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出版物立ち読み日記 タイトル色は書籍・ムック等マンガ雑誌


[99.1〜]
an−an
今ハヤリの美容師特集で、東京のスーパー美容師を紹介されても地方に住んでる私には関係ないんですが…噂のヘアカット勝負番組も放映されてないし。ただ魚喃キリコが描いている体験レポが妙に面白かったのです。静かでセンシティヴな話を描く人なので(いや「ハルチン」とかのお気楽系もあるけど)なんとなく先入観があったんですけど、はじめて見た彼女の写真は普通のアクティブっぽいオシャレさんで実に誌面になじんでるし、マンガも文章もどっちかというとお笑い超特急系(どんなんだ、ソレ)でけっこう裏切られました。いい意味で。一人称「オレ」だし(笑)。今まで気がつかなかったけどこれ連載なのかな?なんか面白いよ。
ところでan−anには室井佑月もダーリンとのラブな身辺雑記を連載してるんですが(ダーリンについても色々取りざたされてるようですがここではおいときましょう)、作者紹介に「ディープな交友関係には既に大物感さえ漂う。」みたいなことが書いてあるんだけどこれどうなのよ(笑)。作家としてはルーキーな彼女、既に「大物感漂う」交友関係が売りなのか?(笑) いや昔から文壇(笑)にはそういうポストってのは連綿とあるわけで(様々な仕事を転々とした後(水商売必須)デビュー。作品のエロティックさがオヤジの話題になる一方女性誌で恋愛についてレクチャー。無頼派の作家に可愛がられる男気も持つ。等々)、彼女のキャラクターのあまりの申し分なさもちょっと感動的ではあるのだが。


COMIC an−an
表紙が安野モヨコ。CUTIE COMICと見分けがつかない(ちなみにこっちも今号の表紙は安野モヨコだ)雑誌が創刊されました(笑)。魚喃キリコとかも描いてるあたりはCUTIE路線なんだけど、亜月裕の作品とかカラーが浮きまくってるしなあ(笑)。「CUTIE COMIC」と「YOU」と「コミックCUE」あたりの路線がまぜこぜになった何がしたいのか判らない雑誌で今後の動向が非常に気になります(笑)。創刊時点でこんなに寿命短そうな匂いがするのもどうよ。
そしてふと気付くと祥伝社からも「super FEEL」なる同系統の雑誌が出ててこれまた表紙が安野モヨコ…。なんだかなあ。すごいね天下とってるね(笑)。こっちの雑誌はFEELの三原ミツカズとかがスライドしてきてるから寄せ集め感は少ないんですが…。とりあえず古屋兎丸のマンガを女性誌で読むのって新鮮だわ。


週刊光源氏/なあぷる
本屋の古典文学の棚に平積みされてて思わず立ち止まって手にとってしまいました。女性週刊誌を真似た表紙で(サイズも同じ)、写真のかわりに平安チックなマンガイラスト。そして中身はレイアウトも記事内容も全て女性週刊誌のページ風の「源氏物語」の紹介です。立ち読みなんで正確には憶えてないですが、「追悼・桐壺更衣 壮絶宮中いじめの事実!」「オトコの本音・品定め座談会」「光の君にロリコン疑惑!?」とかそんなん(笑)。なんかすごいぞ。裏表紙には書道通信教育の「紫の式部ちゃん」のマンガ入り広告があるし、広告は「明石名物タコ」とかだし、連載4コママンガは「がんばれ末摘花ちゃん」だし、特別寄稿の菅原孝標女さんも「源氏物語」推薦の辞を寄せてるし、遊びまくっていて楽しいです。一体誰が買うんだよコレ〜、と思いながらも読みふけっちゃったよ(笑)。


TEENS ROAD/ミリオン出版
が休刊ってホントなんでしょうか!コンビニで「投稿写真」立ち読みしてたらそう書いてあったんですけど! (てゆうか何故そんなもの立ち読むか。女がエロ本コーナーに近づいた瞬間そこにたむろする殿方の間にとても居心地悪そうな空気が走るのには申し訳ないと思っているよ…) 一生懸命検索かけてるけどそんな話題ひっかかってきやしないっす…。ホントなら淋しいな…。日本でただ一つのヤンキー雑誌。たとえ時代の主流から外れようと、振り向けばいつもその書棚にあったヤンキー文化、だったのに。やはりヤンキー総合雑誌を支えきれないほど読者層が減少してるのかしら。そりゃ今の世の中、昔ヤンキーに憧れたような子は間違いなくコギャルになってるよなあ。ヤンキー文化って考えてみれば80年代の音楽界におけるヘヴィメタル熱みたいなもんよね。皆が「アレがカッコいいと思っていたオレ」にちょっと照れつつもオバカだった自分がなつかしいでしょ、ねえイエモンの人(笑)。もしくは80年代のバイク小僧の間でレーサータイプのバイクが流行ったみたいな(ますますわかりにくい)。気が付けば伝統を守り愛する一部の継承者だけがその世界に残っている幻のメインカルチャー。…しみじみ。
しかしそれならなおさら、その編集者の残党が作ってるらしい「どかっ!」をGETしなくては!いったいどこに売っているのだ!なにしろヤンキーならやっぱりコレだろ!な携帯着メロ「ゴッドファーザー」とか載ってるらしいし!(笑)


