From: hidero@po.iijnet.or.jp
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Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 28 Sep 2001 16:16:37 +0900
Organization: Infonex Corporation
Lines: 245
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佐々木@横浜市在住です。
<9om5k4$lie$1@news01cc.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。
>> 石崎です。
こんにちわ。
>> このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版の設定を元にした妄想スレッド
>> です。そう言うのが好きな人だけに。
そんな訳ですので。
>> > >> ★神風・愛の劇場 第148話『使い道』
>> > # 誰が心置きなく暴れるって?(笑)
>> さあ誰でしょう(笑)?
7 妄想作家
>> #ある程度前振りはしていますが、実は当日の細かいスケジュールを敢えて組ん
>> #でいないので、その場の思いつきで決定される可能性大(笑)。
>> #ちなみに、私パートだけで当日を終わらせるつもりはさらさら無いので、構想
>> #方宜しくお願いします(笑)。
う〜んう〜んう〜ん。
私の方は逆に大会当日に関して何か書く気はサラサラ無かったのですが。^^;
# 理由:元々の展開私案では大会は恙無く終わる予定だった為、
# 現在に至ってなお頭の切り換えが出来てない。
## 多少は考えてみますが、あんまり期待しないで下さい。
>> ううむ、あっさりと済ませる予定だったのですが…。
>> やはりここは佐々木さんのリクエストにちゃんと応えないといけないか(笑)。
別にリクエストした訳でも無いのですが。^^;;;
書かれて困る物でもありませんので基本的には歓迎しますけど。(笑)
>> > ★神風・愛の劇場 第149話 『留守』
>> ツグミさんの残した貼り紙に浮き出た文字は、まろんちゃんへの別れのメッ
>> セージでしたか。思っていたよりも率直な表現。
言いそうといえば言いそうで、言わないだろうといえば言わないかな…
という辺りを考えてみるとあんな文面になりました。
>> 当初のフィンの狙いどおりな訳ですが、そう言えばそうしておいて、フィンは
>> ツグミをどうするつもりだったのか。それが今後の展開に影響してくる訳ですが。
用が済めばそれで終りで、その先は別に無いという気もしますけれど。
>> 全君の発言から察するに、あの道は魔界へと通じていたのかな。
>> すると、咲き誇っている青い花は、匂いは芳しくとも、見た目はものすごいグ
>> ロテスクで、普通の人が見たら正気を保てないような光景が二人の周りには広が
>> っていたのかも(笑)。
咲いていた花の正体がナニかは取りあえず脇に置いておくとして(笑)、
個人的な構想では魔界の花は人間が見ても普通の花に見える代物と考えています。
# 確か以前に石崎さんパートで出た描写でも草木は普通だが
# うろうろしている動物がグロいという事だった様な。
>> で、こちらは相変わらずのミストとアキコ。
てへっ。(笑)
>> ★神風・愛の劇場 第150話『二人きり』
成程。ネットワーク上での騒動の沈静化には委員長の暗躍があったんですね。^^;
しかしながらアピールが足らないので誰にも活躍を認めて貰えないらしい。
つくづく栄光と縁の無い人間という事なのかも。(笑)
ミストとノインの会話からすると大会前にもうひと波乱?まろんちゃんの
周囲で起こすつもりの様ですが。
その下準備らしいフィンの都ちゃんへの揺さぶり。
都ちゃん的にはフィンは味方だと思っているでしょうから、フィンから
語られる内容は重みがあるはず。しかも総じて事実である訳ですから尚更と。
# それにしても妄想大爆発な描写をどうも。*^^*
## こういうのは大歓迎。(爆)
で、都ちゃんの謎の行動は何か関係あるのか、それともミストがいつぞや
