神風・愛の劇場スレッド 第85話 『団欒』(10/22付) 書いた人:携帯@さん
 HOME 記事一覧 前の記事へ 次の記事へ
From: Keita Ishizaki <keitai@fa2.so-net.ne.jp>
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: Sun, 22 Oct 2000 13:47:34 +0900
Organization: So-net
Lines: 356
Message-ID: <8strha$b0r$1@news01bc.so-net.ne.jp>
References: <8rtcvv$8n1$1@news01bf.so-net.ne.jp>
<8s6cal$m76@infonex.infonex.co.jp>
<8sc1qt$ekp$1@news01cg.so-net.ne.jp>
<8soetd$pam@infonex.infonex.co.jp>
<8sof30$pc9@infonex.infonex.co.jp>

石崎です。

hidero@po.iijnet.or.jpさんの<8soetd$pam@infonex.infonex.co.jp>から
>佐々木@横浜市在住です。

 こんにちわ。

 このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版を元にした妄想スレッドです。
 その手のが嫌いな人は、読まないで下さいね。



># 最近遅れぎみで申し訳無いです。
># ジャンヌ妄想は腰を落ち着けて書く様に変えた所為なんですが。^^;

 いへいへ。
 日曜日に投稿されたものを月曜日の朝に読んで、その日の夕方にはフォロー記
事が出来上がっているというのは凄いよなぁと感じていましたので、これ位の
ペースで良いのではないでしょうか。

#私も遅れまくっているので

>>> ># この日はバンダナを巻いていたというのが裏設定。(笑)
>>>  成る程、帽子だけじゃないと。
>
>本人はあまり気にしないとは思うのですが、
>保護者が着せ代えを楽しみそうな気がして。^^;;;;;

 原作では二人は「そういう仲」らしいんですがね(笑)。

>>> ★神風・愛の劇場 第83話 『点と線』
>
>主寝室は2階でしたか。まだ謎の部屋がありそうな家。(笑)

 アニメ本編の時に2階にあったような気がしたので。

#ちなみに本編で出ていたツグミさんの部屋のベットは、二人で寝るには狭そう
です(爆)。

>ツグミさんの家って活字屋敷ですね。普通の本が沢山というところまででは
>小判に囲まれて暮らす猫の様なツグミさんだったのですが、カツヲブシも
>少しはあった様で。^^;

 ちなみにツグミさんの母親の職業も文字に関係あるのにしようかと。

>何か心配事がある時はなりふり構わずというのはお約束ですね。(爆)

 ちなみにすっぽんぽんとは限りません(笑)。

>犬違い(偽イカロス)の素姓も確かめようと動いている稚空ですが
>何かを疑っているのか、それとも何かの縁なので買い主に知らせようという
>彼の優しさなのか。きっと後者なのでしょうね。この線が今後何かに
>効いてくるかどうかは様子見という感じ。^^;

 稚空に関しては、後者です。疑うとすれば都ちゃん。
 実は最初、首輪に点字のテープが貼ってあった事にしようかと思ったのですが、
都ちゃんが気付かない筈ないし、気付いたらそれでほぼ本物と断定されてしまう
ので、没と相成りました。

>そして意外な接点があった弥白様と瀬川家。そうですか、弥白様ってば
>そんな事までやってますか。活動範囲広いですね。しかも社会的。

 以前の写真の話の時、まろんとツグミさんの過去の接点が出て来たので、どう
せなら、人間サイドの各キャラはどこかで接点があるようにしようと。弥白様と
委員長も接点がある事ですし。
 点訳活動なのは、上記の没話との関連もあったのですが、結果としてサイドス
トーリーっぽくなっちゃいました。

># "買った当時は最新型だった"という1文は身につまされます。^^;

 私のも一年前に買ったのに、もう…(泣)。

>★神風・愛の劇場 第84話 『冬の蛍』(前編)

 佐々木さんお得意のホラー話ですね(違)。

 元々の話題とは全然違う方向に流れていったNetNewsの議論。
 最後のFollowup-to:云々の件は、NetNewsを読んでいる人なら笑えるけど、某
所でこのスレッドを読んでいる人には何の事だか判らないのかも(笑)。

 都ちゃんがお化けが怖いというのは、アニメオリジナルでしかも、アニメ第2
5話でしか出ていない設定なのですが、ここでその設定を出してきましたか。合
宿に参加していない委員長がその事実を知らなかったりと、ちゃんした設定とな
っていますね。
 実は私は半分忘れていて、そう言えばミストを「見て」しまった時に、もっと
驚かせるんだったなと後悔したり。

 最初、アキコが彷徨っているだけと思ったら、どうやらフィンが連れて来て忘
れ去られた悪魔達が棲んでいた廃ホテルだった模様。
 今回のミストは、恐らく暗示にかかった稚空を誘惑した、都に乗り移った時の
姿なのかな。この姿で現れたのは、絶対わざとだ(笑)。

