ウジルカンダ(イルカンダ) マメ科 トビカズラ属 Mucuna macrocarpa

裂開する前のウジルカンダ雄しべと雌しべの入っている竜骨弁は左右が閉じていて、自力で露出することはできず、旗弁が上方向に、竜骨弁が下方向に力が加わらなくてはならない。竜骨弁の大部分は翼弁に覆われており、翼弁を押し下げることで花が裂開する。また、旗弁の押し上げにより,旗弁の付け根付近にあるフック状の構造が解除されるが、このフック状構造は萼筒の内側に溜め込まれた蜜が流れ出ないようにする栓の役割と、翼弁と竜骨弁を外側から抑え込み自動的に裂開することも防いでいる。花は外部から一定の力を旗弁および翼弁に加えられなければ裂開しなが、そのためには昆虫や鳥よりも強い力が必要で、哺乳類などの大型の動物に送粉者が限定される。https://www.jstage.jst.go.jp/article/mammalianscience/60/2/60_385/_pdf
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ece3.4404

裂開したウジルカンダひとたび哺乳類が裂開させれば、鳥や虫もその恩恵にあずかることができる。

裂開が観察されているのは九州ではニホンザル Macaca fuscata とニホンテン Martes melampus、沖縄島ではクビワオオコウモリPteropus dasymallus、台湾ではクリハラリス Callosciurus erythraeus、タイワンホオジロシマリス Tamiops maritimus、ハクビシン Paguma larvata、タイではフィンレイソンリス C. finlaysonii、ハイガシラリス C.caniceps、インドシナシマリス Menetes berdmorei,キタツパイ Tupaia belangeri

主な送粉者は九州ではニホンザル、台湾ではクリハラリス、タイではフィンレイソンリスとハイガシラリス

蜜を舐めるクビワオオコウモリ。花粉がオオコウモリの毛に着いている。

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