神風・愛の劇場スレッド 第149話『留守』(9/21付) 書いた人:佐々木英朗さん
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Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 21 Sep 2001 12:34:12 +0900
Organization: Infonex Corporation
Lines: 318
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<9o14m1$nss$1@news01ci.so-net.ne.jp>

佐々木@横浜市在住です。

<9o14m1$nss$1@news01ci.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。

>> 石崎です。

こんにちわ。

>>  このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版の設定を元にした妄想スレッド
>> です。そう言うのが好きな人だけに。

そんな訳で。


>> >>> >>> >>> > >> ★神風・愛の劇場 第140話『贈り物』(前編)
>> #ただ、その通りのクライマックスになるとは露ほども思っていなかったりして
>> #(汗)。

# 安心しました。(笑)

>> >>> >>> ★神風・愛の劇場 第144話『決裁』
>> >ちなみに私はヒネクレ者なので全然違う事考えてました。(笑)
>>  自らの意志による亡命?

もう少々複雑かも知れず。

>> >>> >★神風・愛の劇場 第145話 『ちょっとそこまで』
>> >前者のニュアンスが近いと思っていただければ。
>> ># 子供向きにツグミさんも説明を端折っているので判りにくいでしょうけど。
>> >## 正直、コレを突っ込まれるとは予想外。^^;;;
>>  スパゲティ・ナポリタンは伊太利には存在しないと思っていたので(笑)。

それは事実です。
とりあえず「本場では名前の付いていない基本レシピを日本ではナポリタンと
呼んでいる例がある」という話が行間にあるつもりなのだが全然そう読める様
には書けてない失敗エピソードだったのが第145話である。
という事で許してください。

>> ># 本当はもう1つ、あの道には小さな問題があるのですが、
>> ># それはノイン自身が気付いてなかったりします。
>>  実はノインが気にしていたのはこちらの方だと思っていました。
>> #私案でもあの結界にはちょっとした弱点があったりして。

さて、それらは同じ弱点かどうか。
# 答えは書くタイミングが存在した場合のみご披露。(笑)

>> >>> ★神風・愛の劇場 第146話『悪戯』
>>  ちなみに映像も妄想していて、冒頭シーンではミストの足元から見たフィン。
>>  ラストではミストの口元と後ろ姿のシルエットだけが出ている描き方だったり
>> して。
>> #で、足元だけで誰だか判ってしまう(笑)。

絵コンテ切ってからノベライズしている訳ですね。(笑)

>> ># もしかして春夏秋冬各氏はまた変装潜入なのかなぁ。(笑)
>>  また女装でもさせてみますか(笑)?
>> #すると今回はレオタード姿とか(爆)?
>> #あ、ロミオとジュリエットの話の方を妄想されておられるのかも。

一応、そっちが念頭にありました。女装はちょっと…。^^;

>> >出ない電話の相手はツグミさんなのでしょう。
>> >何だかんだで月曜の朝以来会ってないのですから、そろそろ渇きが。(笑)
>>  そろそろ会いに出かける頃でしょうか。
>> #あの貼り紙に浮き出た文字の正体が不明なので、今回は描写していませんが。

さり気ない前フリをどうもです。

>> >>> #最近、誰かさんの出番が無いような気がするのは気の所為(汗)。
>> >大いに疲れているでしょうから、少しくらいは平凡な日常を。^^;
>>  そろそろ佐々木さんパートでも弥白様をと思う部分も少しありまして、彼女関
>> 連で動きを起こさないようにもしていたりして。

私パート(案)で弥白様が出てくるのはもそっと後なんですが。^^;;;;;

>> #弥白様の電脳世界の描写は流石に限界あるので、本職のお力をお借りしようか
>> #と(笑)。

何か近々に弥白様がネットに潜る用事があるのでしたっけか。^^;;;

>> >★神風・愛の劇場 第147話 『枠』
>>  まなみ先輩が事故による繰り上げで大会に出場すると言うのは、元々そうする
>> 積もりだったので好都合でした。

好都合という事はつまり先輩には何か重大な役があるのですね。
# そしてそれは多分私が先輩に出場してもらった理由と違うっぽい。

>> #ちなみに私案では事故に遭うのは都ちゃんの予定でした(ぉぃ)。

アニメ本編でも出場し損ねているのでそれは可哀想かと。^^;

>> #ちなみに「準備運動」で「夜の」と一瞬考えてしまった私って一体…(汗)。

# それはシナリオの通りの反応です。(笑)

>>  他の部員達の心無い囁きが、まろんと都に向けられます。
>>  都の方が気にしている様子ですが、これはまろんも囁きの対象となっているか
>> らでしょうね。
>>  都だけが攻撃の対象となっていたとすれば、多分まろんの方が気にして、都は
>> 逆に気にしていない風を装いそうな気がします。

