神風・愛の劇場スレッド 第99話『お邪魔虫』(1/2付) 書いた人:携帯@さん
 HOME 記事一覧 前の記事へ 次の記事へ
From: Keita Ishizaki <keitai@fa2.so-net.ne.jp>
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: Tue, 02 Jan 2001 22:28:18 +0900
Organization: So-net
Lines: 413
Message-ID: <92sl1l$gt1$1@news01dc.so-net.ne.jp>
References: <90csu5$peb$1@news01cg.so-net.ne.jp>
<90r4km$17u@infonex.infonex.co.jp>
<90v2qe$qb1$1@news01ci.so-net.ne.jp>
<91chth$5db@infonex.infonex.co.jp>
<921ruh$bp1@infonex.infonex.co.jp>

石崎です。

新年あけましておめでとうございます。
早いもので、このスレッドも開始以来一年が経過してしまいました。
妄想に関しても、妄想開始後1年たった次回で、第100話の大台に乗ることに
なります。
…その割には、まだ作中の世界で一月も経過していない訳ですが(ありがち)。

では、21世紀の妄想始め。

hidero@po.iijnet.or.jpさんの<921ruh$bp1@infonex.infonex.co.jp>から
>佐々木@横浜市在住です。こんにちわ。

 こんにちわ〜。
 黒ミサ(佐々木さん名称サバト)ではどうもでした。

警告:
 このスレッドは、神風怪盗ジャンヌ(アニメ版)の設定を基にした妄想小説ス
レッドです。その手のが好きな人だけに。



hidero@po.iijnet.or.jpさんの<91chth$5db@infonex.infonex.co.jp>から

>>> ★神風・愛の劇場 第96話『習熟度合』
>
>聖センセの生徒達の日常という訳ですね。^^;
>シルクはどうやらハンバーグは身に付いた様子ですが、一度に一つの事しか
>出来ないのは集中力が高い所為だと好意的に解釈しておきます。(笑)

 単にドジなだけかも(笑)。

#悪の組織(?)にドジが混じっているのは有る意味お約束(笑)。
#得てしてこう言うのがラストまで生きていたりする(謎)。

>それにしても、シルクってまろんちゃんの揺さぶり要員という訳ではなく、
>何かもっと能動的な役割を与えられているらしい。しかもツグミさん相手?
(大謎)

 最終目標がまろんちゃんだと言うことは変わらないのですが、まずは周辺から
攻めようという事らしいです。

>大変不吉(笑)な名前のマンションに住んでいる桐嶋先輩。

 みんな判ってはいると思うけど、ジャンヌ最期の地からですね(笑)。

>てっきり力技担当だと思っていたのですが、何か電子透かしを入れ込んだ
>データを弄っている様な雰囲気。家族に見られない為にしては
>妙に厳重です。もしかして画像ファイル版のサブリミナル効果か何かを
>狙った仕掛けでも作っていたのかなぁ。

 そこまで高度なテクは使っていません(多分)。
 この部分の記述は、判る人には判ると思います(笑)。少しネタ的には古いで
すが。

>★神風・愛の劇場 第97話 『ある依頼』

 そう言えばまろんちゃんがイカロスの毛を回収する場面が無かったので、どう
なったんだろうと思っていたのですが、ちゃんとやる事はやっていたのですね>
まろんちゃん。
 ツグミさんと喧嘩別れして、やっぱり不機嫌な様子。
 稚空のまろんに対する反応と、アクセスとの会話の部分。アニメ序盤の根拠無
しで女の子に対して自信たっぷりの様子の稚空を彷彿とさせて良かったです。

hidero@po.iijnet.or.jpさんの<921ruh$bp1@infonex.infonex.co.jp>から
>
>★神風・愛の劇場 第98話 『企て』

 弥白様が主役のお話でした(少し違)。
 以前の話と読み比べると、佐々木さんの弥白様への愛情度が高まっているのが
その細やかな感情描写から感じられます(笑)。

 自分に好意を持っている弥白様の事を便利に利用して罪悪感に浸っておきなが
ら、弥白様の好意に応えることは逆に不誠実だと感じて弥白には素っ気ない稚空。
 そんな稚空の事を理解していながら、それでもなお稚空の事を追い求める弥白
様。
 稚空が自分の事を利用している事を良い事に計略を弄して二人きりの一時を過
ごしてみたものの、残ったものは空しさ。
 何だかとっても悲しいですが、大丈夫だ弥白様。君には作者達がついているぞ
(神楽は?)。

