さまざまな形で、コウモリは長距離移動を行います。
ソーシュルハナナガコウモリなど花蜜食のコウモリの中には、花の開花に合わせて季節移動する個体群もいます。
夏のねぐらと冬の冬眠地間を移動するのは、ヤマコウモリ属、アカコウモリ属、アブラコウモリ属、オヒキコウモリ属、ホオヒゲコウモリ属などに広く見られ、1700kmも移動した記録もあります。
同じ種なら全て渡りをするというわけでもなく、生息する地域によって渡りをしない個体群がいることもあります。また、より南の方まで渡る個体群は冬眠をしないとか冬眠の期間が短いということもあります。
樹洞は厳冬期をすごすねぐらには向いてないようで、樹洞性コウモリでは渡りがよく見られます。
洞窟で冬眠するコウモリに標識した例では、コウモリはほとんど間違えずに毎年決まった洞窟に来るそうです。
ところでエコーロケーションはせいぜい100mほどの情報しか手に入りませんが渡りをするときはどのような感覚を使っているのでしょうか。視覚が重要であるという報告もあるようですが、はっきりしていないようです。