トカイモン/小学館
また謎な雑誌が…。大ざっぱにいえば「ストリートカルチャー誌」なのでしょうか。東京のXX線沿いそれぞれの街角の若者のショットを撮ってみたり。松本大洋とか描いてるし。「KERUAC!」とかのファッション流行系の雑誌よりもさらになお、彼らを「カルチャー」として切り取ろうとかそういう意志が感じられる(笑)。載ってる写真とかがとても「死に体」なニオイがするのが「リアル」で「カルチャー」ってカンジ!(笑) しかしこのタイトルはどうなの…。この雑誌ってうちの地元みたいな地方小都市の本屋の片隅で、東京に憧れる青少年に何やら都会的な香りを放つためにあるのであろうか。それにしても巻頭のホンマタカシの写真(ゲーセンの少年たち)とのに合わせた糸井重里の「がっこーどこって?オレの名はって?名前なんかでオレの何がわかるってーの?」みたいなダルい若者代弁系ポエム(ではないのか?巻頭言?セッション?)がめちゃめちゃカッコ悪いと思うのは私だけでしょうか(涙)。なんか…とても仮想な「ダルさ」を感じるんだよ…。


音楽維新 創刊号/ロフト出版
しばらく本屋に行ってないうちに色々なものが創刊されているなあ。判型小さくて厚い音楽関係インタビュー雑誌。「レコードコレクターズ」のサイズといえば判るでしょうか。妙におちついた「音楽と人」みたいな感じかしら。モノクロのグラビアを多用したインタビュー記事は感じイイです。巻頭は石井竜也で聞き手はリリー・フランキーでした。リリー・フランキーの本業ってイラストレイターだったの!?知らなかったよ! 感想1:遠藤遼一は年々外見が若返っている気がするのだが気のせいだろうか? 感想2:横道坊主ってまだ解散してなかったのか…(失礼な) 感想3:コラム連載の大槻ケンジ、いくらなんでもちょっと枯れすぎじゃないのか大丈夫か。


だって、欲しいんだもん! 中村うさぎ/角川文庫
借金しても衝動買いに後悔しても欲しいものは欲しい、お買い物女王の買い物とそれにまつわるモロモロの顛末記。本編のエッセイは正直言って週刊文春の同氏の連載の方が数段面白いですが(こっちの連載の方で、ティファニーが銀製のメジャーを出した事に対して、ヴィトンは未だに「トランクなんか使用人に運ばせる層」前提のブランドイメージでクソ重いトランク売ってるのにアンタんとこはどーゆー顧客イメージ設定してんだ、メジャーで窓でも計るんか!とツッコんだ回には大笑いさせて頂きました)、この本は斎藤学による巻末解説の文章が実に素晴らしいです。
斎藤学はアダルトチルドレンあたりも扱う精神医学の人ですが、ここでは筆者である中村うさぎの行動を「買い物依存症」の臨床例として実に粋な文章で解説していて心地良いです。判りやすく簡明で、何よりシニカルな文体の中にも依存症を患う人への愛情が感じられます。特に印象的だったのは、依存症の人は皆が何かにハマっている時の脳の興奮、分泌される興奮物質を求めてる訳でなく、興奮すればそれに拮抗するように分泌される鎮静物質を求めている場合があるということ。例えば手首を切らなければ眠れない人が何で手首を切るかというと、手首を切ったことで自分を生命の危険に晒して脳を臨戦態勢にすること自体ではなく、そうやって興奮した脳を鎮めるために強い鎮静作用のある物質が分泌されることが目的であるということ。
で、これは何の説明であるかというと、借金大王の中村が引っ越し前の区役所から住民税の徴収係の訪問を受けてパニックを起こし深く深く眠ったあとやおら出かけて意味なく買い物して帰ってきたことに対する解説です。彼はパニック状態の後の眠りが、興奮に対して脳内で鎮静物質が分泌されたことを解説し、しかしそれでは鎮静具合が足りなかったのでさらなる興奮を(つまりその後のさらなる鎮静を)求めて買い物に出かけて行くという結論は依存症のシステム的には実に正しいと説明するのです。そして買い物以外の別の手段でその刺激を代替するならば、バンジージャンプをお勧めするとまで口走るお茶目ぶり。うーん私はちょいとホレました。なんか知らないけど文章に職人ワザを感じました。ステキだわ斎藤先生。でも解説のために買う気持ちにはならなかったの(笑)。


