ご主人様初級講座

§3 初めての気持ち



あなたの前に正座してご挨拶をする奴隷を見て、あなたは何を思うでしょうか。

ただ嬉しいだけ、それともその後のことで頭がいっぱいでそれどころではないですか。

でも、ここまで来るのにあなたの奴隷は並々ならぬ覚悟と決心をしているはずです。

これからあなたの奴隷を大切にしていきたいと思うのなら、その姿をよく見てあげてく

ださい。


一口に奴隷といっても、いままでにまったくSMの経験をしたことがない人から過去に

ご主人様がいたことのある人まで千差万別だろうと思います。

でも、今までの経験を得意げに話す奴隷はいないと思います。

むしろ、大事なご主人様となったあなたと出会う前のことは消し去りたい過去なのかも

しれません。

では、これまでの経験についてはふれない方がいいのでしょうか。

そんなことはありません。

奴隷が今までにしてきた経験をしっかりと把握するのはご主人様の義務だと思ってく

ださい。

そして、それを正直に話すように命令してあげてください。

ご主人様には知られたくないこと、隠しておきたいことなど存在しないことを教えてあげ

てください。

ここで一番重要なことは知ることではなく、ご主人様に対して秘密を持つことは許され

ないということを躾けることです。

奴隷が何も話さなくてもすべてお見通しなんていうことができるのは神様くらいのもの

です。

どんな些細なことでもご報告することが自然にできるようにさせてこそ「支配」が成り立

つのです。


奴隷の中には、ご主人様と呼ぶべきではない自称Sに騙されたり裏切られたりした

人もいるでしょうし、あなた以外にはけして言えないような辛い経験をした人もいるで

しょう。

恥ずかしいから話しにくいのではなく、ご主人様に申し訳ないと思うから話しにくいの

です。

そんな想いを話させた後は、ちゃんと褒めてあげてくださいね。

「よく言えたね。」の優しい一言は、奴隷にとっては何にも換えがたい宝物なのです

から。

そしてあなたの大切な奴隷に、自分があなたの奴隷になるために生まれてきたのだ

ということを教えてあげてください。

ただ偶然に出会ったのではなく、2人が出会う時期が来たからあなたが奴隷の前に

現れたということ。

そして、それまでにしてきた経験はすべてあなたに出会うために通らなくてはならない

道だったということ。

でも、あなたの奴隷になった今、それはすべてが役目の終わったことなのです。


奴隷が何も恥じることなく自分を差し出すことができるようにしてあげられるのは、あな

ただけなのです。

すべてが新しいスタートなのですから。

何もかもが 初めての気持ち になれるように導いてあげてください。

そして、その気持ちをいつまでも忘れないように躾けてあげてください。