の続きをしようと思っているのかどっちなんでしょう。
時間軸を入れ替えてわざとミスリードを誘っている感じですが。^^;
# スパッツ無しって判ったという事は見たんだな>委員長(爆)
## では、次いきます。
★神風・愛の劇場 第151話 『お勧め』
●枇杷町 山茶花邸
夕食も入浴も済ませ、あとは寝るだけという時刻。新体操の大会目前で
練習漬けの毎日。疲れているはずの身体には、しかしまだ睡魔は襲ってきては
居ませんでした。弥白は窓辺に立って外の風景を見るともなく眺めます。
もっとも目に映る風景は見慣れた物でしたし、見てはいても考えているのは
別の事でした。そんな静かな時間をうち破ったのは電話の呼び出し音。
それも机に乗せてある携帯電話の方の音でした。こちらの番号を知っている者は
極くわずか。その中には今し方考えていた人物も含まれていましたから、
電話を受けようとする際に期待が高まっていた事は事実です。
ですが小さな画面に表示された発信者の名前は愛しい人の物ではありません
でした。がっかりはしましたが、それでもすぐに通話ボタンを押しました。
相手は同じ高校の友人だったからです。
「もしもし?」
少しくぐもった声でしたが弥白の呼びかけに答えたのは確かに友人の声です。
「こんばんは、弥白さん」
「あら、こんばんは」
「御免なさいね。こんなに遅く。もしかして寝てた?」
「いいえ、まだ」
「良かった。別に明日でも良いかなって思ったのだけど、突如として大事件か
何か起こって登校出来なくなったりとか、登校してもお互い忙しくて
会えないとか、急病で早退してしまうとか…」
話を聞きながら苦笑する弥白。枇杷高校では上の学年の先輩でありながら、
ネットワーク経由で先に知り合っていた為に友人として付き合っている彼女。
その彼女の話には前後に妙に誇張された部分があり中々本題が出てきません。
時にはそのまま脱線して本題に戻らない事もあるのですが、会話が途切れない
という意味でお喋り相手としては最適ではありました。
「…という理由で電話してみたの」
「それでその大切なご用って」
「ああ、そうそう。肝心な話はメールで送ったから読んで」
これには弥白も笑いをこらえ切れませんでした。やがて笑いが治まってから
返事をする弥白。
「笑っちゃってごめんなさい。でも、どうせ電話して下さるなら電話口でも」
「だって伝言って細かい綴りとか伝えるの面倒じゃない」
「綴り?」
「ホラ、あれよ。この前頼まれた奴、接続元を調べるって」
「ああ…」
ネットワーク上で色々とあって精神的に参り始めていた頃、ふと口を滑らせて
嫌がらせメールの送り主が判らない物かと話題にした事があったのを
弥白はやっと思い出しました。発信元が偽造されていても追跡する方法が
あるのでは無いかと最初に言い出したのは彼女の方ですが、その後も律儀にずっと
思案していてくれたらしく、少々申し訳ない思いがよぎります。
「それで知り合いに、あ、この知り合いってのはネットじゃなくて現実のね」
「ええ」
「その現実世界の知り合いに聞いたら、その人は男性だけど彼氏じゃ無いのよ」
「…」
「ええっと、何だっけ。ああ、だからそういう情報を集めたサイトが
あるからって教えて貰ったの。まだ良く見てないんだけど詳しそうよ」
「有難う。後で見てみますわ」
「そうして。実は最初のページが重くて途中で嫌気がさしちゃったの」
相手はそう言ってケラケラと笑いました。
「弥白さんの所、回線太いでしょ。だからネ」
「つまり人柱ですのね」
「そうなの。面白かったら面白い部分だけ直アドレス教えて」
「判りましたわ」
「それだけなの。じゃぁ、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
それだけでは無い部分が多かった通話が切れると、弥白は小さな溜息を
ついてから机を見詰めました。そう言えばしばらくメールを読んでいません。
少し躊躇しましたが、思い切って端末を引っ張り出すと友人達だけが知っている
はすのアドレス宛てのメール一覧を表示させてみます。
再びの溜息は安堵の溜息でした。届いていたメールは総て友人か知人からの
物ばかり。見知らぬ者からのメールはありません。全てに目を通すのは