Thrill 創刊号/バウハウス
新しい雑誌が創刊される時、表紙の感じを同じ流派の雑誌に合わせる、というのはよくある話です。…ということで、「Smart」風デザインの表紙を持つメンズファッション誌の創刊です。表紙を飾るのは、ああ彼のビジュアルにこのバンドは幾度救われて来たことであろうか、と時々感慨深く眺めることのあるSOPHIA松岡くんです。でも表紙も中のグラビアも、キミは清春の線を狙うのかい?といった感じでちょっと不思議なんですけど。私松岡くんのややニューロマ系の格好がえれえ好きなのでそっち行ってくんないかなあダメかなあ。
見てくれは「Smart」ですが中身はもうちょっと一般寄り、メンノンとかに近い感じ? メンズファッションページのオシャレさん度に比べ、「街で見かけた可愛い娘」コーナーに載ってるのが全員ギャル系バリバリだったりするあたり、なんかツメの甘さを感じさせてある意味イイ味出してます(笑)。椎名林檎のアラーキー撮影グラビアなんかもありますが、やっぱり本職じゃないだけあってキャミソールとか着ててもヨゴレ感がいまいち中途半端かなー。男の子モデルとオールヌードの女性(草凪純でした)を配して洋館で撮った「世紀末」テーマのファッショングラビアページ、なんかテイストがそこはかとなく四谷シモン入ってる感じで(それって何が入ってるんだろう(笑))、カッコ良かったです。


[98.12〜]
死体のある20の風景 伊島薫/光琳社出版
雑誌「Zyappu」(創刊時「ジャップ」)に連載されてる、女優さん・俳優さんを死体という設定で撮影する「不連続殺人事件」シリーズの総集編の写真集。第一部が終了し、第二部が連載中のこの中途半端な時期に本にするのはナゼ?ちょいと不思議。帯の裏に、この帯を外して読んで下さいと書いてあるのもかなり謎。解説文はもしやローマ字?と思ったらさすがに日本語も添えてありました。なつかしーなー、創刊号持ってるよコレ、と思いつつ、3800円は高いのでつい立ち読み。
あらためて思ったのは、これに出る女優さんって度胸があるな、ってことでした。時々本誌を立ち読みしてた限りでは、なんとなく「死体写真」というものに幾分美しい幻想を持ってた(ナゼ?)んですが、まとめて見てみると、伊島氏のカメラは対象の女優さんを実に残酷に、命を持たないある種醜悪な「肉体」「モノ」として映し出しています。撮られてまだ「女優」の顔をしている人よりも(そういう人もいる)、女優としての美しさを捨ててノーライフな「モノ」になりきっている人の方に凄みや力を感じるのは面白いところ。でもやっぱりちょっと幻想持ちたいワタシとしては、「モノ」ながらもちょっとロマンチック入った写真の方が好みでした。男子便所でヴィヴィアン着て死んでる篠原涼子とか、広田玲央名(漢字教えてもらいました(笑))と吹越満の荒野の結婚衣装着た死体とか。


CUTIE
篠原ともえの対談ゲストにフィッシュマンズ。ちょっとSMAP吾郎ちゃんつながり!とか思ってしまう、所詮SMAP中心に世界が回ってるアタクシ。でも吾郎ちゃんの名前も出てくるよ(笑)。ところでフィッシュマンズ、いつのまに2人のユニットになってたんですか!?知りませんでした。2年ごとに1人ずつ脱退していくんですが…。どーなんでしょうか…。佐藤氏が残っていればいーんでしょうか(そんなぁ)。


東京髪型
東京に住むさまざまな若者たちの髪型を撮った写真集。…ってそのまんまの説明だな(笑)。様々な髪型の青少年が紹介されています。頭部のみだったり全身写真だったり、横からのショットだったり上からだったり、いろいろ。金髪、赤い髪、青い髪、ピンク、モヒカン、ドレッド、エクステンション、縦カール、原宿系のキテレツな髪型にいまや稀少なヤンキーのパンチパーマ、コギャルの茶髪、普通の子の黒髪。いわゆるストリート系の雑誌と異なるのは、ファッション写真ではなく記録写真であって、ちっとも「綺麗」でも「オシャレ」でもない、若さゆえの油がたぎってるような(笑)匂いがすることです。そういう点ではなかなか面白くはありました。バリエーションの問題で原宿系(ストリート・パンク系)の子の写真が多いんですが、渋谷・コギャル系の写真をどうせ入れるなら若者人口比くらいに入れたらかえって面白いものになったんじゃないかと思うんですが。ヤンキー系の女の子とか入ってないし。何がやりたいのかいまいち判らない。イッてる髪型を見せるだけならストリートフォト系の雑誌見れば充分だし、さりとて橋口譲治の「17才」あたりの感じを狙うにしては、モデルたちの「事情」が写真から透けて見える程の力も感じないし。
ところで序文書いてるのが宮台真司なんですけどさ。髪型の男女比が感じられなくなっている、というあたりからはじめて、そういうトランスセクシュアルな奇抜な髪型を装う新時代(失笑)の若者を称して「髪型自由族」とか命名してます。……「髪型自由族」だって。……だっせえ(涙)。オヤジすぎ。どーせカマすならもーちっとシャレたこと言ったらどうだ。コギャルにナメられてもやむなし。


