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[つんどく日記 バックナンバー1]
出版物購入日記。タイトル色は書籍・ムック等マンガ雑誌。書籍・マンガは満点★5つ。

NICO SAYS 小野塚カホリ/エルティーンコミックス ★★★
またエロマンガやん(笑)。エロマンガちょっと読みすぎだな、私。
小野塚カホリは不思議な位置にいる人です。同じティーンズ向けえっちマンガを、原宿モード系少女向けCUTIEコミックと、渋谷コギャル系向けエルティーンコミックという読者層の違う2つの雑誌に描いてるトランスボーダーな人。もうすぐCUTIEからもコミックス出ます。絵柄は楠本まきの影響受けてる感じでCOOL系。CUTIEで正解じゃないかなぁ。エルティーンではちょっと浮いてる(笑)。クールなんだけど、非常に女性的な体温が感じられる絵が私は好き。
エッチ系ですが基本は少女マンガ。表題作は、義理の父に乱暴され続けて(流行りかこの設定?というか、少女マンガにおけるトラウマの王道?)自分をきちんと肯定できなくなって、大好きな実の兄を自分の好きなものの全てとして病的に執着する少女と、その思いを背負いきれなくなっていく兄のお話。彼女の、いたいけで小狡くて醜い、そして切実な「私を好きでいて」という欲求が印象的です。感情のはじまりがあまりに歪んでいて、兄が自分の世界の全てでありすぎて、純粋に自分を好きだと言ってくれた人をどうやってつなぎとめればいいか判らない痛々しさ。心が壊れて全て忘れて、一番幸せだった少女時代に戻ってしまった主人公が、その好きだと言ってくれた人のことだけを覚えているという結末は、ちょっと安易ではあるのですが、なんだかとても綺麗な風景なのでした。


輝夜姫 12 清水玲子/花とゆめコミックス ★★★1/2
たぶん清水玲子の最長連載になるのであろうなぁ、の12巻。一度出てきたきりの伏線キャラとかいるしねえ。ドナーたちは意図的に世界の要人のもとに送り込まれたのではないか?という、お話の構造ひっくり返される展開が小気味良い。こういうの好きだー。何者かに変わってしまった晶の怖れがせつない。私も全然忘れてた守くんのイカした再登場とか、まだまだ先が楽しみですねー。ところで碧くんはどうなってしまったんだろう。晶にはまだ会わないんだろうか。由と碧と晶の3人がやっぱり好きな私はとても気になるところ。


センチメントの季節 2 榎本ナリコ/Big Sprits Comics Special ★★3/4
エロマンガというか(笑)。その手のシーン満載なのですが、実用的ではあるまいっていうか(笑)、叙情的で不思議なスタンスの、女子中高生を主人公に据えた連作短編集。偽名で援助交際をしてた主人公が、密かに憧れてた人を客として迎えてしまい、自分にはもう名前がない、と泣く「名前」と「本当の私」をシンクロさせた話など良かったです。でも、どれを読んでも食い足りなさを感じるのは何故かな。どれも切ないテーマを扱って悪くないんですが。過剰な感傷を込めて語られるSEXというテーマが、夢見がちというか、とても架空なファクターであるように感じられます。少女マンガ系とはまた違った「架空さ」なのが興味深いですね。コミックスタイトルと1巻のあとがき「ファンタジーとして読んで欲しい」「これを書くことで私は私の少女時代を生きなおしているのかもしれません」がシリーズの全てを語っていると思います。


フラグメンツ 3 山本直樹/小学館 ★★★
こちらもエロ系バリバリな短編集。エグい性描写激多いのでお嬢様方にはあまりお勧めできませんが、私は山本直樹とても好きなんです。上でとりあげた榎本ナリコとちょっとスタンス似てますが、決定的に違うのは、榎本マンガで扱われるSEXが、溺れる者が助けを求めて掴む藁なのだとしたら、山本マンガのSEXは、溺れていく者がそれを藁と知っていて掴む藁だということです。ってよくわかんない喩えですが(笑)。私が好きなのはそういうところ、話の全てに静かな絶望が流れていて、登場人物はみんな世界からどこかで静かに疎外されていて、その「疎外」を淡々と自覚しながら滑稽な日常(含SEX)が描写されていくところです。高層住宅群の中や学校の中、下らない大勢の人間の中での絶望的な退屈さと孤独を描いた「ぽつん」とか良かったです。テーマの読み取りとかには自信がないんで、私がそう読んでるってだけなのかもしれないんだけど。


JUN TOGAWA TOKYO AUTUMN 1998
戸川純デザインのお洋服カタログを通販で買いました。オールカラー計8ページ、送料込み1500円!(笑)厚紙一枚あたり750円だよ、すげぇ単価だ(笑)。でも中身は彼女自身がモデルになってる写真ばっかなんで(しかも写真がいい感じ)まーいっかなって気もしてくるあたりがファンね私(笑)。「低い位置に真横に引かれたラインは割腹を、タンクトップの首周りの赤はその際の介錯を、縦のラインはそれぞれから流れる血を表現しています。」すげー説明キャプションですわ。桜の花がポイントについた真紅のウインドブレーカーとタンクトップとミニスカートのセット、商品名は「三島」・・・。ああいつの時代も変わらずそこにある戸川純(笑)。この「憂国」なセット(笑)の他、レトロ戸川(小津映画戸川っつーか)、ロリータ戸川、被虐戸川と、戸川純ほぼ全パターンを網羅した4種の的確な写真&商品展開が光る、マニアにはたまらん一冊です(笑)。この「三島」がめっちゃ可愛くて欲しいんだけど限定7着で抽選じゃ無理だろうなぁ。量産してくれよー(涙)。

→戸川純の詳細最新情報のMailNews配信(無料)申し込みはJUN TOGAWA TOKYO の湯本さんまで。


BEAST OF EAST 東方眩暈録 1 山田章博/バーガーSCデラックス ★★★★
山田章博のコミックスが読める日がとうとうやってきた!感涙〜。私大好きなんですよ。このまま小説イラストレーターになってしまうのかと涙にくれていた(大ゲサ)だけに喜びもひとしおです。「ロードス島戦記」はあったんですけど、やっぱりオリジナルが読みたかったのよう。嬉しい〜。カラー絵もちゃんと入って造本も美しい。相変わらずの華麗な図絵。なんか絵柄が岡田嘉夫(橋本治「三日月物語」の挿絵とか描いてる画家)の影響受けてないか?って気もしますがまあいいやそんなこたぁ。
時は平安、羅生門の外には鬼ならぬ晩屍衣(バンシー)や互武倫(ゴブリン)が徘徊する異形の世界、グレゴリオ暦900年。唐・天竺と数々の非道をつくした妖魔、九尾の女妖狐が数千年もの時を超えて日本にあらわれ、鄙の美少女、藻にとりつく。折しも暗愚なる新帝の即位の段、天に吉兆とたばかった怪しの者どもが渡り、阿部晴明、平将門、藤原純友などの面々、また其々の思惑入り乱れ、緻密に再現された平安の装束と古代機械の鉄骨やら空行く帆船やらが同居する絢爛たる時代伝奇活劇の開幕。
幼い頃より従者のように藻を守り続けた人外の力を持つ親無し子、鬼王丸は半人半獣の連れどもを得て女狐めを倒し藻を取り戻すことが出来るや如何?宮中に魔手を延ばさんと画策する妖狐の思惑は?平安の都は妖しの力に蹂躪される所と成り遂せるのか?剋目して待て次巻!
ってなんかアツくなってますが(笑)、次巻以降もこの調子で楽しませて欲しいなー。鬼王丸がカッコいーんだよまた。うふふーん(←なんだコイツ・・・)。


