From: Keita Ishizaki <keitai@fa2.so-net.ne.jp>
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: Mon, 24 Sep 2001 11:26:05 +0900
Organization: So-net
Lines: 400
Message-ID: <9om5k4$lie$1@news01cc.so-net.ne.jp>
References: <9n9qk1$9sf@infonex.infonex.co.jp>
<9nedq8$6oi$1@news01cg.so-net.ne.jp>
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<9o14m1$nss$1@news01ci.so-net.ne.jp>
<9oecfk$lt4@infonex.infonex.co.jp>
石崎です。
> 佐々木@横浜市在住です。
こんにちわ。
このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版の設定を元にした妄想スレッド
です。そう言うのが好きな人だけに。
> >> >>> ★神風・愛の劇場 第146話『悪戯』
> >> そろそろ佐々木さんパートでも弥白様をと思う部分も少しありまして、彼女関
> >> 連で動きを起こさないようにもしていたりして。
>
> 私パート(案)で弥白様が出てくるのはもそっと後なんですが。^^;;;;;
出て来る予定はあるようで、安心しました。
> 何か近々に弥白様がネットに潜る用事があるのでしたっけか。^^;;;
受け身だけの弥白様なんて弥白様じゃないです(謎)。
> >> >★神風・愛の劇場 第147話 『枠』
>
> >> それよりも、まなみ先輩が庇ってくれた事をきっかけにまなみ先輩と仲良く出
> >> 来ないだろうかと思い始めるまろん達。
>
> 特にまろんちゃんの方は以前から憎からず思っているフシが。(笑)
まなみ先輩の身体目当てでしたっけ(笑)?
#裸を見て涎を垂らすジャンヌとかあったような(やや誇張)。
> >> ★神風・愛の劇場 第148話『使い道』
>
> ノインの願いって何なのでしょうか。わざわざフィンに言ったという事は
本当はその話の内で答も判るようにする積もりでしたが、そこまで辿り着かな
かったというのが真相です。
#で、今回も答を書いてなかったりして(笑)。
> 同様に世間様も例のネタに飽きた様で。
> # 高負荷でサーバが落ちてログが消えたのかな。(笑)
あまりにプライバシーに接近し過ぎて、削除人にスレッド毎削除されました…
と真面目に回答してみたり。
> 魔王様からもたらされたアイテムによって大会では心置きなく
> 大暴れが出来る事でしょう。
> # 誰が心置きなく暴れるって?(笑)
1 都ちゃん
2 弥白様
3 まなみ先輩
4 佳奈子ちゃん
5 ツグミさん(?)
6 その他
さあ誰でしょう(笑)?
#ある程度前振りはしていますが、実は当日の細かいスケジュールを敢えて組ん
#でいないので、その場の思いつきで決定される可能性大(笑)。
#ちなみに、私パートだけで当日を終わらせるつもりはさらさら無いので、構想
#方宜しくお願いします(笑)。
> # それよりも本当はベッドで目覚めた都ちゃんは
> # 裸なのかどうなのかの方が重要ですが。(爆)
ううむ、あっさりと済ませる予定だったのですが…。
やはりここは佐々木さんのリクエストにちゃんと応えないといけないか(笑)。
> ★神風・愛の劇場 第149話 『留守』
ツグミさんの残した貼り紙に浮き出た文字は、まろんちゃんへの別れのメッ
セージでしたか。思っていたよりも率直な表現。
いつまでもこんな関係って、最初はツグミさんの方から迫っていた(笑)筈な
のに、いつの間にかまろんちゃんの方が溺れていて、まろんちゃんもそれに気付
いていたのでしょう。だからショックも大きかったと。
当初のフィンの狙いどおりな訳ですが、そう言えばそうしておいて、フィンは
ツグミをどうするつもりだったのか。それが今後の展開に影響してくる訳ですが。
