1章 ア・ラ・コウモリ 
   6 菊の花

 キクガシラコウモリ上科はみな鼻に鼻葉というひだがついています。これはエコーロケーションで超音波を発するときに、音波を収束する働きがあるといわれています。
 
 アラコウモリ科は魚・カエル・は虫類・鳥・げっ歯類・小さなコウモリなどの小型脊椎動物や大きい虫を餌とする、荒っぽいコウモリです。大きくて人目をひく種が多いです。最大の小コウモリ、オーストラリアオオアラコウモリもこの仲間です。しかし翼開長1m近くある肉食のコウモリが迫ってきたら怖い。目が大きくて両眼が前向きについているので、獲物をとるのに視覚も結構使っているようです。

 ミゾコウモリ科は名前の通り鼻に溝があり、鼻葉にふちどられています。これも小型脊椎動物や大きな虫を餌とします。

 以上2つの科は日本にはいませんが、キクガシラコウモリ科は旧世界に広く分布して、もちろん日本にもいます。鼻葉が一番よく発達して、複雑な菊の鼻模様、もとい花模様を顔の真ん中につくっています。村上康成デザイングッズにキクガシラコウモリのワッペンがあります。ちょっとデザイン化されていますが、鼻葉が顔の真ん中に大きくありますよね。

 カグラコウモリ科も沖縄に一種生息しています。これもなかなかはなやかな鼻葉を持っています。

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