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ぷろぐれ歌謡盤 (日本のプログレ大特集?)

歌謡曲からフュージョン、国産プログレまで、日本人によるプログレのカヴァー作品や
日本の有名ミュージシャンと海外プログレ系ミュージシャンの共演作品などを雑多に集めてみた。
該当する作品は他にもたくさんあると思うが、とりあえず音源を所有しているものについてのみ紹介する。

ゴールデン・フライト ( 山口百恵 ) 1977 共演

CBSソニー創立10周年企画として我等が百恵ちゃんがロンドンに飛んだ。(^_^) LPに添付されている写真を見ると、このアルバムは1977年5月27日、 ロンドン AIR STUDIO 3 で録音されている。(さらに写真をよく見ると、 隣の STUDIO 4 で WINGS 、STUDIO 1 では MARK BOLAN が録音中だったりすることも判る。) それはさておき、この百恵ちゃんのアルバム、クリムゾンファンは要チェック。 なんと、全曲にわたって Gordon Haskell が BASS と Backing Vocal で参加してるのだ! 驚け!!(笑) さらに Claire Hamill も Backing Vocal で参加。 まさか「イミテーション・ゴールド」の「♪はあ、はあ、ふう〜、イミテーションゴ〜ルド〜」と バックで歌ってる女性がHamill??? かどうかは不明。(たぶん違う)。(笑)  その他にもカーブド・エアの AIR CUT でパーカッションをやってた Jim Russell、 Jon Anderson の「サンヒーローのオリアス」にキーボードで参加していた Ken Freeman など、 当時 Haskell や彼とバンドを組んでいた日本人のギタリスト加藤ヒロシとその周辺にいた ミュージシャンが、このアルバムに参加している。

異邦人 ( 野口五郎 ) 1977 共演

タイトルは「GORO IN NEW YORK 異邦人」 この頃はアイドルの海外録音が流行していたようだ?  こちらにはニューヨークの腕利きのミュージシャンが集結。ジョン・トロペイ(ギター)、 デヴィット・スピノサ(ギター)、デビット・サンボーン(サックス)に ブレッカー・ブラザースなど、ジャズ・フュージョン界のお歴々に混じって、 クリムゾン加入で有名になる前のTony Levin(ギター)がほとんどの曲に参加している。 彼はその後、野口五郎のツアーで日本中を廻った後、80年代クリムゾンに参加する ことになる。そして、恐るべきは筒美"ブルーライトヨコハマ"京平氏!!  このアルバムのすべての曲のアレンジを担当。一流ミュージシャンと互角に渡り合い、 見事なフュージョンサウンドを展開、 ってな訳でサウンドは実にカッコいいのだが、 五郎クンの声だけが「博多みれん」なんだよな〜、これが・・・。(笑)  五郎クンは74年にロンドン録音のアルバムも発表している。 参加ミュージシャンが気になるのだが、クレジットが公開されておらず調査は断念・・・。 しかし、このアルバムに付属するブックレットの中に気になる写真が1枚あった。 ロンドンの街角に飾られた巨大な広告看板の前を歩く五郎クンの写真。 で、その広告は・・・喜べ!プログレファン!! フォーカスのアルバム、ハンバーガー・コンチェルトの広告看板だ!!  もちろんそこには五郎クンがフォーカスと同じポリドール・レコードという実に判り易いウラもあったりするわけだが・・・。(^_^;

トラブル・イン・パラダイス ( 杏里 ) 1987 共演

杏里、1987年のアルバム。冒頭からテクニカルなドラムが炸裂。「ヒョエ〜!!」ってな感じ。 これは杏里としては異色なアルバムなのだろうな〜。それもそのはず、 ドラムはビルブラ(Bill Bruford)だあ!!  シモンズの激しい音がビシバシと鳴っている。さらにはツィンバスの王者サイモン・フィリップスまでもが登場でこれは悶絶もの!!。  ギターはパイロット、アラン・パーソンズ・プロジェクトの Ian Bairinson 、 さらにP・ガブリエル・バンド、ランダム・ホールドの David Rhodes 。 完璧なまでにプログレ勢で固められているのは、きっとアレンジャーの井上鑑氏の趣味なのだろう。  長野冬季五輪閉会式で清らかに「唱歌・ふるさと」を歌った歌手の作品とは思えない? ハードエッジかつパーカッシブな音楽が展開されている。

ZERO ( 高島政宏 ) 1994 カヴァー

高島家の兄貴はプログレオヤジ?(^_^) プログレ系大物外タレのコンサート会場には 必ず現れるというウワサもある。イェー! あ、これは親父様か・・・。(^_^; 選んだ曲が凄い、クリムゾンの Starless 。この曲を選ぶあたりヲタク度も高い。歌も目一杯本気だ。曲に対する愛情も伝わってくる。兄貴素晴らしいぞ。この声質ならばジョン・ウェットンの曲ならどれでもイケそうだ。 今度はUKの「ランデブー 6:02」を歌って女性ファンをさらに増やしてネ?(爆)  高島さんは今までに3枚のアルバムを出している。 いずれも、ブリティッシュ・ロック魂溢れる好作。これが94年に発表した三作目。 Starless が含まれたシングルCDも発売されている。こちらは比較的入手が容易で、 私は中古CD店で50円で購入した。冒頭のエフェクト音がカットされ、アルバムヴァージョン より16秒短くなっている。 俳優さんのCDってことですぐに 廃盤になってしまったのがとても残念。最近は音楽活動をしてないようでやや残念。

スーパープレゼント74 ( フォー・リーブス ) 1974 カヴァー

昔のアイドルはよく外国曲を歌っていた。しかし、それはいわゆるスタンダードなポップス。 ビートルズやプレスリー、他にはマミー・ブルーや花のささやきなどのヨーロピアンポップスだ。 で最後は大団円でニール・ダイヤモンドの「スウィート・キャロライン」を歌ってお終い・・ ってのがNHKの歌番組のお決まりのパターンだった。(笑) フォーリーブスと いえば今をときめくジャニーズ事務所の元祖アイドルグループ。最近はダーティなハナシも チラホラ聞かれるが、4人の中では最も神経質で暗いパプリックイメ−ジをもつ北公次さん が歌っていたのが、クリムゾンの Epitaph 。おおお、まさかフォーリーブスが歌っていたとは!  歌詞は安井かずみさんによる日本語詩で、原詩とは内容が異なる。 ライナーによると選曲は北公次さん自身とのこと。 この頃のフォーリーブスは北公次さんの人気が急上昇。彼がリードヴォーカルをとった暗い 曲がヒットしてた記憶もある。なるほど、クリムゾンが好きだったんだ。 そりゃ、暗くなるわ〜・・・などとプログレファンが云っててどうする(笑)

BIG GAME'79 HIDEKI ( 西城秀樹 ) 1979 カヴァー

1979年8月24日、後楽園球場で行われた西城秀樹のライヴ。空中高くゴンドラに 乗って唱うヒデキの姿は、当時、テレビ放映もされたので記憶に残っている方も多いのでは ないかと思う。で、ヒデキも唄ってくれた。 Epitaph 。こちらは原語で フルヴァージョン。さすがだ。この日の後楽園は雷鳴轟く豪雨・・・。 ザーという雨の音が音源に途切れることなく入っている。さらに間奏部では迫力満点の雷鳴が 響くわたり、会場は興奮のるつぼ。雷鳴が轟くタイミングは超完璧・・・。(^_^; まるで譜面に雷鳴のパートがあるようだ。わはは。まあ、そのへんは御愛嬌としても、ロック・ヴォーカリスト西城秀樹の魅力が存分に出ている名演。 

ジャンプ・オン・ステージ ( あいざき進也 ) 1975 カヴァー

「気になる17才」あいざき進也が唄うは、なんと「 In the Court of Crimson King 」 カワイイ声でハキハキと唄っている。そういう唄じゃないのだが・・・。(^_^; 曲名も「ザ・コート・オブ・クリムソン・キング」となっちゃってます。(^_^;  黄色い歓声が飛び交うライブ盤のオープンングがいきなり コレで次がGFRの「ハート・ブレイカー」、そしてヴァニラ・ファッジの「ユー・キープ ・ミー・ハンギング・オン」さらにはユーライア・ヒープの「対自核」。 う〜、オジサンも会場の女の子のように失神しそうだ。(爆)  あいざきさん御本人の選曲かどうかは不明だが、とりあえずバックで演奏している のはキャンディーズファンにはお馴染みのMMP。私の記憶が正しければ、これは後年、新田一郎氏を中心に スペクトラムに発展するバンドだったと思う。 

ダイアリー ( 国府弘子 ) 1999 カヴァー+α

これは良い。(^_^) いきなりですが、マジで良い。 日本人女性ジャズピアニスト、国府弘子がアメリカ留学帰りの第一作で 演奏してくれたのはなんとピアノトリオ版の TARCUS/Eruption-Stone of Years !! アメリカ留学中にサンタモニカでライヴをやっていたとき、キース・エマーソン氏御本人が彼女に話しかけてきたのだそうだ。それをきっかけに「タルカス」を聴き、ふるえるほど感動し、自分なりの「タルカス」を演奏してみたくなったと自筆のライナーには書かれている。エマーソンほどに鬼気迫る無機質で乾いた音ではないが、迫力はかなりのものだ。 シンプルなピアノトリオで聴くと、あらためて楽曲の良さもしみじみと感じてしまう。(^_^) 「ストーンズ・オブ・イヤーズ」がブルージーな名曲であることも再認識。レイクの唄の部分はもちろんピアノでやっているが、まるで最初からピアノトリオ用にかかれた 曲のようにキマッっている。陳腐な発想かも知れないが、ビリー・ジョエルに口笛で吹いてもらいたいくらいイイ雰囲気が出ている。(笑) 国府さんにはこのままプログレに目覚めて貰えれば私としては至上の歓びだが、それはちょっと無理な注文か??? やっぱジャズ演ってる人は違うなと妙に関心しながら、ジャケットをパーソネルを眺めていたら、このトリオでドラムを叩いている村石雅行氏。ケンソーのドラマーじゃないか。こりゃ筋金入りだ。

REVIVE ( VOW WOW ) 1987 共演・プロデュース

1987年頃の VOW WOW には、 Neil Murray が参加していた。コラシアムIIやナショナル・ヘルスのベーシスト、これじゃこの時期のバウワウのアルバムはすべてこのページに載せなきゃならん・・・。  ま、それは御容赦願うとしても、この Revive という12inch は特筆モノだ。なぜならDon't Leave Me Now(Re-Mix & Extended Virsion) のプロデュース、アレンジ、および詞を、 John Wetton が担当しているからだ。もちろん、「V」に収録されているアルバムヴァージョンの同曲も同じクレジットだが、シングルでは特にGuest Bass Guitar としてもクレジットされている。曲は厚見玲衣!!  ただ、この時期のバウワウなら John Wetton にプロデュースを依頼しなくとも、このくらいの音は十分に創造可能なはず・・・。アルバム全体ではなくこの曲一曲だけのプロデュースっても変なハナシだ。彼の名前が必要だったのか? それとも当時エイジアで抱えた負債がかさみタイヘンだったウェットンがお金が欲しかったからなのか?? それともニール・マーレイの友達としてやってきただけなのか?? その真相は私には不明だ。(^_^;

STAND PROUD! II ( 柴田直人 ) 1999 カヴァー

VOW WOW 、LOUDNESS と共に80年代日本のヘヴィメタルブームの核をなった ANTHEM のベーシスト、柴田直人が自らのルーツ(70年代ブリティッシュ・ハード・ロック)を 1枚のCDにまとめたカヴァー集。プログレ系が2曲含有。UKの Nothing to Lose とクリムゾンの Starless 。驚いたのは Starless が日本を代表するミュージシャンが集結してのフルヴァージョン完コピであること。柴田氏が「後になってやめときゃ良かったと思うほどド〜ッと疲れが出た。」とおっしゃってるように、みなさんとても頑張っている。キーボードはバウワウ、 ムーン・ダンサーの厚見玲衣、ヴォーカルは四人囃子の佐藤満、いずれもさすがの演奏を聴かせてくれる。 また、AUTO-MOD という布袋寅泰も在籍したことのあるニューウェイブ系(元祖ビジュアル系?)に在籍してるサックスの河野利昭など、ふだん非プログレ系のバンドで働いている方々も とてもとてもいい仕事をしているのが嬉しい。>お〜い、み〜んなもっとプログレをやってくれ〜!!  このアルバム、プログレ以外も名曲名演揃い。人見元基のヴォーカル、北島健二のギターによる レッド・ツッペリンもとても良い。(^_^)

ブルジョアジーの秘かな愉しみ ( 難波弘之 ) 1985 カヴァー

我等が難波ちゃんの1985年の作品。この頃の難波ちゃんはNHK教育テレビの「ベストサウンド」の司会を 中村あゆみと共に担当、大衆化路線?を走っていた。このアルバムも難波弘之の作品の中では最も大衆ウケしそうな美しいナンバーばかりが並んでいる。あいざき進也やフォーリーブスと比べれば難波ちゃんがプログレのカヴァーをやること自体何の意外性も無いのですが、ここは意外性ではなくプログレに対する造詣の深さを味わおう。UKの Rendez-vous 6:02 。 「夢せぬ夢を」という邦題が付き、日本語で難波弘之自身が唄っている。選曲からして渋いし、実際美しい。さすがマルチな才能を持った人だ。

シンフォ・ビート( センス・オブ・ワンダー ) 1987 カヴァー

新メンバーでセンス・オブ・ワンダーを復活させた難波弘之が1987年に発表したアルバム。 時流に合わせたのかタイトなサウンドに変貌している。で、このアルバムにはデビューの頃からステージで演奏することが多かった Nutlocker のスタジオ・ライヴ が収録されている。プログレ的にはELPで有名になった曲だが、元々はチャイコフスキーの曲を Kim Flowley がポップアレンジしてヒットさせた曲。この曲で思い出すのは75年頃、作曲家の 宮川泰さんのデビュー10周年であったか20周年であったかのコンサートがテレビで放映された時に、 当時、高校生くらいだった宮川さんのあの息子さんがステージでこの曲を演奏してたこと・・・。難波さんとはまったく関係ないのだが・・・。(^_^;

素描〜Sketch ( 伊藤ゆかり ) 1980 カヴァー

貴方が噛んだ小指が痛い・・・。伊藤ゆかりさんが唄っている。 C'est La Vie 。 ELP四部作をのレイク面に含まれる Lake & Sinfield の名曲だ。(^_^; 本家 Greg Lake の ヴァージョンはレイクの歌唱とバックのオーケストラが仰々しいくらいに盛り上がっているが、 ゆかりヴァージョンはシンプル。すっかり自分の唄にしてしまっているところなどは、 さすがは往年のポップス歌手だ。編曲は後藤次利氏。アコーディオンが出てこないの何故? やっぱ間奏でアコーディオンも聴きたかったなあ〜・・・。 この頃のゆかりさんは前年に発表した「あなたしか見えない」がとても好評で80年代の洋楽カヴァーに熱心だった。意外やカルチャークラブの「君は完璧さ」なども唄っていてこれがまた実に良かった。

ディストラクション ( モルゴーア・カルテット ) 1998 カヴァー?