余談ながら私案では、浮き出るメッセージは無くて、書き置きを残した時間か
ら一日以上経過しているのに、未だ戻って来ないツグミさんをまろんちゃんが邪
推して…等と考えていました。
ノインの策略により、何だか怪しい空間に足を踏み入れてしまったツグミさん
と全君。
全君の発言から察するに、あの道は魔界へと通じていたのかな。
すると、咲き誇っている青い花は、匂いは芳しくとも、見た目はものすごいグ
ロテスクで、普通の人が見たら正気を保てないような光景が二人の周りには広が
っていたのかも(笑)。
でもツグミさんは見えないから何も感じないし、全君は見慣れているから平気。
…と、読んだ時にすぐ妄想したのですが、真実や如何に。
#「住めば都」の台詞が何だか意味深です。
#で、ノインの気づいていない欠点は、ノインが知る以外にも地上界への出入り
#口があることだったりして。ミストもそれを知っていたら「多分」と言ってい
#たのかな。
#だとすると、ひょっとすると…。
で、こちらは相変わらずのミストとアキコ。
ミストの発言がなんだか意味深。生まれた世界って、誰にとっての事を言って
いるのやら。
では、本編に行きます。
★神風・愛の劇場 第150話『二人きり』
●桃栗町・水無月邸
桃栗町の中心部から少し外れた所にある高級住宅地。
その一角に委員長こと水無月大和の家はありました。
もっとも、水無月グループ会長である祖父は、別所に邸宅を構えていましたか
ら、大和の家はさほど大きなものではありません。
とはいえ、近所にある名古屋稚空の実家と同じ位の大きさはあったのですが。
珍しくも先に帰宅していた両親と一緒に夕食を済ませると、離れにある自分の
部屋に籠もり進学に備えての勉強に集中しました。それが彼の日課なのでした。
「ふぁ…」
眠気を感じた大和が時計を見ると、既に日付が変わっていました。
今日の勉強を切り上げることにして、パソコンの前に腰を下ろしました。
ホームページ更新チェックソフトを用いて、何時も巡回するページの更新状況
を確認し、更新されたページを巡回した後に、帰り道に稚空と話した総合掲示板
の状況も再度確認しました。
自分の大切な人達が掲示板で貶められている事が明らかになった時、稚空には
放置しろと言われていたのですが、実は大和は掲示板に書き込みをしていました。
直接噂を否定するのでは無く、掲示板の趣旨と外れた発言を隔離する方向に、
議論を誘導する。
複数の人物を装い、自作自演と疑われないように掲示板の正常化を図るのは、
決して楽な作業とは言えませんでしたが、結局大和はそれを成し遂げました。
大和は全く気が付いてはいませんでしたが、学校での学級委員長としての経験
が、彼に知らず知らずの内に調整能力を身につけさせていたのでした。
もっとも、生まれつきの口下手故に、それを現実の場で活かすことは稀だった
のですが。
「今日もまったりとしたものですね」
日本で一番巨大な事で有名な掲示板の心霊現象掲示板の中にある、桃栗町心霊
現象スレッドでは、現在では先日桃栗町郊外で発生した陥没事故と、相変わらず
毎夜出現しているらしい、少女の姿をした幽霊の話題で盛り上がっている様子で
した。
念のために、特定個人の誹謗中傷関係が集まっている掲示板を覗いてみました
が、目につく限りは、大和の大切な人達の話題は上がっていないようでした。
そろそろ寝ようか。
そう思った時、机の上で充電していた携帯電話の呼び出し音が鳴りました。
「こんな時間に?」
そう思った大和でしたが、液晶画面に表示された相手の名前を見ると、納得し
た表情になりました。
「また、予告状でも出たんでしょうか」
●オルレアン・ミストの隠れ家
作戦予定日も間近に迫っていましたので、人間界に降り立った魔界の者達の行
き来は頻繁なものでした。
その気になれば、会わずとも連絡を取る事が出来ない訳でも無いのですが、直
接相手の顔を見なければ判らない事もあります。
ことに、相手が真の姿がどうなのか判らないミストともなれば。
「クイーンは東大寺都と接触している頃ですね」
「今頃、『調教』している最中かしら」
「天界で『儀式』と称している行為かもしれません」
