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ゴールドラッシュ

アテネ五輪は日本のメダルラッシュ。東京五輪の金16個を上回る勢いを誰が予想しただろうか。評論家はこの活躍を日本の社会情勢を結びつけたがるが、まあそれもあるだろう。新卒者が就職できない時代だ。昨今の日本の20代は少なくとも30代40代よりはハングリー精神はありそうだし、今回中国がやや不振なのは高度経済成長のせいだという指摘もある。実際、バブルの時代、メダルを獲得した選手は貴重な国民的ヒーローだったが、一方で「何を好んでそんなに苦労をするの?」って視線もあったような気もする。苦労せずとも食える時代(国)なんてそんなものだ。

でも実際的にはそうした精神的なことよりも、各競技団体が取り組んだ根本的な選手育成策が20年の時を経てようやく実を結んだってことではないのか。学生&実業団スポーツを根性根性で取り組み勝ち得たのが東京五輪の頃の日本のメダルだが、70年代後半あたりから国家的事業として英才教育を施す旧共産圏の選手育成策にはかなわず、メダルが取れなくなってしまった。その頃から日本はジュニアの育成に力を入れ始める。水泳、柔道、体操、いずれも小学校入学前から丁寧に選手を育てるようになった。ようやくその世代が成人。国も西ヶ丘にトレセンを作って支援した。ここには仕事で行ったことがあるが、トレセンっていうより研究所。旧共産圏でなくとも国家に出来ることはあるんだなと思わせる施設だ。

だからということではないが、今回チームスポーツが苦戦している。プロ野球選手が出てる野球は別として他の競技は期待されつつも爆発的な強さはない。やはり実業団スポーツの崩壊が響いているとしか云い様がない。そのあたりが今後の課題なのだろう。

あとこれは蛇足だが、今回の五輪、ジャッジが比較的公正。これも真っ向勝負で取り組む日本には追い風だ。・・・ってことは次の五輪はダメってことか。(藁

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