バラ色の明日 3 いくえみ綾/マーガレットコミックス ★★★1/2
恋愛をテーマにした連作シリーズ。色々な感情が色々なかたちで描かれるこのシリーズ、面白いです。気持ちに右往左往する登場人物たちが良いんだなあ。不思議でCOOLな双子のお話が入っている2巻が私の中ではベストではあるんですが。
恋人を残して死んだオーストラリア人の魂に憑かれてしまう男の子の話「PIECE OF MY LOVE」が良かったです。死んでしまったピーちゃんの容姿が、意識がどんどんシンクロしてきて、彼の思いがダイレクトに伝わってきて、彼が思いを残した彼女とかわりにデートしたりするけれども、やっぱり彼はもう死んでしまっていて。切ないおとぎ話です。おとぎ話だけど都合の良い結末がやって来るわけでなく、それでも現実を日々生きていく人々が、なんだか愛しくなるお話でした。


先生! 5 河原和音/マーガレットコミックス ★★★★
信じきれずに離れていったけれども、やはり響の心をゆさぶるのは伊藤先生なのだった。ということで、不器用にふたたび心を通じ合わせる2人。読んでいていつのまにか響を応援するような気持ちにさせられてしまうのは何故だろう。街灯(月か?)の光だけが窓から射し込む夜の学校で壁にもたれた伊藤の腕の中にいる響、というシーンはなんだかとてもキました。ときめくというか(笑)、河原和音の描く風景は、読む側の中にある昔々の感覚をふいに呼び覚ますような、そんな力があるように思います。
響に気持ちを再確認させる役割になってしまった渚くんを叱咤する千草ちゃんがカッコ良かったです。そして伊藤はやっぱりいい男であることだよ。詠嘆。


こどものおもちゃ 9 小花美穂/りぼんマスコットコミックス ★★★
祝・講談社漫画賞、の9巻。羽山とも無事心が通い、さてどうなるのかなぁと思ったら、羽山のロス行きの話に打撃を受けて自覚がないまま表情が作れなくなってしまう紗南ちゃん。予想外にシビアな展開。色ボケモードを経由して、羽山への気持ちが制御できない感じの描かれ方だったしね。心の弱い部分をちゃんと描いているところがいいなぁと思います。掲載誌が「りぼん」で「自覚できない心のストレス」を題材にするのってすごいなあ。雑誌のメインターゲットである(ハズの)ローティーンの少女たちはどう受け取るのかな?
この巻はけっこうお話の繋ぎ部分だったので、感想としてはあまり・・・。展開は次巻からですね。楽しみにしとこ。それにしても羽山もいい男だが直澄くんもなんていい子なんだ。切ないわ。でももしかして次巻は羽山vs直澄の図が見られるのか?


今の私は仮の姿 平成パチンコ症候群 岩崎正人/集英社 ★★★1/2
「パチンコ依存症」=「経済的、社会的、精神的な不利益を被るにもかかわらずパチンコをやめることができない状態」についての本です。実際の臨床例をあげて、その弊害、依存症に陥るメカニズム、予防と回復、等について書かれています。巻末に全国の精神福祉センター一覧が載っている、家族の支援方法まで書かれているなど単なる読み物にとどまらず実用的(笑)。
「依存症」は 1.個人のパーソナリティ、2.依存対象との接触、3.ストレス が重なりあって発症するそうで、たとえばもともとパチンコをする習慣がある家族を持つ人間が依存症になりやすいのは2.の理由。1.のパーソナリティについて、パチンコ依存となる典型的な性格として、真面目で警戒心が強く対人関係が少なく傷つきやすい、一方自尊心が強く他人の干渉を嫌う、などがあげられています。
このパーソナリティの形成要因として語られる家族関係の記述が興味深かったです。何かに依存して埋めようとする「心の隙間」が生まれる背景として「カプセル」という概念が挙げられていました。ひとつは家族というカプセル。家族内に異様に強固な独自の掟があって、家庭内とその外との風通しが良くないと、家庭内の歪みを家庭外の人々とのつながりで中和することができず、家庭に歪みがあったばあいそれにもろに影響されてしまう。それから、家庭内で父の不在や横暴などにより母と子のカプセル(異様に強固な繋がり)が形成されるケース。この場合、父が父として役割的に機能しないのでしばしば子供が母のパートナー的な役割や弟妹の擬似親として「偽親」の役割を担うことになり、我慢したり譲ったりかばったりすることが日常となるため、喧嘩をしたり仲直りをしたりしながら他人との距離感を学んでいくことができず、長じて人間関係に支障をきたす、という図式。この「偽親」という概念ははじめて知ったのでなかなか興味深かったです。
それからストレスとの関係。なぜ「パチンコ」がストレスの解消のために選ばれるかについて、リーチの緊張感や大きな音、デジタル画像等の視覚刺激がストレスを解消し、さらに台と自分の一対一の世界に没入でき苦手な対人関係を持たなくても良い、配当などの報酬は副次的なものにすぎないと書かれています。「強いストレスは休息やくつろぎで癒すことはできない」という記述は印象的でした。軽症のストレスはリラックスすることで癒せるが、重症になると、まるで毒をもって毒を制するように、強い刺激でしか癒されないという。
私は何年か前、仕事がひどくしんどかった時、とりつかれたようにゲームセンターに通っていたことがあります。特にゲーム好きという程でもなく、自宅にもファミコン位はあったのに、私は毎日夜10時頃に会社を出てからゲーセンが閉店する12時までゲーム機にお金をつっこみ続け、仕事が一段落するまで通うのをやめられませんでした。当時ゲームをしている間も、これはうまく運ばない仕事の代償行為なんだろうなぁという自覚はあったのですが。今回この本を読んで、なんだかこの頃のことを思い出し、あのでかいアーケード機の画面とうるさい店内のBGMがあの時の私に必要だったのかなぁと思ったりしました(笑)。


壊れゆくひと 島村洋子/角川文庫 ★★2/3
久しぶりに読んだなぁ、島村洋子。太古の昔、コバルト文庫で書いてた時に何冊か読んだことはあったんですが。
身の回りにいるごく普通の人々と対しているうちに、彼らの中で、認識のどこかが現実とずれていることに気付く。ちょっと怖い話です。覚えもないことで責められたり、身勝手な思い入れを抱かれたり、彼らは自分の中だけに妄想の花園を持っていて(それはたとえば「アイドルが自分の恋人である世界」だったり「一度親しく話しただけの相手を恋人と思い込む世界」だったり)、その花園を守ろうとし、自分の花園を愛情いっぱいに語り、花園を侵そうとする者に対しては牙を剥く。彼らの中ではそれは妄想でなく真実。では真実とは何だろう?自分が見ている世界が妄想でないという保証はあるのか? だんだんと自分の世界までもが揺らいでいく感じは面白い。妄想が、もしくは妄想と思っていた世界が現実を侵食していく、またはその逆、の崩壊の過程がいささか唐突にすぎるかなという気はしますが。こういうのはもうちょっとじっくり網をはってひっくり返してもらいたい気がするなあ。最後の方はマイケル・ディブディンの「密会」(知ってる人いるかなー?(笑))を思い出したりしました。比べるにはちょっと格が違うって気はしますけど、ね。でもなかなか面白かったです。