山田花子自殺直前日記 完全版/太田出版
山田花子と言ってもお笑いの人にあらず。「ガロ」等に執筆していた特殊漫画家・山田花子が92年に24才で飛び降り自殺した直前までの日記その他の文章がおさめられています。96年に出版されたものの改訂版。旧版を持っている私は気になって新しく加えられた部分を立ち読みしてきました。
対人関係がうまくいかず、他人を観察・分析しては彼女なりの対人のノウハウを講じつつも折り合えず(普通に対人関係が結べる人にはそんなノウハウなんて必要ないのだ)、そんな自分とも折り合えず、仕事にも人生にも妥協ができず、ひいては分裂病を患うことになった作者の壮絶な記録です。この本、真剣に読むと自分の中でどうにか押し込めてきた自分の暗部がひきずり出されるような気がして大変ツライものがあります。私は初めて旧版を買って通読した時すごくヘヴィーな気持ちになってしまい、それきり通しで読むのを避けてたりします。人見知りで苦労した経験のある人間にとっては程度の差こそあれどこかイタいところを突かれる部分があるんじゃないかなあ。「世の中のほとんどの人と波長が合わない」と絶望する彼女の泣き言は、遠い昔に私自身が味わった感情を呼びおこします。まるで「宮崎某はオレの代わりに犯罪を犯したのではないか」という妄想思考にとらわれる大槻ケンヂのようにね。過ぎてみればその感情を「いつかどうにかなるものだ」と呑気に振りかえる事ができますが、彼女はその「いつか」まで正気で生きて耐えることができなかった、それだけの違いです。
旧版より全部で20ページ位増えてるでしょうか。恋愛関係について綴った文章と、旧版を出版した後のお父上のコメント、それから旧版に寄せられた読者の声。…うーん。お父上のコメントは興味深いですが、この読者コメントってどうなんだろうかなあ。「完全自殺マニュアル」出版後、寄せられた感想でもう一冊「ぼくたちの完全自殺マニュアル」とかいう本をでっちあげた太田出版らしい企画でありますが。もともとが「自殺マニュアル」と違って非常に個人的な感覚を綴った本だからなあ。特に山田花子本人を知らず話題になったから読んだ、という人も多いみたいで、理解できないとかもうすこし前向きに考えられないのかとかいうごく普通で健康な感想を延々読むのは非常に退屈でした。こんなの入れる位なら他に収録するものがあるんじゃないのかなあ。「ガロ」の追悼特集号に載ったコメントとかで再録されてない分とか入れて欲しかったな。


casa nuova 1月号/光琳社出版
インテリア系の大判雑誌。ほぼ全ページがグラビアで、小物とかが色々載ってて綺麗です。行きつけの本屋ではじめて発見したんですが、けっこう前から出てた雑誌なんですね。
面白かったのは新見清(美術論の方のようです)のコラム「私説箱狂い譚」。世の中には「箱」を、また、箱に代表される「包装」という装飾を愛する人がいる、その一人としての筆者の行動(中身はいらないから箱だけ包装してくれないかとデパートで頼んで断られたり、好きな本でも装丁が好みでないとカバーを剥がしてしまったり)や、「箱好きであること」についての考察。ご多分に漏れず私も「箱好き」「包装好き」でして(笑)。誰に何をあげるわけでもないのにギフト用包装セット売場が大好きだったり、バレンタインの季節には各社のパッケージデザインを見るのを目当てにチョコレート売場をうろついたり、全然中身に興味がないCDでもパッケージデザインに心惹かれて購買意欲と戦ったりするタイプなので、とても興味深かったです。いわく、「箱好きは、中身の意味深長な主義主張にこだわらないし、精神の、肉体に対する優越を説かない。」「外側というのか外の殻というのか、そうしたものがいつも気になる人がいるのではなかろうか。」そして箱を手にすることは自分の手の中に世界があるということであるし、また、箱が世界として自分を包むことでもある、と。そして箱好きには「ミニチュア」(彼の表現に従うと「ミニアチュール」)好きでもあるとの考察はパンチでした。確かに私も「ミニチュア」に弱い…。それは小さな別世界を手の上に眺めることが好きなのか、小さな別世界の中に閉じられることが好きなのか。そして確かに私は人の「外の殻」としての表現が気になる人だったりして。いやあ参りました。
ページには新見氏の手になるらしい箱のオブジェが載っていて、これがなかなか素敵です。布や紙を貼って飾ったた箱とその中におさめられた小さな枝やボタン、それぞれに「第七官界彷徨」や「見えない宮殿」などのテーマが付されてます。その写真にもコラムの内容にも心をくすぐられて欲しくなっちゃったんですが、さすがに3ページのために1200円は出せませんでした(笑)。高いよなぁ〜。


