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袋叩き

6344d394.jpg明治生まれの高松宮妃(92)が逝去されたが、日本の総人口における明治生まれの人の割合は0.6%でしかないのはご存知だろうか。ちなみに大正生まれの割合は6.9%なので、併せても7%程度。戦前生まれの割合は25.9%。もはや総人口の4分の1になってしまった。これは平成13年のデータなので既に4分の1は切っているだろう。戦後生まれの最初の人々ってのはいわゆる団塊の世代(全共闘世代)。戦後教育を幼稚園から受けた最初の世代だ。彼らもそろそろ定年を迎えようとしている。彼らの上には戦前と戦後の教育を両方体験した世代、さらに上には戦前教育を受けたいわゆる昭和ヒトケタ世代がいるが、最近そのあたりの経営者が吊るし上げを食うケースが頻発している。今、ちょうど「NHKに言いたい!」なる番組が生放送され、エビジョンイルこと海老沢勝二会長(70)が識者視聴者に徹底的に糾弾されているが、今年は渡辺恒雄読売新聞社社長(78)や堤義明西武鉄道会長(70)あたりももえらくご苦労な年だったと思われる。この手のニュースを見ていると、「いよいよ昭和ヒトケタのメンタリティが世の中で通用しなくなってきているのかな?」と思わざるを得ない。具体的に言えば「権威を振り翳すことを当然と考えるやり方」ってのが通用しなくなってきているってことだ。昭和ヒトケタ世代にとって「権威」とは勲章であり、悪いこととは思わないどころか自慢すべきことなのだが、戦後世代、特に全共闘世代あたりにとっては「権威」は反抗すべきもの潰すものであって、むしろ「反権威」みたいな言葉が大好きだったりする。その後に続く我々の世代や若者も「何となく」反権威だったりするから、個人的には今年の流行語大賞だと思っている「たかが選手」などと言う言葉を発してしまおうものなら、戦後教育世代は過剰に反応し、マスコミ界のドンである御仁も思い切り袋叩きにあってしまった。海老沢会長といいナベツネといいマスコミのトップには権威を振り翳すヤな野郎が多いのだろうか。昭和フタケタのはずの日枝久民放連会長(67)までもがCMカット問題で糾弾される始末だ。この世代で権威を振り翳して上手くやっているのは石原慎太郎都知事(72)ぐらいか? むろん、昭和ヒトケタ世代には、野坂昭如(74)や殴られた大島渚(72)など自分が受けた戦前教育への疑問から徹底して反権威を貫いたような人も各界にはいる。でもそういう人に限って体が弱いようで、あんなに元気だったお二人も今や揃ってリハビリ中だ。あと10年もすれば頑固一徹なそれらの世代の人々が懐かしく思えるようになってしまうのかも知れない。

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