「ふーん。神直伝って訳?」
「魔王も同じような事をなさっているとの噂ですが」
「さあ…どうかしらね」
ノインはミストの顔色を窺いましたが、その表情からは真偽は伺えませんでし
た。
「それで? ジャンヌの方はどうなったのよ」
全てを知っている筈なのに、敢えてミストは聞いて来ました。
「順調です。もう一息といったところでしょうか。後はクイーン次第というとこ
ろです」
「ま、せいぜい頑張って欲しいものね。あんまり期待はしてないけど」
「それと当日のクイーンの事なのですが、これは予定通りということで」
「そうね。クイーンは現場にはいない方が良いでしょうね」
「クイーンも内心では居合わせたくないでしょうし」
「それに、土壇場で躊躇されたら厄介よ」
「我々を裏切るとは思えませんが」
「どうだか」
そう言うと、胡座をかくような形で浮かんでいたミストは、立ち上がりました。
「せっかく来て貰っていて悪いのだけど」
「お出かけで?」
「ええ。ちょっと手駒の管理をね」
そう言うと、ノインを残してミストは隠れ家から姿を消しました。
「余計な事をしてくれなければ良いのですが」
そう呟くと、ノインも何処かへと姿を消すのでした。
●オルレアン・東大寺家
「今日は都に伝えることがあるの」
都が目を覚ますと、そこには背中に翼を生やした緑髪の少女がいました。
都の心だと名乗り、自分の命を救ってくれた人外の者。
最初は名乗らなかったものの、何度か出会い関係を深めて行く内に彼女がフィ
ンという名前である事、まろんと何らかの関わりがあるらしい事は判りました。
とは言え、余りに現実離れした話であるが故に、まろんに彼女の正体を直接聞
くことも出来ずにいたのですが、決してフィンの事を忘れていた訳ではありませ
ん。
ただ、余りに色々な事が都の周りで起き続けていた為に、心の片隅に追いやっ
ていた事もまた事実なのでした。
「あたしに…伝えること?」
ベットから立ち上がりかけ、急に目眩がした都は、ベットの縁に腰を下ろしま
した。
「あ…れ…?」
「大丈夫? どこか悪いの?」
フィンは椅子から立ち上がると都の横に座りました。
「大丈夫。ちょっと目眩がしただけ」
「無理しない方が良いわよ」
都は、自分の肩にフィンの手が乗せられたのを感じました。
横を見ると、すぐ側でフィンが都を見ていました。
胸の鼓動が早まっているのが自分で感じられました。
どうしてなのか、その理由も判っています。
「伝えることって、何?」
自分の内心の動揺を悟られないように、努めて平静を装って都は聞きました。
「都の悩みについてよ」
「あたしの悩み?」
「あるのよね」
「それは」
「隠さなくても良いのよ。だって、私はあなたの心だもの」
話しても良いだろうかと一瞬躊躇した都。
しかし、フィンになら話す事が出来る。何とかしてくれる。
そんな気がしました。
「あたしの友達が、何かに悩んでいるみたいなの。彼女は平気な顔をしているけ
れど、気になって仕方が無いの」
昨日まろんの家に泊まった時にはまろんはカメラマンの三枝の事を持ち出しま
したが、それで納得した訳ではありません。
新体操雑誌に何度か写真入りで掲載された事のあるまろんが、その程度の事で
集中力を乱すとは思えないからです。
本当の理由は別にある。
そしてその理由の想像がつくだけに、余計気になったのですが。
「それだけ?」
「それは…」
「もっと大変な悩みがあるでしょう。私にも話せない?」
知らず知らず顔を背けていた都の耳元でフィンは囁きました。
「あたしの友達が…知らない場所で貶められていたの」
「友達? 日下部さんの事?」
「まろんの事を知っているのね」
「ええ。都のことをずっと見ていたから」
「その…あたしとまろんが、人の道を外れた関係だって」
「都はまろんとそういう関係になるのが嫌なの?」
都は、フィンが自分の腰に手を回すのを感じました。
「それは…」
「嫌じゃないのよね」
「だけど」
「そう。都は本気でも、まろんは本気じゃなかった」
「!」
「まろんには瀬川さんがいるものね。それも書いてあったんでしょ?」
「まろんは稚空の事が」
「そうね。彼がいたわね。だから、都もまろんの事を諦める事が出来た」
「でも」
「そう。都は稚空をまろんから奪った」
