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Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 13 Oct 2000 16:07:01 +0900
Organization: Infonex Corporation
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佐々木@横浜市在住です。
<8rtcvv$8n1$1@news01bf.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。
>> 石崎です。
こんにちわ。
>> このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版を元にした妄想スレッドです。
>> その手のが嫌いな人は、読まないで下さいね。
そういう訳ですので宜しく。
>> >★神風・愛の劇場 第80話 『不熟』
>> あらら、全君は泊まらずに帰っちゃったんですね。せっかく二人の仲を邪魔し
流石にまろんちゃんのいる時に泊まると風呂とかでまずいと思ったので
逃がしておきました。確か、全くんはまだツノが残ってますよね。
# この日はバンダナを巻いていたというのが裏設定。(笑)
>> ようと思ったのに(笑)。仕方ない、あるべき展開にするしか無いか(違)。
またこれは直接的な。(爆)
>> ここで出しましたか。流石兄だけあって、都ちゃんの事は判ってますね。
>> にしても、都が中学生になる前には外国に行ってしまった筈ですから、その頃
>> からまろんの事しか見ていなかったんですね>都ちゃん。
海外に出ていたという事に関してはサッパリ念頭にありませんでしたが、
その場合でも手紙ぐらいは(多分一方的に都ちゃんからのみ)出したのでは
ないかと。で、文面には頻繁にまろんちゃんの事が出てくると想像します。
>> 不熟ってタイトルは、まだ話すべき機が熟していないって事なのかな。
はい、そういう事です。(単刀直入系統でした。今回は ^^;)
>> それと…魂のペットですか(笑)。成る程、そうすればかわいがる事が出来るのか。
個人的今後の展開予定として、アキコには家に
閉じこもって居られては困るので。^^;;;
>> ★神風・愛の劇場 第81話 『二つの真実』
わざわざ報告に出向くミストですか。う〜む、これまた真意が難解。
偽イカロスが死んだ事すら知らない段階で情況説明までしたのは
何故なのか。しかもノインが進めた事をミストが説明。
秘密をツグミさんに話されたくなかったら大人しくしてろという意味の
迂遠なクギ刺しなのか。どうも台詞の通りとは思いづらいところですが。
ノインの所にも現れていますが、大丈夫かと聞いている割には
失敗しても構わないと思っているらしい所もあって、これも真意が謎。
何か遠大な構想があるのか、それとも単にヒマ(笑)なのかな。
まろんちゃんとツグミさんの間の隠し事(というか話してない事)が
殆どなくなって身も心も裸の二人って訳ですね。(爆)
# 個人的には歪曲表現が多いので第81話は結構衝撃的。*^^*
でもこの話の真のツボは互いがある種の逃げ場同士になっているところですね。
こういう関係は逃げる必要が無くなると淡泊に戻るのかも。
桃栗少女探偵団(団長が都ちゃんなんで ^^;)はある真実に接近。
ますます濃厚になるイカロス死亡に対して都ちゃんは何かを嗅ぎつけると。
# やっぱ伊達に警官の娘はやってない?(笑)
>> …と誘ってみるテスト(ぉぃ)。
最近よく誘われている気が。^^;;;;;;;;;
# では、行きま〜す。
★神風・愛の劇場 第82話 『刻の化石』
●桃栗町郊外
ツグミの家へと続く小道の所までやってきた都と委員長。
ふと気配が離れ、委員長は都が立ち止まった事に気付きました。
「どうしたんですか」
「…うん」
「あの」
委員長は少し遠慮がちにこう言ったのです。
「僕が伝えましょうか」
「えっ?」
「気が進まないなら、僕が話してもいいですよ」
都は委員長に近づくと答えました。
「そうじゃ無いって」
「はぁ」
「何かね、喉に犬の骨が引っかかっているって言う」
「魚の骨でしょう」
「軽い冗談よ」
都の目が怖いので委員長はそれ以上は追及しませんでした。
「やっぱり違うと思ってます?」
「論理的思考じゃ無いのは判っているわよ」
「じゃ、勘ですか」
「そうね、そんなもんかも」
