fj.rec.ham を見ているのですがやれやれな議論が一つ。
あるアマチュア局AとBとの間で行われている無線通信を別のアマチュア局Cが傍受し後に何日何時何分にAとBが交信していたという事実を公表することが、電波法第59条に規定する所の「特定の相手方に対しておこなわれる無線通信を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、または窃用してはならない」に該当するという前提でいろいろ言っている人がいるのですが、「特定の相手方」という単語を自分で勝手に定義していることに気がつかないようでは法律の議論をする資格がないと言ってもよいでしょう(笑)。
この場合の「特定の相手方」とは免許状に記載され指定されている所の「通信の相手方」を念頭に置いた上でかつそれが特定されていることを指すと考えるべきでしょう。ほとんどの場合「アマチュア局」の「通信の相手方」は包括的に「アマチュア局」と指定されており、例えば「免許人***所属のアマチュア局」と指定されているわけではありません。
しかしそもそも、アマチュア局相互で行われている無線通信を他のアマチュア局が傍受できないことになるということに対して何の疑問を持たないでこういう議論を吹っ掛けるというのは木を見て森を見ずの例えの通りだと言えるでしょう(笑)。私がいちいちこういうことを言わなくても感覚的におかしいと思う方が正常なのです。
(97/04/07)
NECのITシリーズのROM交換によるファームウェアバージョンアップサービスを行うということで、既にIT-35は対象となっております。IT-45も近日実施予定ということですが、そうなると私が現在使っている「INSメイトV−1S<B2>」がどうなるのか気になる所。とは言っても最後期バージョン(Ver2.1)と思われるので今の所特に問題はありませんが…。
(97/04/08)
普段は6〜7素子程度の八木アンテナを使用しており、推定の前方利得は約11dBi程度と思われますが、これではゲインを満足してもビーム幅が狭すぎてまんべんなく飛ばす必要のあるコンテストには不向きです。そこで同等以上の前方利得を実現しながらビーム幅を広くするために5素子の八木アンテナを2段スタックにすることにしました。ビーム幅を広くとは言っても不要なサイドローブをできるだけ減少させてノイズや周囲の強力な信号の影響を最小限に押さえなければならないので、定評のある市販モデルを基にして計算によるシュミレーションを加えて最適化するという手法を取ることにしました。
その「定評のある市販モデル」には私の10年来の愛用品であるナガラ電子製の「SS-56」を使用しました。これは単体でもそこそこの前方利得と輻射パターンがが出ているのでこのまま使ってもよいのですが、ここは欲張って前方利得で0.5dB以上アップさせてさらに不要輻射を主輻射比で25dB以上押さえ込むことを目標にすることにします。あまり輻射パターンを追求し過ぎると十分な前方利得が得られずまた前方利得を追求すると給電点のインピーダンスが下がり過ぎてアンテナとして十分な特性が得られなくなりますのでどの程度で折り合うかは経験の技でありますが、具体的な設計寸法等については「企業秘密」のため公開いたしません(笑)。とりあえず単体の利得が9.6dBi程度、2段スタックで12から13dBiということで手を打つことにします。
スタックにするための2分配器は特性インピーダンス約75ΩのQマッチで実現できるため、衛星放送の普及で一般的になったケーブルである5C-FVを3/4波長ずつで分配することにして製作しました。これも手軽な方法で設計中心周波数をほとんど誤差なく把握できるノウハウを持っておりますが「企業秘密」ですので公開しません。
さて実際の建設ですが、一番高い40mの鉄塔が既に14MHz帯のアンテナで塞がっていますのでここは涙を呑んで30mの鉄塔に取り付けることにしました。鉄塔の先端にマストが約3.6m付いていましてこれが必然的にスタック間隔の最大値になるわけです。この時に計算によると前方利得が約12.1dBiくらいになりますがこれ以上はどうにもなりませんので諦めることにします。
高所作業を後輩に任せて3時間程度で作業が終了し、早速受信してみますが誰も出ておりません。仕方がありませんので半年ぶりくらいにマイクを握って送信してみますが近所の局が2局ばかり交信できただけでどの程度の実力があるのかはさっぱり分かりません(笑)。当日まで某大学へ様子を見に行く暇がありませんのでいきなりの実戦本番ということになりそうであります。
(97/04/15)
HF機では性能的に優れている日本無線製のJST-135を親機にしてトランスバータを接続してやるというのも一つの方法なのですが、移動する局の法定上限である50Wを良質かつ安定に出すためには終段部の設計・製作が結構面倒になりそうです。
そこで私が考えた方法はJST-135をSSBジェネレータ及び復調器として使用しFT-655を言わばトランスバータ化してしまうという方法です。なぜこのようなことを考え付いたかと言うと、FT-655は受信感度が極めて高く、ある程度の大入力信号にも耐えることから受信高周波部の設計がしっかりしていると判断したこと、そして送信音質がまずまずでパワー変動がほとんどなく、また3次のIMD特性を測ってみても50W出力時で-30dBを楽にクリアし、送信終段部の設計も大丈夫だと判断したことです。
具体的な改造方法についてはこれも「企業秘密」なので公開いたしませんが、ここまで説明しましたので回路図と実物を持っている人なら「分かる人には分かる」レベルだと思います。但しFT-655のブロックダイアグラムには嘘(と言うか不十分な点)があるので注意が必要です。もっとも回路図を追って行けば容易に分かる程度の内容ですが…。
