神風・愛の劇場スレッド 第67話『天界の休日』(前編)(8/20付) 書いた人:携帯@さん
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From: Keita Ishizaki <keitai@fa2.so-net.ne.jp>
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: Sun, 20 Aug 2000 16:15:38 +0900
Organization: So-net
Lines: 382
Message-ID: <8no0it$bra$1@news01de.so-net.ne.jp>
References: <8ksgpb$l2f$1@news01cf.so-net.ne.jp>
<8kujuu$hlj@infonex.infonex.co.jp>
<8m1ers$i96$1@news01bj.so-net.ne.jp>
<8m1hgh$p9c$1@news01bf.so-net.ne.jp>
<8m5h94$69l@infonex.infonex.co.jp>

石崎です。

hidero@po.iijnet.or.jpさんの<8m5h94$69l@infonex.infonex.co.jp>から
>佐々木@横浜市在住です。

 どうも、お久しぶりです(滝汗)。色々とすいませんでした。

 このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版を元にした妄想スレッドです。
 作品世界が壊れるのが嫌な人は、読まないで下さいね。
 長くなったのでフォロー&前編と後編の分割記事です。
 この記事は、第66話へのフォロー記事と、第67話(前編)です。



>という事はやっぱりあ〜んな事やらこ〜んな事が。
># 下になったほうの翼が邪魔ですなぁ。(爆)
(中略)
>まってるですですっ。^^;

 …というリクエスト(?)があったので、今回のような形にしてみましたが、
こんなんで宜しかったのでしょうか(笑)。

>しっかし、こう来ましたかぁ。若さ故〜。(爆)

 佐々木さんパートでミストが稚空に満足していない様子でしたので、こんな事
だったんじゃないだろうかと(爆)。

>>> ★神風・愛の劇場 第65話『明かせない真実』(前編)
>
>意外にマメ男の稚空。しかし誰かに見つかると誤解されそうです。^^;

 見つかる前から誤解されているようです(笑)。

>どうやら相当にイケる口だった都ちゃん。

 絶対に絡み酒か何かだと思いましたので(笑)。
 最初は素面で返させる予定でしたが、やはり「愛の劇場」ですので、素面で誘
惑はしないだろうなと(爆)。

>ミストがカメラを持っているというのも何か想像すると
>笑える画ですが、朋友(笑)の弥白の真似なんでしょうか。^^;

 もちろん、弥白様のために撮っているのです(笑)。

>稚空のピンチにアクセスが強力になって駆け付ける…という
>お約束な展開にはならなかったのですね。(読みが浅い私 ^^;;;;;)

 実はその線も考えたのですが、それを出してしまうと天界での出来事をこれ以
上書けなくなるので止めました。

>>>  オチが某作品の某キャラを思い出させるのは、わざとです(ぉぃ)。
>
>ええっと、誰かなぁ。
># 心宿?(違)

 ええっと、唯様を考えていたのですが、そちらの方だと襲われるのはまろんで、
神のバリヤーに跳ね返されたってオチは如何?

>★神風・愛の劇場 第66話『水底』

 ツグミさん、ハーフだったんですね。
 金髪だという認識は無かったのですが、言われて見返してみるとまろんちゃん
よりは、明るい色で確かに金髪の分類に入るのかも。
 結局のところ、ツグミさんとまろんちゃんは、今晩はどこまでしたのかな
(爆)。
 フィンも覗いていたようですが。

 フィンがツグミとまろんに対して、何やらシグナルを送っている様子。
 ツグミさんはキャッチしたようですが、目の前の事に夢中のまろんちゃんは、
気付かなかったようですね。
 そろそろフィンが嫉妬に狂い始める頃なのかな。

 では、3週間振りの本編です。ついにオリジナルキャラまで登場だ(汗)。



★神風・愛の劇場 第67話 『天界の休日』(前編)