クラシック界にもプログレヲタクがいるらしい??? モルゴール・カルテットは、東京フィルハーモニー 交響楽団のコンサートマスター(第一ヴァイオリン)荒井英治、NHK交響楽団フォアッシュピーラー(ヴィオラ)小野富士、東京フィルハーモニー交響楽団コンサートマスター(第二ヴァイオリン)青木高志、 NHK交響楽団首席チェロ奏者(チェロ)藤森亮一による弦楽四重奏団。で、このアルバムで演奏してる 曲は、 Round About(YES), Long Distance Round About(YES), Siberian Khatru(YES), Ladies of the Roard(KING CRIMSON), Lark's Tounques in Aspic Part I(KING CRIMSON) 21st Century Schizoid Man(KING CRIMSON) 。見事なラインナップだが、これはレコード会社の企画でもなければ、 どこかのプログレ好きがクラシックの演奏家にお金を積んで演奏させたCDでもない。 アルバムを聴けば、彼等が本気であること、彼等が本当に自分達が演奏したい音楽を演奏してることがわかるはず。そしてこのアルバムはイージーリスニングでもなければ、ただのフィルハーモニック・カヴァー集でないことも、上記の曲の他に収録されているオリジナル曲を聴けばわかる。そして今や現代日本を代表する作曲家となった吉松隆がモルゴーア・カルテットのために書き下ろした「アトム・ハーツ・クラブ・クァルテット」 の凄いこと・・・。冒頭から聴こえてくるのは、いきなり Tarcus/Eruption のモチーフ・・・。(^_^; そして、 Atom hearts Mother 。さらに、 Are You Ready Eddy? らしきフレーズも聴こえてくる。 既に吉松氏は日本のクラシック界ではかなりメジャーで、熱心なファンも多いようだから、 この作品は他の演奏者によってCD化される可能性もあるかも知れない。イエスの曲を編曲しているのは佐橋俊彦。ウルトラマンカイアやキューティハニーなど特撮やアニメのサントラからNHK紅白歌合戦のオ−プニングソングまでも手がける新進気鋭の作曲家だが、実はこの方、かつてケンソーのメンバーだった人です。「なあんだロックバンドの人か」などと思わぬこと、この方、芸大卒。それもプログレを極めるために入学したとう逸話もある。(^_^;  そして、クリムゾンの曲はモルゴーア・クァルテットの荒井英治が担当。個人的にはこのパートが最も気に入っている。特に太陽と戦慄のヴァイオリン。 そして21世紀の精神異常者、いずれも原曲の緊張感を失わぬまま、完璧な弦楽四重奏曲に変貌している。これは原曲への「愛」がないと出来ないアレンジだろうと思う。

アトム・ハーツ・クラブ・デュオ ( 福田進一&フェルナンデス ) 1998 カヴァー?

吉松隆の「アトム・ハーツ・クラブ・クァルテット」のギター・デュオ版をさっそく発見。 日本を代表するギター奏者である福田進一とエドゥアルド・フェルナンデスによる 「アトム・ハート・クラブ・デュオ」がCD化されていた。 Tarcus -Eruption のフレーズが、アコースティックギター2本で奏でられているのが何とも面白い。 Are You Ready Eddy? は元々がブルース。ギターでの演奏がしっくりとくるし、演奏の巧みさゆえ聴くとたいへん御利益を感じる。でも、ELPを知らないクラシックファンがこの曲を聴き、その演奏の巧みさに感嘆するのかと思うと何とも複雑・・・。ぜひ原曲も聴いて欲しいものだ。吉松隆氏がモルゴーア・カルテットのディストラクションのライナーノーツで次のように述べている。「ロックは単なる音楽の1ジャンルなどではない。西洋クラシック音楽が培った"ハーモニー"、アフリカやアジアの音楽が培った"ビート"が融合し、それをさらに現代文明が生んだ"エレクトロニクス"が世界中に増殖させ 拡散させた20世紀最強の"音楽システム"なのだ。」音楽史にフォスターやガーシュインが含まれるのなら、当然ビートルズも20世紀を代表する音楽として音楽史に残るだろうと考える人は世界中にたくさんいる。さらに吉松氏の言葉にあるような考え方で20世紀の音楽を捉えるならば、ビートルズの音楽実験を完成させたブリティッシュ・ハード・ロックとプログレシッブ・ロックのいくつかのバンドもビートルズと共に音楽史に残るのではないかと思えてくる。その答えは21世紀になればわかるだろう。

主義 -Ism ( 高見沢俊彦 ) 1991 プロデュース

アルフィーのロックマン、高見沢俊彦のソロ。アルフィーのヒット曲は数多いですが、彼の作る曲はいつもブリティッシュ・ロックしているので、すぐに判る。 でも、まさか彼のソロ作品のプロデューサーが、 Steve Hillage Mike Virnon だとは思わなかった。 レコード会社がVirgin なので、そのつながりでヒレッジが呼ばれた可能性が大だが、フォーカスのプロデューサー、マイク・ヴァーノンはどうやって連れて来たのだろう? 高見沢氏は学生時代にピンク・フロイドのコピーを演っていたというウワサもあるくらいだから、やはり御本人の希望か? こりゃ、アルフィーのゴング化、アルフィーのフォーカス化に大いに期待がかかる。 >んな訳ないが・・・。(^_^;

限りない明日をみつめて ( 西城秀樹 ) 1980 カヴァー

後楽園球場でエピタフを唄ったライヴの翌年、日生劇場でのリサイタルでヒデキは、 C'est La Vie を唄っている。伊藤ゆかりヴァージョンは 福永史という方の日本語詞、焼き尽くすほどの恋に生きる女性の心情を唄っているのに対し、 秀樹ヴァージョンは、なかにし礼による訳詞、終わりつつある恋をオトコの立場から女々しく?唄っている唄。でも、ヒデキが唄うとカッコイイ?? このセラヴィ、ELP四部作で初めて 聴いたときには冗談かと思った(笑)ような迷曲だが、インパクトの強さは強烈だ。 こうして2人の歌謡歌手がカヴァーしてることを考えると名曲なのかも知れまない。 シャンソン風の曲なので越路吹雪さんや金子由香利さんあたりにも唄って欲しかった気もする。 と、思ったら越路吹雪さんがこの曲をステージで歌っていたとの情報が・・・。

幻魔大戦 ( O.S.T. ) 1983 作曲・演奏・監督

ELP関連での重要な作品を忘れていた。角川映画「幻魔大戦」の音楽監督は Keith Emerson だった。ローズ・マリー・バトラーが 唄った「光の天使」は日本国内では大ヒット。個人的には小学生の頃、大好きだった石森章太郎と 中学生になってハマッったELPのキース・エマーソンが意外なところで合体してしまい、妙な気分になった映画だった。音楽監督がキース・エマーソンでサントラに含まれる12曲のうち 6曲の作編曲を担当し、自らも演奏している。残りの曲は青木望が担当。この方はチューリップの編曲などをやってた人。「夏色の思い出」の管弦楽編曲は今聴いてもプログレッシヴだ。(^_^)  サントラのライナーノーツにはキース・エマーソンと角川春樹の対談が掲載されている。ボスとの対談ってことで気を使ってるキ−スの発言が印象的だが、音楽のほうはかなり手抜き気味。

Keyboards Triangle ( Gerard & Arsnova ) 1999 カヴァー

これは難波さん同様、当たり前田のクラッカー系? 日本のプログレッシブ・ロック・バンド、Gerard と Arsnovaによるプログレの名曲カヴァー集だ。1曲目、Gerardo のよる Toccata ( EL&P ) 比較的原曲に忠実にコピーしているが、さすがはプログレバンド、異なる部分の変え方のメンタリティがプログレしているところがヘヴィメタル系バンドによるカヴァーと違い、好感が持てる。 2曲目、Arsnova によるBirds Medley ( Trace ) トレースのアルバム「鳥人王国」から、ブーレ(バッハ)+ 組曲・鳥人王国の冒頭2曲。これを書くために、およそ20年ぶりに原曲を聴いてみた。やっぱ原曲のキーボードの方が如何にも70年代的な雰囲気で感動的。カヴァーそっちのけで原曲を 何回も繰り返して聴いてしまった。リック・ヴァン・ダー・リンデンって今頃何してんだろ??  3曲目、Gerardo による La Conqusta Qulla Poisizione ( Banco ) 名作ダーウィンの中の一曲。まさに鍵盤の格闘技。パーカッシヴな曲。最新の機材でダイナミックに甦っているが、 音質の悪い原曲の方がパーカッシヴに聴こえるのは何故? こういう曲はアンプラグドでカヴァーした方が 迫力が出るのかも知れない。  4曲目、Arsnova による Epilogo ( Il Balleto di Bronzo ) また、ずいぶんヲタクな選曲だこと・・・。といいつつ、このカヴァー集各曲の原曲が含まれるアルバムをすべて持っていた私もちょっとヲタクだったかも知れない・・・。(^_^;  70年代前半のイタリアンロックは名曲揃い。ただ、いかんせん、楽器や録音関係のテクノロジーが 発展途上の時代だったためか、プロダクション的にはあか抜けないものが多いのも事実。しかし、 こうして最新のプロダクションを用いて再演されたのものを聴くと、如何に原曲が楽曲として優れているかが あらためて思い知らされる。  5曲目、Gerado による Catharine Parr ( Rick Wakeman )   今度は御存知、リック・ウェイクマンの「ヘンリー8世〜」。永川ヴァージョンらしく、とても元気のいい キャサリン・パー。このカヴァーアルバム全体をとおして云えることだが、キーボードが如何にも70年代 的にロックしているというかヴァイオレンスしている。例えが極端だが、ジャニス・ジョプリンの「ムーヴ・オーヴァー」や大野克夫の「太陽にほえろ!メインテーマ」のキーボードのようなカッコ良さだ・・・。  6曲目、Arsnova による Tarcus (EL&P)  フルヴァージョン。唄の部分はコーラスなどになっている。この曲の場合、原曲のプロダクションが良いので、カヴァーで新鮮味を表現するのが 難しそうだ。敢えてリードをオルガンで演奏したり、管楽器を入れたりしてるのはそのためかも? 個人的には 国府弘子さんによるピアノトリオヴァージョンの方が衝撃的だった。   7曲目、Gerado による Four Holes in The Ground ( P.F.M ) お約束のPFMが登場。 これはライブヴァーションの方のコピーか? この曲は難波さんもライヴでよく演奏してたPFMの超テクニカルな名曲。演奏の問題なのか?ミキシングの問題なのか?あるいはカヴァーする方のポリシーなのかわからないが、なんだかとってもバスドラの音が気になる。原曲は舞い飛ぶようなキーボードが印象的な曲だが、それは録音が悪かったからゆえの副産物だったのかも?   ヘヴィメタルサイドから行われるプログレのカヴァーは一様に元気は良いが繊細さに欠けたりしていて残念な場合が多いが、これはプログレ系ミュージシャンによるカヴァーってこともあるのか、キーボードに固執しているところが新鮮だ。

アジポン ( 爆風スランプ ) 1992 カヴァー

走る走る俺達、爆風スランプの92年のアルバム、アジポンの8曲目「アジャパニア」は、ズバリ 21st Centry Schizoid Man ただし、歌詞はサンプラザ中野による如何にも彼等らしいアジテーション。日本語のハマリが絶妙で、 つい口ずさんでしまいたくなるところは流石というべきか?  爆風スランプ、筋肉少女帯、TMネットワーク、あのあたりの年代のミュージシャンは、やってる音楽は ともかくととして、根っこにはしっかりと70年代ロックがあるみたいだ。ナカノさん、コムロさん、オオツキさん、そろそろ素直にハード・ロックやプログレシブ・ロックやグラム・ロックを演ってみませんか?

めぐりあい ( 井上大輔 ) 1982 パクリ?

