From: Keita Ishizaki <keitai@fa2.so-net.ne.jp>
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: Sun, 15 Oct 2000 19:44:40 +0900
Organization: So-net
Lines: 373
Message-ID: <8sc1qt$ekp$1@news01cg.so-net.ne.jp>
References: <8raf84$9r6$1@bgsv5905.tk.mesh.ad.jp>
<8rah3u$bjg$1@bgsv5905.tk.mesh.ad.jp>
<8rjge0$hrs@infonex.infonex.co.jp>
<8rtcvv$8n1$1@news01bf.so-net.ne.jp>
<8s6cal$m76@infonex.infonex.co.jp>
石崎です。
hidero@po.iijnet.or.jpさんの<8s6cal$m76@infonex.infonex.co.jp>から
>佐々木@横浜市在住です。
こんにちわ。
このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版を元にした妄想スレッドです。
その手のが嫌いな人は、読まないで下さいね。
>>> >★神風・愛の劇場 第80話 『不熟』
>
>流石にまろんちゃんのいる時に泊まると風呂とかでまずいと思ったので
>逃がしておきました。確か、全くんはまだツノが残ってますよね。
髪に隠れて判らない程度に角が残っている設定ですので、実際に触れるか間近
でじっと見ない限りは大丈夫だと思います。
#実は当初案では、まろんちゃんが帽子の上から全君の頭に触れて何か固い物が
あるのに気付く…というエピソードが用意されていたりして。
># この日はバンダナを巻いていたというのが裏設定。(笑)
成る程、帽子だけじゃないと。
>>> ★神風・愛の劇場 第81話 『二つの真実』
>
>わざわざ報告に出向くミストですか。う〜む、これまた真意が難解。
>偽イカロスが死んだ事すら知らない段階で情況説明までしたのは
>何故なのか。しかもノインが進めた事をミストが説明。
本作品においてミストは、(多分)長生きで物知りと思われるのと、どこでも
見通すことの出来る能力を持っていることから、解説者としての役割を時々割り
当てています(本当か?)。
もっともだからと言って、深謀遠慮な訳でもなく(それはノインの役割)、か
なり短気なのが弱点らしいのですが(笑)。
このシーンは後のノインとミストのシーンと同じくやや蛇足っぽいのですが、
判り難いノインの真意をミストに解説させる事が一点(笑)。
そしてもう一点は、フィンにこの件で暴走されないように釘を予め刺して置く
こと。真相を知ってしまうと、却って動きづらくなる事ってありますよね。ミス
トはそれを狙っていたらしいです。
フィンは基本的に計算は出来る(まろんをあそこまで騙し通した位ですので)
筈なので、理を持って説明すれば、却って身動き取れなくなるだろうと、ミスト
は思ったらしい。
ミストはアニメ第39話(チェリー嬢の話)で、ノインが両親が生きている事
を示唆した為にまろんを元気付けてしまった失敗の目撃者ですので、ノインがど
うして行方不明では駄目と言った意図を理解できるが、フィンは恐らく理解でき
ないであろうと考えたらしいです。
>失敗しても構わないと思っているらしい所もあって、これも真意が謎。
>何か遠大な構想があるのか、それとも単にヒマ(笑)なのかな。
ミストはこの件に関してはどうでも良いと思っているのですが、ノインが熱心
なので勝手にやれば? …というスタンスらしいです。成功すればそれは良いけ
ど、失敗しても構わないと。
>まろんちゃんとツグミさんの間の隠し事(というか話してない事)が
>殆どなくなって身も心も裸の二人って訳ですね。(爆)
># 個人的には歪曲表現が多いので第81話は結構衝撃的。*^^*
言われてみればツグミさんとまろんの本番のシーン(笑)って殆どないんです
ね。
ちなみに第81話でも、キスまでしか記述していませんけど(笑)。
袖で涙を拭っている描写を入れていますので、まだ、脱いでないし(爆)。