 どうやらノインは首輪そのものの複製は完璧でも、イカロスの痕跡については
物と同じノリで複製してしまったため「仏作って魂入れず」状態となった模様。
 一件便利に見える魔術でも、完璧ではないというお話でした。
 使うもの次第って事かな。

#ところで今回妄想してしまったのが、ずっと弥白様についていた筈のアクセス。
#…という事は、あんな所やこんな所にもくっついていったのかな(爆)。

 では、本編行きます。


★神風・愛の劇場 第99話『お邪魔虫』

●桃栗学園 OA教室 2月2日(水)

 学級委員としての仕事があったために、遅くまで委員長は学園に残っていまし
た。
 仕事も終わりOA教室の前を通りかかると、灯りがついているのに気付きまし
た。
 こんな遅くまで誰だろう? ドアの窓越しに中を覗いてみると、どうやら聖先
生が何か作業をしているようなのでした。
 そのまま通り過ぎても良かったのですが、ドアを開けて声をかけました。

「聖先生、こんな遅くまでお仕事ですか?」
「おや、水無月君」

 聖は、モニターに向かっていた顔を上げました。

「学内ネットの管理ですか? 大変ですね」
「これも仕事ですから」
「はあ」
「本当の事を言うと僕は新しもの好きでね。こういうのも趣味だから、苦にはな
らないのですよ。水無月君も好きそうだから、この気持ちは判らないかな」
「まぁ、確かに…」

 聖の後ろまで歩き、画面を覗き込むと見慣れたソフトが起動していました。

「あれ? 何時の間にインターネットに…」
「予定より早く業者が工事に来てくれましてね」
「それじゃあ、僕達もホームページを見られるのですか?」
「いえ。まだ君達の使うパソコンの設定が済んでいませんから」
「プロキシの設定をしていないだけなのでは」
「実はそうです。ただ、生徒に自由にホームページを見せて良いのかどうかで、
職員の間で意見が別れていまして」
「フィルタリングソフトを導入するとか?」
「当初計画では入っていませんでしたので、今は自由にどこでも見られますが、
職員会議の結論次第ではそれもあり得るかもしれませんね」
「そうなんですか…」

 がっくりと委員長は肩を落としました。

「おや、水無月君は制限をかけられるような怪しいページが好きなのですか?」
「べ、別に僕は…」
「隠さなくても良いですよ。実は僕も好きなんです。アングラなページとかね」

 そう言って、聖は微笑みました。

「そ、そうなんですか?」
「はい。何でしたら君には特別に、設定方法を教えて上げても良いですよ」
「本当ですか?」
「ええ。ただし、この事はまだ秘密という事でお願いしますよ」
「勿論です」



 聖は別の仕事があると職員室へと行った後で、委員長は室の鍵を預かって暫く
の間、ネットサーフィンを続けていました。
 別にここで無くても家に帰れば接続環境があったのですが、面白そうなページ
を見つけたので、つい夢中になってしまったのです。

「あら? 水無月君じゃない?」

 委員長が女性に声をかけられたのは、丁度怪しい画像ファイルをダウンロード
しようとマウスをクリックしかけた時で、慌ててブラウザを終了させました。
 見上げると、知っている人物が立っていました。

「桐嶋先輩。こんな所で珍しいですね」
「生徒会室に忘れ物を取りに行ったら、この部屋に灯りがついているのが見えた
から」

 桐嶋先輩は新体操部の傍ら生徒会の仕事もしており、その関係で委員長と知り
合っていたのでした。

「こんな時間まで部活ですか?」
「大会も近いから」
「何時でしたっけ?」
「今月の第3土曜日よ。例年はもっと前だったんだけど、今年は遅いの」
「えっと…19日ですね。僕、応援に行きます」
「有り難う…と言いたいところだけど、私は補欠なの」
「そうなんですか? 先輩は確か去年は…」
「今年の一年生は実力があるから」

 それを聞いて、委員長はまろんの事だと思い当たりました。

「すみません…」
「そう言えば、日下部さんと同じクラスだったわね。水無月君が気にする事じゃ
無いわよ」

 そう言って微笑む桐嶋の顔が、何だかとても悲しそうに委員長には見えるので
した。


●桃栗町 噴水広場 2月3日(木)