映画「機動戦士ガンダム3めぐりあい宇宙編」の主題歌シングル盤のB面の曲、「ビキニング」は クリムゾンファンならば曲の途中で「クスッ・・」と笑ってしまうような曲。 Prince Rupert Awakes 元ブルコメの井上大輔氏がキング・クリムゾンの「ルーパート王子のめざめ」をすこやかにパクっている。サビの部分はこの曲をカラオケにして、クリムゾンの歌詞で歌えるかも?? アレンジも含めて雰囲気を流用してるから、とても偶然とは思えない。ま、日本では昔からこの手のパクリは珍しくない。(^_^; パクリと云うと言葉がキツイが、私は井上氏も好きだし、 クリムゾンも好きだから、これはけっこう楽しんで聴いてたりもする。(笑)

ココバット・クランチ ( ココバット ) 1992 カヴァー

その筋ではファンの多いハードコアバンド、ココバットのファーストアルバム。 ボーナストラックとして 21st Centry Schizoid Man Starless を演奏してる。あまり馴染みのない分野のバンドだったので 正価(新品CD)での購入にはかなり躊躇したが、聴いてみたらなかなかイケている演奏だった。 ギターがビシバシ! キマってる。音のキレが良いので、他の曲も気持ちよく聴けた。 「21世紀〜」のヴォーカルレヴェルがやたら低いのは何故なんだろう?  「スターレス」の方は、最もハードコアなパートだけの演奏ってところが、らしくて良かった。

ザ・ピーナッツ・オン・ステージ ( ザ・ピーナッツ ) 1972 カヴァー

日本のポップス・シンガーの草分け。エド・サリヴァン・ショーにも出演した実力派、ザ・ピーナッツが歌う Epitaph は、宮川泰編曲、演奏は高橋達也と東京ユニオンによるライヴ!  当然、原語で歌ってる。「エンターテイメントして色っぽい"Confusion will be my Epitaph..."に ドギマギしながら訝しげに聴いてると、"But I fear tomorrow I'll be Crying..." のフレーズあたりから華麗なハモりがスタート、 「おお〜! やっぱピーナッツじゃあ!!」って感じで大感動(笑) 最後まで演奏じゃなくて歌(歌唱)でグイグイと盛り上げてしまうところが凄い。 「歌唱力が重要」ってことをあらためて実感。美空ひばりさんあたりが"Confusion will be my Epitaph..."と 歌ってたら寒気がするほど上手だったかも知れない。(^_^;  しかし、ナベプロの花、ピーナッツがどうしてこの時期にエピタフを歌っているのたのかは謎。音楽監督の宮川泰さんが息子さんのススメ?でやってたことなのかなあ?とも思ったが、 当時、渡辺プロ(ピーナッツが所属していた芸能プロダクション)のマネージャーをしていたある方が、所属タレントにプログレの啓蒙活動?(布教とも云う?)を盛んに行っていたっていう説もある。

レディ・オブ・ドリーム( 喜多郎 ) 1992 共演・作詞

ジョン・アンダーソンが喜多郎と交流があり、ジョンが長野県八坂村のある喜多郎の八坂アトリエを 訪れていたってハナシはジョン・レノンの軽井沢万平ホテルでのお忍び避暑生活とともに、当時、地元では 公然のナントカ?だったのだが、その成果が表れたのが、映画「十五少女漂流記」のサントラだ。 Jon Andersonは「レディ・オブ・ドリーム」「アイランド・オブ・ライフ」の2曲の詩を書き、当然、歌も歌っている。曲は喜多郎となっているが、まるでジョンが作曲したような曲で違和感がない。まあ、ジョンが歌えばどんな曲もジョン・アンダーソン作曲のように聞こえてしまうようなところもある。正式には「喜多郎の十五少女漂流記」というタイトルで、この映画の発案というかコンセプト・メーカーも喜多郎氏。それにジョン・アンダーソンが共感、協力したとのことらしい。映画のクライマックスにジョンの歌が流れるが、音楽監督はまた別の人。彼等のクレジット自体は挿入歌の作編曲演奏者ということのようだ。ついでに書いておくと、この映画は奥山佳恵さんのデビュー作であったりもする。(笑) 映画の封切られた頃、イエスの公演で来日したジョン・アンダーソンが、この映画を企画し、イエスの公演も後援していたテレビ局の大人気歌番組に15人の少女と共に出演し、喜多郎と共に演奏してたのを思い出す。

多元宇宙への旅( ファー・イースト・ファミリー・バンド ) 1976 プロデュース

喜太郎で思い出した。FEFBの「多元宇宙への旅」は、タンジェリン・ドリームの Klaus Schulze によるプロデュースだった。ロンドンのマナースタジオで録音され、スタジオにはアルヴィン・リーも現れセッションを楽しんだなんてことも当時の雑誌に書かれていたなあ。音楽は東洋風タンジェリンドリーム。なるほどお香を焚きながら瞑想するにはもってこいだ。喜多郎の音楽も乱暴に言ってしまえば東洋風タンジェリンドリームからスタートしてたように思う。喜多郎こと高橋正明さん、宮下富美夫こと宮下文夫さん、伊藤祥こと伊藤明さん、深草アキこと深草彰さんなど、このバンドのメンバーはその後もFEFBの延長線上にあたる音楽でしぶとく活躍している。

エニウェア( フラワー・トラヴェリン・バンド ) 1970 カヴァー

フラワー・トラヴェリン・バンドといえば「メイクアップ」。歌舞伎役者がロックミュージック(メイクアップ)にあわせて舞うカラーテレビのCMは当時としては斬新かつカッコ良かった。でも、それ以前、日本ロック界のゴッドファーザー?内田裕也氏がプロデュースした70年発表のデビューアルバムはもっと衝撃的だった。なんと70年の時点で既に 21st Centry Schizoid Man ( King Crimson )をカヴァーしているのだ。今やクリムゾンはプログレの代名詞。「宮殿」は「ビートルズのアビーロードを追い越して・・」云々のハナシと共にプログレを象徴するアルバムとなっているが、1970年の日本では、ピンクフロイドやELPはともかくとしてクリムゾンを知る人はごく僅かだったハズ。「宮殿」も輸入盤でのみ入手可能で、国内盤は遅れて発売、「リザード」が発表される頃に出来たワーナー・パイオニアがまとめて発売するまではかなりマイナーな存在だったのだ。フラワー・トラベリン・バンドによるカヴァーの邦題が「21世紀の狂った男」となってるのもそのためなんだろうな。つまり、本家より先にカヴァーが日本国内でレコード化されたってことか? 演奏はまるでGFRが演奏してるかのようなブルースっぽい21世紀・・・。全13分24秒。延々とギターだけが頑張る間奏部は時代を感じさせるというかやや退屈だが、この時期、この曲をカヴァーしてるだけでも日本では極めてプログレッシヴだったのではないかなと思う。

加納典明のROCK延髄斬 ( Project.e ) 1993 カラオケ

東芝EMIが企画した「加納典明のROCK延髄斬」という洋楽カラオケシリーズの1枚。「プログレ&ハードロック編」。 しっかし、なんでテンメイさんなのかなあ〜・・・。この手の企画は有名人の名前でも持って来ないと商品がバッタっぽくなってしまうのは理解出来るが、 例えば「渋谷陽一のROCK空桶法」とか「伊藤政則のロック空手チョップ」など、もっとロックに関係の深い有名人のほうが訴求力があったように思うのだが・・・。とりあえず、Project.e というセッションバンドの演奏による 21st Centry Schizoid Man ( King Crimson) Roundabout ( Yes ) Money ( Pink Floyd ) Heat of Moment ( Asia ) Owner of the Lonely Haert ( Yes ) The Court of The Crimson King ( King Crimson ) などが楽しめる。さあ、お父さん達、元気良くプログレを歌おう!

正気の夢 ( 佐久間正英 ) 1992 カヴァー・共演

今をときめく GLAY のプロデューサーでありアレンジャーとして、佐久間正英氏は若い人々に知られているようだが、お兄さんお姉さんにとっては BOφWY のプロデューサーとしての方が有名だ。 でも、プログレオヤジにとって、佐久間正英氏は四人囃子やプラスチックスのメンバーだったことの方が ずっと重要。70年代にプログレ系バンドでキーボードをやってた人って、後年、プロデュース業やアレンジャー業で財を成している人が全世界的に多いよな・・・。ドイツのあの人、オーストラリアのあの人、 ブラジルのあの人、ニッポンのあの人やこの人。・・・で、佐久間氏がこのアルバムで自分の原点に帰ってカヴァーしてるのは、 I Talk to the Wind ( King Crimson ) 。間奏のフルートがリコーダーになっていたりギターはアコースティックだったりするが、全体的にはエレクトロニックポップ風のおしゃれな仕上がりだ。当時、日本に在住していた? Morgan Fisher が、キーボード、ヴァーカルなどで参加している。

スパイス・オブ・ライフ ( 渡辺香津美 ) 1986 共演
スパイス・オブ・ライフ2 ( 渡辺香津美 ) 1988 共演

Bill Bruford Jeff Berlin が全面的に参加。 これで、ギターがアラン・ホールズワースだったらプログレファンは泣いて喜ぶところだけれども、 これは渡辺香津美名義のアルバム。ブリティッシュ・ジャズ・ロックを望んでいけない。 青い海、白い波、スカイスポーツや銀色のゲレンデを彷彿とさせるような日本のフュージョンアルバム に比べれば、これはずっと私の好みではあるが、やっぱどこかお気楽な音。ビルが当時、お金より趣味に走って作っていたジャズのアルバムと比べると緊張感がまるで無い。 もしかして、ビル達はこれでお金を稼いでアースワークスをやってたのかな? 杏里のアルバムもこの頃のことだったし・・・。やっぱり日本人は金弦にされているのだろうか?(^_^;

Live at Silver Elephant ( Lachesis ) 1999 カヴァー

都内で活動するELPのコピーバンド、ラキシスのライヴCD。 The Barbarian Karn Evil #9 Pirates 、ザ・ナイスの America-Rondo が収録されています。 ELPになりきることを目指した、いわゆる完コピ。演奏テクニックの詳しい分析は私には出来ないが、 素人耳にはライブでこれだけ演奏出来れば凄いのではないかと思う。特に悪の教典#9の全曲コピーは、さぞタイヘンだったろうと思う。 実際に見たことは無いがが、 写真をみるとハモンドに乗ったりナイフを刺したり、絨毯の上で演奏したりしてるようだ。(笑)  でも、案外そういうところが良いのかも知れない。CXテレビの芸能人ものまね歌合戦のような多少デフォルメされた形態模写もエンターテイメントだ。私はポケビの内村くんが例の大ヒット曲の間奏でキース・エマーソンの形態模写?をするのを秘かに楽しんでいた。怪我のため手の調子が悪くて演奏中に手首を振るところまで真似してたりしてあれは結構笑える。あまり知られていないが内村くんはかつて好きなアルバムに「オメガ」を挙げたプログレヲタクだ。

DECO ( 西村雅彦 ) 1996 カヴァー

こんなところにもクリムゾンズ・チルドレンがいた!! フジテレビの人気TVドラマシリーズ「古畑任三郎」の今泉慎太郎役で有名な西村雅彦さんのCD。 東京サンシャインボーイズの僚友、三谷幸喜氏が書いた曲や水野真紀さんとのデュエット曲などワケのわからん曲が並ぶいかにも役者さんらしいCDだが、 その中で過激に 21st Centry Schizoid Man ( King Crimson) を歌っている。 こういう選曲をすると、レコーディングスタッフもやる気満々になるのかな? ドラムの音がタイトでとてもカッコイイ演奏だ。 で、西村さんはそれ原語で唄っている。ファズもかかっているが、おもいきりがなっているだけ・・・。はっきり云って下手(笑)、 歌い出しの誤りもそのまま収録されている。西村さんは1960年、富山市生まれ、中学1年生のときキングクリムゾンに出会ったらしい。 地元のレコード店にブツが無く、雑誌の売ります買いますのコーナーを通して入手したんだそうな・・・。 高島政宏さんと比べるとプログレオタク度は低そうだが、とりあえず心意気は伝わってくるので、○(マル)。(^_^)

エスニック・ダンス ( 加藤登紀子 ) 1986 カヴァー

お登紀さんと云えば「知床旅情」なんていうオジサンも多いだろうが、この方は懐メロ歌手にあらず・・・。 最近は「百万本のバラコンサート」を成功させ、その歌声はたくさんの人々を魅了している。 「この空を飛べたら」が大ヒットした80年代も、坂本龍一プロデュースのアルバムを何枚か制作するなど常に精力的に活動していたお登紀さんだが、それとは別にマーク・ゴールデンバーグが全面的に参加しプロデュースしたアルバムがあった。その中で何と Casablanca Moon ( Slapp Happy ) を唄っている。 アンソニー・ムーアとピーター・ブレグヴァドの曲をアンソニーの奥さんダグマー・クラウゼが唄ったヴァージンレーベルの初期の名曲だ。 とはいえ一般的にはかなりマイナーな曲だと 思うのだが、何でお登紀さんが唄うことになったのだろう? ちなみに歌詞は東大卒の才媛、お登紀さん自身による訳詞。自身の選曲だったりするとチョット嬉しいかも? 確かに詞も雰囲気もお登紀さんにピッタリだなあとは思うだが、 原曲は鬼気迫ると云うかいくぶん狂気を感じさせるタンゴだったが、お登紀さんは思いのほか軽やかに唄っている。