FOOL'S MATE 7月号
ビジュアル系中心?の音楽雑誌。えらいひっさしぶりに買いました。インディーズとメジャーの線上(笑)を中心にしたラインナップの組みかたは昔と変わらないようで知らないバンドがてんこもり(笑)。勉強になります。
買ってきたのはhideの生前のインタビューが出てる中でいちばん面白かったからなんですけど。ソロ活動を振り返ってるんですが非常にクレバーで冷静な音楽論を語ってます。「日本で育って"ザ・ベストテン"を見て育ってるわけだからそういう(歌謡曲の)ワビサビを知ってるわけで、そういうのが作曲の中に出てくるのを否定しない」、外国人メンバーとやってたバンド活動の中で、歌謡曲という外国にないものを知ってる(自分は外国の曲を知ってるけど外国人は歌謡曲を知らない)ことを「武器だと思ってる」とコメントしてたのが印象的でした。歌謡曲の中にある抑揚、「盛り上がっていきたい」部分、それが日本のワビサビの強みであると。そういう、「歌謡曲」的な要素を意識して(ココ大事ね)確信犯的にキャッチーな曲を作れる人って私好きだなぁ。うん・・・hideは「好きでした」になっちゃうんだけどね・・・(涙)。
さてさて、他のバンドについてはこれからお勉強するとして(笑)、ここで注目したいのはこの雑誌のお友達募集欄。ビジュアルバンド、特にインディーズ周辺のファンは絶対数が少ない。当然身の回りにファンが少ない。ということでこういう募集欄のニーズがあるんだと思いますが。
バンドメンバー募集の「ボーカル以外全パート求む」(要するに自分がバンドで歌いたいという欲求のみがあるという)という記述は何十年も昔からのお約束ネタとして(失礼)載ってるわけですが。お友達求むの欄がスゴいっす。ひとり3行という制約があるのにバンド名は長い。だから略す(多分マッドカプセルマーケッツの短縮系「狂薬売店」には感心)。そしてアツい。「月海LOVE。当方Jスレ・Jコス。」一見して何のことやら?と思ったんですがよーく考えてみますと「月海」は「LUNA SEA」ですね。そして「Jスレ」は多分「Jのスレイヴ」の略です。JはLUNA SEAのメンバーですが、彼らのライブに行くと「ようこそ集い来たりし我がスレイヴ(奴隷)たちよ」って言われるらしい、とだいぶ前に聞いたのがガセじゃなければ、「スレイヴ」とは「熱狂的なファン」のこと。そして多分「Jコス」は「Jのコスプレしてます」ではないかと(笑)。これを押さえておけば次もカンタンです。「こちらJ奴隷、INOコス!」JのファンなのにINORANのコスプレをしてるんですねこの人は。事情は知りませんが(笑)。あと目に付くのは「狂愛」の文字。「マリス激狂愛」「共にペニに狂いましょう」(ペニシリンね)「当方清春狂愛者」「誰SLAVEでもOKです!気軽にLET下さい」誰SLAVEって・・・。そんでまた「気合イイレテカカッテコイ」とか「セメテ私ノ夢ノ中デ貴方ト踊レタラ・・・」とか気合い入ってるコメントが時々あるのよ(涙)。
あまりにも面白いのでつらつらと眺めてたんですが、思い出したのがヤンキー雑誌「ティーンズロード」の文通欄。雰囲気似てる。「裏切りナシ」はヤンキー特有の条件提示だと思ってたんですが、「裏切り嘘つき×」「裏切り、ハンパはお断り」がここにも出てきてます。ビジュアルバンドのコアファンとヤンキーは体質が似てるんでしょうか?それとも最近の若者ってみんなそうなの?違うよな?


KEROUAC! 2号
ストリートスナップ中心のファッション誌。2号が出ました。作家の巻頭言は毎号あるのね。でも中野充浩ってダレ?
今号を買ってきたのは、原宿ストリートインディーズアクセサリブランド(長いよ)「髭」の記事が読みたかったのと、「80年代特集」があったからなのでした。いわく、「ケラ!が大好きなパンクスもロリータも'80年代のリメーク版だって、知ってたかな?」ははは。なんかこの口調ヤダ・・・(笑)。野宮真貴(ピチカートファイブ)と佐藤チカ(元プラスチックス)の対談とかあります。さすがに佐藤チカも老けたなぁ(あたりまえ)。楠本まきが「トランスギャル」の図解をしてるのは面白いー。当時インディーズ人気を二分したうちの片方「トランスレコード」系アーティスト(ノイズでダークで重い)の追っかけファンのことなんですが。服が黒いひとたち。スカート長く太陽が似合わないあまり喋らないという(笑)。ちなみにもう片方の雄は「ナゴムレコード」系(テクノ・パンク系多し。有頂天とか人生(今の電グルの卓球がいた)とか)だったんだけどこっちのファン「ナゴムギャル」は頭おダンゴで小物は大中で膝上ソックス着用、基本的に今の篠原ともえがイメージ近いです。・・・やっぱり80年代リターンズなのか? 三原ミツカズの描く80年代ファッション再現もありますが、楠本まきとそうそう歳が変わらないハズなのに三原ミツカズはあまり80年代の洗礼は受けてないんですねー。けっこう意外。そして80年代用語解説も私懐かしくて目頭が熱くなりました(トシがバレますな)。東京グランギニョールなんてこのページ見るまで10年近く忘れてたわ・・・。
その他、制服をパンクにニューロマにロリータに着こなす「制服姿リフレッシュ委員会」が楽しくも大バカで面白かったです。なんか男性誌に路線変更する前の宝島に似たテイストがありますな。しかしスナップが載った子たちを「ケラたち」と呼ぶノリは如何なもんか?(笑)


Vita 創刊号(夏号)
これまたストリート系ファッション誌。K.Kベストセラーズが参入です。この系統は今元気なんですねー。ページ見開きの片方のページをファッション写真、もう片方をアイテムの紹介に使ったレイアウトが綺麗で可愛い。特にブランド別のページの、洋服のポラ写真っぽい置き方はかっこいーです。ストリートスナップも、いわゆるスナップっぽくない、ファッショングラビアっぽく撮ってて面白い。でもやっぱり読者は「Vitaたち」と呼ばれちゃうのね・・・。
なかなか気合い入ってて期待大です。でも同種の雑誌の中では表紙がイマイチ垢抜けないのはなんでだろ(笑)。あともう一つ目立つのは入ってる広告が通信教育とかエステとかタレントオーディションとか幸運を呼ぶアクセサリーとか(笑)いきなり下世話なこと。「最強競馬の法則」増刊だけのことはあるってことでしょうか(笑)