CUTIE
表紙デザインが妙に雑多な感じでおいおい「カワイイ!」(コギャル雑誌)か?とまず驚き、表紙モデルがひなの&IZAMなのに気付いてまた驚き。2人でグラム特集のモデルやってます。しかし2人揃えてみると外観が濃ゆいカップルだなぁ(笑)。いろんな意味で「不詳」って感じ。今までの芸能人がモデルになったグラビアを集めて作った来年のカレンダー付。裏表紙の市川美和子うさぎがカワイイです。


egg
表紙がいきなりシブかったので他の雑誌かと思ってびっくりした。あの猥雑なテイストはドコに?って感じでセブンティーン見てるみたい。でも青木のあ嬢がソウルシスターに変身して街を散策する巻頭特集(このワンショットが表紙になってるのね)以外は相変わらずでオバカちゃん記事もいっぱい載ってます(笑)。投稿欄の「あたしたちこんなにバカです〜」自慢大会みたいな写真のオンパレードは微笑ましいです。若いっていいなあ(笑)。それにしてもギャル系の雑誌ってコメント欄の文体がすごいハイテンションで年寄りには読みにくい。つーか疲れる(笑)。こんな文体会得して見たい気もするけど。ところでこの青木のあってダレ?色んなとこで見よーな気がするんですがegg専属の人? そんで、なんでみんなそんなにローリン・ヒル好きなの?一度ちゃんと聴いてみるべきかしら。


週刊プレイボーイ
集英社から出るらしい写真集「定本 菅野美穂」からの先出しグラビア。カンノちゃん自身が芸能界に飛び込んでから現在までを語ったりもしてるみたいです。今見ると髪の長い彼女はほんとに少女って感じで印象が違いますね。何年か前の写真と同じ場所、同じポーズで撮ってる写真(木に登ってるとこ。「走らんか」の頃かな?)が良いです。全体的に写真が良さそうで、出たら見たいなぁ。写真集ってたいていビニールかかってるからなかなか立ち読みできないんですよね。
プレイボーイのグラビアって凄く好きです。若手の女優さんを撮る時に、同じセクシーな感じでも、ニュアンスのある写真が多いから。後ろにドラマや感情の動きが見えそうな写真が好きなんです。あと、あまり崩しすぎてないやつ。「芸術」ではなく「女優さんの表情演技」が見たいのかもね。プレイボーイあたりだとちょうどいい感じ。写真集にまとまらないことも多いんだけど、そのために買うというのも何かなーと思ってしまってなかなか買いませんが。本文ほとんど読んだことないし(笑)。


[98.11〜]
パパママストア VOL.1
出版コードはムックなんですが形態は雑誌なのでここでは雑誌扱い。SWITCHを横に延ばして正方形にした感じの版型で紙質はスタジオボイスみたいな画用紙系。芸文社から出てる、写真雑誌と言っていいのかな。表紙には広末涼子がどーんと。巻頭では小山田圭吾のクールな一日を撮った企画(めくってもめくっても続いてちょっとどうしようかと思った(笑))。特徴的なのは、撮った側のコメント・解説が一杯載ってること。前にも話題にした「写真家のモチベーション」重視なところが面白いです。でもこれは良し悪しかなー…。実際の写真の好き嫌いと、それを撮った写真家の意図に共感できるかどうかというのは必ずしも一致しないんだなということが判明(笑)。たとえばこの号に載ってる広末涼子の一連の写真はとても良いんですが、カメラマンの都築浩一氏に関する記事は読まない方が楽しめたかも。フォトセッションの様子の描写は興味深かったですが。結局写真を撮られることも一種の「演技」であることが判ります。写真自体も好きだなー。涼子ちゃんを実に贅沢に使ってます。変わったところでは足元のアップ写真があって、先が丸くて踵のないワンストラップ(ストラップ太い)の革靴に微妙にたるんだグレーの靴下だけが映ってるんですが、その写真からちゃんと少女性みたいなものが伝わってきてどきっとしました。面白かった。
しかし連載らしい森山大道の写真の魅力はいまいち私には判らんのですが、きっと王道な良さがある…のかしら。彼の写真を見てると榊莫山先生の書でも見てるような気持ちになるですよ。なんつーか、「それからどした」って合いの手入れたくなるの(笑)。多分私に写真の力強い息吹を感じる感性がないのでありましょう。
面白そうな雑誌です。しかしその印象を裏切るのが2人の発行人の対談形式の編集後記。出来た雑誌が自慢なのは判る、大変だったのは判るが「なんでこんなマニアックな企画思いつけるの?」「マニアックかなあ?一般誌じゃないから編集は難しいけどまだまだネタはあるよ」果てには「俺たちメジャーには合わない人間なのかもね」わー!恥ずかしいこと言いなや!雑誌を床に叩きつけて踏みたい衝動にかられるじゃないかオイ。そーゆー「俺って変わってるって言われるんだよねー(密かに自慢)」系の発言はカンベンしてよ恥ずかしいから。いや誰しもそういうお年頃ってあるとは思うんだけどさ(笑)、人間言わない方がカッコいいこともあるってもんだろう。折角出来た作品が割とカッコいいのにもったいない。