鳥の歌 ( 宗次郎 ) 1994 カヴァー

オカリナの宗次郎さんが、鳥の歌〜遙かなる同胞たちの歌〜と題して制作したカヴァー集の中にあった。 Moon Child ( King Crimson ) 。想像するだけでわかると思うが、この曲のメロディラインはオカリナによく合う。 ただし、幻想的な雰囲気は消え、素朴な曲になってしまうが・・・。 「遙か遠い小さな国にも美しい音楽があります。それらに耳を傾けていると僕らは全て 同胞だと思えるのです。」と彼は語っている。事実、彼はこのアルバムで 「花祭り」や「マイムマイム」など世界の著名な民謡(トラッド)を演奏している。 ところがというかなぜかその中にサイモン&ガーファンクルのスカボロー・フェア、レッド・ツッペリンの天国への階段、そしてキング・クリムゾンのムーン・チャイルドが含まれているのだ。「コンドルは飛んで行く」ではなく「スカボローフェア」、「庭の千草」や「蛍の光」ではなく「天国の階段」や「ムーンチャイルド」、ってところが面白い。何でそうなるの?って好きだからだよな。当然・・・。(笑)

氷の世界 ( 井上陽水 ) 1973 共演

「心もよう」が含まれる井上陽水の大ヒットアルバム「氷の世界」。 オジサン、オバサンにはとても懐かしいアルバムだ。 このアルバム、実はロンドン録音だった。それも、数々のブリティッシュ・ロック の名盤を生み出したトライデント・スタジオとアドヴィジョン・スタジオでの録音。 そうなると気になってくるのがバック・ミュージシャン。で、それを調べてみたら、ぶっ飛んだ。(笑) まさか井上陽水のバックが、 Quatermass だったとは・・・。(^_^; そうあのヒプノシス・ジャケットのクォータマスだ。 Quatermass のキーボード奏者 Peter Robinson 、 ベーシスト John Gustagson 、がそれぞれ「あかずの踏切り」や「氷の世界」など 5曲で演奏しているのだ。「氷の世界」のハープシコードも Peter Robinson 。彼は、 Brand X の主要メンバーで、この時期は、Morris Part と共に Suntreader という幻のバンドもやっていた。 また、John Gustagson はロキシーミュージックのベーシストでもある。 さらに、 Quantum Jump のギタリスト、 Mark Warner も一緒だったりもする。これはジャズロックファン驚愕の1枚か・・・?(笑)  ちなみに大ヒット曲「心もよう」は国内で日本勢によって録音された「もよう」で、 クレジットに細野晴臣、深町純らの名前が見える。高中正義や村上修一(本名?)、松岡直也ら名も あって豪華絢爛、プログレ系とはいえないがこれも凄いメンバーだ。

地上の楽園 ( 久石譲 ) 1994 共演

最近は北野武監督作品の音楽でその名を世界的に知られるようになった久石譲。 そういや98年長野パラリンピック開会式の演出も素晴らしかった。 多少質素ではあったけど長野オリンピックの開会式よりずっと良かったと地元では評判だった。 彼がパラリンピック開会式を担当することになったのは、きっと長野県中野市の出身だからだろう。中野市と云えば日本民謡界、童謡界&歌謡界の重鎮、中山晋平のふるさとでもある。久石氏が地元に帰る時は、一般ウケも考えて親しみやすく「トトロの久石」(アニメ「となりのトトロ」の サントラも担当)になってしまうそうだが、本来はロック好きな?ジャズピアニストだ。一連とサントラとは別。このロンドンで作られた彼のソロアルバムには、キング・クリムゾンの Bill Bruford が参加。まあ、ビルビラは結構いろんな日本人のアルバムに 参加してるので珍しくも無いのだけれど、 David Cross まで参加してたのには驚いた。曲ごとのクレジットが無いので、彼等がどの程度関与しているかはわからないが、7曲目の GRANADA などは完璧にブラフォードのドラムサウンドだ。

ZOOM ( Kokoo ) 1999 カヴァー

これは珍しい。尺八(中村明一)、箏(八木美知依)、箏(丸田美紀)の3名の演奏による Moon Child ( King Crimson ) 。尺八で奏でられるヴォーカルパート は幻想的で、意外に違和感は無いのだが、バックの箏の方はやっぱり和楽器!!って感じで、我国固有の雰囲気を醸し出している。(笑)  中村明一氏は「自分の音楽的土壌はロックだから」とライナーの中で述べている。 クラシック界、ジャズ界、ついには邦楽界にもプログレオタク現るってことなのだろうだろうか。

ベスト( 空手バカボン ) 1990 カヴァー?

筋肉少女帯の大槻ケンジがインディーズでやっていたバンド。当時のLPは入手困難というか、あっても バカ高い値段なので、後年発売されたベストCDで紹介することにした。真面目にプログレを聴いてる 人が怒りだしそうなカヴァーというか著作権無視のパクリをやっている。曲名は「スターレス&バカボン・ブラック」 「バカボンの頭脳改革」。スターレスのエンディングのギターフレーズに合わせて「バカボン〜、空手バカボン〜、こんにち〜わ〜〜」という歌詞が乗り、感動の名曲もすっかりパロディになっている。ELPの方は悪の教典#9の中のシンセフレーズに合わせて「空手バッカボン、空手バッカボン、 バカ、バカ、バカ、バカ・・・」(爆) プログレ以外にもYMOのライディーンの傑作なパロディも収録。 私は十分に笑ったので、これを聴いて怒るようなことがはない。

ノー・ルッキン・バック( 浅香唯 ) 1990 共演

コンサートでリリコン?を吹いていたアイドル、浅香唯のアレジャーは井上鑑。例によって彼のお友達が参加している。(^_^) ギターは、パイロット、アラン・パーソンズ・プロジェクトの Ian Bairinson 、そしてP・ガブリエル・バンド、ランダム・ホールドの David Rhodes 。さらにブランドXのメンバーで、「サンヒーローのオリアス(ジョン・アンダーソン)」 「ピーター・ガブリエル 3rd 」「魔物語(ケイト・ブッシュ)」あるいはフィル・コリンズのソロなど数々の名作に参加している ベーシスト John Giblin 。録音はなんと、ピーター・ガブリエル氏のリアル・ワールド・スタジオだ。 前作「オープン・ユア・アイズ」にも、デヴィット・ローズを除いた2人が参加している。音楽的には特にプログレ系の要素はないものの、良くできたAORサウンド。なんとか浅香唯を大人のアイドル?にしようと奮闘する井上鑑氏の努力がしのばれる。曲ごとのクレジットがないので、 どの音が誰の演奏なのかはわからないが、そこをあえて分析するほどの音でもないのかも???  これは自ら詞を書き始め、相変わらずカワイイ声で唄う浅香唯を楽しむアルバムだ。

クリプトグラム( 井上鑑 ) 1982 共演

杏里や浅香唯のアルバムのアレンジャー、井上鑑はオジサンに懐かしい「パラシュート」というフュージョン・バンドのキーボード・プレーヤーだった。 寺尾聡の「ルビーの指環」でレコード大賞の作曲賞だったか編曲賞を受賞したこともあったが、 彼のソロ・アルバムには多数の英国プログレ系ミュージシャンが参加している。全部紹介するとキリがないので、 とりあえず一番古いセカンドソロ。このアルバムには例によってパイロットの Ian Bairinson が参加。 一曲目から見事なギター・ソロを聴かせてくれてこれは価値が大。浅香唯のアルバム同様、 John Giblin も参加。 そして、アランパーソンズ・プロジェクトのドラマーで、ケイト・ブッシュ作品やアル・スチュアートの名曲 「イヤー・オブ・ザ・キャットでもドラムを叩いている Stuart Elliot もシモンズをひっさげて登場している。 その後のアルバムにも、 Bill Brufford Simon Phillips David Rhodes Tony Levin らのクレジットがあり、 Peter Gabriel がナレーターとして参加している「雪のひとひら」という作品もある。

南極物語( ヴァンゲリス ) 1983 共演?

1983年、フジテレビ、学研、蔵原プロが共同で、25億円もの巨費を投じて制作した映画「南極物語」の音楽担当はヴァンゲリス。 メディア・ミックスなる手法でTVや雑誌を使い盛んに映画宣伝がなされ、当然の如く大ヒットした。 そのテーマ曲は今でも冒険物のTV番組では定番BGMとして使われている名曲だ。この場合、共演って云ったって、日本人映画スタッフとの共演ってこと。(^_^; ヴァンゲリスは70年代に、ギリシャのプログレッシヴ・ロック・バンド「 アフロディス・チャイルド」のメンバーとして活躍。イエスのジョン・アンダーソンの親交が深く、「 ジョン&ヴァンゲリス」名義でも多数のアルバムを制作している。リック・ウェイクマンが抜けたイエスに加入するとの噂も流れたこともあった。 まあ、この作品以降は、プログレファンでなくとも、映画ファンの中にヴァンゲリスの名前を知る人が増えている。 映画「炎のランナー」のサントラではELPと同じ「聖地エルサレム」を演奏しているが、これがまた荘厳で良かった。

ムーンライト・シャドウ( ナンシー・ルー ) 1984 カヴァー

歌謡アイドル全盛時代の1984年。CBSソニーは、なんと Moonlight Shadow ( Mike Oldfield ) をアイドルに日本語詞で唄わせていたのだった。この曲は、マイク・オールドフィールドのポップな側面を代表する曲で、原曲を歌ったマギー・ライリーの声には如何にもポップ然とした独特の魅力があり、彼女には目立たないようでいて、 私自身も含めてたくさんのファンがいる。だからマギー・ライリーと比較するのもどうかと思うが、 とりあえずナンシー・ルーの方が「若くて可愛い!」わな。(爆) もちろん、70年代のマイク・オールドフィールドのビデオで観ることが出来る マギー・ライリーも「若くてピチピチ」してたが。(^_^; で、ナンシー・ルーについての詳細はCBSソニーから82年のデビューし、 渡辺真知子の曲やこの曲など3枚のシングルを出していること以外は今のところ不明。名前からすると東洋系の外国人の可能性大?  流暢な日本語で唄っているが、シビアに聴けばやっぱり日本人ではないイントネーションもあるし、逆に英語部分の発音はやたらキマってたりしていて、そんなところはアグネス・チャンと同様だ。(爆)  ところで、マイク・オールドフィールドといえばヴァージン。当時、どこのレコード会社がヴァージンの権利を持っていたのかを調べたら、 この時点ではまだビクター音産だった。その後、ヴァージンは東芝EMIに移り、マイク自身はWEAに移籍したりしてるが、 なんでCBSソニーでマイク・オールドフィールドなんだろ? ナンシー・ルー本人が?あるいは彼女の担当者がよほどプログレ好きだったのかな???

CHAT CHAT( 嶺川貴子 ) 1995 カヴァー

Moonlight Shadow ( Mike Oldfield ) といえば、渋谷系の歌姫&キーボード・プレーヤー、 嶺川貴子さんもカヴァーしていた。・・・って、西新宿系?ってえか目白系?(爆)のオヤジである私にはさっぱりわからんが、 L⇔Rってバンドに在籍後、ソロに転向。プレステのCMなどにも出演するアイドル?としても若い世代に人気があるようだ。 このアルバムは、L⇔Rを卒業(脱退)して最初に発表した彼女のソロ・アルバムで、マイク・オールドフィールドの他にも、ビートルズの 「ドライブ・マイ・カー」やノーランズの「恋のハッピー・デート」などをカヴァーしている。 中でも極めつけは松本隆&細野晴臣による名曲「風の谷ナウシカ」のカヴァー。ウィスパーとゆ〜か、 アンニュイな雰囲気な彼女のヴォーカルがピッタリとハマッている。エレクロニック・ミュージック系の変わったアレンジで聴かせてくれるこの 「ムーンライト・シャドウ」も同様にアンニュイで可愛い。

遺言状放送( 人間椅子 ) 1991 カヴァー

青森出身のイカ天バンド、人間椅子の91年4月21日渋谷公会堂でのステージを収めたライブビデオ。 21st Centry Schizoid Man ( King Crimson )を演奏してます。人間椅子は ツェッペリンやサバスを彷彿とさせるハードロックバンドだが、このビデオの収録から既に10年近くに なろうとしている現在でも、ライブで「21世紀の〜」とか「キャット・フード」などクリムゾンのナンバー を演奏してるようだ。そういやユーロ・ロック・プレスのクリムゾン特集にギターの和嶋慎治が執筆参加していたな。 バンド名は乱歩だと思いますが、他にも日本文学を意識した作品をたくさん作っていて、 脳天気なヘヴィメタルバンドとは一線を画していると云っても良いかと思う。彼等のステージは観たことがないが、 ビデオで観る彼等の様子は、3人組ということで見た目は最初期のラッシュのようでだが、 ヴォーカルのキーはラッシュやツェッペリンよりずっと低くてオドロオドロしい。 70年代のブリティッシュ・ハード・ロックの重厚さがしっかりと残ってるギターバンドだ。 ビデオで「21世紀〜」を演奏する和嶋氏は、しっかり椅子に座ってギターを弾き、これもフリップ「らしさ」が出ている。 歌詞は日本語だが、正直内容はよく聞き取れなかった。(^_^; 

夢をよべ( 佐木伸誘 ) 1988 共演

井上鑑氏のお友達系はキリがなさそうなのでもう止めようかと思っていたのだが、またまた発掘してしまった。 それは88年に東芝EMIからデビューした佐木伸誘という男性シンガーのソロ。このアルバムにもいつものメンバーが参加している。Ian Bairinson David Rhodes John Giblin ・・・ともうこのあたりはもう井上鑑バンドと云っても良いような状況だが、 さらにそこにBill Bruford(5曲目の「彼女は眠らない」という曲のみ)、 Simon Phllips が加わり、今回は井上鑑スーパーバンド状態だ。おや? Nico Ramsden なんぞというゴングやマイク・オールドフィールドでギターを弾いてた懐かしい人の名前も発見!!  もっとタマゲタのは、Jon Mcloughlin ってギタリストの名前が4曲ほどにクレジットがあること??  まさかマハビシュヌ・オーケストラの John Mcloughlin ??? ってジョンのスペルが違うよな???  真相は不明だが、ニコ・ラムスデンより後にクレジットされてる程度だから別の人だろうな。  ま、しかし、このアルバムは曲毎にしっかりとしたクレジットが記載されているので、ついつい耳を澄ましてそれぞれのパートを聴いてしまう。 最終曲は、イアンのアコギと鑑氏のピアノ伴奏による曲。私はこのCDを中古店の処分品のなから100円で購入。パイロットのファンのみなさん、清涼飲料水より安いよ! 