この頃になると最早何故陰口の対称になっているかを言っている連中すら
はっきりは認識していなくて、とにかく何か言ってやれという感じだと
思うのです。当然、理由が不明瞭なので言う相手もまろんちゃんでも
都ちゃんでもどっちでも良くなってます。だから両方平等に嫌味の対象。^^;;;

>>  それよりも、まなみ先輩が庇ってくれた事をきっかけにまなみ先輩と仲良く出
>> 来ないだろうかと思い始めるまろん達。

特にまろんちゃんの方は以前から憎からず思っているフシが。(笑)

>> ★神風・愛の劇場 第148話『使い道』

ノインの願いって何なのでしょうか。わざわざフィンに言ったという事は
1)フィンの助力が必要である
2)ノインが魔界へ来た理由から推測出来る様なノインの周囲の者なら
  すぐに判る様な事ではない
3)いますぐの実現は難しい
という条件を充たす事なのだろうと考えられるのですが。
# しかもフィンもそのつもりだった事…う〜ん…

警官(の娘)の勘で警察の動きを察知した都ちゃん。(笑)
メールのやりとりでは無く声での会話だったら完全にバレていたでしょうね。^^;
そして大会に向けて弥白様への闘志をふつふつ燃やす都ちゃん。
やっぱり激突は避けられないのでしょうか。
ここ暫く主要キャラがネットから遠ざかっていましたが、
同様に世間様も例のネタに飽きた様で。
# 高負荷でサーバが落ちてログが消えたのかな。(笑)

最近こまめなミストによって思い出してもらえた委員長。^^;
その他大勢では無い活躍の場があるのでしょうか。
魔王様からもたらされたアイテムによって大会では心置きなく
大暴れが出来る事でしょう。
# 誰が心置きなく暴れるって?(笑)

さて、都ちゃんの許を訪れたフィンの用事は何なのでしょう。
# それよりも本当はベッドで目覚めた都ちゃんは
# 裸なのかどうなのかの方が重要ですが。(爆)

# では次です。

★神風・愛の劇場 第149話 『留守』

●桃栗町郊外

都と帰宅途中で別れたまろん。そのまま向かったのはツグミの家でした。
また電話が通じなくなった事ももちろん心配でしたが、ほんの数日の間に
話したい事そして吐き出したい事が溜まってしまっていたのです。
都と別れた直後は普通に歩いていましたが段々と足早になり、ツグミの家に
通じる小道に踏み込んだ時には走っていました。
夕闇に浮かぶツグミの家を目にした時、漠然と感じていた不安が的中した
事をまろんは覚ります。灯りは点っていませんでした。
それでも微かな期待を込めて玄関の扉の前まで行ってみます。
するとそこには見慣れない白い物がありました。扉に貼られた一枚の紙。

ちょっと出かけています
何時までもこんな関係続けられないし
当分帰らないつもり
       ツグミ

まろんにとって、ツグミの自筆は決して見慣れたと言える程頻繁に目にする
物ではありませんでした。ですから記された名前を信じるしかありません。
信じるしか無いのですが。

「…何よ…これ…」

気が付くと、まろんはその貼り紙を扉から剥がして握りしめていました。
目の前の扉には破れて残された貼り紙の角の小片だけが白く見えています。
ふと思い付いて家の周りをぐりりと回ってみましたが留守なのは本当の
様でした。いつかの様な結界が巡らせてある可能性も考えましたが、手の
中の紙切れがそれを否定しているのではと気付いた途端にそれ以上考える事が
出来なくなってしまいます。そのまましばらく立ち尽くしていたまろん
でしたが、やがて扉に背中を向けると重い足取りで、もと来た道を帰って
行きました。



家に戻ったまろんでしたが、何もする気になれず着替えさえもしないまま
ベッドに寝ころんでいました。時々、思い出した様にベッドの下から
皺くちゃの紙を拾い上げ、目の前で拡げると書かれている文字を目で
追います。そして既に何度も繰り返した様にその紙を手の中で丸めると
何処とも定めずに放り投げるのでした。

「私への…伝言なのかな…」

相手を定めないで書かれた貼り紙の文章。しかし、まろんの知る限りでは
ツグミの家を定期的に訪れる者はほんの数名のはずでした。そして文面に
ある"関係"という言葉が指すのは単なる知り合いを越えた何かとしか
思えませんでした。だとしたら、やはりあの文章は自分に向けて書かれた
物としか考えられない。まろんは何度も同じ結論に至る推論を繰り返します。
やがてその受け入れがたい結論に渋々納得すると、今度は文面自体の意味を
もっと深く理解しようと試してみました。

「何かが」

最後に逢った時には何も変わった様子は無かったはず。だとしたら、この
数日の間にツグミの心に変化をもたらす何かがあったに違いない。
まろんはそう考えます。そうとでも考えないと、ツグミが自分であんな事を
書き残す心境に辿り着いたのだと認めなければならなくなります。
それはもっとも恐ろしい事。

