ミニ4駆グランプリ・GAC夏の陣'97レース結果


 さる'97/8/30日、What's New で予告した、Great After Cupの第2回予選・「GAC夏の陣」が開催 された! 甲府草の根BBS「After」に生息する輩がミニ4駆の戦いに火花を散らす!
 前回優勝の Sunfish氏は、年末開催予定のGAC本戦への強制出場権を得た。この権利を得ようと、 しのぎを削る各参加チームたち!
 そして、この夏にT.M.S.R.( TUSKINAMI MAD SCIENCE REPORT)にミニ4駆の論文を提出したDr.キッチュ 率いる WORKS Kitsch は、EXCELシミュレータまで用意して本レースに賭けている!
 果して、その結果はいかに?

「After BBS」(0552)-54-0773 (33.6kbps V.34+ 1回線)


'97/6/8のGAC春の陣'97結果
 このGAC夏の陣にさかのぼること約2ヶ月である'97/6/8に、山梨県石和にある甲府勤労青年会館・音楽室特設サーキットにて、 GAC春の陣レースが行なわれたのは記憶に新しい所である。 特異なレギュレーションをもつGACにおいて、つきなみCOMICSが スポンサーであるWORKS Kitschのレース戦績は惨憺たる結果であった。
 以下,その時の戦績を見てみよう。

レギュレーション1(無改造、チューンモータ以下、自由電池)
No.チーム名/参加車輌ABCDE得点順位
A OLH / SV98 -8308 19 2
B キッチュ / WK5 3-000 3 5
C GOMA / Wind.O.W.S 10 85-30 16 3
D そんぴ / そんぴTRF Naked 808-8 24 1
E 湖乃 / PROTO-YUNI 0800- 8 4
レギュレーション2(タミヤレギュレーション、支給電池)
No.チーム名/参加車輌 ABCDE得点順位
A OLH / FM-new7 -0300 3 5
B キッチュ / WK3 5-538 21 2
C GOMA / Wind.O.W.S 0 80-00 8 4
D そんぴ / そんぴTRF ReducedTT585-8 26 1
E 湖乃 / BROKEN-MAGNUM-YUNI 8353- 19 3
レギュレーション3(無制限改造、自由電池)
No.チーム名/参加車輌 ABCDEFG得点順位
A そんぴ / そんぴTRF Reduced -808500 21 3
B かしまよしき / "かっとび!!"MAGNUM 3-58535 29 2
C OLH / FM11 50-0005 10 6
D GOMA / PROTO-SAVER EVA-00 000-000 0 7
E キッチュ / WORKS Kitsch 7 0080-03 11 5
F Sunfish/T.R.S-r 08585-5 31 1
G 湖乃 / BROKEN-MAGNUM-YUNI 000880- 16 4
GACのレギュレーションはこちら
GAC1の記事はこちら
WORKS Kitsch動く
 このように、WORKS Kitschの戦績はそりゃもーひどいものであった。 いったいどうすれば、居並ぶ強豪に 勝つことができるのであろうか。考えられるのは以下の2点である。
  1. これまでの作戦(軽量化、モーター選択など)に間違いがある。
  2. 対戦準備が不足していた。
 特に、最初の作戦間違いは、かなり致命的な結果をもたらす。これまで、軽量化、低重心化にポイントを置いた 作戦に間違いはないのであろうか? タイヤは軽量化したワンウェイを選択したが、この選択は正しいのだろうか? とってもギモ〜ン
 このようなギモ〜ンに対し、これまで数々のマッドサイエンス論文を発表してきたワシの脳細胞とゴーストは、

これをネタに論文を作ってしまえ!

 とささやくのであった。
 そういう訳で、まずはミニ4駆用モーターのトルク特性の推定を考察した。この結果から、モーターのシミュレーションを実行する事が 可能になる。そうすれば、ミニ4駆のコース上での振舞いを精密に考察できるようになるはずである。

 モーターとモデル化ができたので、次はシミュレーションである。このシミュレーションに、車重やタイヤ径、 モーター等を入力すれば、ゴールするまでの時間や速度変化が見て取れるという事である。
 シミュレータは、Excel ワークシートを使い、1セル=0.01[sec]の時間ステップで運動方程式計算を行うことにした。
で、これがそのシミュレータの画面である。


 シミュレーションのパラメータのうち、コースに依存するカーブでの抵抗や、駆動系内部損失は、GAC春の陣での ラップタイムデータや、シャシダイによる無負荷回転時の速度を参考にチューニングした。 なお、計算値を正確に するため、時間ステップを0.01秒にとったため、ワークシートサイズは実に13Mbyteにも増大してしまった。

 そうして著したのが、T.M.S.R.vol.21へ寄稿した論文である。

  ミニ4駆のコース特性シミュレーション

 この論文によれば、ミニ4駆のパワーONスタート条件では、モーターやタイヤ等の回転部分の角運動量がスタートダッシュ に深く影響を与える事が判明した。この点において、軽量化したタイヤは作戦的にマイナスであることが解る。
 さらに、電池においては、Ni-MH(ニッケル水素電池)を使用していたが、これも電池容量の点では有利なものの、 大電流放電においては、より内部抵抗の低いNi-Cd(ニッケルカドミウム電池)や、アルカリ電池が有利であるとの結論を 得た。 うむぅ、感覚と実際の現象とは、かくも違いがあるものであるのぅ。