LADIES & GENTLEMEN ( 杉真理 ) 1989 共演

パイロットの Ian Bairinson は、杉真理のアルバムでもギターを弾いていた。 Bairinson のクレジットがあるのは、"MY LITTLE WORLD" "ROLL OVER THE SILENT NIGHT!" の2曲。 後者の曲はコーラスが EPO と山本潤子だったりしてこれはなかなか豪華。 いくつかの曲とミックスダウンはロンドンで行われているものの、このアルバムは井上鑑のクレジットはなく、 Ian Bairinson が何処から連れられてきたのかは不明だ。とりあえず、Ian Bairinson の役割はセッションギタリストでしかない。明るく聡明な杉真理の曲とパイロットの Ian Bairinson ってイメージが何故かしっくり来る部分もあるから可笑しい。 仮に Ian Bairinson が、チューリップにでも加わったりしゅたらもっと判り易いのかも知れないが、ビートルズの持つ中流階級向けの小綺麗な部分への妄想から生まれたのが日本のニューミュージックだとすれば、 ビートルズの明るくキャッチーな部分を継承したようなパイロットとどこか繋がってくる部分もあるのかも知れない。

ノヴァ・カルミナ ( 高橋鮎生 ) 1986 共演

80年代、井上鑑とは別に英国のプログレ系ミュージシャンと活動してた日本人アーティストと 云えば高橋鮎生。ピアニスト&現代音楽家として有名な高橋悠二氏の御子息だ。 日本では1980年頃、坂本龍一や吉田美奈子との共演から人々に知られるようになったが、 80年代中頃からはピーター・ハミルやデヴィト・ロードら英国のミュージシャンとたくさんの仕事を している。このアルバムも David Rord がプロデュース。 御大 Peter Hammill がナレーションで参加、いつもの声で歌うように 詩を朗読している。その他にもフェアポート・コンベンションの Dave Mattacks や、スティーライ・スパン の Maddy prior Perter Night などトラディショナル・フォークの大御所が参加。 このメンバーでの活動をプライベート・テープから起こした"PRIVATE TAPES 85〜95" ってCDもある。 また、97年、高橋鮎生がほぼ10年ぶりに発表した "Songs from a Eurasian Journey" という大作にもほぼ同様のメンバーが参加している。

KIMONO STEREO ( 飯島真理 ) 1986 共演

飯島真理さんはアニメの主題歌を歌ってたアイドルだとばかり思っていたら、 自ら詞と曲を書くシンガーソングライターだった。正に天は二物を与えたってことだろうか。 外国人のダンナさんと結婚し、LAを拠点に現在でも活動を続けているが、そうした海外での活動の 原点になってるのが、1986年にロンドンで録音されたこのアルバムだ。 その中の3曲、「瞳はエンジェル」「Diary」「3つのルール」のアレンジとキーボードが、 ジェフ・ベック・バンドの重鎮、 Max Middleton です。 「ブロウ・バイ・ブロウ」や「ワイアード」でスリリングなエレピを聴かせてくれた人だ。 彼は Humming Bird のメンバーとしても著名で、ケイト・ブッシュやコージー・パウエルのアルバムなどでもキーボードを担当している。 飯島真理さんは、とある場所でのインタビューで、Max Middleton の自宅に招待され家族と共に過ごした際、 彼から「どうして英国でアルバムを出さないんだい?」と励まされたことを契機に海外での活動を考えるようになった、と話している。 他にも英国のセッションミュージシャンが多数参加しているが、プログレ系は少ないようだ。 おや?  Ian Bairinson は、このアルバムにも顔を出してる。この時期の彼は邦人ミュージシャン御用達だ。

キャンセル ( 本田美奈子 ) 1986 共演

本田美奈子と云えば、 Gary Moore の「愛の十字架」!! 発売当時、ギターを持ったゲイリー・ムーアの左腕に本田美奈子 がしっかりとしがみついている2ショット写真をいろんなところで見かけたものだ。 彼女のシングル「the Cross −愛の十字架−」とアルバム「キャンセル」は1986年のロンドン録音。 このシングル曲とアルバムのタイトル曲で、ゲイリー・ムーアの泣きのギターが思いきり堪能できる。 ゲイリー・ムーアと云えばハード・ロック系のギタリストだが、コロシアムU をやってたり、グレック・レイクとも組んでたりってのもあるから、 ここはプログレ系ということで紹介。 また、このアルバムのB面2曲目「ルーレット」はクイーンのジョン・ディーコンの曲。 他にも、ゴー・ウェスト、ティアーズ・フォー・フィアーズなどのメンバーが参加している。 さらに、本田美奈子さんは、この翌年、クイーンのブライアン・メイの作詞・作曲・編曲&プロデュースによる 12インチシングル「クレージー・ナイツ」なんのも発表している。 如何にもブライアン・メイってギターが聴けるから、彼のファンは必携。

CHECK IN ( 坂上忍 ) 1984 共演

子役からアイドルに、そして現在も俳優として活躍中の坂上忍クンの2ndも豪華メンバーによるロンドン録音だった。ジェフ・ベック・バンドのギタリスト Robert Awai と同じくキーボードの Max Middleton 。 さらにお馴染みのベーシスト John Giblin と とドラマー Stuart Elliot 。そして、 パブ・ロックの Dr.Feellgood のギタリスト、 Wilko Johnson までもが参加している。Wilko はシーナ&ロケッツあたりとも交流があるようだ。 Wilko のファンが坂上忍くんのこのアルバムを血相変えて捜してるみたいだが、 どこが Wilko Johnson なの? って感じの曲ばかりだ。オマケがひとつある。最終曲「愛を見失う前に」は、 Gary Moore の曲。 この曲がゲイリーのカヴァーなのか「書き下ろし」なのかは不明だ。

HOWLING at YANEURA ( SIREN! ) 1977 カヴァー

このCD(R)はぷろぐれ明朗盤でも紹介している"MOON DANCER" の前身バンド、"SIREN!" (サイレン)が1977年、渋谷・屋根裏で行ったコンサートの模様をフル収録したもの。 厚見玲衣の十八番「薔薇心中」を始め、「明日への行進」「哀しみのキャンドル」 「夢みる子供たち」「FLY U P!今」など、アルバム「ムーン・ダンサー」に収録されていた曲が、既に演奏されている。オマケに詞は全部英語。20年以上前のものとは思えないクリアな 音質で、これは厚見ファン必携の貴重な音源。で、ここで SIREN! がカヴァーしている のは、 Roundabout (Yes) 。キーが異常に高いイエスのコーラスを 再現するのにはずいぶん苦労しているが、この時期この人達がこの曲を演奏していたのを 聴くことが出来るだけでオジサンは嬉しい。(笑) ま、このCDRはカヴァーよりも 彼等のオリジナル作品の方が秀逸だ。特にボーナス・トラック?として収録されている スタジオ・ヴァージョンの「悲しみキャンドル (Candle Love) 」は時代が感じられてとても 良かった。

Nature ( Noah ) 2000 カヴァー

詳しいことは不明。静岡のフォーク・グループがインディ−ズで発表したCDRです。 アコースティック・ギターを中心にした純然たるフォークだが、演奏は抜群。特に 男声1名と女性2名によるコーラスはうっとりするほど見事。演ってる曲は イエス、クリムゾン、マイク・オールドフィールド!! 全26曲。前半13曲は 1994年頃にカセットでリリースしたようで、その中にも含まれている Moonlight Shadow ( Mike Olfeld ) はプロも顔負けの出来だ。 原曲は当時の流行にあわせリズミックに演奏されているが、こうしてフォークとして 演奏されると、この曲が実はフォークの故郷が生んだ偉大なミュージシャンの曲であったことに あらためて思い知らされる。ギターのお兄さんもとても上手、幻想的なシンセサイザーによる伴奏がつきインディーズであることをすっかり忘れてしまう出来だ。さらに今回のCDR化に際して、 LIVE AND LET DEMO として収録された13曲の中にあるのが、 Long Distance Roundabout (Yes) The Ancient (Yes) I Talkd to Wind ( King Crimson ) 。ジョンの唄も女性の声域ならば問題は無し、伸びやかで美しいフォーク曲になっている。「風に語りて」はジュディ・ディブルよろしく女声で来るのかと思ったら、ギターの男性が歌っているが、これもかなり上手。いずれもプログレを聴いているというより上質のフォークソングを聴いているかのようで、とても気持ちがイイ。この調子でELPの「ラッキーマン」とかPFMの「通り過ぎる人々」などをやるようなら私は静岡までクルマをトバしてでも聴きに行きたい。(笑)  とまあ、プログレのカヴァーにこだわって紹介したが、実はこのバンド、非プログレ作品の選曲もタダ者ではない。(^_^;  CS&Nで入るところはフォークが好きな方々の常套としても、"IN MAY LIFE (THE BEATLES)" 、"YOU'VE GOT A FRIENND (CAROLE KING)"、"A HORSE WITH NO NAME(AMERICA)" 、 "CALOLINE NO(THE BEACH BOYS)"、"GOODBYE YELLOW BRICK ROAD(ELTON JOHN") 等々、 6〜70年代前後の怒濤の選曲にオジサンは涙チョチョ切れた。とっても良い。(^_^)

夜を往け ( 中島みゆき ) 1990 共演

永年にわたり根強いファンを持つ中島みゆきが1990年に発表したアルバムは 東京でレコーディング、ロンドンでミックスダウンが行われた。 ロンドンで追加レコーディングがされたのか東京まで来たのかは不明だが、 Sax奏者として Mel Collins ( King Crimson , Camel ) がクレジットされている。古村敏比古のクレジットもあり、 一体どのサックスの音がメルの音なのかは聴いているだけでは判然としない。 何でこんなところにメル・コリンズが・・・って感じもしないではない。 調査によるとメル・コリンズはこの他にも日本の歌謡界で活躍?した形跡があるようだ。 その成果はいずれまたこのページに追加したい。(笑)

VERGE OF LOVE ( 荻野目洋子 ) 1988 共演

これは、今やマライヤ・キャリーやホィットニー・ヒューストンのプロデューサーをとしての世界的な名声を 欲しいままにしてる Narada Michel Walden が、全面的に参画して 制作した荻野目さんちの妹さんのアルバム。これはアイドルの作品を超越してる。プロデューサー業を 始める前のナラダと云えば、ジェフ・ベックのワイアードでタイコを叩いていたことで有名だが、 元来はマハビシュヌ・オーケスラのドラマー。また、ブランドXのメンバーがイタリアに渡って活動したことでプログレファンには有名な Nova ってバンドの ドラマーなんぞもなぜかやっていた。こうなると彼もすっかりプログレ人脈だ? 最後にトドメを差しておくと、ロバート・フィリップのソロ「エクスポージャー」のタイコも実はナラダ。 で、さらににオチをつけておくと、彼は今をときめく日本のナンバー1グループ、SMAP(ジャニーズ事務所)のアルバムでもタイコを叩いてたりもするのだ。ギターを弾いてるのがナイル・ロジャースだったりもするのも凄いわな。敏腕ミュージシャンと共演したかったら、日本の場合、アイドルになるのが一番の早道ってことになるのかな???