■黒天使→準天使アクセス・タイム編

●天界 「神殿」

 大天使リルの案内で、アクセスは『儀式』の間に入りました。
 既に準備万端整っているらしく、大勢の天使達が天使の階級順に並んでいます。
 入り口近くにはアクセスと同じ黒天使、その前には準天使、そして最前には正
天使達が並んでいるのでした。
 リル達が入って来ると、それまでざわついていた天使達が静かになりました。

「あなたはこちらですよ、アクセス」

 黒天使の列に並ぶのかと思っていたのですが、リルに最前列、額に第三の目が
無い正天使達よりも前に立つように言われました。
 その場には、アクセスの他には誰も立っていません。
 今日昇進の儀式を行うのは、自分一人だとアクセスは気付きました。

「(マジかよ……)」

 本来、昇進の儀式とは1年に何度か、季節の節目毎に行われるべき代物で、同
時に何十、時には何百もの天使達が昇進する事も決して珍しくありません。
 だから、今回の昇進がアクセスだけであるとすれば、極めて異例の事なのでし
た。

「選ばれし天使諸君。
 私は、本日ここに一人の黒天使を準天使と成す事を謹んで報告します。
 黒天使アクセス・タイム。こちらへ」
「はい」

 壇上から大天使リルに呼びかけられ、アクセスはリルの前へと進み出ました。

「人間界において『聖なる力』を持つ人間を魔王の手から護った功績により、
 黒天使アクセス・タイムを『花』の期に生まれし千二百の天使達のうち
 十三番目の準天使に叙す」
「ありがとうございます」

 壇上には半径がアクセスの身長程もある円筒形の低い台があり、アクセスはそ
この中心に立つように言われました。
 アクセスも昇進の儀式は何度か見たことがあるので、知っています。
 これは、『装置』と呼ばれる物でした。

 アクセスがその場に立つと、リルが手を上げます。
 すると、アクセスの立っている円筒の外周に沿って、黄緑色の光の壁が出来ま
した。
 その光の壁は大変薄く、手を触れれば突き抜けてしまいそうでしたが、実際に
はアクセスの全ての力を注ぎ込んでも破れない『障壁』だと、聞いた事がありま
した。
 ただの光では無い証拠にこの壁の中は外界の音が完全に遮断されて、大変静か
になった事にアクセスは気付きます。

「(『神のバリヤー』に似てるな、これは……)」

 そんな事を考えていると、急に自分の身体が電撃のような物に包まれました。

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 その痛みに、思わず悲鳴を上げました。
 『昇進の儀』はこんなに辛いものだったのか……そう思いつつ障壁の外を見る
と、外で並んでいる天使達は、この場で起こっている事に全く気付いていないよ
うでした。

「(そうか、見えてないのか……)」

 フィンやセルシアの昇進の時にアクセスも立ち会ったのですが、障壁の中は外
からは見えなかった事を思い出しました。

 そして気付きました。この障壁は『昇進の儀』で、何が起こっているのかを見
せない為のものである事に。
 と言うのも、今のアクセスはいつの間にか裸であったからです。恐らくは電撃
を受けて消し飛んだのでしょう。

「(て事は、フィンちゃんも……)」

 思わず、アクセスはフィンの『昇進の儀』の時の様子を想像してしまいました。
 妄想していると、電撃の痛みが何だか和らいだような気がします。
 しかし、それは誤りでした。
 一際激しい電撃がアクセスを包み込むと、アクセスの意識は消し飛んでしまっ
たからです。