致死量ドーリス 楠本まき/FEEL COMICS GOLD ★★★★
表紙は真っ白な紙に銀色で鋏がひとつ、トレーシングペーパーの帯。フィールヤングで連載してたマンガなんですが一話ごとに配色の違う全ページ2色カラー、本文の紙にもこだわりが見える美しいコミックスです。
主人公の岸がいつもの調子でアプローチしたバイト先の客の美少女蜜。彼はだんだん、手首にためらい傷を持ち、初対面の岸に「私のことを話して」と要求する彼女の不安定な精神にまきこまれていく。自分が誰か、何をすべきか判らなかった彼女は絵描きのモデルとなって、絵描きが設定した「ドーリス」という少女を体現することでいっときの安定を得る。でもいつまでも少女ではいられない彼女は今度は岸に出会い、彼の眼にうつる少女として存在しようとする。彼女は自分を確認できない。彼が自分を必要とすることでしか、自分の足に刃物を突き立てて傷つけることでしか確認できない。狭い部屋の中で、世界から切り離された、愛ともいえない執着の中の短い日々。
・・・ってとこかな(長いぞ)。一言でいうと「狂気は伝染する」という話でしょうか(笑)。ごく普通の(でもイッてる美少女好きな(笑))青年岸の精神に蜜の歪んだ世界が投影されていくさまはせつないです。「愛」の意味なんか判らないだろう蜜が「愛してる」の言葉で岸をひきとめようとするところも。あと2人が「賭けに勝った方は負けた方の体のどこでも好きなところを切断できる」という賭けをするところはとても好きだった。
お話はゆっくりと破滅に向かっていくわけですが、特にラスト2回で「マンガ」という様式までもが解体していくところは興味深かったです。最終回は殆ど絵物語だし。いったいどこからどこまでを「マンガ」と呼ぶのだろう?とぼんやり考えたりしました。最終回に殆どマンガとしての絵が登場しないのは岸の内面では既に世界が失われているという意味なのかな。そう思わせるにはちょっと演出不足かなという気もしますが。でもそれが逆に映像的だったりするんだよね。面白かったです。

楠本まきファンページ「うみがめのかい」はこちら。


ジェニーズコレクション J.C.製作委員会編/ジャパン・ミックス ★★★★
タカラから発売されてる着せ替え人形、ジェニーシリーズの人形(ドール)や服、小物を1986年に登場以来の歴史を追って紹介したビジュアルブック。発売からの各モデルやお友達ドール、主な服のシリーズ等が載ってます。
ジェニーシリーズ好きなんですよ〜。特に買ったりはしないんですが、お友達とか服とか雑貨とか見るのが好きで、おもちゃ屋さんに行くと必ず売り場をチェックせずにはいられない私です。ジェニーシリーズというのは、リカちゃんシリーズより少し対象年齢が上で、お人形遊び+洋服のコーディネイトを楽しむ、みたいな商品展開になっております。お洋服がまたリアルなものも多く、レプリカ/ミニチュア好き心がくすぐられてしまうのだ。当時の流行りの洋服だったりするんだよね。ナカノ・ヒロミチ、ナイスクラップ、フィオルッチなどのデザイナーコレクション、振り袖にウエディングドレスに夜会服にシャネルスーツ、ピンクハウス系ワンピに水着に民族衣装シリーズ、限定品のJALの制服に宝塚音楽学校制服、ロイヤルウエディングセットのローブデコルテと十二単、Jリーグ応援グッズに長野五輪記念スキーウェアと板のセット、なんでもありです。今の小物にはPHSも使い捨てカメラもあるし。
ジェニー本体も髪形が違うバリエーションやマイナーチェンジモデルなど、すごい種類出てるんですよね。お友達ドールが製造中止モデルを含めほとんど掲載されてて嬉しかったです〜。30人位載ってて幸せ。顔しか知らないドールの名前がだいぶ判りました。都立浅草高校在学中のトンガリ少女(死語)・大徳寺貴更と小麦色の肌にアンクレットの牝豹系美人・エリー、スイス生まれのピュアな甘えん坊さん・アベル、あたりが好きでした。羽根扇もってボディコン着てるジュリアナとかスーパーモデルのナオミとかドレッドヘアでソウルブラザーなトムとか、これまた時代が感じられるお友達もいるのだ。
ということで、眺めてると至福な時間が過ごせる素敵な本でした〜(バカだなぁ私・・・)。98年製品として紹介されてるストリートダンサーモデルが気になる!新お友達ドール、なんかレディスチームのアタマ張ってそうな強気な眼をしたミツキ15才が気になる!おもちゃ屋さんに行かなくちゃ!(でも最近なかなか置いてないんだよねー、アニメのキャラクター人形とかに押されて・・・)

(株)タカラのページの中のジェニー製品カタログページはこちら


天使禁猟区 11 由貴香織里/花とゆめコミックス ★★★1/3
実の妹である紗羅と愛し合い追われる刹那は女性体の天使である救世使アレクシエルの生まれ変わりだった。その力を欲する天使に奪われた紗羅を追って刹那は異界へ身を投じ天使の陣営と敵対する・・・というお話でしたか、もともと?(笑)。覚えてられねーや・・・。
地獄編終了、至高天篇へ。ストーリーそのものは感想を述べるほど進んでないように思うんですが・・・。作者が「ページが足りなくて詰めこみまくり」と書いてる通り(笑)舞台の切り替えがめまぐるしくて、前の巻で誰がどこで何してたか思い出すのに難渋しました。だいたいこの巻の主要な登場人物だけで20人近くいるもんなぁ(数えた)。舞台も「地獄→地上→窖(アナグラ)」と移動する刹那をはじめ、「レテの川辺でアレクシエルと逢う七支刀=吉良」「メタトロンの夢の中から別次元に干渉するウサギ(笑)」「ザフィケル宅(日本家屋(笑))」「セヴォフタルタとその監視下にあるジブリール=紗羅」が錯綜、しかもザフィケルの過去話はあるわ弟子のラジエルくんの地下都市でのエピソードはあるわもう大変。
私は基本的に紗羅ちゃんびいきなのでお話の発端である刹那と紗羅の恋の成就を望むばかり。今回2人の邂逅があって嬉しかった。刹那男前だわ〜。でも吉良先輩(=ナナツサヤ=もしかしてXXXの王?)とアレクシエルの輪廻する愛憎も気になるなぁ。特に刹那とアレクシエルは魂共有してるだけにどうなっちゃうんでしょ。あとアラクネがカッコ良かった。泣けるわぁ。・・・と、作者の描く凝った世界構築にも関わらずあたしゃ人間関係にしか興味がないんか、って感じですが(笑)。お話の世界設定はかなり好きなんです。舞台となる異界が、なんて言うんでしょう、「世界」としてのなかなかの説得力をもって描かれてる感じで面白いです。


雪の女王 藤田貴美/ソニーマガジンズコミックス ★★★1/3
表題作はアンデルセンの童話より。雪の女王にとらえられた幼なじみカイを捜すゲルダと彼女を捕まえた山賊の首領の娘のお話。名前もない、争って勝つことしか知らない、外の世界も愛する方法も知らない誇り高く孤独で不器用な娘のキャラクターは切ないですね。昔やはりこのお話で旧ソ連で製作されたアニメーション(凄い良いんだこれが)の話を思い出しました。この作者も見てるんじゃないかなー。救いがあってほっとするけど、カイなんか出さなくても良かったんじゃないのかなぁ?ちょっと中途半端な感じ。
それより同時収録の「真夜中のアヘン」「肩越しに月」の方が印象的でした。こっちの方が昔に描かれてるんですが、ほんの1年ほどでめちゃめちゃ絵が変わるんですね〜。前の絵の方が好きだわ。「肩越しに月」はなんか凄いです。高校生男子の成績優秀な殺し屋がはじめて女性をターゲットにすることから、もういない母への確執をよみがえらせて猟奇殺人者になるまでのお話・・・。ターゲット殺しが主人公の中で「母殺し」かつ「母子相姦」的な執着にすりかわっていくあたりが作中で一切言葉で説明されずイメージのみでほのめかされてるのが逆に怖い。ラストも放っぽりっぱなしだし。白泉社時代から藤田貴美の書くマンガには、精神的に壊れてしまっている人が頻繁に登場するのに(例えば恋愛マンガの相手役などにも)、その「壊れている」ことをことさら強調せずその悲しみを語ったりせず、ただ壊れている人を淡々と日常的な風景の中で描写しているような作品が時々あって、それは薄ら寒くもあるんですが妙に心惹かれます。なんでかなぁ。


