6章 衣食住
   13 ガラスの花を使った実験

 ソーシュルハナナガコウモリはメキシコと合衆国南西部の砂漠で、リュウゼツランの仲間の円錐花序の蜜を食べます。グループで採餌するのですが、一頭のコウモリが花を見つけるとみんなで取り囲んで飛び回り、次々花の蜜をなめます。完全に全部の花の蜜を吸い尽くす前に、突然みんなで飛び去り別の花を探しに行きます。完全になくなるまで一つの花序にこだわると、からっぽの花に降りてしまう個体が増えて効率が悪いから、あるところで花序を見捨てた方が理にかなっているのですが、それをどんな基準で見きわめるのでしょうか。

この観察をするために、Artificial glass flowersに蜜を詰めた円錐花序で実験をしたと"Bats biology and Behaviour"の中に書いてあったのですが、Artificial glass flowersってのはどんなものだろうか、沖縄のおみやげに朝顔みたいなガラスの花があったけど、ああいうものかなあ・・・と思っていました。他にもちょっとわかり難い点があったので、元論文を国会図書館で探してみました。そしたら・・

ガラスの漏斗を使って作った装置だったんですね。  \     /
論文の中に、ガラスの漏斗にガラスの軸をくっつ     \ / 
けた装置に舌をのばして蜜をなめるソーシュルハ      ‖
ナナガコウモリの楽しい絵が出ていたので、思わ      ‖
ず共訳者のMさんに「この絵、楽しいよ〜            ‖
」とFAXで送ってしまいました。あちらでもご          ‖
家族で絵を楽しんでいただけたようで。            ‖ 
                    
40mmの高さで4mmの直径のガラス管に、開   ―――――――――
口部の直径25mmで長さ(って斜めの部分?)   |○ ○||○ ○|
20mm角度60度のガラス漏斗をくっつけます。   | ○ | | ○ |
これをボール紙の台の四隅と真ん中の計5つ固定 |○ ○||○ ○|
し、更に台は4つ用意しますから、計20本の漏    ―――――――――
です。花序は2つ用意しますが、自然界と同じよ   |○ ○||○ ○|
うに十分に離れた位置に置きます。ここに6頭の    | ○ || ○ 
群れのコウモリを放して、群れが花序を見捨てた   |○ ○||○ ○|
後に、ガラスの花にはどのように蜜が残っている    ―――――――――
かを記録します。              
                                
――――――――― w w
|○ ○||○ ○| w パタパタパタ
| ○ || ○ | w w
|○ ○||○ ○| w
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|○ ○||○ ○|
| ○ || ○ |
|○ ○||○ ○|
―――――――――

それをどう解釈するのは次のページで。

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