#と言う訳で、今回はご希望に応じて…(違)。
>でもこの話の真のツボは互いがある種の逃げ場同士になっているところですね。
>こういう関係は逃げる必要が無くなると淡泊に戻るのかも。
元々ツグミさんとまろんちゃんがくっついたのが、イカロスが自分のせいで入
院する事になって傷ついたまろんちゃんをツグミさんが「忘れさせてあげる」と
いう話でしたので、今回のお話はそれの対となっています。
#…という事は、書いてから気が付きました(笑)。
>桃栗少女探偵団(団長が都ちゃんなんで ^^;)はある真実に接近。
>ますます濃厚になるイカロス死亡に対して都ちゃんは何かを嗅ぎつけると。
># やっぱ伊達に警官の娘はやってない?(笑)
第24話の豪華客船のバカンス話の都ホームズと委員長ワトソンのコスプレを
いめえじしています(笑)。
>★神風・愛の劇場 第82話 『刻の化石』
自分で書こうとして書ききれなかった展開を書いて頂きました。
イカロスが偽物だとばれたカラクリは、まさに佐々木さんの書かれた通り。
魂の記憶云々は、以前アキコの着替え話等で、魂に死んだ時の記憶があるよう
な事を佐々木さんが書かれていたような気がしたので、恐らくイカロスの記憶は
フィンに一服盛られる前で止まっており、魂から複製を作った場合には体重は以
前の重さであろうと推定した訳です。
第81話のノインとミストの会話のシーンは殆ど蛇足で、多分イカロスの体重
が軽くなっている事は、その設定を出した佐々木さん本人が一番良く知っている
とは思ったのですが、念には念を入れました(笑)。
イカロスの本物にはミストは近寄らせなかったというシーンも以前佐々木さん
が書かれていましたし。
私の予定では、都ちゃんが一人で解決する予定でしたが、稚空が意外な所で活
躍。
NetNewsが役に立つのは、やはりNetNewsで連載されている妄想小説だけな事は
ある(笑)。
ところで、良く似た他犬って…その目撃者とまろんを会わせると、面白いこと
になるとか? それより何より、一般人に見えたのでしょうか? 魂の人間とペ
ット(笑)。
それとも、本当に似ているだけの他犬?
稚空はやっぱり、例のデジカメ画像を消していなかったんですね(笑)。男の
子〜(爆)。
ミストの言う所の「一部の人間」には「もでらぁ」、「立体模型」には「ふぃ
ぎゅあ」とルビを振るのでしょうか(違)。二次元の映像を三次元にする職人達
(笑)。
最後のノインの台詞が妙に気になります。
ミストの姿は何の記憶なのでしょうか?
色々な形態を取れるという設定になっていますが、この時はどの姿だったのか
な?
では、本編。例の良く似た犬の件が気になるので、話は進めない(笑)。
#多分、何か腹案があると思料。
★神風・愛の劇場 第83話 『点と線』
●桃栗町郊外 ツグミの家
土曜日の朝。
まろんは最近はずっとそうであるように、ツグミの家のベットの中で目を覚ま
しました。
「ツグミさん?」
横を見ると、そこにツグミは居ませんでした。
慌ててまろんは跳ね起きました。
二階にある寝室を出て、一階のリビングへと駆け下ります。
しかし、そこは無人でした。キッチンにもツグミの姿はありません。
再びリビングに戻って来ると、風を感じました。
テラスへと続くリビングの窓が開け放たれ、風が吹き込んでカーテンが揺れて
いるのでした。
そう言えば前もこんな事があったなと思いつつ、テラスへと出てみました。
きっと、前もそうであったように、テラスで日向ぼっこでもしてるのよ。
そう想像したのですが、テラスにもツグミの姿は無く、ただ崖下に打ち寄せる
波の音が響くばかり。
「まさか…」
思わず、手すりの下にサンダルが揃えて置いてあったりしないだろうかと、確
認してしまいました。
そして、手すりから崖下の海を見ましたが、そこには海以外何もありませんで
した。
「どこ行っちゃったんだろう…」
他の部屋を見て回る事にして、廊下に出てみると、並んでいるドアの一つが開
いていました。
その部屋を覗いてみると、果たしてツグミの姿がありました。
「ツグミさん!」
「あら、おはようございます。お休みなのに早いですね」
ツグミは、まろんの方を向いて微笑みました。
「良かった…」
まろんは、思わず駆け寄ってツグミに抱きつきました。
「姿が見えなかったから、どこに行ったかと思ったよ」