聖痕 1 渡辺直美/Amie講談社コミックス ★★★
人間の能力を最大限にひきだす実験のモルモットいう境遇から逃げ出し、狩りから身をひそめて暮しているサイキックの若者たち。彼らの元に以前特別プロジェクトに連れていかれたきり姿を消した仲間、如羅があらわれる。しかし少女だった筈の姿は男性に変わり、強大な力を身につけていた。彼女の恋人だった嶺至、いちばんの女友達だった遙も、神への進化の梯子を登ろうとする最初の実験体サイファの野望にまきこまれていく。しかし如羅の望みは覗き見た未来の嶺至の死を阻むことだけだった・・・
渡辺直美はごひいきで、別冊少女フレンド時代からずっと追っかけてます。もともと彼女の描く等身大の若者話が好きだったのですが(「ジェネレーション序曲」は名作!)、ダークな心理劇やオカルト物を経てサイキック物などSFチックな方向に行っちゃってて不満だったんです。SFとしてのお話の作りがちゃんとできてなくてつまんなかった時期がしばらくあって。このお話は近未来サイキック物なんですが久々に割といい感じかも? 期待してます。
如羅の決然としたキャラクターが泣かせるなあ。殺戮する者へと変わってしまった葛藤や嶺至とのすれ違い、自分の意志でなく性別も立場も変わってしまったことの悲しみ。「守ってやる」(しかも力で)立場に立つことの悲しみってのは少女マンガ独自のものかも。ともあれお話はまだ始まったばかり。今後が楽しみです。


火車 宮部みゆき/新潮文庫 ★★★★1/2
やっと読了。小説読まなくなっちゃったなぁ・・・。買い逃すと店頭からなくなっちゃうんで買うだけは買ってるんですが。
怪我で休職中の刑事が親戚の青年の姿を消したフィアンセのゆくえを、そして過去を追っていく話なんですが。彼女がなぜ自ら姿を消したのか、彼女は誰なのか。
いやぁ面白かった〜。「追う」ということで少しずつあきらかにされていく彼女の姿はもちろん、それに協力する人たちや主人公の刑事の身の回りの人々の人柄やエピソードも折に触れて描かれ過不足がない。実に常識的でどこにでもいそうな「巷間の人々」たちの描き方には愛があります。宮部みゆきってすごいなあ。「不在」である彼女の存在、彼女の悲しみが浮き立ってくる。短編では時折洒脱にすぎる感のある文章もきっちり締まってけれん味のない程よさで。「追う」ということは(広義の)「愛する」ことのプロセスにも似ているような気がするなぁ。なにより最後の幕切れ、あそこで筆を置く作者の文章書きとしての「粋」さには感動しました。


MARS 7 惣領冬実/講談社コミックス別冊フレンド ★★★★
王道少女マンガ、なんですが(笑)。
引っ込み思案な少女キラとしょうがない遊び人だった零、2人のどこか孤独な心が通ってハッピーエンドな話かと連載当初は思ってたんだけど、まだまだ色々あるようです。零の元彼女やら双子の兄弟に自殺されたトラウマやらの話が一段落したと思ったら下級生の美少年(笑)牧生が登場。零の中の冷酷な部分に共感してそれをひき出そうと画策する牧生、自分の中の破壊衝動を恐れる零、零を「こちら側」にとどめようとするキラ。・・・やっぱり惣領冬実ってすごい。感情のテンションが下がらないというか、切迫感のある物語を描き続けられるのってすごいことだなぁと思います。しかも同時に少女マンガ・恋愛マンガであり続けてるところも。ストーリーも面白いけど絵もとても好きだなぁ。次の巻ではキラの過去の話になるのかな?
ところで別冊少女コミック時代の「THREE」も講談社から再刊行するんですねー。「ボーイフレンド」もそうだけど、作品全部持って移籍って感じ?


あるエゴイストの憂鬱 中山亜純/FEEL COMICS GOLD ★★★
美人で派手でブランドバリバリの竹を割ったようなワガママ女の脚本家・優里と男前で遊び人でロンゲのイマドキ男子高校生・颯、十歳離れた血のつながらない姉弟の2人の微妙な恋?のかけひき。弟を「ノーブルな顔のケーハクな男」のエゴイストに育成をはかる姉。タラシの割には根本が純情野郎で本命優里に手が出せない、というか負けっぱなしふりまわされっぱなしの弟のラブコメ、というよりはがんばれ少年・いー男になるんだよ系グローイングアップストーリー(笑)。年上女の夢ね。って感じがしないでもないですが、楽しかったです。ちょっと絵が変わったなぁ。昔の絵の方が好き。
こういう豪快ねーちゃんとちょっとタルイ美形少年のお話って最近よく見るような気がするなぁ。美少年(この単語ヤだ(笑))育成系。一条ゆかりとか。育成系といえば西村しのぶとかもそう? 自身がブランド大好きのスノッブ女であるマンガ家さんがお年を召してきて自分の煩悩に忠実なマンガ描き出したのかなぁ(笑)。あ、中山亜純はもとから年下系か。こういう話描く人たちって、「完璧なオトナの男にあまやかされ&見守られ&育成される少女」の話も必ず描いてるよね。
でもこういう、モノに対する愛が溢れてる人たちのお話って楽しいです。物欲と「モノ」への評価が人生の中でリアルなの。例えば男にプレゼントされるなら、そのプレゼントのスカした趣向やブランドセレクトで愛と人格を測れる人種。すがすがしくてそういうの好き。


ご近所物語 7 矢沢あい/りぼんマスコットコミックス ★★★★1/2
最終巻です。これまた元気が出るお話で大好きでした。主人公のミカコがデザイナーという自分の夢に向かっていく話で、孤立したり迷ったり、でも心にはメラメラな情熱持って進んで行く。好きな事のために懸命な主人公を描くこういう話をりぼんみたいな低学年誌で語ってくれるのってなんか嬉しいな。まわりのみんなもすっとんだキャラだけど存在感あって。勇介とバディ子と歩の関係とか切ないよー。彼らに限らず、仲間と一緒で楽しい中にも、青春の日々は過ぎていっていつまでもそのままじゃいられない、という切なさなんかも感じちゃったりして。あと出てくる子たちのファッションが今時のストリート系学生って感じでかっこいーんだよね。
連載終了後に描かれた「復活編」も同時収録。これ本誌で読んだときは、「なぜ描く必要があるの?」って思っちゃったんです。ミカコの妹とリサの子供と修ちゃんの子供が同級生で、って、都合良すぎない?って。でも本編と続けて読んだら、本編のストーリーともあいまって、この作者が描きたかったのは過ぎていく人生の中でいつも心の中にある、幸せな場所の記憶なのかな、と思って、ちょっとしみじみしちゃいました。そういう場所があるといいね、って。(またドリーム入ってるよ私(笑))
ところでこの巻のツボはキラキラ星人星次さん。やられた!って感じですわ(笑)。