 木曜日のそろそろ夕方になろうかという時刻。
 その片隅のカフェの外のテーブルにツグミは腰を落ち着けていました。
 元々良く買い物帰りに利用していて、実際今日も買い物帰りなのですが、もう
一つ目的がありました。

 一昨日の晩にまろんが家に帰ってからは電話一本無く、ツグミはたった一人で
家で過ごしていました。

 あの時、どうして日下部さんにあんな態度を取ってしまったのだろう。
 もちろん、あの時に言った事は嘘偽りのない私の本心。
 でも、もっと他の言い方が出来たはず。

「余裕が無かったのよね。私も…」

 つい、口に出して呟いてしまいました。
 昨日は後悔の念に駆られ、それで一日が過ぎてしまったツグミですが。

「(今日は、思いっ切り甘えちゃおう)」

 日下部さんは、毎日学校の行き帰りにここを通る。
 マンションで待ち構えていても良いけれど、日によって部活があったり無かっ
たり、あっても日によって終わる時間が違っているみたいだからいつ帰るか良く
判らないし、待ち続けていたら他の住人に変に思われてしまうかも。だから、こ
こで何気ない振りをして待ち伏せていよう。
 でもあんまり遅くなるようだったら、それこそマンションで待ち構えて…。

 ツグミの頭の中で、まろんと出会ってからの事がシミュレートされていきます。
 東大寺さんや名古屋さんが一緒かも知れないけれど、構わない。
 そして、日下部さんに自分の非礼を謝ろう。
 そして許してくれたら、それから…。


「お姉さん」
「え!? 全君?」

 考え込んでいたツグミに、突然、全が話しかけて来ました。

「こんな所で、何をしているんでぃすか?」
「見ての通り、お茶してるのよ」
「僕もここに座って良いでぃすか?」
「ええ、良いわよ」

 座った全の為に、コーヒーを注文してやりました。もちろん奢る積もりです。

「買い物帰りでぃすか?」

 コーヒーが出た後で、足元の買い物袋に目を留めたのでしょう、全に尋ねられ
ました。

「ええ」

 本当はそれだけじゃ無いけど、と心の中で呟きます。

「そう言えばこの前のハンバーグは上手く出来たかしら」
「はい。『お父さん』も褒めてくれました」
「良かったわね」
「それで、お願いがあるのでぃすが…」
「何?」
「僕にもっと沢山、料理教えて下さい」
「え?」
「『お父さん』もそうしろって」

 ツグミは少し困惑しました。
 料理を教えてくれという全の申し出では有りません。
 赤の他人である自分をこうも信頼しきっている全の父に対して、大丈夫なんだ
ろうかと逆に心配してしまったのです。

「良いわよ。けど…」

 一度、お父様にご挨拶した方がと言いかけたツグミですが、全に遮られました。

「それじゃあ今日、教えて下さい!」
「え、今日? 今日は…」

 少し驚いた調子でツグミは聞き返しました。
 今日はこれから…。

「駄目なんでぃすか?」

 悲しそうな声で、全が言いました。
 それを聞くと、何だか断りづらくなりました。

「判ったわ。良いわよ」
「本当でぃすか? 有り難うございます! それじゃあすぐにでも」
「気が早いのね」
「『お父さん』は今日は『仕事』で遅くなるから夕食は要らないと言ってました。
だから、今日覚えて明日帰って来た時に食べさせてあげたいんでぃす」
「フフフ…お父さん思いなんだ。でも大丈夫? 遅くなってしまうかも」
「もう遅くなっても一人で帰れるから大丈夫でぃす」

 全は胸を張って答えましたが、ひょっとしたら今日も泊めることになるのかも
と、ツグミは覚悟を決めました。

「(日下部さんの方は、もう少し時間をおいてからにしよう…)」


 そろそろ行きましょうかとレシートを持って立ち上がろうとしたその時。風が
広場を吹き抜け、向こうから声を運んで来ました。
 それ自体は良くある事でしたが、その内容がツグミの注意を引きました。