コミック特集。しかし特集ページ以外にあまり読むとこないなぁ…。しまおまほの魅力がどうも判らないのは私だけなんだろうかなー。昨今のワイドショーにおけるマリアンのタレント価値と同じ位ナゾだわ(どっちにも失礼)。
面白かったのはthe brilliant greenと小花美穂の対談。ブリグリのメンバーが「こどものおもちゃ」のファンということでこの顔合わせです。連載終わったんですね。連載の終盤にはかなりヘヴィーな精神状態になってたという作者のコメントとか、ストーリーが重くなってから大人の読者が増え、子供たちが離れていったのが判ってたとか、色々興味深かったです。ブリグリのTOMMY(この通称も定着してんでしょうか。ボーカルの川瀬さんです)は「冷たい花」の歌詞を書く時に「こどものおもちゃ」の紗南と羽山を思い浮かべてたとか。ちょっと気になるので次の機会にはちゃんと歌詞を聴こっと。その他、千原兄弟と花くまゆうさくの対談とか。千原のビデオ出るんですね。見たいな。千原Jrの文章がちょっととりあげられてましたが、彼の文章は私には直球すぎてかなり恥ずかしい(笑)。以前月刊カドカワとかで読んだ時も思ったんですけど。やっぱりワンクッション置いて芸に反映してるのを見る方がいいです。芸人さんな訳ですから芸としての表現が一番合ってると感じるのは実に良いことだと思います。


break!
以前ここにとりあげた時はかなり失礼なこと言ってたんですが、久しぶりに手にとってみるとレイアウトのダサダサ感は割と解消されてるし、インタビューや記事も「これからブレイクしたい人」のための雑誌、って感じに統一感がとれてきてて、おーいいじゃんって思ったんですが。(山口リエとグレチキの芸能界デビューと今までの足跡対談は誰かの励みになるのか?=彼らの今の位置は目指すべき目標でありえるんか?という疑問はおいといて)
今号のツッコミどころは別の箇所にありました。いや別にツッコもうと思って読んでるわけじゃないんですが。女性アイドル特集。今やお茶の間には殆どその存在さえ知られてない正統女性アイドル継承者、水野あおいとか森下純菜とかのインタビュー。インタビュアーって一種黒子的存在じゃないですか。もしくは読者の代理。私、ジャニーズアイドルにハマってる関係上(笑)、アイドル雑誌は読み慣れてますが、これ読んで、今まで読んだことある記事ってインタビュアーの存在を気にしたことあまりなかったなあと思ったんですね。意識させないためにはある程度の文章技術ってもんがあるんだなぁと。編集した会話の記録を読んでて、読むことが苦しくなったのははじめてです(笑)。とりあえずインタビュー後のまとめの文章が夢見るポエムのよーなのは如何なもんか(笑)。インタビューした人って相手にすっごい思い入れてる人なんだろうなー、インタビューできて嬉しかっただろうなー、と見知らぬマニアくんの心情を思って目頭が熱くなりました。…嘘です(笑)。


[98.10〜]
週刊文春
近田春夫の連載「考えるヒット」。15年位前彼は月刊明星か平凡かの付録歌本で新曲ひとことレビューをやっていて、その時の視点のコアさにもかかわらず「これはヒットする!」と予言しては外れていた印象が強く幼少の私の心に残っており(笑)、そのせいかこの連載もいつも話半分で読んでしまう不真面目な読者の私です。しかし今回 globeの歌詞について、真実はついていても格調に欠ける、「認めるけど好きじゃない」人が多いのは値段の安い言葉づかいのため? という論述から、小室氏を俵万智に似ているかも、としてたのはおおお!と感心してしまいました。そうだよな!と思ったのはSMAPの「SHAKE!」に対して「今時「チョーベリベリ最高」でもないだろう」と書いてた時以来だわ(笑)。なるほど俵万智。「チョコレート語」とか言っちゃうあのベタさと照れのなさ。でも小室氏にしろ俵氏にしろ、世間にはそこらへんの言葉がお値頃感の人がそれだけ多くいる(ってこれは貶めてるとかいうわけでは全然なく)からこそあれだけ売れるってことなのかなあ?