「ん……」

 どれ位気を失っていたのでしょうか。
 アクセスが再び気が付くと、やはり円筒台の上に横たわっている自分に気付き
ます。

「気が付きましたか?」

 アクセスの心の中に直接リルが語りかけて来ました。

「リル様!? 俺……」
「気を失っていたのですよ。僅かな時間ですが。立てますか?」

 アクセスが起き上がると、頭に軽い痛みと虚脱感がありましたが、他には特に
異常は無さそうでした。

「大丈夫です。あ……」

 床に何本か落ちている羽根の色は、白でした。
 そしてアクセスの背中の羽根の色も、白。

「リル様、俺……」
「準天使昇進おめでとう、アクセス・タイム」
「いやっほぅ! これで俺もフィンちゃんと同じ準天使だぜ!」

 その場の状況を忘れ、思わずアクセスは飛び上がって喜びました。

「……アクセス。喜ぶのは良いのですが、服を着てからにして下さい。
 その……目のやり場に困ります」
「あ……」

 アクセスは、まだ裸だったのでした。



 リルに言われ、足元にいつの間にか置いてあった服を慌てて着込むと、光の壁
が消えました。
 その直後、アクセスの耳に天使達のどよめきの声が届きました。

「準天使昇進おめでとう」
「ありがとうございます」

 今度は口で直接、リルは言いました。
 その直後、アクセスの背後で拍手が響きました。

「さて、アクセス・タイム。
 そして、これから準天使になるだろう黒天使諸君も聞いて欲しい。
 準天使となったからには、準天使らしい振る舞いを心がけなければなりません。
 この意味は判りますね?」

 拍手を手で制し、リルは咳払いをしてから話し始めました。

「私達天使は、純粋な心を残したまま死した良き人間の心に
 神様が力を少し分け与えて作られし生命。
 その事への感謝を忘れてはなりません」
「はい」
「私達が神様の教えに従って働く事が、神様の力の源となるのです。
 神様は、全てを見通しておられます。
 神様は忠勤に励み、良き行いで徳を高める天使に、
 必ずやその力を分け与えて下さる事でしょう。
 そしてその力である聖気を高めることにより、
 私達天使はいずれは人間へと生まれ変わることが出来る魂へと
 進化する事が出来るのです。
 天界に定められし『掟』は、その為に必要な最小限のものです。
 『掟』を守り、神様の為に働くこと。
 それが神様の力を高め、そして我等が望みである『人間』へと
 生まれ変わる事の出来る、最短の途なのですから──」



 『昇進の儀』はそれから暫く続きましたが、いつものように神様は姿を現す事
はありませんでした。

「アクセス。後で私の部屋に来て下さい」

 儀式が終わろうとする時、アクセスの心の中にリルが語りかけて来ました。

「(ひょっとして、神様に……?)」

 アクセスの心の中に、ある期待が生まれます。
 神様は普段、天使達の前に姿を現すことは無く、謁見した事があるのは極僅か。
 今は堕天使に堕ちたフィンは、その極僅かに属しています。

 同期の中で一番最初に準天使になった優等生のフィンは、『昇進の儀』直後に
神様への謁見を許された事がありました。
 帰って来たフィンに、アクセスは神様がどんな人だったかを訪ねました。
 しかしフィンは「美しい人……」とだけしか教えてくれなかったので、結局神
様の正体については良く判りませんでした。

 リルに呼び止められた時、ひょっとしたら神様に会えるのかとアクセスは期待
したのでした。


●「神殿」内部 大天使リルの執務室

 リルの執務室に行くと、まだリルは戻っていませんでした。
 秘書役の準天使に案内されて、ソファで待っていると、ややあってリルが現れ
ました。
 リルは秘書にハーブティを入れさせて、アクセスに勧めました。

「式典の後で疲れているだろうに、すみませんね」
「い、いえ……」
「来て頂いたのは他でもない。貴方の今後についてです」
「はい」
「貴方は準天使昇進後も、
 これまでの任務を引き続き遂行して貰うことになります」
「喜んで」
「それは良いのですが、心配な事もあります」
「何でしょう?」
「アクセス・タイム。正直に答えなさい。フィンに恋をしていますね」

 アクセスは心臓が止まる思いでした。
 そして、自分の顔がみるみる赤くなっているのが判りました。
 何も言わなくても、それで白状しているようなものでした。

「やはりそうですか……」
「リル様、その……」
「好きになるのは構いません。神様は天使に男女の区別を設けられた以上、
 そのような感情を抱くのはむしろ自然な事です。
 しかし、『掟』は守らねばなりません。言っている事の意味は判りますね?」
「はい」
「判っているのであれば、野暮は申しますまい。
 さてアクセス、貴方には三日間の休暇が与えられました。
 貴方のお友達にも休暇を与えましたので、
 一緒にどこかで休養すると良いでしょう」
「有り難うございます」
「残念ながら、あなたの望み通り神様に会わせる事は出来ませんが」
「え?」

