樹洞以外にも木をねぐらとするコウモリはたくさんいます。樹皮の隙間に棲むもの、1章で出てきたツギホコウモリのように枯死したカウリマツを掘って一列に並んでねぐらをとるもの、木の幹や枝に張り付くものもいます。(あいにく皆外国のコウモリばかりですが)木の幹をねぐらとするコウモリは、翼に葉脈のような網目模様があっ
たり、毛皮が地衣類に似た黄色と灰色の模様だったりして、保護色になっています。
ちょっと変わったところでは、「コウモリ界のかぐや姫」で紹介したタケコウモリなんかは木ではありませんが、竹の節間をねぐらにしています。竹の中で蛹化する虫があけた出口を使っていまが、この穴は縦長で狭いので、タケコウモリも平べったい頭蓋骨をしています。爪でぶら下がるのですが、手首と足首には柔らかいパッドがあって竹の中でつるつる滑らないように助けていま 大きな岩には風化した割れ目ができていることも多く、そういうところに棲むコウモリもいます。洞窟に棲む場合も、洞窟の岩の割れ目に棲むことがありますから似たようなものですが、洞外の岩の場合は温度変化が結構激しくて厳しい環境なので、頻繁にねぐらを変えることもあるようです。