「情況証拠は一つの結論を示してますが」
「でもね、私自身が納得してない事を他人に納得させるのは
気が進まないのよ」
暫く互いに無言で考えていましたが、先に切り出したのは委員長。
「じゃ、納得できるまで調査続行というのはどうです?」
「何か当てがあるの?」
「えっと、特には…」
「あ〜ぁ」
「それにもし…」
「もし?」
「事実なら」
「ええ」
「急がなくても同じことですから」
「まぁね」
難題を先伸ばししているだけなのでは無いかと、
都は自分に問いかけてみました。
でも多分、それは無いはずだと思えます。
「よし。決めた。私は自分を信じる」
「じゃ、僕は東大寺さんを信じます」
「さっきから生意気じゃ、ボケ」
都は委員長の脳天に一発お見舞いすると、すたすたと
元来た道を歩き出していました。
●オルレアン
家に戻った都は夕食後、自分の部屋に寝ころがりながら
借りてきた首輪の入ったビニールの袋を眺めていました。
すると突然妙な電子音が聞こえてきました。
どうやらそれは自分のカバンの中から発している様子です。
音がする物と言えば一つしか心当たりは有りませんでしたが。
「あれ、こんな音だっけ…」
手に取った途端にPHS端末機は何も言わなくなりました。
せっかちな相手だと思いながらも、相手を確認しようとして
小さな画面をよく見ると、見慣れないマークが一つ点いています。
「そうか、メールだと音が変わるんだっけ」
ボタンを操作してメールを画面に呼び出すと、
差出人は稚空でした。内容は一言。
"テスト"
一つ溜息をついてから消去しようとして、まだ続きがある事に
気付きます。さらに操作すると続きが画面の下から顔を見せました。
"情報あり。意見求む"
都はすぐさま部屋を出ると、稚空の家を訪れました。
「お、早いな」
「普通この距離でメール使う?」
「いや、何となく」
「まぁいいけどさ。で、何よ」
稚空はパソコンの画面を指差して言いました。
「昨日、都が言いかけたのはこの事じゃないのか」
ローカル情報の集まるケーブルTV会社のニュースサーバ上の、
ある一連の話題の一つが画面上に表示されていました。
"昨日の夜、県道で車に轢かれたらしい大きな犬を見ました。警察が
来ていましたから問い合わせてみてはどうですか?"
「…」
「記事自体は今日の明け方に届いた物だから、ここで言ってる昨日ってのは
一昨日の夜の事だよな。この話、知ってたんだろ?」
「まぁね」
「で、実際のところは?」
「黒い大型犬が轢かれたのは事実。轢いちゃったのは警察官。
イカロスの写真を見て間違いないと証言。遺体は保健所で
処分されてしまって多分もう灰。残ったのは首輪だけ」
「おい、それじゃ」
「でも何か引っかかるのよ。だからまだ伝えて無いの」
「何か?」
「委員長にも聞かれたけどね。何かって何だって」
暫く考えた後で稚空が言いました。
「実はこういう話もある」
稚空はパソコンを操作して別のニュース記事を呼びだします。
"元記事に書かれていた様な犬を昨日の夜に見かけましたけど。
買い主らしき人と一緒だったから他人の空似かな。あ、他犬だ。(笑)"
「他犬なんでしょ」
「でも可能性はゼロじゃないだろ。誰かに拾われたのかも」
「これ、何時の話?」
「今日の夕方の記事だ」
「じゃぁ、こっちの昨日は昨日なのね」
「そう。件の事故の翌日になるな」
都は深く息を吐きました。気分を落ち着ける時の様に。
「こっちが本命だといいね」
「だな」
「もうちょっと詳しく聞けないかな、話」
「質問を付けてみよう」
稚空はいくつかの質問を交えた文章を入力すると、何かの操作を
加えました。そして画面を閉じます。
「どのくらい掛かると思う?」
「さぁ。相手が今見ているとは限らないしな」
「そうか。画面の向こうで見ている訳じゃ無いんだ」
「ああ」
「これからじゃ見れないよね」
都はそう言ってPHS端末機をちらちらと振って見せました。
「その機種じゃ無理だ」
「やっぱり。ねぇ、それ貸してよ」
「俺のノートをか?」
「そうよ。返事が来るまで待ちたいの」
「電話代かかるぞ」
「いいわよ」
「電気も食うぞ」
「いいって」
「部屋が暑くなる」
「夏の話でしょうに」
「目が悪くなる」
「平気よ一晩ぐらい」
稚空が唸っているのを見て、都は言いました。
「見られると困る様な物でも入ってるわけ?」
「いや…」
以前、まろんがデジカメごと持ち込んだ画像ファイルを消していない事を
思い出していましたが、目の前で都が睨んでいるので今消す事も出来ません。
「そ、それに意外に重いんだコレ」