「私なら、日下部さんがベットから跳ね起きてから階段を駆け下りて、リビング
とキッチンをばたばたと走り回りながらテラスに出て、そして廊下に出て来るま
での間、ずっとここにいましたよ」
クスクスとツグミは笑った後で。
「やっぱり、信用無いのかな。私って」
と、ツグミは膨れて見せました。
「ごめんなさい。私…」
「良いわ。私のことを本当に心配してくれた事に免じて許します」
「ツグミさん…」
「慌てて、服も着ずに私の事を捜しに来てくれたんですもの」
「え…?」
まろんは、起きたままの姿だったのでした。
*
「ツグミさん、この部屋は何なの?」
着替えてから、ツグミのいた部屋に戻って来たまろんは、改めて部屋の中を見
渡しました。
ツグミの両親の部屋も本で埋まっていましたが、この部屋も壁面に作りつけの
本棚に本が並べられていました。
ただ、まろんがあまり見た事が無い装丁の本なのが、両親の部屋とは違います。
その中の本の一冊を手に取ってみました。
「これって…」
「これも、母が私に残してくれた物の一つ」
本は、その全てが点訳本なのでした。
「何か、厚さの割には枚数が少ない感じ」
「穴を開ける点字だと厚みが増すから。それと点字だと枚数程には分量は無くて、
ちょっとした文庫本でも、点訳本だと分冊になってしまうの。だから、見た目程
沢山の本がある訳じゃ無いのよ」
「そうなんだ。ここはツグミさんの図書室みたいなものなのかしら」
「そうね。ただ、ここにあるのは全部読んでしまったから、殆ど入ることも無く
なったけど、たまに掃除に入るのよ」
「ええっ? 怪我してるのに? 手伝う!」
「有り難う。でも、もう大体終わったから」
「そうなの? 起こしてくれれば手伝ったのに」
「だって、余りにも気持ちよさそうに寝ていたものだから」
そう言って、ツグミは微笑みました。
元々この部屋自体整理整頓してあったらしく、掃除と言っても埃を払っただけ
のようで、確かに手伝う部分は無さそうでした。
それでも、何か無いかと部屋を見回していると、部屋の片隅にあるパソコンに
気が付きました。
「あれ? こんな所にパソコンがある」
「母が使っていたものなの」
「学校にあるのと随分形が違うわね」
「5年位前の機械ですもの。母が生前良く使っていたわ」
「どうしてこの部屋に?」
「それはね……」
●枇杷町 山茶花本邸 弥白の部屋
「そうでしたの……。犬違いで良かったですわね」
土曜日の午前中、稚空は弥白の家を訪れていました。
「ああ。しかし妙な話だな。イカロスの写真を見て、みんな間違いないと証言し
たんだ。するとあの犬は一体……」
「首輪があるのでしょう?」
「ああ」
「それを貸して下さいな。また、情報提供を呼びかけてみますわ。首輪をつけて
いるという事は、捨て犬で無ければきっと飼い主がいる筈」
「実は、それを頼みに来たんだ」
稚空は、都から借りた首輪の入ったビニール袋をデイバックから取り出しまし
た。
「ごく普通の犬の首輪ですわね。少し汚れているけど」
そう言いながら、弥白はソファから立ち上がり、機械室へと向かいました。
稚空は、それが当たり前であるかのように、弥白の後をついて行きます。
弥白は機械室の一角の机の上に首輪を置くと、あらゆる方向からデジカメで撮
影し、USBケーブルでパソコンにデータを転送、手慣れた操作でエディタを操
って、たちまちの内に訪ね犬のホームページの更新を完了しました。
「出来ましたわ」
「流石弥白。早いな」
「次はポスターの方も作りますわね」
「ああ、頼む」
見ている事しか出来ない稚空は、暇なので部屋の中を見回しました。
ワークステーションからノートパソコンまで、整然と機械が棚の中に並べられ
ていますが、機材の数が多すぎて、整理されている割にはかなり雑然とした印象
を受けます。
「また新しいのが幾つか増えたんじゃないか?」
「そろそろ幾つか倉庫に移した方が良いですわね」
「倉庫に溜めておく位なら俺に一台分けてくれ」
「良いですわよ」
「これなんか良いな。ちょっと、昔のソフトを動かしてみたいんだ。これ、ゲイ
ツ窓も動くだろ? 今、マックしか無いから丁度良い。俺も持っているけど、実
家だし、デスクトップだから」
稚空は、古びたノートパソコンを指さしました。
「それは駄目ですわ。現役ですもの」
