きます。
「ちょっとそこで待っていてくれ」
「はぁ…」
リビングに委員長を残して、稚空は寝室に入ると親子電話の子機を手にして
再度電話を掛けました。呼び出し音が十回繰り返された所で時計を見る稚空。
一旦電話を切ると、別の番号に掛け直します。今度は二度目の呼び出しで
相手が出ました。
「はい。山茶花でございます」
「あ、ええっと」
「こんばんは。稚空様ですね」
「ああ、こんばんは」
「少々お待ち下さいませ、今お取次ぎさせて頂きますので」
稚空の耳元に静かな音楽が届き始めていましたが、何の曲やらさっぱり
頭には入りませんでした。一分も掛かっていないはずでしたが、随分と
長く待たされたように感じる稚空。やがて。
「もしもし?」
「弥白か?」
「どうされたんですの、急に」
普段以上に声が弾んでいる様な気がしましたが、稚空は世間話を
するつもりは勿論ありません。
「弥白の部屋の方へ掛け直すから、そっちで電話を取ってくれ」
「あら、内証話ですのね」
弥白の返事がどこか楽しそうな事に稚空は苛立ちました。
「早く!」
「は、はい…」
稚空の剣幕にただならぬ情況を察した弥白は受話器を置くと、
執事に夕食はもう済んだと告げてから自室へと駆け戻りました。
●枇杷町 山茶花邸
弥白が自室の扉を開いた時には、既に電話の呼び出し音が鳴っていました。
慌てて受話器を拾い上げます。部屋まで走って来たので、少し息が上がり
声がうわずってしまいました。
「…ぃ、もしもし…」
「傍にパソコンは在るか?」
「はい。あの、少々お待ちになって」
受話器を通してぱたぱたと部屋を横切る足音が稚空の耳に届きます。
「稚空さん、いいですわよ」
「この前作ってもらったイカロスの為のページを見てくれ」
「はい。実はその事で一時間程前にお電話差し上げたのですが」
「…そうか」
稚空の声は落ち着いていましたが、それは寧ろ感情を押し殺している様に
弥白には感じられました。そしてその理由はすぐに理解出来たのです。
「これは!」
良く知っていて、それでいて心当たりの無い物が目の前の画面に
映し出されていました。頭の中が真っ白になってしまい、言葉が
続きません。代わりに稚空の言葉が流れ込んで来ます。
「弥白、お前が作ったのか、これ」
ある部分は確かに弥白が作った物に違いありませんでした。
しかし自分では書いた憶えの無い文章が散見されましたし、
第一あの女の事までは。弥白は寒気を感じて窓を振り向き、カーテンが
閉まっている事を確認しない訳にはいきませんでした。
返事の遅れが不信感を招くと気付いたのは、稚空の方から再度
呼びかけられた後でした。
「どうなんだ?」
「違います!私はこんな物」
「だが、この新聞は弥白の趣味みたいなもんだろう」
「確かに作ってますわ。でも、こんな内容は知りません。それに」
「それに?」
「稚空さんに頼まれたページにこんな事するはず…」
それ以上は何も言葉に出来ませんでした。咽が震えて声が詰まってしまいます。
「消しておいてくれ。ページごと全部」
弥白の返事を待たずに電話は切れました。
「稚空…さん…」
受話器を元に戻すと、弥白は言われた通りの作業に取りかかりました。
ページを管理するサーバに自分の端末から接続します。
問題のページを削除するのは簡単でした。後々の為にコピーを手元に残そうか、
一瞬迷います。"消してくれ"という稚空の言葉に逆らう様な気がしました。
「どうせもう信じてはくださらないでしょうね」
弥白は目の前の全てを消したいと思いました。
●桃栗町 オルレアン
稚空がリビングに戻ってみると委員長は部屋の中をぐるぐると歩き
回っていました。そしてすぐに稚空を認めて傍に来ます。
「どうしたらいいでしょう?」
稚空は座れよと手で合図し、自分も腰を下ろした後に答えます。
「ページの方は消すように頼んでおいた」
「訂正文か何か載せた方が良くはないでしょか」