まどろみ ( 美狂乱 ) 1977 カヴァー

日本のプログレバンドによるプログレカヴァーとしては正に本命盤。94年にCD化。 私自身は1stアルバム「美狂乱」のLPがリリースされた頃からしかこのバンドのことを知ないが、 高見博史さんの解説によると美狂乱はそれ以前オリジナルを中心としたバンドにプログレスするために 「まどろみ」と名乗り、クリムゾンを完全コピーすることを自らに課していたのだそうな・・・。 その頃の録音を発掘したのがこのCDのようだ。演奏してる曲は The Great Deceiver Book of Saturday Fructure The Night Watch Exiles Starles 。ウェットンがいた時期の名曲ばかりだな。 いわゆる完コピ。本家が本家だけに本家以上のモノを求めるのは無理だが、 77年頃の静岡でこれだけの演奏をしていたバンドがいたってこと自体が驚愕に値する。 キーボードとヴァイオリンは助っ人。メロトロンは無く、電気オルガンのような モノ?を使っているし、ヴァイオリンの音があまり聴こえないのも残念だが、須磨さんのギターの迫力には今でも圧倒される。

アンファンU ( オムニバス ) 1989 カヴァー

10年ほど前にポリドールが企画した「アンファン」というカヴァー集の2作目。 「21世紀の子供達に捧げるスタンダード集」ってたいそうな宣伝文句と共に、国内のミュージシャンが 6〜70年代のロックやポップスをカヴァー演奏している。なんだか企画意図がよくわからんオムニバス ではあるが、日本唯一のジャンプ・ブルース・バンド「吾妻光良&スウィンギン・バッパーズ」が、 In the Court of Crimson King ( King Crimson )を演っている。 スウィングするクリムゾン、「宮殿」が世界のマジック・ショーのBGMになってしまったような感じもしないではないが、 演奏はそのへんのロックバンドよりはずっと上手だし、あの一種独特な世界も持つ名曲を完全に自分達のスタイルで演奏しきっているところは凄い。 ジャンプ・ブルースって語感からするともっと粗野で野蛮な音楽なのかと思っていたが、私には普通のジャズバンドと雰囲気とあまり変わらないような気もした。ちなみに彼等は現在でもこの曲をライヴで演奏してるようだ。また、このCDには下山淳って人による Diamond Head ( Phil Manzanela )のカヴァーも含まれている。

POSITIVE SMILE ( 伊藤さやか ) 1983 共演

伊藤という姓のアイドルはけっこうさくたんいたように思う。御本人には申し訳ないがが、 私の記憶には無かった。家人に尋ねたら「ああ、あのちょっとツッパった感じの女の子でしょ。」 との答え・・・。そうかツッパリ系じゃ私が知らないわけだと思いつつ、元キング・クリムゾンの Mel Collins がサックスを吹いている彼女の6曲入り45回転アルバムを聴いてみた。 なんと、1曲目からメルのサックスソロが長い間奏でサクレツ?・・・いやこりゃ長いだけで気のない演奏だ・・・。 やぱ、クリムゾンと時のような鬼気迫る演奏とは違うよな。B面1曲目で彼のサックスのソロを聴くことが出来る。 また、リック・ライトのソロでギターを担当し、「ザ・ウォール」にも参加していた Snowy WHITE って人のクレジットもあれば、 当時、英国で大人気だった、 HAIR CUT 100 のメンバーも参加してたりもするのが凄い。

Super Nova ( Kokoo ) 2000 カヴァー

前作では小出しにクリムゾンを演奏していたが、今回は大爆発!! ELP、ハミル、ザッパ、フロイド・・・凄い凄い。 尺八と箏で演奏される Tarcus ( Emerson Lake & Palmer ) 、「タルカス変奏曲」も凄まじいものがあるが、 One of These Days ( Pink Floyd ) 、「吹けよ風呼べよ嵐」も、神風が吹いてくるようで凄い。 楽器は和楽器だが、演奏に向かう姿勢は完璧にロック、弦が切れそうだ。こういう選曲になると、和太鼓とか鼓(つづみ)などの音も聴きたくなってくるよな。 次のプロジェクトは和楽器のみによるシンフォニック・ロックの構築か?? そんな中、高橋鮎生氏が編曲した Droppig The Torch ( Peter Hamill ) は、 このバンドの編成にもピッタリでかつ楽器の特性が巧みに活かされていてとても良かった。 この曲は、"Chameleon in the Shodow of the Night( Peter Hammill ) 1973" のB面3曲目。 ハミルがギターを爪弾きながら歌う曲がここでは宇宙的な?尺八の音で復活している。シブイ選曲だねえ〜。今作の中で私の一番お気に入りだ。

MY FAVORITE THINGS( TROUVERE QUARTET ) 1994 カヴァー

吉松隆作曲のサイバーバード協奏曲で文化庁芸術作品賞を受賞した須川展也ら4人のサクソフォン奏者による クラシカル・サクソフォーン・カルテット「トルヴェール・カルテット」が、1994年に発表した作品。・・・などと知ったかぶりをして書こうと思ったのだが、実はクラシック・サックスのカルテットなんてのは 今回初めて聴いた。サックスといえば普通はジャズの花形楽器ってイメージだものな。演ってる曲は、 Round about ( Yes ) 21st Centry Schizoid Man ( King Crimson ) 。 ああ何だ、モルゴーアより先にこの人達がやっていたんだね。「ラウンド・アバウト」のアレンジはお馴染み佐橋俊彦氏。コレ、カッコイイ。最近はやりのシンフォニック何々ってロック曲の シンフォニックアレンジのソレとはちょっと違う。クラシックで、それもサックスで演奏される ラウンド・アバウトではあるが、プログレのスピリッツがそこはかとなく伝わってくる。 もちろん、これは佐橋氏によるところが大きいんだろうな。一方、「21世紀〜」の方は、 イントロの7分の3拍子(おそらく)が、2拍子のように聴こえ、まるで美空ひばりの「柔」の伴奏のよう??(^_^;  後半は即興的な演奏でクラシックとしてはかなりキレているが、 けっして滅茶苦茶とは云えないところが、やっぱクラシックだ??

FOX( 土橋安騎夫 ) 1990 共演

レベッカ再結成ってニュースを聞いてふと思い出した。そういやレベッカのメンバーのソロ・アルバムに Annie Haslam が参加してるって広告を見たことがあったな・・・と。でもって土橋安騎夫氏のソロを捜索したら、380円の中古CDで当該作品を発見。90年、坂本龍一、EPOに続く日本人3人目の ヴァージンレーヴェル契約アーチストとして発表された「フォックス」というアルバムがそれ。 音楽的にはレベッカとは全く異なる内省的な打ち込みサウンドだが、 スページーな曲やらエスニックな曲などを交えて、最後まで飽きさせずに聴かせるポップセンスは、 さすがに国内でヒット曲を連発した方だけのことはある。 10代の頃はビートルズ、クリムゾン、クラフトワークの他、クラシックが好きで聴いていたのだそうな・・・。 ほれならレベッカ再結成じゃなくてもっとシンフォニックなソロアルバムでも創ってけれ!(笑)  アニーの歌う曲は3曲、うち1曲はアニー自身による作詞。 アニー・ハズラムのヴォーカルはここでも美しく、その3曲に癒される。

LIVE!( SUBVERT階段 ) 1992 カヴァー

80年代、大阪のライヴハウスで伝説的な演奏を繰り広げていたという 「 SUBVERT BLAZE 」 とノイズ王「非常階段」が合体して行ったライブを収録したビデオ。 21st Centry Schizoid Man ( King Crimson ) をやっている。とにかくウルサイ! Junko というヴォーカリストが転がし(モニタスピーカー) に向かってハウリング宜しくずっと叫び続けている21世紀の精神異常者。 ノイジーな音が好きな方にはオススメだが、個人的にはチト厳しかったかな??(^_^;  永年プログレを聴いてきてしまってるので、ラフな演奏で音量がデカいのにはどうしても抵抗感が ある。ちょっと間違えただけで他のメンバーから鋭い目線が飛ぶような緊張感ある演奏であれば どんなに音量音圧がデカかろうが気にはしないのだが・・・。
( 尚、このビデオは Orange Power 様より頂戴しました。この場を借りて御礼申し上げます。)

Covers( bice ) 2000 カヴァー

フレンチポップスが大好きだった私は昔からウィスパーボイスに弱い・・・。(笑)  先頃結婚してしまった嶺川貴子サンに続く、国産ウィスパーボイスの、期待の新星!   「ビーチェ」と読むそうな。何でそんな名前にしたんだろ? 学の無い私は「バイス」かと思った。(^_^; 嶺川を都会的とすれば、bice は牧歌的なウィスパーボイス。フェアバリット・アーティストに トレーシー・ソーンをあげてたりもしている。このアルバムは70〜80年代曲のカヴァー集。 で、私のお気に入りは何と言っても、 Bat to me ( Pilot ) !!  Second Flight に含有の Bairinson & Paton 作による如何にもパイロットらしい佳曲。イイ曲選ぶよねな〜。 音としてはストロベリースウィッチブレイドがパイロットの曲をカヴァーしたらこんな感じになるんだろうなというような出来。その手の音が好きな人は要チェックだ。両方大好きな私はタマリマヘン。ってこのページはプログレのページではなかったのか???  ま、一応プログレ系として、 Xanadu ( ELO & Olivia Newton John ) なんてのもやってるんだけど、このアルバムはそういう聴き方よりも存分にブリティッシュ・ポップな雰囲気に浸った方が楽しく聴ける。 他に Bee Gees や Korges なんかもやってる。ま、そんな中にパイロットの曲を入れてくれたことが 何よりも私には嬉しかった。

20th Jun Togawa( 戸川純 ) 2000 カヴァー

いろいろあったみたいだけど、未だ現役で活動を続けているようでなによりだ。 彼女の芸能活動?20周年を記念して発売されたアルバムは、Goob-bye 20th century として 唄われたカヴァー集。選曲が凄い。 Casablanca Moon ( Slapp Happy ) All Tommorow's Paritues ( Velvet Underground & Nico )。 昔にくらべて声がちょっと枯れてしまった感じがするが、カサブランカ・ムーンもすっかり戸川純風、 戸川純風の 終曲 ( Phew )も秀逸だ。 あれから20年、嫌われようが首を傾げられようが、やはり個性というのは大切だってことだ。 私はかつて地元で行われた彼女のコンサートはもちろん中野サンプラザまでヤプーズを観に行った こともあって、彼女の全アルバム、ヤプーズのLDや戸川純のLD、 さらには「戸川純の気持ち」なる書籍まで持ってたりする隠れヤプーズマニアだったりもする のが、このページでの私はビートルズに始まりプログレッシブ・ロックを極めた プログレオヤジということになっているので、戸川純ちゃんの話は、ここだけの話ってことにしておいて欲しい。 はははは。(爆) 

タフな気持ちで( 渡辺美里 ) 1985 カヴァー

"My Revolution" 渡辺美里の登場は衝撃的だった。 新人とは思えぬパワーと歌唱力。当時、ニューミュージックと呼ばれていた曖昧で如何にも日本的なポップ音楽を、若干18歳の彼女が全く別の次元に持っていってしまうのではないかと思えたほどだ。実際、あの頃を境に「ニューミュージック」 という言葉が死語になっていったような気もする。さて、洋楽ばかり聴いてた私は 詳しく知らなかったのだが、"My Revolution" は彼女の4枚目のシングルなんだそうだ。 デビュー曲は、"I'm Free" という「スーパーポリス」ってTVドラマの主題歌。原曲はケニー・ロギンス、これたぶん米映画の挿入歌だ。 で、そのB面も同じドラマの挿入曲なのだが、実はこちらが本命??   「タフな気持ちで」って変なタイトルが付いてるが、なんとこの曲、プログレ(一応)のカヴァーなのだ。 「日本の皆さん!ロックのジュンビいいですか〜??」 Dont't Cry(ASIA)、おお!エイジアじゃあ!!  作詞 John Wetton、作曲 Geoff Downes、 でも何か変。イントロに入るプログレ色豊かな(笑)スティーヴ・ハウのギターはカット。詞も原曲の味わい深いラブソングからはほど遠い薄っぺらなドンマイソングに変貌・・・。 恥ずかしいのは、間奏に入る英語のセリフ・・・。原曲からひっぱってきたのかと 思いきや、そんな詞、原曲に無いじゃん!!(爆) でも、救われるのは渡辺美里の歌唱力。 彼女の声を聴くと元気が出る。最初のアルバムで既に非凡な力も発揮している。

Faital Woman( Samarie ) 1995 カヴァー

数年前、「雨音はショパンの調べ」を独特なウィスパーボイスで唄う女性歌手がいた。 FM放送でよく流れており、「やっぱプログレ好きな小林麻美の方がエエなあ!」などと オジサンは特に彼女に注目することもなく聴き過ごしていた。 刺激的なヌードを使った Samarie のジャケットカヴァーが某プログレ系雑誌に掲載されていたのを見た時も、 何でこの娘の写真が使われいるのかとそのココロがさっぱり判らず、編集者に彼女のファンがいるのかな?程度に 思っていたのだが、あれから?年、ようやくその謎が解けた。 なんと彼女は Moon Child"(King Crimson) のカヴァーなんぞを唄っていたのだった。including が THE DREAM and THE ILLUSION だと???  なんだかよくわかんないが、とりあえずスレたウィスパーボイスでエスニックかつリズミックな ムーンチャイルドを唄っている。個人的にはもちょっとロリっぽいウィスパーボイスが好きなのだが・・・。(爆笑)  でもまあ、小林麻美さんだけでなくSamarieさんもプログレ系?だったということでこれは思い切りアゲです。  Samarie さんはその後ドノバンの曲を歌ったりもして、かなり人気もあったように思うのだが、 いつの間にか業界から消えてしまった。今はどこで何をしているのだろう???