「おい、ガキと一緒にいるあの子、例の…」
「お、本当だ。写真で見るより可愛いな」
「しかし勿体ない話だよな」
「本当に」

 下卑た笑い声がそれに続きます。
 ツグミがその会話の方向に顔を向けると、その男達は足早に広場から立ち去っ
ていきました。

「ツグミお姉さん。どうしたんでぃすか?」
「え。あ、何でもないわ」

 その場に硬直していたツグミに不思議そうに全が話しかけ、それでツグミも改
めてレジへと向かいました。

「(今の…私のこと? まさかよね)」


●通学路

 その日の練習は比較的早くに終了し、日がある内に学園を出た都とまろん。

「はぁ…」
「何よまろん。またまたため息なんてついちゃって」
「…別に」
「何かあったの?」
「別に」
「ツグミさんと何かあったんだ」
「何も無いったら!」
「(判りやすい子…)」

 まろんがツグミの家から戻って来た一昨日の夜から、そんな調子なのが都は気
になりました。とは言え、二人の関係に割って入るのも躊躇われます。
 心の片隅で、このまま二人が終わってくれたらとの思いが一瞬現れ、それを慌
てて打ち消します。
 時間が解決するだろう、自分の出る幕ではない、今は都はそう考えていました。

 殆ど会話らしい会話も無いまま、噴水広場まで来た時です。
 問題の人物を見かけました。

「まろん! ほら、あれ! 全君と一緒みたい」
「あ…」

 指さした先には、全を伴って広場から出て行こうとするツグミの後ろ姿が見え
ました。

「ほら、呼ばないの?」
「えっと…」

 暫くまろんは迷っていたようでしたが、やがて叫びました。

「ツグミさ〜ん!」

 見えないとは知りつつも腕をブンブン振りながら、何度か叫びます。
 しかし、ツグミは振り返ること無く、そのまま広場から去ってしまうのでした。

「聞こえてないのかな?」
「変ね。ツグミさん、耳はとっても良いのに。もしかしたら…」
「何よ」
「まろんの事嫌ってて、無視してんじゃないの?」

 すぐに、否定する言葉が返って来るのかと思いましたが、まろんの表情は強張
ったままでした。そしてやっとの思いでと言いました。

「そんな事ないもん。…多分」

 その様子を見て、聞いてはいけない事を言ってしまったかと、都は後悔しまし
た。


●噴水広場近辺

 噴水広場を見下ろす事の出来る尖塔の上から、一部始終を見守っていたノイン。
 その側では空中に横になってミストがキャンディーを頬張っています。

 眼下の広場でツグミを追いかけようとしてそれを諦め、自宅のマンションの方
へとまろん達が向かうのを確認してからミストが口を開きました。

「手間暇かけた作戦がこれ? ちょっと作戦がワンパターンなんじゃない?」
「貴方に言われたくありませんね」
「使った術も大した事無いし」
「『風』の術とシルクの周りに張ったちょっとした結界。最小の労力で最大の効
果を上げようと常日頃考えているのでね」
「本当に効果あるのかしら? ジャンヌはあれで結構図太い気がするのだけど」

 ミストは疑うようにジト目でノインの方を見ました。
 ノインはそんなミストの態度に気付かない風を装っています。

「人間の微妙な心など、何万年経とうとも貴方には理解出来ませんよ」

 そう最後に言い残し、ノインは姿を消しました。

「何万年経とうとも…か。何よ偉そうに。自分こそ、500年しか生きていない
じゃない」

 残されたミストは、そう呟くとこちらも霧のように姿を消しました。

(第99話:完)

 ノインの作戦が動き出しているらしいです(笑)。
 それと、いい加減新体操の大会の日取りを決めておかないと(笑)。

#まさか、こんなに(作中世界で)日数が経つとは思っていませんでした。


製作参考用 現在の進行状況

西暦2000年(1/8〜)

2/1…ツグミ、全にハンバーグの作り方を伝授(第95話)
(火) 夜、まろんがイカロスの毛を回収した後にツグミさんと喧嘩別れ
    (第97話)
    桐嶋先輩が怪しげな行動(笑)(第96話)

2/2…稚空、弥白にイカロスの毛の調査を依頼(第97話)
(水) 委員長、聖先生&桐嶋先輩とOA教室で出会う(第99話)

2/3…弥白、稚空に報告結果を渡した後一緒に夕食を。(第98話)
    ツグミ、全と再び出会う(第99話)

2/19(土)新体操大会予定日

 多分これで合っていると思います(自信無し)。入り組んでるなぁ。

 では、また。

--
Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
 HOME 記事一覧 前の記事へ 次の記事へ

 記事に対するご意見・ ご感想などがありましたら書いてやって下さい
 名前: (ハンドル可)
 E-Mail: (書かなくても良いです)

 ご意見・ご感想記入欄