後にして、取りあえず今連絡を貰った友人の最新のメールを開いてみます。
普段の会話とは打って変わってメールでは用件しか書かない彼女。
このメールもネットワーク上のあるサイトを示すアドレスが1行書いてある
だけの簡素な物でした。弥白は別のソフトウェアを起動するとそのアドレスが
示す情報サイトへ接続します。端末の画面には友人が音を上げたのも頷ける、
無駄に複雑なレイアウトのページが表示されました。しかも各種の情報を
辿るリンクと呼ばれる仕掛けが全て画像情報の上に乗せられている為、絵を
見なければ何も出来ないデザインです。ボランティアとして色々な立場の
人々の事を知っている弥白にとっては眉をひそめるしかない最低の作りでした。
文字を音声で読み上げるソフトウェアを使って、目の不自由な人々も
ネットワークを利用する時代になっていると言うのに。
「文字情報しか受け取れない人の事なんて考えてませんのね…」
普段ならこの段階で先を見るのは止めてしまっていたでしょう。
しかし友人に内容を吟味すると約束してしまった手前、少しは覗いて見ない
訳にはいかないだろうと思い直し、渋々いくつかの情報へのリンクを
辿ってみます。その内容は最低のページデザインに反してかなり有益な
物を多数含んでいました。どうやら読者が寄せた情報を集めているサイト
らしく、書き手の文体は多種多様でしたし中には明らかな誤りと思える
情報もありましたが、それでも欠点を補って余りある情報量です。
初めの憤りを忘れて思わず読み耽ってしまう弥白なのでした。
*
どのくらい時間が経ったのか、ふと気付くと弥白は机に伏していました。
顔を上げると端末も、そこで起動したソフトウェアもそのまま。
どうやら途中で居眠りをしてしまった様です。既に日付が変わっている事に
驚き、今夜はここまでで就寝する事にしました。端末の電源を落とそうとして、
弥白は妙な事に気付きます。訪れた覚えの無い、それどころか興味も無い
ページが画面に表示されています。アドレス部分が数字になっていて、
通常の外部からの接続は考慮されていないページの様でした。
斜め読みした限りでは特殊な金属で作った鏡の説明であり、尚更わざわざ
リンクを辿るはずも無いサイトだと思われました。
眠気を催した時に知らず知らずに辿ったリンクなのでしょう。
弥白はそれ以上は考えずに端末と外部の接続を切ると寝室へと向かうのでした。
●桃栗町内某所
運河を渡る橋の上。欄干に座り、水面に向かって投げ出した足をブラブラと
揺らしているミスト。橋に通じる道を人影が近づいて来ると、そちらに顔を
向けて目を細めました。やがてすぐ傍にやってきた人影、アキコが黒い影を
従えたまま立ち止まるとミストは言います。
「何か収穫はあったか?」
アキコは全くの無反応。ですがミストにはアキコが"否"と答えたのだと
理解出来ました。それから少し間をおいて、アキコは揺れるミストの
つまさきを見詰めました。
「私が何を浮かれているのか知りたいか」
ミストの瞳を覗き込んだアキコの視線がゆっくりと逸れます。
「そうか」
そう言うとミストは欄干から飛び下り、一旦運河に向かって吸い込まれる様に
姿を消すとアキコの隣りにふわりと現れます。
「帰るのか?」
アキコは黙って道の先を指差しました。それは二人の棲家とは違う方角です。
ミストが腕を腰の後ろに組んで踊る様な足取りで歩きだすと、アキコもまた
ゆるりとした足取りでその後に続くのでした。
(第151話・完)
# 何にもしない弥白様でした。(笑)
★余談
# 最近、1話書くのに物凄く時間が掛かります。
# 書くことそのものよりも、何を書くか。
# 当面の課題と長期的予定が噛み合わないんですよねぇ。
## ちなみに、さようならアキコ〜最終話までのプロットは完成しました。
## そのまま使うかどうかは別にして。
では、また。
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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■
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