 アクセスは驚いて、そして心を読まれたことに気が付きました。

「申し訳有りません。
 『掟』に反しているのですが、貴方の心を読みました」
「どうしてですか」
「フィンについての真実を知る貴方が、
 天界でフィンの事を口にしないか不安だったからです」
「話したりなどしません」
「それが賢明です。前にも話しましたが、
 天界でフィンの裏切りの事実が知れ渡れば、
 フィンの帰る場所は無くなってしまうのですよ」
「はい」
「判っていれば宜しい。私からの話は以上です。
 では、良い休暇を。アクセス・タイム」


●「天界」 中心部郊外のコテージ

 思いがけず休暇を貰ったアクセスは、リルの計らいで一緒に休暇を貰ったセル
シアとトキと一緒に、中心部から離れた森の中に点在するコテージで三日間を過
ごす事となりました。

 三人がコテージに到着したのはもう夕方でしたので、セルシアとトキは早速夕
食の準備を始めました。

「おいらも手伝うぜ」
「アクセスは座ってて下さいですですっ」
「そうそう。お皿でも割られたりしたら、弁償しなくちゃいけませんから」
「何だとぉ」

 少し腹が立ったアクセスですが、大人しく椅子に座って待っていることにしま
した。
 セルシアに目配せされたからです。

「(セルシアもトキの気持ちは知っているだろうに……)」

 コテージのキッチンはリビングとはカウンターで仕切られているだけでしたの
で、中で楽しそうに話しながら料理をしているセルシアとトキの様子が見えまし
た。
 その様子を見ながら、アクセスは大きなため息を一つ。

「うらやましい……」



「ご馳走様〜。は〜食い過ぎで苦しい……」
「アクセス一人で半分以上食べるからですよ」
「ですですっ」

 後片付けはアクセスも手伝いました。
 もっとも、アクセスが手伝ったのは皿を洗い場まで運ぶのと、洗って拭いた皿
を備え付けの食器棚に戻しただけでした。
 皿を運びながらキッチンの方を見ると、皿を洗っているトキと、拭いているセ
ルシアがやはり楽しそうに話しているのが嫌でも目に付きました。

「(あーあ、フィンちゃんがいたらなぁ……)」

 またまた深くため息をつくアクセスでした。

 後片付け終了後、三人はリビングでくつろぎました。
 暫く三人で歓談していましたが、セルシアのトキに対する視線が気になります。
 フィンも加えた四人でいた時には、フィンにモーションをかけるトキの方が気
になっていたので深くは気にしていなかったのですが……。

「おいら、腹ごなしにその辺を散歩して来る」

 やがてアクセスはそう言って立ち上がりました。

「こんな夜中にですか?」
「危ないですですっ」

 アクセスはそれには直接答えずに、セルシアに視線を送りました。
 そして、ひょっとしたらと思い、心に何かを念じました。
 最初怪訝そうな顔をしていたセルシアですが、急に表情が明るくなると言いま
した。

「そう言えば、ここから西に歩いて一時間程の場所にある丘の上から見える
 天界の夜景は、とっても綺麗だそうですわ。
 アクセスはまだ見た事が無いのでしょう?
 今後の参考に、是非一度見ておくと良いですわ」
「歩いてって、飛んで行けばすぐでしょう?」
「苦労して歩いて見に行ってこそ価値がある。そうだろ、セルシア?」
「はいですっ」

 セルシアはそう言うと、アクセスにウインクしました。
 アクセスもこれに応えて肯きます。
 そんな二人の様子をトキは怪訝そうな表情で見ているのでした。

(第67話前編・完)

 では、後編へと続きます。

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Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
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