#ちなみに今回のアクセスってサイズは大小どっちだったんだろう。
#どっちも可能なので。

 パワーアップしたのか、変身せずに戦う稚空。
 実体化悪魔ですので、かなり派手なバトルだった筈ですが、アニメと違ってパ
ワーアップしたアクセスの力故なのか。

 そしてそして都ちゃんは見てはいけない物を見てしまった模様。
 顔は見ていたのかな? それと犬はどうなっていたのだろう?
 委員長は姿を見る事が出来なかったようですが、それはミストを「見て」しま
った都ちゃんの体質の問題かミストが言っていたようにアキコに問題があるのか。

 母との思い出の立体写真を受け取ったツグミさん。
 どうやら、まろんがいない間に泣いてしまった模様。

 そしてそして、ミストがアキコに語っていた、一般人にアキコの姿が見えた理
由。今後の展開へ向けて、伏線張りもばっちりだ(笑)。

 さて、本編。
 今回は悪魔の躾がなっていない人の話です(笑)。


★神風・愛の劇場 第85話『団欒』

●桃栗町郊外 聖の家

 土曜日の昼。
 学校で雑務があり、出勤していた聖。
 家に帰って来ると、普段とは違った気配を感じました。
 警戒しつつ、その気配の発生源と思われるリビングのドアを開けると、それは
ソファに座ってお茶を飲んでいました。

「フィン…いや、クイーンよ、どうして……」
「あ、ノイン様ぁ。お客さんですぅ」

 エプロンをしてお盆を持った全ことシルクは、ニコニコと聖を迎えました。

「シルク…あれ程知らない人を入れてはいけませんって…」
「はい。知ってる人だったから入れました」

 無邪気にシルクは答えました。
 その様子に、聖は怒る気が失せました。
 最も、後でお仕置きはする積もりでしたが。

「お邪魔してるわよ」

 フィンが聖の方を向いて言いました。

「何の用です?」
「別に。ただその辺を通りがかったから。そうそう、その子は悪くないわ。私が
勝手に入ったのだから。もっとも、勝手に入った私にソファを勧めてお茶を入れ
てくれたのはその子だけど。良く躾ているじゃない」
「勝手に…ですか。結界が張ってあった筈ですが」
「ああ、何かあったわね。ちょっと穴を開けて、元に戻しておいたから」
「ちょっとって…」

 絶句する聖。
 空間を越える事の出来るミストであればいざ知らず、基本的にはその力を持た
ぬ天使が結界を越えてくるのは想像を超えていたのでした。
 結界の元となっている家の四方に貼り付けた魔呪符がどうなっているのか、聖
は窓の側に歩み寄りました。
 魔呪符には特に異常はありませんでしたが、結界の外側にある庭の片隅に何か
いるのに気付きました。

「おやおや」

 その存在に気付くと、余裕を取り戻す聖。

「成る程。大体事情が読めました」
「何よ」
「あの準天使から逃げて来たのでしょう? まだ、こちらを覗いているようでし
たが」
「あの馬鹿、しつこい…」
「何でしたら、追い払って差し上げましょうか?」
「手出し無用。夜になればいなくなるから」

 フィンは紅茶を一口啜り、皿から聖お手製のクッキーを手にして囓りました。

「これからどうするのです」
「夜になるまでここで休ませて貰うわよ。あいつが夜になってもしつこくいるよ
うだったら、追っ払って頂戴」
「そんな勝手な」
「あら。どうせ部屋は余っているんでしょう? こんな大きなお屋敷に二人しか
いないし」
「しかし」
「それとも、見られて困る物でもあるのかしら?」

 意地悪そうな目つきのフィン。
 その顔は「みんな知っているわよ」と言っているようです。

「誰にでも、秘密はあるものでしょう。そう、貴方にも」
「確かにね」

 フィンは、目を瞑ってため息を一つ。
 そして、シルクの方を向いて言いました。

「シルク、客用の寝室はどこかしら?」
「は、はい、こちらでぃす!」
「シルク!」

 会話を聞いていなかったのかそれとも理解していないのか、フィンを素直に案
内しようとするシルクを聖は制しました。

「何よ、何か文句ある?」
「……」
「ははーん。そう言えば貴方、以前から魔王様の真似をしてか疑似生命を作り出
す『実験』に熱心だそうね。それを見られたく無いんでしょ」
「別にそれは秘密では……」
「知っているわよ。既存の魂を元に、その複製を作るそうね。シルクのその人間
の姿も実験の産物なんでしょ?」
「何を言いたいのです」
「一方で、日下部まろんの中に眠るジャンヌ・ダルクの魂を取り出す事に熱心よ
ね」
「ジャンヌ様の魂に永遠の安息を与えるのが私の目的であり、そして神からジャ
ンヌ・ダルクの魂を奪うことが魔王との『契約』なのですから当然でしょう」
「そうかしら? 私には貴方の真の目的が見えるのだけど。ミストも魔王様もい
ずれ気付く。いえ、もう気付いていて、気がつかない振りをしているだけなのか
も」
「……」

 聖が答えられずにいると、フィンは話はこれまでとばかり立ち上がり、リビン
グの出口へと向かいました。
 シルクは慌ててドアに走り、恭しくドアを開けました。
 ドアを出ようとする所でフィンは立ち止まって振り返らずに言いました。