離れていく…大切な人の…心が

ふっと浮かんでしまう考えを、まろんはベッドの上から跳ね起きて頭を
強く振って打ち消します。

「違うもん。何か別な事を言っているんだよ、きっと」

足下に転がっている紙切れの玉が自分をせせら笑っている様にまろんには
思えました。いたたまれなくなって紙の玉を掴むと窓を開けてベランダに
投げ棄てました。下に、地上に向けて投げなかったのは、それを行って
しまうと二度と絆を取り戻せない様な気がしたからでした。しかし紙切れを
部屋の中に置いておく気にもならなかったのです。窓を閉めてカーテンを
引くと少しだけ落ち着いた気がしました。すぐに何も変わっていない事に
気付いてしまいましたが。気分を変える為にやっと着替えようという気に
なり、のろのろとリボンタイに手を掛けるまろんなのでした。

●桃栗町の外れ

別れ道を左に進んでからはずっと一本道のままでした。まだ30分も
経っていないはずでしたが、気付いた時には空気の匂いも変わっていて、
ツグミは周囲が自然の野山になっているのだと感じました。
足下の地面は土の感触でしたが、時々柔らかい部分があります。
踏み込んだ時の微かな音を頼りに想像してみる限りでは、
それは落ち葉が積もっている場所だったり苔が生えている場所だったり
する様でした。ツグミの家の周りも似たような雑木林ですが、海沿いの
砂混じりの土地とは違う湿った匂いがしています。ほんの微かに左手方向が
明るい様に感じられるので、林の縁を通る道で左側は開けた土地なのでは
無いかと想像します。ツグミはそれを確認するために全に声を掛けました。

「全くん」
「何でぃすか?」
「道の左側はどうなっているの?」
「お花畑でぃす」
「花?」

意外な答えにツグミは立ち止まり、時折吹いてくる風をゆっくりと
吸い込んでみました。

「沢山、花が咲いているの?」
「いちめんに咲いてまぁす」
「今頃咲くなんて何かしら。匂わない所をみると水仙じゃ無いわね」
「匂わないでぃすか?」
「匂わないわよ…」

全には何か香っているのだろうか。自信が無くなったツグミは深く
息を吸い込んで沢山の空気を鼻に通します。やがて。

「あら、本当だわ。何か匂う」
「はい。良い匂いでぃす」
「そうね。何て名前の花か知っている?」
「知らないでぃす」
「それじゃ、何色の花なのか教えてくれる?」
「青い花でぃす」
「青…何かしら。思い付かないわ…」
「僕の昔のお家の周りにも咲いてましたぁ」
「そう。素敵な所ね」
「こっちも良い所でぃす」
「ええ。住めば都って言うし」
「住めば何でぃすか?」
「今住んでいる所が一番良いところって意味よ」
「なるほどでぃす」

一度匂いに気付くと、その香りはむせかえる程に強く漂って来ます。
ツグミは何時か、この場所にまろんを連れて来たいと想うのでした。

●オルレアン

夜も更けた頃、調度品だけが置かれた生活臭の無い部屋で毎夜繰り返される
会話がありました。それは傍から見れば一方通行で会話にはなっていない
のですが。扉の陰から半分顔を出しているアキコにミストが言います。

「毎晩毎晩とよくも飽きないものだ」

返事の代わりにそのままズぃと前に踏み出すアキコ。隠れていた残り半分の
顔と身体が扉の脇の壁から浮かび上がって来ます。それを見て口許を弛める
ミスト。何かを待っているかの様に立ち尽くすアキコに再びミストが言います。

「勝手にしろと言ってあるだろ。一々断わらなくていい」

微かに頷いた様にも単に身体が揺らいだだけの様にも見える変化の後、
アキコは身体をひねると窓辺に向かいました。何時もの様に黒い影を従えて。
そのアキコの背中にミストは付け足します。

「しばらくは犬仲間には会えんぞ」

アキコは途端に立ち止まり上半身だけをミストに向けてじっと見詰めています。

「出かけていて留守だ。当分戻らない…多分な」

心なしか瞳から熱が褪めた様にも見えるアキコ。しかし動きはありません。

「まぁ他に散歩の目的があるなら止めはせんがね」

薄ら笑いを浮かべているミスト。やや間を置いてから再びアキコは歩きだし、
窓を突き抜けて姿を消しました。それを見ていたミストは一人でクスクスと
声を上げて笑います。

「そうむきにならんでも良いだろうに」

それから笑う事を止めて呟きます。

「生まれた世界は楽で良い…」

ミストはそれから夜空にかざした手をじっと見詰め続けるのでした。

(第149話・完)

# 呑気な二人と、ヤキモキしているその他でした。
## 多分、2月17日終り。

では、また。

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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
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