ヤリタミン( ロリータ18号 ) 1999 カヴァー

ロリータ18号って、きっと戸川純の「ロリータ108号」からきてるんだろうね〜。 パンクをやってるし・・・。 水前寺清子の「365歩のマーチ」のカヴァーには呆れた。 星野哲郎先生が怒るぜ〜。まあ、それがパンクってなもんだろうけど、パンク版 "Video killed the Raido Star "(Baggles)のカヴァーはけっこう可愛い。 どうせなら戸川純ちゃんにも可愛いモードで唄ってもらいたい気もする。 この曲はプログレというよりテクノポップの名曲なのだが、Trevor Horns & Geoffrey Downes はそろってイエスに加入したり、Asia を仕切ったりしてるから、もう完璧なプログレ勢とうことでリストアップした。

Bye Bye EXTREMER( 松井常松 ) 1998 カヴァー

次はロックンロール版の、 "Video killed the Raido Star "(Baggles)。 BφWYのギタリストの松井常松が解散から10年後に発表したソロアルバムの中でカヴァーしている。 シンプルなアレンジは良いが、日本語の詞はちょっとどうかな〜?って感じだ。 バグルズは、Geoffrey Downesの、プログレ風味なテクノアレンジや、 当時の業界人が息を呑んだTrevor Hornsのスタジオワークばかりが目立つバンドですが、 もともとこの曲はBruce Wooleyのもの。 つまり、このロックンロール版こそが実はこの曲の基本ってことになるのかも知れない・・・。

THE M ( The M ) 1971 カヴァー

エムのレコードは Stackridge なんぞも入ってるMCAの試聴盤(エムは3曲含有)しか持っていなかったので、 今までここで紹介するのを躊躇していた。(オリジナル盤を聴いたことが無かったもので・・・。) ザ・エムってのはゴダイゴの浅野孝已、外道の加納秀人などが1970年代前半にやってたバンドで、 フラワーズやファーラウトと同じく日本のニューロック最初期のバンドのひとつ。 そんなバンドのオリジナルアルバムがようやくCD化されたので、ようやくここで紹介することが出来た。 Flight of The Ibis(McDonald and Giles) 「アイビスの飛行」だ。ギターはもちろん上手いが、ドラムが張り切ってマイケル・ジャイルスしてるのがプログレファンにはたまらない。ケイデンス&カスケイドのような繊細さは無いし、 マクドナルド&ジャイルスとくらべてもかなりブルースっぽいが、演奏はかなりのものだ。 歌も上手いしハモリも気持ちいい。この時期、日本のバンドでここまで出来てたってのは凄い。 ゴダイゴといえば 1st が思いきりプログレだったけど、西遊記でブレイクしてからは誰もが知るお茶の間ロックバンドとして 一世を風靡した。終いにはNHKの「おかあさんといっしょ」に出演して体操の音楽をライブ演奏するまでになっていたのを思い出す(笑)が、後年もライブではエルガーの「威風堂々」を演奏してたりして、いたので、なんだかんだ云いながら私もよく聴いてました。 タケカワユキヒデに元ゴールデンカップスのミッキー吉野、さらに派手な外人2名とくりゃ、 浅野氏はどうしても地味な存在と思われがちで、実際多くの一般人はそう思っていたのだろうけど、日本のロック史って視点でゴダイゴを見れば、 浅野氏はミッキー吉野氏と双璧をなすほどの重要人物ってことになるんだよね〜。ミッキーはマルチキーボードを操る人ではあるけど、 カップス以来かなりロックっぽいと云うかけっこうファンキーな演奏をする人なので、ゴダイゴのプログレ趣味はジョン・アンダーソンのような格好をして唄うタケカワ氏の好みなのかなあ? などとも思ってたのだが、ギタリストが「アイビスの飛行」しているんじゃ、 バンド全体が「組曲新創世記」ににもなるよなあ・・・と妙に納得してしまう。古今東西、プログレバンドにとってはギタリストが鬼門。 ギタリストさえプログレ化してくれれば、そのバンドはプログレ道を邁進できるのだ。(笑)

Polaris ( Polaris ) 2001 カヴァー

元 Fishmans の柏原譲(b)、と元 LaBIFe 大谷友介(vo,g)が2000年に結成したユニット「ポラリス」。 ・・・と云っても最近の流行りモノに疎い私は詳しくは知らない。(笑)  遅れてあの坂田明教授の御子息、坂田学(ds)もメンバーとなり、最初の発表したミニアルバムがコレだそうだ。 各音楽雑誌で絶賛され、ウサギ?のジャケット写真をいろんなところで見かけた記憶はあったのだが、 まさか I Talk to the Wind ( King Crimson ) を カヴァーしているとは思わなかった。「ダブ」って云ってもその昔ニューウェイブ全盛の頃、 それっぽいのを少し聴いたことがあるだけ。今でもこういうの流行っているんですね。 もともと不思議な浮遊感のある「風に語りて」をダブにしようと考えたのは正解。 低音ベースに安心を感じながらふわふわとサウンドに酔いしれながら至福の時を過ごすことが出来る。

Keynote ( K. ) 2001 カヴァー

「K.」と云ってもピーター・ハミルではない。(^_^; 日本の、たぶんクラブミュージック系?の女性ヴォーカリストのこと。 Moonchild ( King Crimson ) を歌っている。 音は藤圭子さんの娘等々と同じ純和風クラブ。 詩の内容がビビットに伝わってくるし、近頃こういうの好きな若者は多いようだ。 だた、この人の場合は、時々本格的JAZZテイストになるところがアダルトっぽい。 マンディ満ちるがプロデュースした曲なんぞもある。Moonchild もそのジャズブレイクのうちの1曲。 渋い仕上がりになっているけど、Moonchild の幻想的な雰囲気は抑えられ、明るく楽しいいい気分な音楽になっている。 1969年のあのアルバムは元々ジャズの作品としての解釈も可能?とされている位だから、 アシッド風とかブレイク風にアレンジするのは比較的容易なんだろうが、 いい感じの Moonchild じゃ、原曲を知る人々は、「ちょっとコレ違うんじゃないの?」と思うかも知れない。

COVERS PLAY vol.1 ( Halftone Music ) 2000 カヴァー

Halftone Music って音楽プロダクションに所属するアーチストによるコラボレーションCD。 店頭販売のない限定CD。所属するミュージシャンは、武部聡志、CHIROLYN、山口由子など。 そのCDの最後を飾るのが、CHIROLYN を中心とするラインナップによる Another Brick in The WALL PartU ( Pink Floyd ) 。エレキバンド風のウォールになっている。 多くのスタジオミュージシャンを擁するプロダクションのようで、その気になればどんなアレンジも可能なんだろうが、ここはチープにそれもライブでベンチャース風(というよりグループサウンズ風)に演ってます。 他にも TOTO の MAMA や AMBROSIA の Biggest Part of me なんかもやってます。いずれもこのページでは プログレの扱い? なかなか濃い内容ってことになるのかも?

Cornerstones 2 ( 佐藤竹善 ) 2003 カヴァー

佐藤竹善っていえば私にとってはFMのパーソナリティさんでしかない。 放送はよく聴いているので、彼が SingLikeTaiking というバンドのメンバーってことは知っているが、 山下達郎や松任谷由実ほどにその音楽内容を知ることはなかった。 その彼がカバーアルバムを出したっていうんで調べてみたら演ってました Eye In The Sky ( The Alan Parsons Project ) Last Train To London ( E.L.O ) 。「ロンドン行き最終列車」だね。 このCDは佐藤竹善氏が中高生時代に聴いたルーツミュージックをカヴァーしたとのことで、 「なるほど、そうなんだ・・・。」ってのが正直な感想。 達郎氏がビーチボーイズで、ユーミンはプロコルハルムだったよな。で、竹善氏がELOかいな。 〜。このアルバム、TokyoFM の日中に何回でもオンエア可能な洗練された A.O.R 。 温和そうな方なのでこれでいいのかな。・・・と思ったら初回盤のボーナストラックで Chick Corea の Spain をライブで演ってるゾ。ソロアルバムなんだから、次回、Cornerstones 3 はAORの呪縛?を取り払い 洋楽マニアを喜ばせて欲しいなあとも思うのだが・・・。

No.17 ( 小泉今日子 ) 1990 共演

井上鑑が浅香唯を連れてプログレス?した同じ年、なんてったってアイドル小泉今日子も ロンドンレコーディングをしていた。こちらは東京スカパラダイスオーケストラや 藤原ヒロシといった面々によるサポート。その2曲目と6曲目にギタリストとして、パイロット、アラン・パーソンズ・プロジェクトの Ian Bairinson が クレジットされている。いずれもしっとりとした良い曲。特に6曲目はなんと "Heaveny Guitar" KYON2不在のギターインストルメンタル曲。超短い曲だけど、 パイロットファンは必聴だろう。このCD、BookOffあたりで300円程度でゴロゴロしてる。 他の曲も「ヤマトナデシコ」とか「なんてったって」とは別路線のオトメチックでしっとりとした 小泉今日子の良さが堪能できる秀作、聴いて損はしない。(笑)

See ya ( CHAGE & ASKA ) 1990 共演

Ian Bairinson でもう1枚。 ロンドンレコーディングを敢行した See Ya のロンドンセッション6曲に参加。 クリエイターとしての個性が強い CHAGE & ASKA のアルバムらしく、 Ian Bairinson のギターはあくまでもセッションマン的なものって感じがする。 フォークデュオ?から出発したチャゲ&飛鳥もこの時期にはデビュー10周年。 解散説なんかも囁かれ始めた時期に作ったのがこのアルバム。 古くは五木ひろしのラスベガス進出よろしく行き詰まっての海外進出だったのかなあ?って憶測を 払拭するかのように、彼らはこのあとわずかな期間活動を休止した後、あのテレビドラマの主題歌で復活し 国民的歌手としての地位を築くのであった。

MY NAME IS WOMAN ( アン・ルイス ) 1989 共演

1989年のアンルイスのアルバムにクレジットされているのは、ブランドXのメンバーで、 「サンヒーローのオリアス(ジョン・アンダーソン)」「ピーター・ガブリエル 3rd 」 「魔物語(ケイト・ブッシュ)」あるいはフィル・コリンズのソロなど参加している ベーシスト John Giblin 。アラン・パーソンズ・プロジェクトの メンバーもやってたな。いわゆるセッションミュージシャン的な仕事をしてきているから、 いろんなところに顔が出るのが当然とは云え、上記のような名作がズラリと並べば プログレファンとしては無視できない。実はこのアルバム、もっとマニアライクな ミュージシャンが参加しているのだ。ストリングスを担当している Gavyn Wright 。ゲヴィンライト(ゲーリーライトではない)は、 70年代、Pavlovs Dog、Quantum Jump でヴァイオリンを弾いていた人。 10年後はストリングスオーケストラを率いて仕事をしてたってことだ。 蛇足だがジャケットにはレコーディングスタッフの写真が満載、John Giblin も JOHN と書いた 紙を手に持って写ってたりもする。

RH (ルインズ波止場) 2001 カヴァー

アレアやイエスのカヴァーで知られるルインズ波止場。ルインズと想い出波止場の合体ユニットの ため、気がついた時にはスルメ付きの自主制作盤が販売停止になっていたりして、永らく聴くことが出来なかったが、 かつての音源の一部が復活したお蔭でやっと聴くことが出来た。1曲目からいきなり、 Lark's Tounques in Aspic Part U(KING CRIMSON) 。 といっても歌はジェイムス・ブラウンじゃないか。なんだこりゃ・・・。 アレアかレジデンツの如きフリーミュージックが続く中、20曲目に Trans Europe Expless(Kraftwork) 。 そして40曲目のトリはJuly,August,September,Black(Area) 。「黒い九月」のカヴァー。これをカヴァーしようとするところが凄い。 フリーキーな音楽を志向しているユニットなので、尽く原曲を崩して演奏しているのかと 思えばさにあらず、かなり忠実なカヴァーなのだ。これにはオリジナルパフォーマーへの 尊敬の気持ちが伝わってきて好感が持てた。

CLOSE TO THE RH 嬉嬉 (ルインズ波止場) 2003 カヴァー

ルインズと想い出波止場のコラボレイトユニット「ルインズ波止場」が91年に録音したの音源がリミッスされて蘇った。 ライブ収録されたものらしいが、リミッスはスタジオ録音のようにクリア。タイトルから判るように Close to the Edge(Yes)のカヴァーをやっている。 ルインズ波止場のオリジナル曲は、一聴すると「こいつら真面目にやってんのか?」 と思えるほどにアヴァンギャルドなものだが、カヴァーに関しては極めてストイック。いわゆる完コピだ。 クリムゾンが「危機」を演奏しているかのような演奏はイエスよりパワフルでソリッド。 他にTrans Europe Express(Kraft Work)Larks Tongues in Aspic Part2もカヴァーしている。 「太陽と戦慄(パート2)」は、ライブアルバムと同様、ジェイムス・ブラウンのセックスマシーンとの変則的同時進行コピーだ。 Relayerという曲もあり一瞬期待を抱かせるが、これはオリジナル曲。妄想の世界に入り、 その気になって聴くとイエスのリレイヤーのようにも聴こえてくるかも?