「何言ってんだか」
都はノートパソコンの両脇を掴むとそのまま立ち上がりました。
「あら、本当に重いわね。見た目より…」
「な、そうだろ。だから置いてけって」
返事もせずに都はじっとパソコンを見詰めていました。やがて。
「あっ!」
「何だ!」
「電話貸して」
「持ってるだろ」
「あ、そうか」
都はパソコンを下ろすとPHS端末機で電話をかけました。
呼び出し音が二度繰り返した後。
「はい、えっと瀬川です」
「まろんね。あんたじゃ駄目なのよ。ツグミさんと代わって」
「え?、ああ、都か」
「早くしなさいよ」
「はいはい…」
受話口からぼそぼそと話し声らしきものが聞こえた後。
「お電話代わりました。こんばんは、東大寺さん」
「あ、ああ、こんばんは。早速だけどイカロスって体重いくつ?」
「はぁ?」
「今痩せてるのよね?」
「ええ。私でも何とか抱けるくらいだから。でも何キロかは判らないわ」
「充分よ、ありがと。じゃぁね」
「待って。何か判ったの?」
「取りあえず犬違いだって事が判ったわ」
「…そう」
ツグミの声が小さくなったので都は慌てて付けたしました。
「気を落とさないで。怪我をした犬の情報だから犬違いで良かったのよ」
「そうね。ありがとう」
「それじゃ、お休みなさい。まろんにも宜しく」
「ええ。お休みなさい」
電話を切った後、勢い余って余計なことを言ったかもと都は思いました。
もっとも今さら気にしても遅いのですが。
待ち構えていた稚空の言葉がそんな逡巡を忘れさせます。
「おい。何だよいったい」
「重いのよ」
「あぁ?」
「一昨日の晩に轢かれた犬は警官二人掛かりで運んだんだって」
「だろうな。大きい犬だし」
「今のイカロスは軽いのよ」
「そうなのか?」
「ツグミさんが一人で抱けるくらいだって。
病後なんだから痩せていて当然でしょ?」
「じゃぁ最初の情報は」
「それこそ他犬の空似」
「はぁ〜」
二人はそのまま床に座り込んでしまいました。
「良かった。すぐにツグミさんに伝えなくて」
「余計な心配かけるところだったな」
「これからも慎重にいかないと駄目ね」
「だな」
人捜しの方が余程簡単なのじゃないかと都はぼんやりと考えていました。
●桃栗町郊外 聖の家
「だ、そうだ」
ミストは言いながらも、くすくす笑っていました。
そのミストとノインの間にある空間に投射されている影像は
ミストが床に投げ落としたキャンディから発している物なのです。
「貴女の所為ですよ。ミスト」
「造型師のセンスの問題だろう?一部の人間は正面から見た
絵だけで完璧な立体模型を造るぞ」
「見た目の出来は問題では無かったのでしょう。それに、
そんな特殊な連中を引き合いに出さないで欲しいですね」
「やはりお前は古い人間だな」
最後の部分をノインは敢えて無視して言いました。
「それにしても魂からは最新の複製にはなりませんでしたか」
「魂の記憶という奴だからな」
「ほう?」
「似非悪魔のノインの為に特別に解説してやろうか」
「是非お願いしますよ」
「魂はもっとも印象深い自分のイメージというのを持っているのだ」
「印象ですか」
「大抵の場合はもっとも強い思い出と関係する。幸不幸は関係なくだ。
酷い死に方をした奴の魂が死に様のままの姿なのはその所為だ」
「あの犬は死んではいませんね」
「その通り。だから単純に元気だった頃の姿になっている。
大体、痩せ始めたあたりから後は堕天使の術の下にあったろう?
それ故にあの犬自身には今の自分がどんな姿なのかという印象など無いのさ」
「貴女、もしかして初めから失敗すると判っていたのでは?」
ミストは口の端を歪めて笑いました。
「そんな事は無いさ。だからこそ後々まで残る首輪の方の
出来を確かめたんじゃないか」
「そうでしたね」
「残念だったな」
相変わらず少しも残念そうに聞こえない口調で言うと
何処へともなく姿を消してしまうミスト。
ミストが消えてしまうと、床のキャンディも光りを失い、
やがて粉々になってしまいました。
「それで貴女の姿は何の記憶なんです?」
ノインは返事をしない相手に向かって呟きました。
(第82話・完)
# こういう事ですよね。^^;
では、また。
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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■
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