委員長の予想に反して、稚空は即答しました。
「逆効果さ。こちらからは一切アクションを起こさない方がいい」
「そうでしょうか」
「内容は誰が見ても中傷文だからな。見た人間の殆どは信じない」
「はぁ…」
「委員長は信じたのか?」
「まさか!」
「だろう。ここで下手に反論なんかすると逆に本当かと思う奴が出るぞ」
「成程、そういう物かも知れませんね」
稚空はそこで一度言葉を切ってから続けます。
「問題は、この事を伝えるかどうかだな」
「日下部さん達にですか」
「ああ」
「もう知っているなんて事は」
「あいつらが普段ネットなんか覗いていると思うか?」
「……見てないでしょうね」
「周囲から耳に入ったりしなければいいが…」
とてもそうは思えない。口にしなくとも、その考えは二人とも同じでした。
●桃栗町 オルレアン
灯りも点けられぬ部屋に今宵もまた訪問者がありました。
「玄関から入ろうという気は無いのか?」
ミストは目の前にかざしていた小さな玉を手の中に包み込むと、
ソファから身体を起こしました。そのミストの背中にノインが答えます。
「主からして玄関から入った事は無いのではありませんか?」
ミストはリビングと寝室の間に立っていたアキコに目配せしてから
ノインの方に向き直ります。アキコの気配が静かに奥へと下がって行きました。
「ゲストがホストの真似などしなくていい」
「一応、客と思っていただけている様ですね」
うんざりした顔でミストが尋ねます。
「何の用だ?」
「貴女も見ていたのでしょう?」
「何を?」
「山茶花弥白、困っている様でしたが」
「そうだったのか。気付かなかったよ」
ノインはわざと聞こえるように溜息をつくと続けました。
「完全に精神を掌握する機会だったと考えますが」
「お嬢様は何を求めていた?」
「何か"策を"という所でしょうか」
「違うだろう。自分の身の潔白さ」
「最終的にはそうでしょうね」
「ならば今は釣る餌が無いな。あのお嬢様は逆上していないと使い物にならぬ」
「そういうものですか」
「しかし今回の件では肝心のジャンヌに鋒先が向かない。ジャンヌにはあの様な
真似をする理由が無いからだ」
ミストは含み笑いを漏らしました。
「何です?」
「強引な解釈をすれば真犯人がお嬢様の御株を奪う事になった責任をジャンヌに
押し付けてやれん事も無いのだが」
「何故、そうしなかったのです?」
「お前の大事な人形を"真犯人"だぞと突き出しても構わなかったのか?」
「それは…」
「珍しく上手く事が運んでいる様に見える。だから私は手出しせん」
「気遣いに感謝すべきですか」
「無用だ。腹の足しにもならぬ」
「それは腹の足しですか」
ノインが見詰めている物が何かを察したミストは
キャンディボックスの蓋を閉じてから言います。
「人間界に長居をし過ぎたのは確かだ」
真意が判らずノインはミストの次の言葉を待ちました。しかし。
「他に何か用があるのか?」
「いいえ」
実際に用は済んでいたノインは、黙って姿を消すのでした。
●枇杷町 山茶花邸
弥白は夢を見ました。暫く見なかった夢でしたが何故今夜夢を見たのかは
判っています。仕舞い込みかけていた秘密を知っている者が他にもいたから。
そして、それを人の目に触れさせたのが自分の所為にされている。
もしこの事があの女に知られたら。
「殺されるかも…」
不思議と恐ろしくはありませんでした。
その時の弥白は、それでも構わないとさえ思っていたのですから。
(第102話・完)
# 多分、今一番困っているのは私。(笑)
では、また。
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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
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