トッドは真実のスーパースター (トリビュート) 1997 カヴァー

トッド・ラングレン(Todd Rundgren)はプログレの範疇を超えたポップの鬼才。 世間で云うところの最もプログレらしい音楽を奏でていたのは1974年に始めるユートピアでのバンド活動だが、 それ以外の時期も侮れない。どちらかというと玄人好みのミュージシャンで、日本でも大ヒットしたような曲はひとつもないのだが、 なんとこのトリビュートアルバムには30もの日本人ミュージシャンが集まった。つまりカヴァーが30曲ってことだ。 この手のアルバムとしては大杉(笑)。 ここまでミュージシャンに愛されていたのかと正直驚いた。参加しているミュージシャンも凄い。 鈴木慶一、高橋幸宏らの大御所から鈴木さえ子、かの香織、カーネーション、王様、高野寛、ZABADAK、桜井鉄太郎、 野田幹子、サエキけんぞうなど続々。これだけ集まるとそれぞれの持ち時間は2〜3分。 サワリだけとかほんとにカヴァー?みたいなのもあるが、そんな中、たった2分9秒の中でトッドのメドレーを演ってしまった ミュージシャンがいる。我等が難波弘之氏だ。やはりトッドの音楽に対する造詣の深さが違うよな〜なとど思いながら プログレ魂溢れるこのトラックにおもいきり溜飲を下げた。

輝く月が照らす夜 (畠山美由紀) 2001 カヴァー

畠山美由紀という人このマキシシングルで初めて知った。これがソロ第一弾ってことらしいが、こんな実力派の 女性ヴォーカリスト、それまで何処に隠れていたのだろうってな感じだ。彼女はこのファーストソロシングルで A Dream Goes Forever(Todd Rundgren)を歌っている。この曲はアカペラのGospellersも唄ってたり もするのだが、彼女のヴァージョンはまるでキャロル・キング。これはいい。ちょっと地味なのでどうなるかなと思っていたが、 その後の彼女の活動は変幻自在。ジャズのカヴァーを唄ったかと思えばストーンズのトリビュートアルバムや ジョンレノンコンサートに参加。松任谷由実のカヴァーを唄ったかと思えば夜来香や蘇州夜曲なんぞも歌ってる。 彼女は「綺麗なお姉さんにジャズを歌わせて一山当てようとレコード会社が画策してデビューしてくるヴォーカリスト」とはちょっと違うようだ。これでシングルの大ヒットに恵まれようなことがあれば日本を代表する女性ヴァーカリストに成長することだろう。 低音が美しい彼女の声は日本語で歌われるとゾクゾクするほどのリアリティがあり聴く者の心を捉えるが、 英語で唄ってくれると私のようにヒアリングがダメな者には言葉の内容が直接伝わらないので、 逆に極上のイージーリスニング(もちろん良い意味での)になる。そのあたりを考えてアルバムを作れば面白いかも知れない。

tributo to Close to the Edge (aslan) 2000 カヴァー

現在は活動を休止してしまったイエスのトリビュートバンド。ジャケットは見ての通り「危機」そのもの。 ジャケ裏側も各人がコピー元のメンバーを真似たポーズで写真に入るなど、ファンもここまで来ると凄い。 内容はClose to the Edge(Yes)And You And I(Yes) Siberian Khatru(Yes)とボーナス2曲(これは内緒にしておく)。いずれも完コピ。 イエスのコピーとなるとまずネックになるのがジョン・アンダーソンのヴォーカルだ。あの声はその辺の男には出ない。 声域的には女性を起用した方が早い位だが、それではイエスにならない・・・。これは難題。アスランも コーラスワークも含めて苦労しているが、かなり健闘してると云ってもいいじゃないかと思う。 彼らは無謀にも?自分達の音源をイエスのメンバーに送付したところ、なんとジョンがメールで直接アドヴァイスをくれた そうだ。まあ、ここまでやればコピーされた本人も嬉しいだろう。イエスへの「愛」に溢れた演奏だ。 イエスファンである私も応援こそすれ批判することはない。 しかし、コピーバンドってのはそれ以上の発展性がなかなかないもの。 長い眼で見れば活動休止はある意味必然だったのかも知れない。

Works (Dokaka) 2004 カヴァー

いつCDが出るのかと待ち続けているがなかなか出ないので載せてしまうことにする。 Dokakaとは昨今注目のヒューマン・ビート・ボクサー。 人間の発声だけでリアルな演奏を繰り広げるヒューマン・ビート・ボックスの第一人者は ヒップホップバンドTheRootsに在籍したRhazelらしいが、 その彼と2004年あのビョーク(アテネ五輪でも歌ってたアイスランドの歌手)のアルバムに 突然参加してしまった日本人がこのDokakaだ。ビョークがオファーするきっかけになった彼の WebSiteでは50曲を超える彼の作品を聴くことが出来るが、その内容が興味深い。 ゲームミュージックやテレビの主題歌、有名ロック曲のカヴァーの中に混ざって、 21st Centry Schizoid Man ( King Crimson ) Lark's Tounques in Aspic Part II(KING CRIMSON)Fracture (King Crimson)Sora ni Hikaru (Kenso)Tarkus(Emerson,Lake&Palmer) などの曲がズラリ。 いずれも呆れるほどよく出来ている。タルカスなどは27分もある大曲だが、口だけで完コピ(途中でエピタフが入るからライヴ・ヴァージョンだね)。クリムゾンの曲の出来はそれ以上。口だけで演ってるにも関わらず長い曲も最後まで聴きとおせてしまうのは、やはりヒューマン?だからだろう。それにしてもケンソーの曲が入っているのは只者ではないと思い、彼のインタビューを探して読んでみると やはりかなりのプログレファンだったようだ。アレアが好きでデメトリオ・ストラトスには影響を受けたと語っているし、 バンドでドラムを叩いていたときのヒーローはカール・パーマーだったとも・・・。 子供の頃は鉄道オタクだったようで、WebSiteには「池上線」などというオリジナル曲もある。 また、ゲームもかなり好きだったようで"The Boss Theme of Romancing Saga"や"The Theme of Sofmap"なんて曲も。 彼がアレンジした「ゼビウス一千万点への道?」という曲が既に着信ソングとして配信されたりもしている。 オタク系ヒューマン・ビート・ボクサーと勝手に名付けてしまったが、彼のWebSiteを制作しているのは モデルをしている美人のガールフレンド。ただのオタクではなさそうだ。

Covers(Fayray) 2005 カヴァー

J−POPではまたぞろ綺麗なネエちゃんがジジイなプロデューサーの趣味で昔の歌を歌わされているのかいなと思いきや、コレは違うらしい。某所の紹介では彼女自身の音楽的ルーツに沿ったカヴァー集とある。でもまあ、Cat Stevens 、Neil Young 、P.J.Harvey など、30歳の女性にしてはやや選曲が渋過ぎる気もする。幼少期は米国東海岸で過ごしたらしいし、このアルバムもニューヨークでショーン・レノン一派と録音したそうだから、たぶんホンモノなのだろう。ぷろぐれな選曲は、Moon Child ( King Crimson ) 。他のカヴァーの渋さと比較するとクリムゾンが普通に思えるから怖い。通好みで選べばCadence and Cascadeあたりをやって欲しかったかも・・・。自分の記憶違いでなければFayrayって吉本の芸人さんと楽しそうにテレビに出ていた人と同じだと思うのだが、ここまで玄人好みの音楽をやってる人だとは知らなかった。試聴した限りでは他のアルバムも6〜70年代の洋楽ポップなアレンジで面白いし、驚いたことに新作では美空ひばりさんの「愛燦燦」まで歌ってるではないか。ん〜なんかミュージックマガジンに媚びてないか? ・・・でも、これからも期待される人である。

人間ってそんなものね (Kokia) 2002 カヴァー

亜紀子という本名でkokia。もしかしてこれはズージャのノリ? 彼女の歌は映画の主題歌やCMソングになったり、NHKみんなのうたに採用されたり、と、けっこう有名な人らしいのだが、私は全然知らなかった。アテネ五輪日本選手団応援ソングにまでなっていたとは・・・。たぶんどこかで聴いていたのだとは思う。プロフィールによると桐朋学園声楽科でオペラを専攻したとある。プログレなカヴァーは、 Moonlight Shadow ( Mike Oldfield ) 。アレンジはちょっと前の今風。歌い方もポップで声楽科風ではない。きっと基礎は完璧なんだろう。でも、ここまで崩してしまうと、優等生が煙草蒸かしてるみたいで私は嫌いだ。洋楽のバックボーンのようなものが乏しいのも気になる。優等生は優等生らしく3オクタープヴォイスでチュブラーベルズのスキャット?でも歌っていて欲しい。こういうアレンジ、こういう歌い方でないと最近は売れないのかもね。聴く側が努力すれば、ここまで音粒を整理しなくても音楽になるはずなのにな。しっとりとした美しい曲もなぜか騒々しく聴こえる。年寄りの幻聴?と言ってしまえばそれまでか・・・。ここまで悪く書くことは私にしては珍しい。まあ、実力のある人だから、もっと個性的な音楽をやって欲しいということだ。いくら高品質でも工場生産的な音楽はつまらない。

タルカス&展覧会の絵 (黒田亜樹) 2004 カヴァー

キース・エマーソンが絶賛しているらしいが、パーカッションがポコポコ鳴ってるピアソラ風のタルカスは、私にはどうも馴染めなかった。タルカスは突然変異によってタマゴから早発的な形質として生まれ、すべてをメチャクチャに破壊するんだゾ〜。ピアノが上手でもこんな沈痛でお芸術的な演奏じゃイヤだ。3000円叩いて新品CDを購入したのを一瞬悔やんだが、続く「展覧会の絵」には感激した。十分に元は取れた。こちらはELPのというわけではなく、ムソグルスキーのピアノ原曲版。女性らしい優しさに満ちた演奏をする一方でリズムが立っている。そこがプログレ好きにはとても心地よい。ピアノ版であろうがラヴェルのオケ版であろうが、キエフの大門で "They Were, Sent from to the Gates Ride the Tides of Fate" と叫ぶのがプログレファンの正しい聴き方。"Death is Laaaaaaaaaa----ife." ですよ。(笑) 彼女はピアソラに造詣の深い方らしい。どうせなら、ヒナステラのピアノ協奏曲第1番の第4楽章も収録して欲しかったな。

ピアノで弾き倒す 華麗なるロック・クラシックス(三柴理) 2003 カヴァー

リットーミュージックから出版されている筋肉少女帯の初代ピアニスト三柴江戸蔵こと三柴理(さとし)氏のCD付き譜面集。かつてアイドル並の人気を誇ったインディーズバンド筋肉少女帯が演ってた音楽はいわゆるプログレではなかったハズだが、実は大槻氏や内田氏は大のプログレ好きとしても有名だ。一方、三柴氏は国立音大卒。元来はクラシックな人で、プログレは筋少に加入してから内田氏に勧められて知ったらしい。ところがその後の活動をみる限り三柴氏こそがゴリゴリのプログレッシャー。この譜面集も「華麗なるロック・クラシックス」なんてタイトルが付いてるが、8曲中6曲がプログレじゃね〜か。(爆) いや実に結構。 Tarcus/Eruption ( EL&P ) I Talkd to Wind ( King Crimson ) Money ( Pink Floyd )Blade Runner - End titles ( Vangelis ) Red ( King Crimson )の6曲を、激しくピアノだけで弾き倒している。特にレッドは出色の出来。譜面集の付録にしておくのが勿体無いくらいだ。ここまで演るのなら、元筋少勢が集まって壮大なプログレッシブロック作品なんぞを創作して貰えればエエのになと思うが如何。

蛙のガリアルド(栗コーダーカルテット) 1997 カヴァー

リコーダーといえば教育用楽器という印象が強い。栗コーダーカルテットが根強い人気を保ち続けているのは、聴く者に幼少期のノスタルジックな安らぎをそこはかとなく与えるからだろう。事実、彼らはその手のCM音楽ではひっぱりだこで、遂には盲導犬の映画「クイール」のサウンドトラックにまで進出している。その栗コーダーカルテットが、1987年の発表した最初のアルバム「蛙のガリアルド」の2曲目で演奏しているのが、 Jerusalem ( EL&P ) 邦題は「聖地エルサレム」。この曲、元々は英国のヒューバート・バリーが作曲した賛美歌ような合唱曲。エルガーの「威風堂々」と並ぶ英国の国民的な楽曲だ。ELP版が発表された頃は、何で女学校で歌われているような曲をロックバンドが演奏するのかと辛辣な批評をするメディアもあったが、今聴けば、あらためてELPの巧みな編曲に感心する。プログレ特有のポンプなアレンジでグイグイと盛り上げている様はアドレナリンの分泌を盛んにし、気分を高揚させてくれる。で、その栗コーダーカルテットの「聖地エルサレム」は、バリーの原曲ではなく、なんとELP版のカヴァー。それもリコーダーのみの演奏。アレンジの大仰さとリコーダーの優しすぎる音質の不釣合いに思わず笑みがこぼれる。パロディだよねコレ? それがネライならそれはそれでいい。個人的にはリコーダーは好きな楽器だ。リュートやチェンバロと組んだりして演奏すれば気分は突然中世ヨーロッパ。教育楽器の印象など微塵もなくなり、上質な癒しの音楽に変貌してしまう。フォーカスの「リュートとリコダーのための小品」がそのものズバリ。そういうのが好きな人にお勧めなのが、オランダのアムステルダム・シンタグマ・ムジクム。現在は解散してしまったようだが、永年、古楽の普及に尽力した楽団だ。LPでなくCDで聴きたいのだが入手難。どこかにないかね〜。

タルカス 〜クラシック meets ロック(吉松隆) 2010 カヴァー

「タルカス 〜クラシック meets ロック」アトム・ハーツ・クラブな吉松隆氏が遂にタルカスをオケ版に編曲してしまった。東京フィルハーモニー交響楽団ともあろう人々がよくもまあこんなに下品な演奏をしたものだ。がはは。下品というのは賛辞、賛辞。お間違えのないように。でも、正直なところ下品に聴こえた。金管重視でクラシックではあまり使わない和音が炸裂するさまは、ぶっ壊れた映画ベンハーのサントラのようだ。もともとロックなのだから上品である必要は無い。「噴火」や「アクアタルカス」の激しさは、その下品さにおいて前衛? 指揮者藤岡幸夫氏が最後に嗚咽のような叫びをあげるところなども素晴らしい。コンサートマスターはモルゴーア・カルテットの荒井英治氏。嬉々として跳ねまくるヴァイオリンは楽しい。パーカッションが大健闘している。クラシックの演奏会なのにビートを感じた。最近は中学校の吹奏楽あたりでもパーカッションがグルーヴしてたりすることがある。生まれたときからビートのある音楽が巷に溢れる時代に育った若者は凄い。バンド演奏と比べるとオーケストラのリズムのキレの悪さは致命的だが、今回、それをあまり感じさせなかったのはこのパーカッションの頑張りがあったからだろう。かなり良く出来た編曲だとは思う。しかし、シンセサイザーにベースとドラム、3人だけの演奏の方がフルオーケストラよりも音の表情がずっと豊かだったりもする。この吉松タルカスを聴けば聴くほど、ELPのオリジナル版の優秀さを再認識することになるのではないか。

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