解剖学的に原始的だと考えられているオナガコウモリ科は4つ以上の倍音を伴った短いCF音のエコーロケーションパルスを使います。これが一番原始的なパルスと考えられています。ここから大きく3つの方向に進化したようです。
アラコウモリ科やヘラコウモリ科は、短く倍音を伴う原始的なパルスのままですが森の中などに入るとある程度周波数を変調します。
キクガシラコウモリ科やカグラコウモリ科、ウオクイコウモリ科はCF音のまま一つのパルスを長くし、端にFM部があることが多いです。
ヒナコウモリ科アブラコウモリ属やオヒキコウモリ科オヒキコウモリ属は、状況に応じてパルスをいろいろ変えることができ、倍音をつけたりつけなかったり、CF部分があったりなかったり、FMの周波数変調の幅を変えることもできます。このグループが一番エコーロケーション・パルスを進化させたと考えられます。
ということで、生物の形態や行動と同じように、エコーロケーション・パルスも進化の結果、現在のような形になったものと思われまが、あいにく音声の化石なんてのはありませんから、現在のコウモリのパルスを比較して、考えてみました。