多重人格探偵サイコ 2 田島昭宇(原作 大塚英志)/角川書店 ★★★
多重人格で殺人犯の主人公の過去、多重人格となるきっかけの幼少時の事件が明かされていく気配。猟奇殺人事件と絡んで徐々に謎が見えていく1巻に比べていきなり話の展開のスピード感がなくなったような気がする。犯人に共通する眼球のバーコードっていうのはツボなんですけど。熱帯魚用のポンプで自分の血を吸い出して自殺するってのはどうよ?一見気が遠くなったまま死ねそうで気持ちよさそうだけどきっと途中で貧血状態で吐き気に襲われながら死に至るんだぜやだなぁ、ってどうでもいい話なんですが。造本と作画は相変わらず綺麗です。グロいけど(笑)。


絶対音感 最相葉月/小学館 ★★★★
車の音でも自分の脈の音でも、鳴っている音階が判る。ピアノの鍵盤をでたらめに叩かれても何の音が含まれているか判る。何も聞かなくても正しい「ド」の音が出せる。はじめて聞いただけのピアノ曲が弾ける。そんな「絶対音感」を持つ人たちと、その能力が先天的なものか教育で身につけられるものなのか、その能力は音楽的な才能とどのように関わっているのか、絶対音感を持つことイコール音楽家として優れているということなのか、などなどを丹念にレポしたノンフィクション。後半「絶対音感」というテーマから外れて五嶋みどりとその母のエピソードとか、「音楽とは?」とかの話に踏み込んでてテーマが拡散したところはいただけませんが、でも、面白かったです。とにかく、そういう世界を持っている人がいるんだなぁということが。絶対音感の持ち主には、音と同時に特定の色やイメージを感じ取る人が結構いるそうで、そういう人たちは私と同じ音楽を聴いても感じてるものが全然違うんだろうなと思うと不思議な気がします。音の基調となる「ラ」の音は日本では440キロヘルツなんですが、それが体に染みついている絶対音感の持ち主が、外国で「ラ」を442キロヘルツで弾かなければならなくなってその2キロヘルツの違和感に苦しむ話とか、興味深かったです。
絶対音感は幼児期の音楽教育が重要なようなんですが、余談ですが私は幼児期にやってたのがピアノだったんですね。この本読んで自分で色々試してみたら、判らない音をとる時、頭の中に鍵盤を思い浮かべてるのに気付いて(ここ何年も鍵盤なんて見ていないのにも関わらず)ショックでした。例えば最初に触ったのが弦楽器だった人なら、違う音のとらえ方をするのかなぁ、なんて思ったりして。
そしてさすが小学館。安いです。1600円だもん。ノンフィクションの本でこの程度の厚さで2000円切るってのはすごい新鮮でした(要するにいつも大きい出版社の本は買ってないってことね)。メジャー出版社の力を見せつけられたよーな気が。


先生! 4 河原和音/マーガレットコミックス ★★★★
河原和音のマンガは、「いかにも少女マンガ」です。高校生モノで恋愛モノでなんだかんだあった後の優しいハッピーエンド(「先生!」は4巻時点ではすれちがってるけど。)。でも読むとハマってしまうのは、そこに描かれてる「普通の」感情のリアルさのせいかもしれません。人生で一番センシティヴで愚かな(笑)ハイティーン時代の、なんてことない出来事にひどく揺れ動く感情とか、他人を好きな気持ちをもてあます不器用さとか、自分の中に昔あった気持ちが読んでてガーッとフィードバックしてくる感じがするんですね。この連載も、先生と生徒のラブストーリーと聞いた時は、なんだかなぁ?と思ったんですが、やっぱり読むとハマってしまうのでした。
4巻は「先生!」の収録部分は2/3位。渚くん登場で波乱の予感。残りはバレンタイン話「チョコレート戦争」を収録、もうほんとうに少女マンガの王道な展開で王道な結末で、ありがちな話っちゃそうなんですが・・・幸せになれます(笑)。
あ、あと河原和音のマンガで好きなのは出てくる男性がかっこいーとこ。王子様ってんじゃなくて(笑)、あぁ隣でこんなこと言われたら惚れる〜(笑)っていうリアルな「カッコ良さ」なんです。手とかデカそうなのもポイント高いわ。作者と男の好みが似てるんだろうか?「先生!」の伊藤先生はほんと、いいです。伊藤・・・いいよなぁ・・・。(←もしもし?)


創 4月号
各界メディアやマスコミの動向を比較分析する雑誌、のようです。ちゃんと読んだことなかったんですが、この号の特集が「出版社の徹底研究」でつい買ってしまいました。メディアミックスで絶好調の角川書店、悩めるマガジンハウス、TVザウルス休刊・女性自身の低迷と御難続きの光文社などなど、なかなか面白かったです。(「週刊宝石」「FLUSH」とスキャンダル雑誌を抱えているためTV雑誌の取材に支障が出るという話は興味深い・・・。女性週刊誌はジャンルごと低迷してるそうですが、そもそも女性週刊誌を読む層が減ってるんだと思うけどどうなんでしょ)「噂」の範囲を出ない記述も多々ありますが(笑)。連載陣も鶴師一彦(宅八郎と小林よしのりの悶着に一役かっていた元「SPA!」編集長)・鈴木邦男(元右翼活動家)・松沢呉一(何と形容したらいいのだ・・・性風俗評論家か?)と地味ながら大変うさんくさくてよろしいです。あと読者欄の20代読者のやたらにアツい投稿の数々には微笑みます。


ポケットの中の君 冬野さほ/マーガレットコミックス ★★1/2
「ツインクル」を本屋で常に横目で眺めては通りすぎている私ですが、マーガレット出身のかたとは知りませんでした。びっくりしてつい買っちゃいました。高校生ものと子供ものが半々。ポップでスタイリッシュ。マガジンハウスに移って正解でしょうね。「少女マンガ」に必須の判りやすい情動がない感じ(笑)。ちっちゃな子供の名づけられない日々の感性を描くみたいなのがこの作者の持ち味だと思うんですが、私のツボはどっちかというと高校生モノにありました。クラスメートに惹かれる少女の気持ちのひっそりした始まりと終わりを、具体的な言葉の説明全くなしで描いた「she loves you」が一番面白かった。とても映像的で興味深かったです。


少年残像 由貴香織里/花とゆめコミックス ★★1/3
連続少年殺人犯とストリートボーイの愛と狂気(と裏表紙に書いてあった)。・・・うーん(笑)なんだか読んでて照れてしまったことです。あまりにもまっすぐで(笑)。少年期のトラウマの呪縛と解放と歪んだ幸福あーんど運命の恋(この話の場合ホモセクシュアルだけど)、ってきっと誰もが一度は描いてみたくなる題材だと思うんですわ。その誰もが一度は憧れる系の話をそのまーんま描いてる感じでねぇ。しかもすごい思い入れ込めて描いてるのが伝わってきちゃってその青さに照れるわ?って感じです。ごめんねひねくれ者で(笑)。お話としては好きなんですが。でも巻末の初校のラフとかあらすじとか見ると、お話が洗練されていってる経緯が判ります。当初のお話のままだったらますますいたたまれなかったであろう(笑)。少女ヴィックを登場させたのは大正解ですね。同時収録のお話も・・・私この人の昔の絵がもう全然ダメなんです・・・。なんかアニメっぽいっていうかオタッキー系の絵で。ああ「天使禁猟区」を今の絵で読めて良かった。