結果ですが、受信感度はFT-655よりも若干劣るものの(とは言っても内蔵受信アンプを切りかつ内蔵アッテネータを入れた状態でSGからの-20dBuの信号が充分なS/Nで判別できますが)、受信の大入力特性はFT-655同等で、受信音質は元と比較にならないほどよくなりました。受信感度が数dB高くてもアンテナから受信機までの給電線損失がそれ以上悪いことはよくあることですから、その程度の数字を気にする前にまずは十分に太くて信頼性の高いケーブルを必要最小限の長さで使うことと、できる限り同軸コネクタを信頼性の高いN型のコネクタにしかつその数をできるだけ減らすという基本を忠実に実行することこそが確実に受信性能を向上させるでしょう。
(97/04/17)
どうしてもこういう話をする場合にはどこまで飛んだかなどという非定量的な比較しかできませんので何だかなのですが、南は鹿児島県、北は福島県まで交信できた模様です。もっともこの間がまんべんなくできているわけでは決してなくて特に九州での穴がかなりあるのが残念です。まあ山の上ではなく高々標高80m程度の平野部からの運用ということで、設計製作者としてはとりあえず満足という所ですが、今回使用した5エレメントの八木アンテナでも若干切れ過ぎるかという感じがしないでもないのでこれをどうするかが今後の課題となりそうです。具体的には素子数を4にしてスタック数を3または4にするか、同じシステムのままで上下のアンテナの方向を変化可能な形にするかのどちらかということになりそうです。
(97/05/05)
先のフィールドデーコンテストは近所の某大学へ行って遊びました。大学に移動運用しても仕方がないので、大学の設備を使って移動している局を呼ばせて楽しむということで5時間程遊びましたが飽きたので帰りました。
久々の休みで時間ができたので家のアンテナに愛機JST-135Dをつなぎまして半年ぶりに家から電波を出しました。今は函館に住んでいる友人からいろいろ無線の話を聞きまして復活を心に誓ったのですが、連休にでもならないと気力が充実しないのでいつまで続くか心配であります。
(97/08/17)
と、ここで宣言しておけば落ちたときにみっともないですから受験勉強に手を抜くわけにはいかなくなるという仕組みであります(笑)。しかしただでさえ更新が滞っているのに今後はこれに輪をかけて遅くなりそうであります。
(97/09/01)
全市全郡コンテストはとにかく市郡の数が勝負なので局数最優先で計画しなければなりません。そこで西方面にはあまり飛ばないが関東方面が抜群である奈良県の某所が候補に挙がっております。
移動する局のコールサインも使ってあげないとかわいそうですし、たまには50Wでコンテストをしないとパワーと飛びに関する永年の勘が狂ってしまいます(笑)。
(97/09/07)
1:関東 2:東海 3:近畿 4:中国 5:四国 6:九州 7:東北 8:北海道 9:北陸 0:信越
●資料:各時間帯のエリア別交信局数 JO3PPD '97 6m AND DOWN CONTEST
エリア 1 2
3 4 5 6
7 8 9 0
---------------------------------------------------------------------
21時台 27
31 11 4
2
6
22時台 3 26
23 10 5
1
7 3
23時台 1 4(2) 18(7)
6(2) 11(1) 4(1)
2(1) 1
0時台 8(8) 9(9) 7(7) 3(3)
3(3) 3(3)
2(2)
1時台 1 9
7(1) 5 3 4
1 1
2時台 7(2) 11 10
5 1 1
2 1
1
3時台
3(1) 3(3) 1(1) 1(1) 1(1)
1 1(1)
4時台 6(5) 1
4(2) 2(2) 1
2(2) 1
5時台 1(1) 4
5(2) 1(1) 2
1(1)
6時台 2 6
9 7 3
3 1
3
7時台 3(3) 8(5) 4(1) 5(4)
4(3) 1(1)
1(1) 1
8時台 2 3
10 3 2
2 3 1
4 5
9時台
5(1) 9(4) 2 1
2(1)
1 1(1)
10時台 12
14 2 3
2
2 3
11時台 1(1) 4(4) 5(4) 3(2)
1(1) 2(2) 1(1) 4(4)
1(1)
12時台
8 21 4
4 4 1
2 2
13時台
4(3) 14(1) 4(1) 2(1)
2(1) 2
14時台 3 6
10 1
1 4
1
※( )内はCWでの交信数
(97/09/10)
ところで、6m AND DOWNコンテストの結果が出ましたが、予想通り近畿1位でした。いろいろ反省すべき点が見つかりましたので来年はもっとよい結果が出せると思いますが、何はともあれ交信していただいた方々のおかげですので感謝の意を表します。また次回もよろしくお願いしたいところであります。
(97/10/11)
(97/10/22)
いつもの7エレメント八木アンテナを14mに上げて聞いてみましたが誰も聞こえません。ただ伊勢市のビーコンが入感していたので設備は正常と判断して翌日のコンテストに備えることにしました。下田市の海抜ゼロメートル地帯ではこんなものなのでしょう。
翌朝聞きますと早速大阪の局が入っております。しばらくバンド中を探すと目的の某大学が電信バンドで聞こえましたのでコールし交信完了。さすがに5エレメント八木のスタックがよく飛んでいるのか平地から聞こえていたのはここだけでした。
さて今月最終週末はWWDXコンテストのCW部門ですがどうなるか…。個人的にはARRL10mコンテストの方が好きなのですが。
(97/11/08)
本日近畿電気通信監理局に来年の6m AND DOWNコンテストに向けて無線設備の変更申請書と変更許可要望書を提出。これが正式に許可になれば近畿エリアで初めてという内容ですが、変更許可書が到着するまで公表を控えることにします。
(97/12/01)