POPEYE 10/25号
秋冬のファッション誌って夏に比べて目の保養度が高いです。対象物である服の表面積が広くなるせいでしょうか?(笑)。
さて、お洋服系雑誌にはいくつかのタイプがあると思うんです。
1:お洋服鑑賞系。コンセプト重視。服をモチーフにして美しい絵を作るかの如きグラビアとか。
2:お洋服紹介系。こんな服が出てるんスよ、カッコイイでしょ?というお洋服カタログ的雑誌。
3:お洋服指南系。服の紹介の他、コーディネートはこんな風に、とかこの服は買い、とか色々オススメしてくれる。
別にそれぞれ流派があるという訳じゃなくて、それぞれの雑誌を傾向で並べた時の座標という感じでしょうか。形而上から形而下に連なる一本の線って言ってみるとカッコイイですね。って何言ってんでしょうか私は。個人的には2の紹介系雑誌が好きです。1はグラビア見てもどんな服か判らなくて想像力と鑑賞眼のない私には時々ツライのねん。
POPEYEは主に3のタイプに入ると思われます。この号では「女の子に好かれる服」を研究してくれちゃうのだ。「これがモテる服のツボだ」「モテる小物はコレ!」「人気ショップに頼んでみました「モテる服、下さい」」と目次におどるタイトルの数々。いいなぁ判りやすくて(笑)。スニーカーは支持率低下中、インディアンジュエリーも不評だそうだぞ(笑)。「カッコが汚くてもこれさえ持てば育ちが良さそうに見える魔法のトートバック」って何やねん…(笑)。
とても面白かったのが、女性の読んでるファッション誌別「彼に着て欲しい服」特集。女性誌全面協力。JJ、anan、mcSister、olive、spring、Zipper、Fine、Cawaii! と出版社を超えて計8誌について、解説と共に男女カップルをスタイリング。(ところでspringって創刊されてそんなに経ってないよねぇ?流派として確立してるとは思えないんですがどうなんでしょ?)狙う女の子の層に合わせて服を選ぶといういじましさもたまりませんが(笑)、なんかこれって一種の「擬態」っていうか、企画そのものがコスプレに近いもんがあるよな(笑)。楽しいー。こういうのって、自分の好みから世界が外れれば外れるほどそのノウハウが興味深いですね。異文化を覗くって感じ。「色で迷ったらとにかくグレー」とか指示が具体的なのもいいやね。JJカップルの男性の服がよくわからない…。うーん私にはおぼっちゃまを見る目はないってことか。個人的にはmcシスターカップルのお洋服が可愛かったです。難しそうだし私のトシでは着れないけど(笑)。
それぞれの雑誌読者層に対するコメントもなにやら愉快で。コギャル系雑誌Cawaii!読者の男の好みへのコメント「背が高いってだけでもモテるらしい」…バカにしてる?(笑) サーファー系雑誌Fineの「顎ヒゲをはやしてるってのがファイン的」ってのも笑ったぞ。「一年中短パンで過ごすくらいの元気がないとファイン的にはアウト」体温高いのか!?(笑) なんか色々ツッコむところも満載で楽しかったですわ。


gap
女性誌のとこにあったんですけど「FASION WITH LIVING」というコピーで中身は家具や内装・小物などのグラビアが多くて「商店建築」を立ち読みしてる気持ちになりました。綺麗な雑誌です。
興味深かったのが荒川修作のインタビュー。詩人マドリン・ギンズとの共作になる東京臨海都市の設計が都のコンベンションで特別賞をとった方です。その「宿命反転都市」のコンセプトはここらへんを見て頂くと大体判ると思うんですが、住空間を従来の「住みにくさ」「住みやすさ」という基準でなくスピリチュアルな存在理念でとらえた作品。迷路のような通路、傾く外壁、まあ芸術のヒトだからね、と思ってたんですが、この対談読んで、彼がこの計画を実現すべく投資家を募っているというのを知って腰が抜けそうになりました。……誰が住むねん。少なくとも遅刻しそうになって一分でも早く住宅地帯から出たい人とかは住まないんでしょうね。「こういう計画は国家予算で実現するのがいちばん良い方法なんでしょうが日本の政治家や官僚にはそんなアタマノイイヒトはいませんね。」何ぬかしてんねん(失礼)。それアタマノイイヒトとかじゃなくてアタマノキレテルヒトの間違いだろう…。やーゲイジュツってすげぇな。
同じく彼の作品であり町おこしのテーマパークとなっている「養老天命反転地」(一度行ってみたいけどあまりに遠い)は平衡感覚を狂わせる空間というコンセプト通り観光客が転倒して手すりがつけられちゃったりしてるらしくけっこうトホホな気がしてたんですが、きっとそのまま転倒させたりとか骨折させといたりとか(笑)した方がきっと荒川氏の本意であったんであろうな、とちょっとしみじみ。