こどものおもちゃ 8 小花美穂/りぼんマスコットコミックス ★★★★
なんだかマンガばっかり読んでますが(笑)
小花美穂はすごいなぁ、と思います。りぼんらしい絵でりぼんらしい話で、でもテーマは決して軽くなくて、登場人物それぞれがそれぞれに持っている傷や軋轢を乗り越えようとしてて。読んでて励まされちゃったりします。いい歳して、りぼんコミックスに(笑)。
出てくるキャラクターがみんな愛おしいんですよ。一生懸命で、がんばって前を向こうとしてて。サナちゃんも直澄くんもいーんだけどやっぱ羽山だよ。羽山っていい男だよなぁ。惚れるわぁ。・・・中学生だけどな(笑)。


カプセル・ヨードチンキX 石原理/ビブロスゼロコミックス ★★★1/2
人口子宮で生まれ育った電脳の街の落とし子たちが活躍する、近未来ハッカー系アクションもの。このシリーズ好きなんです。何が好きって登場人物が与太者(死語)で乱暴者でがちゃがちゃ暴れてるとこ。あと、サイバーな話なんでコンピュータ系の近未来的小道具がいっぱい出てくるんですが、それが比較的リアルで泥臭くて、SFマンガによくありがちな「夢見がちな機械」じゃないとこも好き。
シリーズ一冊目「カプセル・ヨードチンキ1」では、主人公の天才ハッカー克郎とシーナはあくまで大人に対する青臭い反逆者って位置をKEEPしてたんですが、この巻では割と社会に適応しつつ(笑)事件にまきこまれてる感じです。
最後に収録されてる話は街に擬したシステムの中に「ダイブ」してハッカーを捜す話。これぞサイバーパンク!って感じでなつかしいです。これはこの巻全体に通じてることですが、扱うのが0か1かのコンピュータの話だからこそ、そこに投影される叙情性ってんですか、これまた正しいサイバーパンクの系譜って気もします。美しいプログラム、再生される記憶、生命学から論じる魂の所在。世界を機械とコンピュータに象徴される論理と規律に還元しようという試みがすでにおロマンスさんっていうか。
それにしても複製された脳細胞に宿った意志がネットワークの中に住みついて再生するってのはよく考えると気が遠くなるような概念ですわ。あと、プログラムの仮想街の中で「バグ」が文字通り虫に擬せられてるのってあんまりイメージとしてピンとこないなぁ。複数の「ダイバー」がプログラムの中を自由に歩きまわれる仕組みって、何人もの作業者が平行して動きまわれるデバッガって感じかなぁ。そんなのがあると超便利だなぁ(笑)。 追記:乱丁があったんですね・・・。言われるまで全く気付かなかった私の注意力っていったい。


蝶々のキス 片岡吉乃/集英社マーガレットコミックス ★★★★
「クール・ガイ」を買おうかどうしようか迷ってたら新刊が出てしまった・・・。
少女の15才から18才までの夏の風景を書いた連作です。はっきりとしない破綻が育っている家庭、うまく意志を通じることができない「一応つきあっている」男の子、でも日々はなんてことはなしに流れていて、自分がどこかで傷ついていることにも上手に気付けない主人公と、あまり学校にも来ないで釣りばかりしている少年との無口で不器用な触れ合いが描かれています。
無自覚なまま語られていく痛みと解放のドラマがとても印象的でした。すごく繊細なお話です。
・・・というわけで、また「入ってる」モードでお送りしましたが(笑)いや、ほんとに良かったです。 出会いが最終的に目に見える何かをもたらそうともたらさなかろうと、出会ったことで何かが変わっていって、出会ったことに意味があるんだよね。(←まだ入れ込んでる)
個人的な考えなんですが、マンガというメディアが生まれたことによって、昔なら多分文学の分野で語られていただろうことがマンガで語られるようになったんだなぁとか思ったりして。


Teens Road 4月号
たぶんいまや日本で唯一のヤンキー向け雑誌。70年代後半から80年代、ヤンキーが流行ってた(?)頃は、他のティーンズ雑誌(popteenとかセブンティーンとか)にもヤンキー系の匂いが多々あったもんですが、今やこの雑誌がヤンキー文化を担ってる感じです。・・・なんかよく判らないんだけど1年に1回ぐらいとり憑かれたように買ってしまうんですよ(笑)。ヤンキー文化の趨勢をチェックしたくなることがあるんだ(←なぜ!?)。ああ今は特攻服の足部分にも刺繍が入るんだな〜とか、セーラー服に刺繍入れたりするんだ〜とか、さすがにリーゼントは減ったなぁとか(笑)。ちなみに初めて買った動機は「ピンナップについてた名古屋のレディースの総長が激烈美人だったから(三原順子似)」です。7,8年前の話。ナニモノやねん私(笑)。うん・・・なんか好きなんだよヤンキー(笑)。
あと改造バイクのページがあまりに馬鹿者でつい買ってしまうことがあります。ヤンキーの改造バイクってカウル(バイク前方のプラスチックでできたガード部分)とテール(後尾につながるケツの部分)がとにかく高いのがいいみたいで、ほんとに天高くカウルがそびえたってるんですよ!地上3mくらい(笑)もちろん本来の、バイク本体の防護という目的なんか果たしゃしません。しかもそれにキティちゃんとか稲中卓球部とかのペイントが施された日にゃ(笑)。もう潔いものを感じてステキです。
さて、この号から版型も新しくリニューアルされました。見た目、ちょっとバイク雑誌に近くなったかな。最近やはりヤンキーだけでは紙面がもたないのか、VIPカー族(ソアラとかセルシオとかを改造する人々。シャコタンにごっついフロントが基本。その他竹槍マフラー、内装がチンチラ、等)の記事が半分位あったんですが、リニューアル後はその割合が減り、「ヤンキー系投稿雑誌」(「カワイイ!」とか「egg」とか、いわゆるコギャル雑誌のヤンキー版)にシフトするのかな、って感じです。しかし記事は「総力特集 暴走族は死なず」「全国暴走族MAP」などまだまだ硬派バリバリ。元総長対談やヤンママのページ、ファッションページ、広告ページでは通販で特攻服もカラスマスクも買えます。出産祝い・七五三に最適の子供用特攻服もあるよ。ヤンキー全盛時に比べ多様化している「不良」のタイプ別比較検討ページ「不良ってどんなヤツ?」にはファッション別分類などもありますが、他の雑誌では見られないであろう「ギャング系」「お水系」とかが登場。女の子は今の主流は「モード系」なのかぁ。とにかく重要ポイントは「内面は硬派」であることみたい。
投稿された写真とか見る限り、コギャルと見分けがつかなかったりしますが、やっぱりヤンキーはヤンキー独特なものがあると思います。文通欄に条件として頻繁に出てくるフレーズ、「裏切りナシで」「ウソのない人」というのを見ると、やっぱりそう思います。