 GACのコースは1セット約45mであり、毎回1セットづつコースが追加されるので、今回は実に62mにも達することになった。 このコースを Mach-Dash で走らせた時の1セットタイムは約18秒。この値は、Ultra-Dashよりも良い成績なので、今回の車輌は このモーターを軸に作戦を立てる事にした。
GAC夏の陣'97結果---WORKS Kitschの逆襲
 このように、理論的にも万全の体制でのぞんだGAC夏の陣。下馬評では、前回のGAC春の陣レポートで「イロモノ」と 評された、大会主催者であるGOMA氏が秘策「ドラゴンプロジェクト」をもって望み有望とのこと。
しかも、甲府では入手困難であった「Plasma-Dashモータ」を、OLHさんやSunfishさん達も投入するような 雰囲気。 そんな中、「私の理論は正しい」を標榜するワシとしては、内心ビクビクしながらも、今回選択の 「Mach-Dashモータ」と電池の準備にかかっていた。

 では、そのレース内容と結果を公開しよう!

参加車輌写真(車輌記号は、レギュ3エントリー順です)

CAR_disp.JPG
で、これがその★サーキットコース写真★である。(なんか、パスファインダーの写真みたいな合成ッス。)

GAC夏の陣'97結果

レギュレーション1(無改造、チューンモータ以下、自由電池)
No.チーム名/参加車輌 12345得点順位
1 GOMA / Wind O.W.S 97G Accustom Light -8838 27 2
2 湖乃悟狼 / Protsaver YUNI 0-300 3 5
3 そんぴ / そんぴTRFnakedMR 88-30 11 4
4 キッチュ / WORKS Kitsch 6 888-5 29 1
5 OLH / FM-new7 3880- 19 3
レギュレーション2(タミヤレギュレーション、支給電池)
No.チーム名/参加車輌 11345得点順位
1 OLH / シズラーB -0050 5 4
2 そんぴ / そんぴTRFintgratedNT 5-853 21 2
3 キッチュ / WORKS Kitsch 3 83-80 19 3
4 湖乃悟狼 / BERGKAISER KRF 000-3 3 5
5 GOMA / Wind O.W.S 零 Super Light 5858- 26 1
レギュレーション3(無制限改造、自由電池)
No.チーム名/参加車輌 ABCDEFGHIJ得点順位
A Sunfish / T.R.S-r -058000000 13 9
B 松坂レイ / トライダガーX 8-50858000 34 3
C shadow / 白いの 00-0030080 11 10
D キッチュ / WORKS Kitsch 7 055-880555 41 1
E そんぴ / そんぴTRFintegratedNT 5050-80855 36 2
F GOMA / VAL-00 Z-Valken 80800-8008 32 5
G かしまよしき / かっとびマグナム改 505050-855 33 4
H 湖乃悟狼 / BROKEN MAGNUM KRF 8050380-05 29 6
I OLH / FM-77 85000005-5 23 7
J しまづしょうこ / 超速レイスティンガー 885000000- 21 8
 という訳で、なんとWORKS Kitschは、ついに念願の


レギュ1、レギュ3優勝!


という栄誉を得る事ができた! くぅ、思えば'89の高天原GP以来の負け癖も、ついに2部門同時優勝で 報われたって感じ〜みたいな。

 このレースでは、前回優勝のSunfish氏が振るわず、コースアウトの連続。 ドラゴンプロジェクトを引っ提げて 参加したGOMA氏は、試験走行中にそのプロジェクトカーが大破。聞けば、このプロジェクトには、Niftyで知合った 小学生をブレーンにつけていたとのこと。  うむぅ、勝負のためには見栄も外聞も手段も選ばないその姿勢には好感がもてる。
 このGAC準備のため立寄った玩具店で偶然出会ったOLH氏は、調整の問題なのかなにやら異音のするマシンを レースに投入していたが良い成績は残せなかったようである。
 コンスタントに速いのは、湖乃氏、かしま氏、そんぴ氏であった。そのかしま氏とそんぴ氏の車輌にレース中接触 したが、かしま氏の車輌とはほぼ同時に接触・両者コースアウトであり、そんぴ氏との接触では、好運にも レースを続行することができた。このクラッシュと勝利がなければ、優勝は厳しかった点で、まだまだ検討の 余地があるものといえよう。

 なお、このレギュ3レースでの各車輌のラップタイムも紹介しよう。コースはアリイ模型の62mだ。
かしまよしき15'23
キッチュ15'68
湖乃悟狼16'20
そんぴ16'57
OLH17'90
松坂レイ18'75
GOMA19'26
しまづしょうこ22'58
shadow26'26
Sunfish測定不能
シミュレーション結果では 18.29秒なので、実測値15.68秒に対し約17%の誤差である。この結果を元に,さらにチューンする 必要があるだろう。

では、最後に一言
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私の理論は正しい!
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つきなみCOMICS GAC-97夏
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