6章 衣食住
   15 たくさん食べられる法則

6−14の続きです。

ほんとうにコウモリが、空のとっくり・・じゃなくて空の花が8つあるかどうか数えてるかはわかりませんが、統計的には同等な結果がでました。このルールって、ほんとうに採餌効率が良いのでしょうか。

コンピューターコウモリならば、花に飛んできたけど蜜が取れなかったということはありませんが、現実のコウモリは、最初はまず花序へようすを見に飛んできたり、舌をのばしたものの蜜を取り損ねたり、2頭が同時に一つの花に来てしまって片方が譲らざるを得なかったりと、一見無駄に見える労力も払っています。こういったことをビデオから読みとると、ひとつの円錐花序には、蜜を取れる訪問が平均23回に対して蜜を取れない訪問が14−20回もあります。この無駄を計算に含めて、コウモリが円錐花序の一回あたりの訪問に対していちばんいちばんたくさん蜜を得られるのは、計算上も6−14であげた「8つの花ルール」だったのです。

無駄な訪問を17回として計算すると、採餌に0.003kJのコストをかけたのに対して、0.84kJ相当の蜜が得られます。
D.J.Howell and D.L.Hartl.1980.
OPTIMAL FORAGING IN GLOSSOPHAGINE BATS:WHENTO GIVE UP
The American Naturalist Vol.115,.5;696-704

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