パーム第23巻 愛でなく 9 伸たまき/新書館 ★★★1/2
このシリーズも十数年読み続けてます。初出見てびっくり。一年に一冊しかコミック出ないんじゃん(笑)。世界環境会議と自然保護運動、キャラクターたちの恋愛や感情、自然や世界や生への神秘や畏敬、色々とストーリーは絡み合って進みます。今回、のめりこむ対象を見つけたジェームズがなんだか切なく感じられます。
ほとんどこのシリーズだけを書き続けている伸たまきはすごい人だと思います。もう彼らの人生も起きる出来事も、全て彼女の中に明確に存在するんでしょう。彼女は彼女の中にある「物語」を描き続けているだけ(こういうのに弱いんだ私)。そして、時の流れに対して人間(個人としても種としても)は無力で、だからこそ人の生は愛しい。ってカンジ。
個人的にジョゼ・ルージュメイアンとフロイド・アダムズのペアがお気に入り。行け行けジョゼ!(笑)


サイキック・スパイ  ジム・シュナーベル/扶桑社ノンフィクション文庫★★★★
CIAの要請のもと、超能力の軍事利用がひそかに研究されていた。アメリカで1970年代から80年代にかけて行われていた遠隔透視の研究についてルポした興味深い本。
とてもエキサイティングで面白い本でした。「遠隔透視」という能力の不思議さ。能力者たちには目的の位置等の事前情報は思い込みが生まれるだけの不要な要素だったようで、立ち会い人が、本人も中身を知らない資料をファイルに入れて持ち、示すだけで、彼らは行ったこともない場所の様子をイメージすることができたようです。
例えば対象の建物の、昔の姿を透視してしまったり、実験者が無作為に道を選んで辿りついた場所の風景を事前に透視する実験が数多く行われていたり、対象として示された建物でなく、その近くにあった軍事施設を透視してしまったり、うーん、透視っていったいどんな力であるのだろう?
能力が透視者のメンタル面に依存する、結果の確実性が全く予測できない(今までの成功率がどうであれ、次の透視が正確であるかどうかが保証できない)、透視以外の手段より有用であることが証明できない(透視でしか得られない答はその妥当性が検証不可能)、など軍事利用という目的に対して致命的な要素が数々あったようで、政治的なバックアップを失い、研究がだんだんと衰退していく様がほろ苦く書き出されています。時節柄ニューエイジや宇宙意志とやらに傾倒していく能力者がいたり、確かに能力はあると思われるのにインチキまがいのアピールを繰り返す売名志向のトリックスターがいたり(なつかしのユリ・ゲラーなども登場します)、さまざまな人間模様も描き出されています。大変面白かったでーす。満足。


火車 宮部みゆき/新潮文庫 ☆未読☆
今頃購入・・・(笑)。だってやっと文庫になったんだもーん。図書館では常に貸し出し中だし。
彼女の小説は、ちょっと重めのが好みです。職人的に読ませるのが上手な人って印象があります。・・・さて、いつ読めるんだ?


夢の碑 20巻 木原敏江/小学館 プチフラワーコミックス★★★★1/2
12年(!)に渡るシリーズの最終巻です。これ私たしか1巻から発売と同時に買ってるよ(買ってないのもあるけど)・・・年とるわけだぁ。
室町時代の能一座を舞台にしたお話「渕となりぬ」完結。もちろん「恋ぞつもりて渕となりぬる」からとられたこのタイトルは、シリーズを象徴する言葉であったのだなぁとしみじみ。このシリーズで描き続けられたのは、常に、それが募るあまり「魔」になる程の強い気持ち、執着、恋、といったものでした。強く求めるあまり心の深淵があきらかになる、鬼にもなれる。
そしてもれなく歴史物であったこの物語群は、すべてが「昔々、そんな風に生き死にした人たちがおりました」という、おとぎばなしの中の出来事です。はるか昔の愚かな、愛しい、懸命な人々のわざは、読み終わった瞬間に「物語」の彼方に逃げてしまい、私は現代にとりのこされて、あとにはただ風が吹いているばかり。
作者の大昔の作品「アンジェリク」というマンガを思い出しました。中世ヨーロッパ・アメリカを駆け抜け、貴族社会から盗賊の一味へ、強い目をして生き抜いた少女の長いドラマは「昔、娘がおりました・・・」という台詞で終わります。この人の書きたいことはずっと変わっていないんだ、と、なんとなく思いました。
・・・とまぁ、ちょっと夢見がちな感想を書いてみましたが・・・読んでる方、引いてます?入りすぎ?(笑)。大好きなシリーズだったので終わっちゃうのはやっぱりちょっと寂しいです。最終巻は収録の他作品がイマイチなのと(ヨーロッパモノと現代モノ。あ、でもこの西洋モノは日本の古典説話(ネタバレのためタイトルを秘す)の西洋アレンジですよね)、ここ2巻ほどの絵柄が私の苦手な方向に行ってしまってて残念なので、上記の★は完結記念御祝儀でひとつオマケ。


Smart 3/9号・ポパイ 3/10号
ちょっと久々にお洋服雑誌を買ってみました。ちょっと気になるブランドがあったんで。・・・なぜか男性誌(笑)。理由。気になるのはストリートブランド系なんだけど、女性誌買っても年齢が邪魔をして実際に着れやしないからかえってストレスが溜まるんだもん。それにこっち系はメンズのほうがスタイリングが保守的で素人にもとっつきやすいから(笑)。なんでもいいけどポパイっていつのまに版型変わったんだ?昔はHDPと同じサイズだったよーな気がするんだけどちょっとタテ長になってますね。
今の時期、どの雑誌でも春夏モノ新作紹介の季節でございます。小物もいっぱい載ってます。とりあえず黒夢の清春がアクセサリーのブランドを持ってることを知った(笑)。主なモチーフは般若。・・・般若か・・・(笑)。ポパイにはアクセの特集ページがあって興味深いです。ふむふむ、お勉強。
なかなかに面白かったんで競合誌もチェックしたくなりました。ということで詳しいコメントは後日・・・の予定。


Duet 3月号
すいませんいきなりアイドル雑誌です。草なぎくんのソロページがあるんだよ。・・・じゃなくて。なんでこれをSMAPページじゃなくてここに書くかというと、V6のイノッチこと井ノ原くんが最近面白かった本として見沢知廉の「囚人狂時代」をあげてて驚いたから。アイドル誌で見沢知廉の名前を見るたぁ思わなかったよ。これ、↓のムックタイトルにも使われてるんですが、元ネタはこっち。元右翼幹部の、ゲリラ事件等で投獄された時の体験記なんですね。かなり驚いた。SMAP稲垣くんが島田雅彦について語り出した時よりもV6坂本くんやSMAP草なぎくんが沢木耕太郎の話をしてた時よりも驚いた。あなどれないわ、イノッチ(笑)


別冊宝島361 囚人狂時代 ★★1/2
「ムショ体験」がテーマのムック。刑務所内での生態記録、犯罪者たちの人物像など。
別冊宝島を読んでると時々「世の中にこんなにヤバイ人がてんこもり」という方向への思考誘導が感じられるんですが、これもご多分に漏れず。出版物のロフトプラスワンってなカンジ(意味不明)。刑務所の体験記とかイッちゃってる犯罪者の人物記とか結構面白いんだけど中途半端っちゃ中途半端。一つ一つのテーマが食い足りないってのもこのムックシリーズのいつも通りではあります。とりあえず一冊読み切るとダークな気持ちになれます、ってことで。




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