「え? 今更98なんて使うのか?」
「仕事で使っているソフトが98DOS対応ですの」
「仕事? ああ、ボランティアの事か。ゲイツ窓対応じゃないのか」
「Windows用のも出ているんですけど、私は使い慣れたDOSのが良いんですの。
DOS/V用のはバージョンアップが止まってますし…」
「その気持ちは判るが…」
稚空は、ノートパソコンの横に置いてある変わった形のプリンターに触れなが
ら、ため息をつきました。
●桃栗町郊外 ツグミの家
「へぇ。ツグミさんのお母さん、点訳の仕事もしていたんだ」
「仕事というか、ボランティア。私の為にって、仕事の合間を縫って、頑張って
いたの」
「母の愛情って奴よね。良いな…」
まろんは、知らず知らず、ツグミの事を心の底から羨ましく感じていました。
パパは、自分の誕生日にマロンドームを作ってくれた。
だけどママは、私に何をしてくれたんだろう…。
「それがね、私は母にはそれ程感謝していなかったの」
「え!?」
母との思い出を回想しようとしていたまろんは、ツグミの声に現実に引き戻さ
れました。
「どうしてなの?」
「父と離婚してから、母は昔取った杵柄で生活の為に仕事を沢山取って来たの。
養育費も貰っていた筈なのに、生活に困る程の額だったのかしら?」
「大変だったのね」
「子供の頃、近くに友達が殆ど居なかったし、母とは一緒に住んでいたけれど、
そんな訳で私は昔から一人暮らしみたいなものだった。そうね…時々来てくれる
ヘルパーさんの方が、余程家族みたいなものだったわ。それと、イカロス」
「そうだったんだ…」
「だから、休日も私に構ってくれずに、点訳のボランティアに熱心な母の事、小
さい頃は好きじゃなかった。昔は、点字はボランティアが一文字一文字、点字タ
イプライターか、それとも手で打っていく物だったから、時間がかかったらしい
の。失敗も許されなかったそうよ」
「うわ〜大変そう」
「今は、点訳ソフトで入力して、点字プリンターで打ち出せば良いから。テキス
トデータからの読み上げって手もあるし」
それから暫く、ツグミから最近の点訳事情について講釈を受けました。
それを聞きながら、今ではツグミさんも、母の事を理解してあげているんだな、
と感じるのでした。
●枇杷町 山茶花本邸 弥白の部屋
新しいポスターも出来上がり、ソファでお茶を飲んでいた稚空と弥白。
暫く談笑していた二人ですが、稚空がそろそろと立ち上がりました。
弥白も見送ろうと立ち上がりかけ、ふと、ある事を思い出しました。
「ねぇ稚空さん、瀬川さんは一人暮らしだとか」
「ああ。両親は離婚。一緒に住んでいた母は何年か前に亡くなったとか」
「それは何時の事か判ります?」
「え? 例の写真を撮ってから暫くしてからと聞いているから…」
「三年前位ですのね」
「それがどうかしたか?」
「いえ、何でもありませんわ。それよりもくれぐれも…」
「弥白の事は内緒、だろ。判ってる」
*
稚空が帰った後で、弥白は再び機械室に戻って来ました。
点訳のボランティアの為に使用している、買った当時は最新型だったノートパ
ソコンの電源を入れました。
初期設定ではWindowsが立ち上がる筈ですが、設定を変えているのでDDS画面が
画面上に現れます。
弥白はパソコン通信のログビューアを呼び出し、手慣れた操作で、忽ち目的の
記事を見つけ出しました。
1700/1701 XXX00XX00 Kyotaro 訃報
(18) XX/XX/XX 23:59
本パティオの常連であった、イカロスさんが病気療養中の所、本日午後5時37
分頃、永眠されたそうです。
イカロスさんは、視覚障害者である娘さんの為に、熱心に点訳活動に取り組ま
れ…
(まさか、これって…)
弥白はそのログを暫くの間、ずっと眺めていました。
(第83話:完)
本編からちょっと脇道にそれたお話でした。
視覚障害者関係の話は、例によって俄勉強なんで、間違ってても許して(ぉ
ぃ)。では、また。
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Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
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