「ノインのしようとする事を止める気は無いわ。でも忠告しておく。貴方がやろ
うとしている事は、貴方が忌み嫌う神のしている事に似ているわ」

 そう言うと、フィンは聖の事など無視して、出て行ってしまうのでした。
 そしてリビングに一人残された聖。

「私と神が似ている…? そんな馬鹿な…。そんな筈は…」



 シルクに案内させて、屋敷の二階へと上がってきたフィン。
 何か、この屋敷には相応しくない匂いがします。

「ねぇシルク」
「はい。フィン様」
「何か、匂わない?」
「人間の女の匂いでぃす」

 あっさりシルクが答えたので、逆に驚きました。

「人間の女なんか連れ込んで、何してるのよ」
「僕が出かけている時に来ているので、知りません」

 これまでのシルクの様子から、本当に何も知らないのだろうとフィンは思い、
それ以上追求するのは止めました。

「こちらでぃす」

 二階の廊下の一番奥のドアの前でシルクは立ち止まり、ドアを開けました。

「急だったんで、ちゃんと掃除していないんでぃすけど」
「良いわよ。野宿よりはマシ」
「すいません…」
「じゃあ、私は寝るから、日が暮れたら起こしてね」
「はい」

 シルクは、一礼すると出て行ってドアを閉めました。
 それを見届けると、フィンはダブルベットの上に横になりました。

「はー極楽極楽…」

 暫くごろごろしていたフィンですが、シーツの上にあるものに気付きます。

「髪の毛?」

 それは、長い黒髪なのでした。
 この部屋からもプンプンと臭う、人間の女のものなのでしょう。

「全くあいつ、何やってんだか…」

 そう言うと、フィンは枕元にあった屑籠に、その黒髪を放り込み、やがてすや
すやと寝息を立てて寝てしまうのでした。



 夜。フィンの言った通り、日が暮れる頃には庭にいた準天使の姿は何処かへと
いなくなっていました。
 頃合いを見て、シルクはフィンを起こして、それから…。

「…どうして貴方がここにいるのです」
「シルクが是非夕飯をご一緒にって言うからじゃない」

 紫界堂家の食卓に、ちゃっかりとフィンが座っているのでした。

「二人より三人で食べる方が楽しいでぃす。ノイン様ぁ」

 エプロン姿のシルクが、ニコニコしながら言いました。

「…だそうよ」

 フィンもニコニコしながら言いました。

「仕方ありませんね」

 聖はため息をついて諦めた様子でした。
 ダイニングに先程から、ぷうんと良い香りがします。

「今日はカレーなのね」
「はいですぅ。僕が作ったんですよ」

 どうやらシルクは、自分が作った料理を食べさせたくて仕方が無い様子なので
した。
 やがて食卓に、カレーライスとグリーンサラダが並びます。
 カレーは市販のカレールーを用いて作ったものの用で、サラダも単にレタスと
トマトを切って盛りつけただけの様でした。

「ねぇ、醤油ある?」
「これですが」

 醤油さしを受け取ると、フィンはカレーに醤油をたっぷりとかけました。

「カレーに醤油をかけるのですか?」
「何よ、これが美味しいんじゃない。まろんはいつもそうしてるわよ。そういう
ノインだって、何かけてんのよ」
「カレーにソースは常識でしょう」
「せっかくのカレーの味が台無しじゃないの」
「あ、そうだ。家でつけたラッキョウ漬がありますので出して来ます」
「福神漬けも忘れずに」
「はぁい」

 シルクはキッチンへとばたばたと向かいました。

「こうして見ていると、普通の人間よね。良く短期間でここまで」
「私の教育が良いんですよ」
「反面教師なんじゃないの?」
「失礼な」
「何楽しそうに話してるんでぃすか?」

 シルクが、ラッキョウ漬と福神漬けの入った容器を持って、戻って来ていまし
た。



「いただきま〜す」

 漸く全員席に着いて、食べ始めた三人。
 カレーはポークカレーで、馬鈴薯が溶けずに塊のままゴロゴロと入っている如
何にも家庭で作りましたという一品でした。

「あら、林檎と蜂蜜カレー中辛ね。私これ大好き!」
「何ですって?」

 先にサラダを食べていた聖が、カレーを一口。

「シルク! 本格印度カリー辛口以外は不許可だとあれ程…」
「だってぇ、あれは辛過ぎで嫌いですぅ」
「こんな甘口のカレーなど、カレーとは認めません」
「てもぉ…」

 喧嘩を始めた二人を横目にカレーを食べながら、フィンは素直にシルク達の事
を羨ましく思うのでした。

(第85話:完)

 設定話ついでに、ほのぼの団欒話にしてみました(笑)。
 では、また。

--
Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
 HOME 記事一覧 前の記事へ 次の記事へ

 記事に対するご意見・ ご感想などがありましたら書いてやって下さい
 名前: (ハンドル可)
 E-Mail: (書かなくても良いです)

 ご意見・ご感想記入欄