「それは」
「確かにまろんは都の事を許したわ。稚空との事も吹っ切った」
「そうよ」
「でも、それで全て終わった訳じゃない。都はそれを知っている」
「知らない。あたしは何も」
「あの時から、まろんと稚空の関係は壊れた」
「そんなこと無い! この前だって」
「だったらどうしてまろんは瀬川ツグミとあんな関係になったのかしら」
「それは…」
「そしてそれに気付いた稚空も幼なじみのところに戻った」
「稚空は…」
「見たんでしょ。彼と彼女が一緒にいる所を」
「ただ…してただけじゃない」
「それだけだと思っているの?」
「え?」
「二人の関係はそれだけ?」
「まさか、稚空が」
「あんな事されても、彼のことを信頼しているのね」
「稚空は誰にでも優しいから」
「優しいから、誰とでも?」
「それは…」
「貴方の悩みは、これなんでしょ?」
そうフィンが言うと、都の目の前にメールでアドレスが送られて来たあの新聞
の1面が目の前にホログラフィーのように映し出されていました。
「どうしてそれを」
「これを知っているのは都だけなのかしら」
「まさか」
「そう。少なくとも名古屋稚空や水無月大和は知っている」
「嘘…」
「都を傷つけないように、みんなで隠しているのよ」
それを聞いて都は理解しました。
最近、自分の周りで聞こえてくる嘲笑の正体を。
「じゃあ…」
「そう。最近都の耳に入ってくる声は、みんなここから来ているのよ」
「嘘…あたし…みんなに…そんな…あたしのせいで…」
「都のせいじゃ無いわ」
都の顔のすぐ側で、フィンは囁きました。
都を抱きしめていた手が、身体の線に沿って滑るのを感じても、都は身動き一
つしませんでした。否、出来ませんでした。
「本当に悪いのは他にいる。そうでしょ?」
「山茶花…弥白…」
「都は何にも悪くない」
「あたしはどうすれば良いの?」
「それを教えるために私は来たのよ」
布越しに感じていたフィンの手の動きが直接感じられるようになっても、都は
されるがままでいました。
──フィンは一体何を言っているの?
あたしは何を答えているの?
判らない。
だけど心が安らぐのは何故だろう。
このまま身を委ねていたい。
でも本当に良いの?
耳元でフィンが何事か呟くと、都はこくと肯きました。
やがてフィンに導かれるまま、都はそのまま横たわるのでした。
●桃栗町・水無月邸
「どうしたんですか? こんな時間に」
深夜に水無月大和の携帯電話に届いたメールは、都からのものでした。
良かったらこれから会いたいという内容のメールには、既に大和の家の前に来
ているとも書かれていました。
驚いて、サンダル履きで庭から直接門前まで行くと、門柱の脇に都が立ってい
ました。
「相談したいことがあるんだ」
「また怪盗ジャンヌから予告状が出たんですか?」
「そうじゃないの」
その時、ぴゅうと北風が吹き抜け、都はスカートを押さえました。
男の性で、思わず大和は注目してしまいました。
見ると、いつもはミニスカートの下にスパッツをしているのに、今日はミニス
カートだけのようでした。
「ここじゃ寒いですから、良かったら中に入りませんか?」
「委員長の部屋に?」
「はい」
「確か、離れだったわよね。委員長の部屋」
「ええ。だから…」
家族には迷惑はかからないです。
そう言おうとして、大和は気付きました。
「それじゃあ、委員長と二人切り…よね」
「あ、あの!」
「平気よ。委員長があたしをどうこう出来るとは思えないもの」
「何だか馬鹿にされている気がします」
「フフ…じゃあ言い直してあげる。委員長は紳士だから。信頼してるわ」
そう言うと、都は自分から先に大和の部屋へと歩いて行くのでした。
(第150話 完)
また、続きを書くのに困りそうな引きでごめんなさい(汗)。
約2名を除いて2月17日(木)終わり。
では、また。
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Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
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