岐阜県養老町のページの中にある養老天命反転地ページはこちら
養老天命反転地の愉快かつシニカルな体験レポが読める「ばかけんちく探偵団」はこちら。オススメ。


CODE 創刊号
音楽とメンズファッションの雑誌。KKベストセラーズ、またもファッション雑誌創刊です。女の子向けの「Vita」は好調らしく独立して創刊したし、このジャンルは勢いがありますね。巻頭記事(表紙も)はミッシェルガンエレファントのインタビュー。レイアウトもなかなかいい感じですし、お洋服ページの写真も綺麗で心地よい。売れて生き残って欲しいなぁと何となく思います。
ストリート風のカップルをモデルにした荒木経惟のフォトセッションが載ってるんですが、この写真がこの雑誌の他の雰囲気から明らかに浮いてるのがとても不思議です。何て言うんでしょう、普通に撮れば「今」的な題材でも、彼が撮ることによって途端に画面から猥雑さとか生々しさが滲み出てくる感じがするんですね。不思議だなぁ。
そして私が以前気になってたシンイチロウアラカワの展示会に使われたジェニーモデルが各ショップで2タイプ×限定500体販売されるという記事が載ってました。一体 \19000。・・・どうなんでしょうか(笑)。ジェニー人形としては高いしアートとしては安い、ってとこかなぁ?


IMPACT ON
こちらも新しいメンズファッション雑誌です。何やら参入激しいなあ。学研から「CD HITS」の増刊として出てるんですが…これは…。何なんでしょうねぇ。とりあつかってるブランドや載ってるお洋服は上のCODEや他のSmartやメンノンあたりとそう変わらないのに、この決定的なダサさは何に起因するんだろう。とほほ。「追随を許さない6大ブランド」特集、のこの「追随を許さない」という言葉選びから匂いたつブランドヨイショの姿勢とか(笑)、「秋/冬にこれは絶対手に入れたい!」とかいうデカいゴシック文字が躍ってたりとかそこらへんのトホホ度もあるんですが、全体の画面デザインの居心地の悪さが一番の原因かなぁ。誌面見てお洋服を見るヨロコビがあまりないです…。安い通販カタログみたいっつーか。何といいますか、昔同じ学研が出してたアイドル雑誌で「ベストワン」てぇのがありまして、これがまたアイドル誌の中でも写真がいまいち垢抜けず、常に「…どうなのよ?」って印象の雑誌だったんですが、ファッション誌の中のポジションとしても似てる気がいたしますです…。…がんばれ、学研。


文藝 winter
掲示板で話題になった別冊を探しに言ったのですがバックナンバーを置いてる店はみつからず。ついでに久々に本誌を立ち読みしてまいりました。季刊だったのね。扉のロゴが「summer」になってるのはナゼ?
出版界の月刊カドカワって感じでしょうか(笑)。若者向けなんだろうなぁ。なんか今はなきウオンバットを思い出すなぁ。(ご存知でしょうか?いとうせいこうが「解体屋外伝」とか連載してた90年代前半に出てたネオ文学(笑)雑誌)
特集はJマガジン。「日本の雑誌」じゃいかんのか、と思う私は年寄り?(笑)各雑誌編集長へのインタビューがなかなか面白かったです。「H」編集長の、今はある程度質の高いものオシャレなものを作ろうとすればできる、でもそれが売れなければただの狭い中でのサロンカルチャーで、「俺たちカッコいいものを作ってる」という意識が既にカッコ悪い、というコメントはなんかとても興味深かったです。一緒に載ってた「TOKION」編集長はどうお考えでしょう(笑)。あと「CUTIE」編集長のコメントも。CUTIEはヒステリックグラマーを着たことがあるかどうかで成り立つ雑誌、とか、新しいものに貪欲でいつ他の雑誌の購買層に移っていくかもしれないCUTIE読者も、物を買わない100万のnon−no読者よりよっぽど良いとか(笑)。パンチな発言多かったです。
折しも新人賞の発表号だったんですが。笙野頼子とか長野まゆみとかが選考委員なのかぁ…。なんかちょっと気の合わなそうな賞だ…。長野まゆみって確かに河出の稼ぎ頭なんだろうけど、彼女の作品を「文学」の範疇に入れるのは私とても抵抗があるのです。なんとなくね。純文学書く人って、誰しも誰か先達の作家にインスパイアされてるところがあると思うんですけど、彼女の場合、そのインスパイアのされ方がミーハー入ってる気がするというか。なんとなくライトノベルに近い感触を感じるんですよね。下心のある「文学」ごっこ。ハヤカワSF文庫青背に対する角川スニーカー文庫ヤングアダルトSF、みたいな、ってよくわかりませんが(笑)。長野まゆみ好きな方ごめんなさいね。小説がつまらないとかそういうことではないんです。ちなみに笙野頼子の苦手なとこは、作品が「トンチ合戦」なとこです(これも意味不明かな。すいません)。どこまでが「小説」として成り立つか、というのを楽しんでる感じがして、それは「小説というものの枠組み」の概念に興味がある人にとってだけ意味があるっていうか。そういうメタな考えを巡らすのがもうめんどくさくなっちゃった私、やっぱりトシなのか?(笑) でもバランス感覚の問題だと思うんですよね。島田雅彦だって一種トンチ作家だと思うんだけど(笑)、「お話」を提供してくれてる感じはしますから。やっぱりそれが小説の基本機能だと思うのね。





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